レコア・ロンド

登録日:2025/02/14 Fri 20:09:42
更新日:2025/04/29 Tue 23:57:23
所要時間:約 12 分で読めます






「エマ中尉わかってよ…男達は戦いばかりで、いつも女を道具に使うことしか思いつかない。…もしくは…女を辱めることしか知らないのよ…っ!」


「レコア・ロンド」は、宇宙世紀ガンダムシリーズの登場人物。
機動戦士Ζガンダム』に登場した地球連邦軍の女性士官であり、物語の重要人物の1人。

本編では主人公側として扱われた反地球連邦組織エゥーゴの一員として登場したものの、最終的にはシナリオ上にて倒すべき敵として描かれたティターンズ(ジュピトリス)に鞍替えして主人公カミーユ・ビダンクワトロ・バジーナの前に立ち塞がった。
主な呼称はレコアさん、レコア、レコア少尉。

CV:勝生真沙子


【人物】

初登場時の年齢は23歳。階級は少尉。

やや険しい顔つきと時々のキツい物言いこそ気になるものの、ショートカットの似合う長身(カミーユより少し大きい)で、細身ではあるがメリハリのあるスタイルで人目を惹きつける肉感的な美女。

『Zガンダム』では彼女に限った話ではないが、主な登場と活躍の時期は序盤と後半に偏っている。(なんなら敵になってからの方が出番が多い。)
エゥーゴにいた頃はあくまでも普通のパイロットであったが、よりにもよってティターンズに鞍替えした辺りから半端なれどニュータイプとして覚醒した模様。(後述の不安定さが目覚めを呼んだのだろう。)

元々は月面都市の出身。
7年前の一年戦争当時に戦火で両親を失い*1天涯孤独となってしまったことで、15歳にして生きる道としてジオンに抵抗するゲリラに参加せざるを得なくなった。
いつの時期からかは不明だが、その後に正式に連邦軍に入り軍人になったというバックボーンがある。

こうした経緯があったためか経歴的にも一見すると早くに自立して生きる道を切り拓いてきた大人の女性に見えるが、心の底では自分を受け入れてくれる誰かや、安心して帰れる家を求めていた。
実際、本質的には本当に欲しいものが世界的な情勢からも遥かに遠くにあることを理解しているが故に目先の代用品を求め続ける━━みたいな思考に陥っていたようで、敢えて危険な任務に志願することで生の実感を得ることを快感だと宣う(勘違いする)までになってしまっていた。
まだ精神的にも健全な頃には、そうした潜在的な欲求を叶えるためか無味乾燥な宇宙船の自室で植物を育てており、地球降下前にはエマに世話を頼んでいたのに、後半の何処かが壊れてしまってからは自ら鉢植えを処分しており、姿を消した時には小さなサボテンしか残していなかった。(サボテンの花言葉は枯れない愛、燃える心、温かい心、偉大…であり、何処となくクワトロ(シャア)との関係やレコアの良心を暗示させる。)

厳密にはコロニー生まれではないものの、一年戦争後に地球至上主義を掲げて地球連邦軍内にて勢力を増したティターンズには馴染めず(入れず?)にエゥーゴの一員となった模様。

……が、レコア本人には実のところエゥーゴに参加するに足る程の政治的思想も理想も持ち合わせられてはいなかったようである。
レコア本人は確りと善良だし正義感もある人間なのだが、当人が最もそれを信じることが出来なかったというか━━。

主人公カミーユがエゥーゴに迎え入れられた後には僅かな期間ながらも確かな親交を結んでいたものの、それから間もなくに自ら志願する形で降りるのさえ危険な地球へ降下━━エゥーゴによる連邦軍(ティターンズ)の本拠地であるジャブローへの侵攻作戦を前にした潜入作戦に挑む。
ここで、警戒に出ていた兵士に捕らえられそうになるも、奇しくも同じことをしようとしていた一年戦争当時のホワイトベースのクルーでジャーナリストのカイ・シデンに助けられることに。
済し崩し的に行動を共にしつつ潜入作戦を続行していたのだが、結局は揃って虜囚とされることになってしまった。
しかも、当の目標であるジャブローはティターンズの本拠地どころか引っ越し作業の真っ最中━━笑えねぇ。

その後、出資者ウォン・リーのゴリ押しでクワトロも渋々と応じたジャブロー侵攻の際には、上述の通りの理由で監禁されているだけで人質にすら使われずに放っておかれるというあんまりな扱いを受けていたのだが、レコアさんスキーなカミーユに意識を拾われてカイと共に助け出されることになる。*2

そして、この時にはこれまでとは違い生足を晒した艶めかしい格好になっているのだが、その後のカイとの会話にて「あんな辱めを受けて…」と発言。
━━アニメでは流石に踏み込んだ描写&あからさますぎる匂わせは出来ないためかカイの会話のトーンが中々のノンデリとなってしまっている感があるが、小説版では「あんたの体を傷物にしてしまった」と詫びており、どうやら拷問という名目でジャブローに居残りさせられるようなクズ兵士共に強姦されてしまった模様。
近藤版や『Define』、劇場版準拠の『カイ・シデンのレポートより』ではセーフだったようだが…。大体漫画作品だとセーフになる傾向がある。『Define』のレコアは割とそういう担当なのに(後述)
この後のカミーユとのやり取りでカイに気配りしつつ、そのことを悟られないように誘導するなど表面上は変わらない様子を見せていたものの、やっぱり“女”としてこの時の出来事は相当な屈辱とトラウマを植え付けられたようで、このことが中盤以降の再登場後のレコアの行動に於ける深層心理に仕掛けられた大きな時限爆弾となっていく。

特に、レコアとしては新たに仕切り直しとなる目標を定めてアーガマに戻った━━つもりでいたのだが、戻ってみると以前の自分のポジションにはティターンズから鞍替えした女(エマ・シーン)が収まっており、しかもレコアの個人的な事情を知らない&昔馴染みの気軽さからヘンケン中佐にプレゼントを頼まれるなど結構なノンデリ行動を取られている。
尚、当のエマとは当人達も思った以上の光と影の関係となっていき、かたや道を踏み誤る前に救われた上に戦争の暗い側面を直接には見ずに女としての幸せまで掴もうとしているエマと、正しい道に居たはずなのに力及ばずに自分が戦争の犠牲となり、己の中で最も大切にしていた女としての尊厳と自信を失ったレコアは正に対比的な存在となっていった。

挙げ句には、自分の新しい仕事にしようと思っていた新型MSメタスのパイロットの地位までも明らかな未熟者なのにシナリオ上で優遇せねばならないNTの可能性があるというだけで妙にユルい扱いを受けているファやカツ・コバヤシのせいで安定せず、*3
その不安定さの中で帰ってきたクワトロに救いを求めようとしたが、カミーユという“駒”を得てシャアとしての本性を現し始めた上にブレックス准将が退場してエゥーゴの舵取りを任されて忙しくなってしまっていたことで暇な時に寝てすら貰えなくなり……と、ますます居心地の悪さを感じることに。

そして、その後に新たな勢力として登場したアクシズにてハマーン・カーンの銃撃からクワトロ(シャア)を庇って負傷。
ハマーンへの怒りもあってか余裕が無くなっていた*4とはいえ、(事情を知らないとはいえ)シャアに近づく牝の匂いを感じていた所でそいつ(●●●)に傷つけられたのに、当の庇ってやった男には見舞いすらして貰えなかったということで本格的に病んでしまうことになる。

そして、その後の前線でアーガマを執拗に狙うようになっていたヤザン・ゲーブルに敗れて戦死━━したのかと思いきや実際には以前にも戦場で出会う中でシロッコとはまた別の意味で惹かれていたヤザンに自ら投降して進んで虜囚となっていただけであり、
様々な人間の力を利用しながらティターンズの実権を握るようになっていたパプテマス・シロッコに見込まれて彼の懐刀となる。ヤ、ヤザンフラグは……?(ありません)

尚、ティターンズに投降した後は当然のようにスパイであることを疑われていた。
強面だが公明正大で信念はありつつも自分の目で見たことは正しく判断してくれるガディ・キンゼーにはアレキサンドリアが(強く未練を残す)クワトロに狙われていることを悟って報せる形で信用を勝ち取ったものの、
差別主義者でシロッコの排除を考え始めたバスク・オムには言葉が通じず、屈服する形で番組前半にてティターンズ最大級の悪行とされていた行動の再来━━となる、サイド2に属する21バンチコロニーへの毒ガス注入作戦を指揮。
本人としてはギリギリまでエゥーゴが止めに来てくれることを願っていたのだが、結局は間に合わずに戦争犯罪人としての汚名を背負う。
しかし、これにより敢えて自らを後戻りの行かない状況まで追い込んだともいえ、最終決戦ではシロッコより与えられたパラス・アテネを駆りエゥーゴの前に立ち塞がった……ものの、この後に及んでカミーユにコロニーレーザーの存在を教えたりカツやファを助けるなど最後まで迷っている様子が窺え、これには攻撃を躊躇されて命を救われる形となったカミーユですら「勝手だよ」と口にしてしまう程だった。

そして、最終的には因縁のあるエマ・シーンに敗れる形で戦死。
しかし、この対決の中でいい加減にレコアに“何があったのか”を悟ったエマも余りのショックに迂闊にも外に出てしまったところで戦死になり━━と、対称的な二人の女の決着は相討ちのような形で終わった。
尚、この時には既にエマを強く想っていたヘンケンも戦死しており、事情を知らなかったとはいえ自分を当て馬に使ったこともあったちょっとKYなバカップルを道連れにしたとも言える展開ではあったものの、ラストではカミーユに力を貸す宇宙の意思(魂)の一人としてエマと共に登場している。

━━このように、劇中に於いては基本的に同情すべき存在として描かれているのだが、同作の様々な人物や勢力の思惑が絡みまくる構成と展開の中で、最後の最後まで個人の在り方にこだわったような行動を示したことは多く批判されている。
というか、意図的に殆どの登場人物でいい面も悪い面も描かれているので見る人間によって印象や考察が変わるというか。
一方、フィクションとはいえ大量虐殺を実行した人間であるということを「笑えない」として、本気で嫌悪する層もやっぱり存在する。

━━何れにしても『Zガンダム』という、ファーストとは違い、大局を追いかけていくのではなく“小さな争い”を繰り返して描くスタイルもあってか、ただでさえ複雑な構成となってしまった物語を更に複雑にしていった一人というのは間違いない。


【主人公二人との関係】

その美貌と面倒見の良さから思春期のカミーユにとっては出会って間もなくにして憧れのお姉さんとなっていたものの、
劇中の経緯からカミーユのレコアに対しての淡い希望や妄想は叶えられる余地もなく潰えたどころか、思春期であるが故に他人事ながらカミーユのナイーブすぎる心から彼の中に結構なトラウマを植え付けることに。地球降下前のレコアを見送りに行ったときの視線の動きはなんだ視線の動きは。
更には、その憧れていた相手が最終的には“女”という性を拗らせたような極めて個人的な理由から自分の敵に回ったということで、間違いなく後のカミーユの精神崩壊の原因の一つとなってしまった。
つまりは、マチルダさんやセイラさんのポジかと思ってたらララァやハモンさんとかイセリナも混ざってたというか……。
しかも、今度は割と本気でレコアが支えて欲しいと思った頃には、カミーユはエマに照れつつもリアルな彼女候補としてファと幼馴染の関係をやり直しており、そのことは繊細なレコアにも解ってしまい……と、結局は出会った直後が最も関係が近かった。*5

そして、エゥーゴでの同僚であるクワトロ・バジーナことシャア・アズナブルとは正体を知った上で一応は恋仲であったようなのだが、
どちらかと言えばお互いに明確に恋愛感情の伴う相互に理解と譲歩を深めていく関係ではなく、所詮は近場で独り寝の寂しさを紛らわせた関係であったようである。
このことは、後の劇場版(新訳『Z』)でも富野御大のインタビューで振り返られており、明確に名前こそ出されていないものの、
「ある人は、劇場版『Zガンダム』を見た後に猛烈にセックスしたくなったそうです。
今回、シャアと女性兵士の“大人の関係”を暗示させるようなシーンがあるんですが、それを見ていてもわかりますよ。ああ、こいつら5~6回は寝てるな、と」
……と、なんぼ『週刊プレイボーイ』の取材とはいえ、かなりぶっちゃけたことを言われている。
流石に、一応は年少向けの側面も持つTV版ではキスシーンや、エマに「そういう関係?」と言わせるに留まっているが、上述の劇場版では副題の“恋人達”の中の一組として扱われている。クワトロ×レコアもだがアムロ×ベルトーチカといい何処か不健全な印象が拭えない。
なお、『Difine』だとシャアとの濡れ湯シーンが結構ある

さて、ある意味では落ちぶれてしまった状態だったとはいえ、イケメンで(背も高いし)有能で知名度もあるシャアなら肉体関係から始まってしまった仲だったとはいえ自分の将来の伴侶としては十分……とレコアの側では思っていたのかもしれないが、そんな個人的な期待は激化する戦場の様相と新たな人間が加わっていったことで見込みがなくなっていくことに……いや、レコアが頑張ってシャアを支え続けていれば、いつかはパートナーとして認めてくれていたのかもしれないが、そうしたチャンスを自分から壊しに行ってしまった面もある。
とにかく、このシャアとの関係についてはに「煮え切らない」とか「どっちもどっち」とか、意図的な演出、脚本の方針ではあろうが、ともかくネタ的なものも含めて様々な意見が飛び交うような関係となっている。
後に、エゥーゴを離脱してティターンズとして現れた際には全ての責任がシャアにあるように言っているが、実のところは当人の中にも自分がエゥーゴに残れる(シャアの傍らに立てる)と思えるだけの自信が無かったというのが正直な所であろう。

尚、レコアは知ることはなかったがシャアはシャアなりに彼女が戦死したと聞いて落ち込んでおり、無人となった彼女の部屋を訪れて沈んでいたところをカミーユに殴られ、かの迷言「サボテンが…花をつけている」を繰り出している。*6

何れにせよ、序盤で近くに居た抱いてもらっていた時には割とサバサバしているような雰囲気だったのだが、シャアがアーガマに帰還した後からうざ絡みするようになり、敵となってしまって(●●●●●●●)からは、ヒステリックに叫び散らかしている。
こうした描写からも、やっぱり本心では女(伴侶)として受け止めて欲しかったようである。

小説版では後述の様にカミーユのエゥーゴ参入時に脱走しようとしたカミーユの父・フランクリンを勢い余って殺してしまう。
カミーユは「レコアさんは悪くない、親父の方に非が有る」と寧ろレコアを気遣っていたのだが、却ってレコアの罪悪感を刺激してしまい、ジャブロー潜入への志願と其処での拷問・凌辱に繋がる。
しかし、罪悪感に縋る形で拷問と凌辱に耐え切る事が出来た上に、後々まで引きずる事も無かったので、カミーユやシャアとの関係は最後まで良好なままだった。



【シロッコとの関係】

TV版ではジュピトリスへの潜入任務の際にカミーユやクワトロが噂にしていた本人を目撃して強く惹かれることとなる。
シロッコもまたレコアがスパイだと見抜きはしていたがビンタまでしているのに見逃しており、
マウアー・ファラオには振られていたためか後に投降してきた後にはレコアの求めるものを悟っていたようで、サラとは別の意味で不安定さがある彼女を自身の腹心とすることになる。
しかし、サラにしろレコアにしろ(自分以外の男達に惹かれている)その不安定さがシロッコ自身の破滅の要因となっているのが何とも……。(明らかに本命はグラサンの人の方だし。)

レコア自身もいい加減に男(ここではシロッコ)が自分の力か体にしか興味がないと理解していたものの、流石に覚悟を決めて(というか全てを諦めて)シロッコの為に働くことを受け入れていた。

【小説版】

小説版では、後半の出番が削られている。とはいえ、他媒体では自分の居場所を求めようとしたばっかりにわざわざ自分も知っているはずの外道組織に鞍替えしその手を血で染める羽目になり満たされぬまま命を散らしたことを考慮すると、裏切って業を背負わずに済んだだけでなく生き残っている可能性もわずかながらあるこちらの方が救いはあるといえる。

ジャブロー降下前にリック・ディアスを奪取しようとするカミーユの父フランクリンを射殺したのはレコアとなっており、
それから間もなくジャブローへの潜入作戦にて辱めを受けたことについては“報い”として受け止めている。

それでもしばらくは男性恐怖症を患っていたようだが、ジャブロー攻略戦に参加したパイロットの大半を宇宙に打ち上げようとしていた基地にロザミアを加えたティターンズ寄りの連邦軍が襲撃してきた際、隣のモブ男性が思わず彼女の手を握ってきたときに彼が恐怖で震えているのに気付いて手を振り払うのを我慢した結果、無事打ち上げに成功して彼女自身も男性恐怖症の克服に成功。

以降はカミーユとファが食堂で痴話げんかしているのをブライトとともに談笑しながら見守るなどアーガマのクルーとも引き続き差し支えなく交流できていた。

そして、カミーユとクワトロとアポリー*7がダカールの演説作戦を成功させ宇宙に上がった辺りでアーガマから配属換えとなり物語自体からフェードアウト。
よって、エゥーゴを裏切る展開自体が無くなっている。

尚、上記のブライトとの会話の際に「クワトロ大尉には大切な妹がいる」といっていることから、TV版や劇場版と異なりクワトロと軽く付き合うのはいいが深く依存するとかえって齟齬を生じてしまうと心得ていた模様。

上記の通り他の媒体と比べてマシな形でフェードアウトした小説版レコアだが、このことは終盤の他のキャラクターの顛末に少なからず影響を与えている。
  • サラ・ザビアロフ:レコアがシロッコの配下にならなかったためプライベートでも水入らずでシロッコと交流できるようになり、最終的にサラはカツをふってシロッコを選んでいる。
  • カツ・コバヤシ:サラに振られて自暴自棄気味に最終決戦に参加し、サラよりも先に交通事故無しで戦死。
  • エマ・シーン:女としてレコアと敵対する展開が丸々なくなり小説版仕様のジ・Oのメガ粒子砲の弾幕で機体とともに致命傷を負う。
  • パプテマス・シロッコ:そのジ・Oでカミーユが操縦するZガンダムの左腕を破壊するなどまるで歯が立たないほど圧倒したが、女たちの亡霊補正無しの超常現象で機体の制御を潰されコロニーレーザーの入り口に漂着してしまい照射で消滅。

【外部出演】

『Ζガンダム』の参戦回数が非常に多いスーパーロボット大戦シリーズでも出番はあまりない、というかカツ以下の回数で、いる方が珍しい印象。
初登場は早く『第2次スーパーロボット大戦』だが、サラと共に最初からDC所属でシロッコ配下。とは言えエマやカツはそもそも出ない作品なので、優遇と言えば優遇だろう。
『第3次』では前作のDC所属の経歴は無かったことになり連邦軍第8艦隊の生き残りとして初登場。(第2次のリメイク『第2次G』では未登場、『DD』の第3次リメイクシナリオ「第3次スーパーロボット大戦ANOTHER」では、元DCだったが連邦軍に転向したと語られることで整合性を取っている。)
原作準拠の流れが再現され、進め方によっては敵に寝返りそのまま戦死するが、何事もなくプレイヤー部隊に居続ける展開もある。数字はともかく精神コマンドが割と良く、MAP兵器適性が高いので案外使いやすい。
これがユニットとしては一番良かった時で、PS版『第3次』では「幸運」が「努力」に差し換えで魅力が落ち、『スーパーロボット大戦α』ではザビーネ・シャルよろしく、止める手立てなく敵に回っておしまい。
スーパーロボット大戦Z』でもやはり敵に回るが、セツコルートなら離脱前の出番もそれなりに恵まれており、また帰参する説得展開もルート限定で可能。ただし、最後の最後で撃墜するとアウト。久々に最後まで使える上、サラ加入も完全にセットなのが珍しい。
しかし編成に割ける宇宙世紀キャラ枠も厳しくなっており、小隊制とは言え戦力的には普通に厳しめ。サラとは異なり、貴重な要素も特に持ち合わせていない。また、自軍内でもトゲトゲした口喧嘩が売り(?)の作品なので、そのいい標的にもされてしまう。ランドルートでは帰ってこず、Zシリーズのその後にも姿を見せないので、いずれにせよ帰ってこなかった流れと思わざるを得ない。*8
総じてクワトロにもハマーンほど構ってはもらえないし、人気の地合いの差がちょっと……かなり現れてしまっている扱いかもしれない。
ヘタするとシャアと恋愛関係って事もよくわからず逆恨みしてくる女に見える可能性すらある…。
ただ、スパロボでは「ジャブローの嵐」が一度も再現されていないのでその点は救いではある…が、そのせいで、病むフラグが割と折れたのに結局裏切る風見博士みたいなポジになってしまっている

Gジェネシリーズでは、原作再現の流れから大体中盤までは友軍にいるが、終盤では敵として立ち塞がる。能力は低くはないものの、流石にヤザンやシロッコなどのエースパイロットには見劣りする。
if展開の多い『DS』でもそれは変わらず、宇宙世紀ルートで味方として参戦するが最終的には敵対し必ず戦死するという哀しい立ち位置。
条件を満たせばエマとの相討ちイベントも再現可能だが、自軍の戦力低下に繋がることとカミーユのハイパー化フラグの都合から、慣れたプレイヤーはイベントを起こさず撃破するのが鉄則となっている。

VSシリーズでは『エゥーゴvsティターンズ』からパイロットとして参戦。きちんとエゥーゴ・ティターンズの両方のパイロットスーツ姿が収録されている。
原作の乗機は、当初はメタスとメッサーラ(とゲルググ)しかなかったが、DXにてパラス・アテネが追加された。
EXVSシリーズでは、後に追加されたジ・Oのアシスト武装と言う形でパラス・アテネが参戦しているほか、パラス・アテネはNPC機体としても登場することがあり、そちらでレコアのボイスが聴けることもある。
しかし、本シリーズでは未だにプレイアブル機のパイロットとして参戦したことはない。ファやサラは『VERSUS』にてプレイアブル参戦しているのだが…。


【余談】


  • カミーユにとってのマチルダ的な存在というのは割と有名な話なのだが、その割には出典先か不明瞭だったりする。
    一説には、番組開始前の模型雑誌の記事に載ってたとのことなのだが、ライターが番組開始前のキャラクター紹介の立ち位置から想像したものとかなのだろうか?

  • 近藤和久氏による漫画版『機動戦士Ζガンダム』ではクワトロとの恋愛関係は完全にカットされており、上記の通りジャブローでも辱められる事無く救出されるのだが…*9
    • 終盤になってティターンズに捕獲された後にシロッコに口説き落とされてしまい、何の伏線もなく突如エゥーゴを裏切る。なお、シロッコに口説き落とされた場面ではレコアの目からはハイライトが消えており洗脳されたようにも見えなくもない
      ちなみに近藤版ではサラがシロッコとは無関係なので、サラのポジションも兼任しており、結果的に小説版と真逆の扱いになっている。
      その後最終決戦にシロッコと共に参加するが、レコアが裏切った事はカミーユ以外には知られる事がなく、エマの攻撃からシロッコを庇ってレコアだと認識されないままトドメを刺される事になる。
      …が、この結果レコアの死に激怒したシロッコにより文字通りエマが蜂の巣にされてしまうので、どう見ても洗脳染みた展開だったが近藤版ではシロッコも本心からレコアを大切にしていた模様。

  • 演ずる勝生氏は後に『SEED ASTRAY』にて、作中随一の女傑ロンド・ミナ・サハクを担当。レコア・ロンド・ミナ・サハク
    さらに彼女の双子の弟ロンド・ギナはカミーユ役を演じた飛田氏が、その弟を殺した傭兵叢雲劾をジェリド役を演じた井上氏が担当していたりと、何かとΖガンダム関係のキャスティングが目立っている。


「エマ中尉わかってよ…男達は記事を立てるばかりで、いつも女を追記修正に使うことしか思いつかない。…もしくは…女をゴーストライターにして辱めることしか知らないのよ…っ!」

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最終更新:2025年04月29日 23:57

*1 離れ離れになった程度に留めた説明もあるが、生きている可能性は無い模様。

*2 この時に近くにいたクワトロが全く気づいていないことをネタにされたり考察されるが、クワトロ期のシャアは最弱期だから━━というより、前線指揮官として多方面に気を配らなければならない上に腐った連邦が残されたものとはいえ地球上で自分達を道連れにする程度の理由で核を使おうとしていたことに内心ではブチギレていたのだろう。

*3 といってもパイロット候補生を志望したのはファと同時期であるため訓練や勉強量の条件は同等、カツに至っては父親の関係で旧型MSの経験があるためにわずかなセンスの差でも負けてしまうというのはありうる。

*4 このシャア・アズナブルという男、恐ろしいことに激怒程度では他人には悟らせない変人である。

*5 この頃になるとカミーユもすっかりと言動が一端の軍人化しておりレコアが嫌う“男”となっていた。

*6 唐突すぎて色々と考察されるネタ要素だが、関係が続いていればいつかは子を持てたかも……という可能性まで想像させる演出だったとの説も……御大はフロイトかいな。(割と本気であると思います)

*7 TV版とは違いキリマンジャロに百式を送り届けるためにカミーユと一緒に降下していた。

*8 というかカツがサラの説得に失敗しているらしき発言をしているので、成功しないと帰ってこないレコアも帰ってきていない事になる。

*9 なお、レコアの無事を知ったクワトロが「よくも!」と物凄く嬉しそうな顔をしており、内心レコアの安否を心配していた事がわかる。