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タンクフォース - (2019/04/01 (月) 13:27:16) の1つ前との変更点
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*タンクフォース
【たんくふぉーす】
|ジャンル|シューティング|~|
|対応機種|アーケード(システムI)|~|
|発売・開発元|ナムコ|~|
|稼動開始日|1991年|~|
|プレイ人数|1~2人((海外では日本国内版に無い最大4人同時プレイ可能なバージョンあり))|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br()※バーチャルコンソール版より付加|~|
|配信|バーチャルコンソールアーケード&br()【Wii】2009年11月10日/800Wiiポイント|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|バトルシティーのアレンジ&br()ミリタリー色濃厚な作風&br()幻の4人同時プレイ版&br()システムI基板の最終作|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
アーケードの『タンクバタリアン』、ファミリーコンピュータの『バトルシティー』に続く、固定画面で戦車が戦うシリーズの正統後継作。~
『バトルシティー』の2人同時プレイを受け継ぎ、アイテムや新たな敵・ギミックなどの要素を盛り込み大幅にパワーアップした内容となっている。~
また、本作は『[[妖怪道中記]]』を第1弾として数多くの名作を輩出した基板「システムI」の最後のゲームである。
**ゲームシステム
-基本システムは『バトルシティー』と同じく、1レバー(4方向)1ボタンを使用する固定画面式の見下ろし型シューティング。自機となるマイタンク(1P側:赤色 2P側:青色)を操作して、敵戦車や兵器を全て撃破するのが目的。詳細は後述するが基本は残機制であり、全36ラウンド構成。
--敵味方の弾が「幅2マス分の敵機着弾判定と地形着弾判定」を持っている点と、敵の攻撃がプレイヤー側の攻撃で例外なく相殺可能という点は、過去作の基本システムからそのまま継承している。
---ただし「1マスずれた状態で正面から撃ち合う」場合は、地形による遮蔽がない限りは双方の弾の相殺が発生せずに素通り、双方の機体側面に命中してしまう仕様もそのまま継承している。
--敵を全滅させるとラウンドクリア。ラウンド内での残りの敵数は画面右側に表示される。
---敵は画面上方・左右の数カ所から現れる。該当する場所はラウンドごとに決まっている。
--各ラウンドにはマイタンク・敵戦車双方の砲弾で破壊できる「壁」がそこかしこに存在し、時に破壊して道を開いたり、時には盾にして敵の攻撃を防いだりする。
---破壊不能の壁や、弾は通るが戦車は通過できない水場、数発撃ち込むと周りの敵を巻き込んで大爆発するガスタンクなど、通常の壁以外のフィーチャーもある。
--4ラウンド毎に、通常の敵戦車とは扱いが異なるボスキャラである巨大兵器が登場。このボスキャラも敵カウントに含まれるため、破壊する必要がある。
--ループ制だった『バトルシティー』とは異なり、本作は全36ラウンドをクリアするとエンディングを迎え、ゲーム終了となる。
--2人同時プレイでは相方のマイタンクにもこちらが撃ったショットが当たる。『バトルシティー』では「誤射された側が一定時間動けなくなる」という重大なペナルティがあったが、本作では「誤射された側が該当方向に少し弾かれる」だけで済むようになった。
---チームワーク次第ではそのペナルティを逆手に取って「長い直線で相方を通常より素早く移動させる」などの高等テクニックにも応用可能。
-ゲームオーバーとなる条件は2つ。「残機が無い状態で自機を破壊される」か、「マップ最下部中央にあるプレイヤー陣営の司令部に敵の攻撃が直撃する」か、いずれかが発生した時点でゲームオーバーとなる。
--プレイヤー陣営の司令部は標準的な耐久力の壁に囲まれる形で設置されている。
--『タンクバタリアン』や『バトルシティー』では司令部とそれを囲む壁は自機の攻撃でも破壊できてしまい、「司令部を誤射してゲームオーバーになってしまう」こともあったが、本作では「司令部周辺の壁も司令部そのものも自機の弾が効かない」という変更が行われており、誤射を心配する必要は無い。
-敵を破壊すると時折アイテムが出現し、回収することで自機を強化したり、特殊効果を得たりすることができる。
--本作では、時間制限付きで自機の性能が大きく変化し、特殊なショットを撃てる・移動速度と砲弾の速度が上がる等の効果がある変身アイテムが追加されている。
#region(特殊タンク化アイテム)
-''ツインショット''
--ショットが単発になる代わりに2連装化する。
---外見に反し、ツインショットの判定が「幅2マス分の弾が2発固まった状態で飛んでいく」というものであることには注意。
-''ハイパーショット''
--通常ショット3発分の威力を持つショットを高速で発射する。頑丈な敵タンクも一撃で破壊可能で、耐久力が低い敵タンクや壁をいくつかまとめて破壊する半貫通効果もある。
---過去作『ブレイザー』のセルフオマージュ変身。
-''4方向ショット''
--上下左右4方向へショットを同時発射するようになる。ツインショットと同じく単発。
---過去作『ブレイザー』のセルフオマージュ変身。
-''パラボラレーザー''
--壁や地形をすり抜けるレーザー。威力は通常ショット3発分。ショットの性質の関係上、地形を一切破壊できなくなる。
---なお、敵弾の相殺は可能である。
-''スモール''
--プレイヤーが小さくなり、移動速度とショット弾速が上がる。ショットの連射数や性質は、通常状態に準じる。
---スモールの効果時間中にパワーアップを回収できた場合はスモール状態に即時適用される他、通常状態にも反映される。
#endregion
#region(それ以外のアイテム)
-''パワーアップ''
--1個回収する度に、マイタンクのショットが強化される。3個回収した4段階目が最強状態であり、ミスするまで有効。本作では2段階目でショットを2連射可能になる。((『バトルシティー』では3段階目まで強化させる必要があった。))
---通常では破壊できないグレーの四角い壁は、最強状態になると破壊可能になる。
-''爆撃機''
--『バトルシティー』での「手榴弾」に相当するアイテム。上空から黄土色の味方爆撃機が爆撃を行い、画面内の敵を一掃する。
-''タンク''
--残機が1つ増加する。本作では残機を増やす手段はこれのみ。
-''ボーナス''
--スコアが加算される。500、1000、2000、3000の4種類で司令部から遠いほど高いスコアになる。((例外として最奥2列は500点))
-''防弾壁''
--一定時間、司令部周辺の壁が敵の攻撃を防ぐ防弾壁に変化。回収する前に敵の攻撃で壁が破壊されていた場合は、同時に修復も行われる。
--この「防弾壁」と下記の「時計」、「盾」は併用可能。
---ちなみにこの防弾壁のグラフィックは最強状態のショットで破壊可能なものと同じだが、プレイヤー側が誤射しても効かないので心配無用。
-''時計''
--一定時間、画面内の敵の動きが止まる。本作では専用のBGMがついた。
-''盾''
--一定時間、マイタンクにバリアが展開されて無敵化する。重ね取りも可能だが、そのラウンドをクリアすると効果が消滅する。
---同社『ドラゴンスピリット』のセルフオマージュ。バリアが切れかけのグラフィックになるとあっという間にバリアが切れる、という表示時間配分も元ネタと同じ。
#endregion
-ラウンドを開始して一定時間を過ぎると永久パターン防止対策として黒い爆撃機が上空を横切り、マップ全体へ爆撃を行う。この爆撃は自機まで巻き込むものになっている上に自機も回避不能、バリアや無敵時間も無効、という画面全体攻撃であり「出現=ミス」となる。
--幸いにも黒い爆撃機の無差別爆撃の爆風ではプレイヤー陣営司令部は損害を受けない為、残機があるならばゲームオーバーの憂き目は免れる。あくまで自機が倒されるタイムオーバーの扱い。
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**評価点
-これまで通り初心者の手に届きやすいゲームシステムとゲームバランス。
--『バトルシティー』の経験者のみならず、新規層やゲームそのものをやりなれていない人でも敵の出現やアイテムの場所を把握しやすい作りになっている。
--司令部をプレイヤーのミスで破壊されなくなった事で、安心感が高まった。
--アイテムと敵の種類が増えた事でより戦術に深みが増した。
-グラフィックの進化により壁の模様が豊富になった。
--「バトルシティー」ではレンガのみの味気のない世界観だったが、町や戦場、工場、ジャングル等背景表現が豊かになった。各地の戦場を転戦しているという雰囲気作りに大きく貢献している。
-バリエーションと戦略性が増えたフィールド
--単純なブロックだけではなくなったこともあり、フィールドの戦略性はかなり上がっている。
--基本的には穴を掘って待ち伏せが安定。しかしそれを続けると敵に司令部まで掘られかねない。どこに穴を開け、通路を作り、射程を通し、救援も容易にしておくか。などなどの戦略性がある。壊せば壊すほど動きやすく射程も通るが、その分敵を阻止しにくくなる。これらも人によって変わるだけの幅がある。
--とあるラウンドで特定の壁を壊すと隠れていた[[パックマン]]やNAMCOの文字、『ディグダグ』のプーカァが現れる。
-敵もバリエーションが大幅に増した
--本作では「自機と同じような攻撃手段を持った標準的な敵車」以外の敵も多く登場するようになった為、面白みが増している。そういった意味ではゲームシステム上、無理なく戦略・戦術の幅が広がっている。
--基本的には「強力な攻撃を繰り出す敵」や「耐久力の高い敵」ほど鈍重、もしくは気まぐれではなく読みやすいアルゴリズムで動くため、理不尽さは無い。
---「大型の戦車が相殺に2発必要な巨大弾を撃ってくる」点や「自機がフルパワーでも相殺しきれない数の弾を一気に撃つ敵」の存在がある為、相殺システムの防御性能が前提の「後の先」の戦法は、場合によっては有効ではない。前作や前々作でのセオリーから離れ、積極的に前に出て大火力の敵の側面を突きにいく必要もある。
---本作では直接弾を撃たない間接攻撃型の敵も登場。該当するのはジープ型の敵で、「一定時間後に爆発し、爆発地点を中心に近隣マスに攻撃判定が発生する」性質を持つダイナマイトを設置する。この攻撃については「爆発した瞬間のダイナマイトに自機の弾が重なっていると相殺が成立する」という特殊な扱いであり、相殺自体が上級テクニックとなっている。
---また、少数のみではあるが非常に巨大な砲塔を持つ敵も登場。「弾単体は幅2マス分だが武装が合計幅3マス以上に及ぶ水平3連装砲」という、本作のゲームシステム上とても強力な攻撃手段を持っている。該当する敵の攻撃は「幅2マスのトンネル状の地形」の中から隠れるように撃たない限り、たとえ真正面の分を相殺しても自機側面を撃ち抜かれてしまうものとなっている。
-「John」こと相原隆行氏による良質なBGM
--ナムコで戦車ものといえば本作の前に凄惨なストーリーと演出が一部で有名な『ブレイザー』があったが、あちらの悲壮感すら感じる曲の雰囲気とは方向性が違い、多くの曲が「勇壮な行進曲」といった雰囲気のもので占められている。
---最序盤・中盤・最終盤と最も多くのラウンドで流れる、軍歌・マーチを意識したBGM「TANK FORCE MARCH」。曲名どおり本作のテーマにマッチしており評価が高い。
---『バトルシティー』のスタートBGMをイントロに盛り込んだファンサービス的な曲「バトルシティ'92」も、本作の雰囲気に溶け込んでおり違和感は全く無い。
---最終面であるラウンド36で流れる「EVIL FORTRESS」は、行進曲風から外れた非常に激しい曲である。ラスボスが『タンクフォース』のゲームバランスの基準では到底考えられないほど激しい攻撃を繰り出してくる点との相乗効果で、ナムコ戦車ゲーム史上初のラスボス戦BGMにふさわしい一曲となっている。
---エンディングBGMの「THE ETERNAL TWILIGHT」は、とてもしんみりした曲。エンディングの風景と併せて、ぜひその目で確かめながら聴いてみてほしい。
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**賛否両論点
-ゲームシステムが非常にシンプルであるため演出もシンプルで地味。
--いかんせん固定画面のゲーム、また既に時代遅れになりつつあったシステムI基板ということで、演出もとてもシンプルで地味であった。固定画面、また主人公も敵も小さいキャラであり、地味な印象は拭えない。ラスボスも例外ではない。
--ゲーム自体はシンプルであり、難しいゲームに追いつかない新規層に向いてる事は間違いではない。
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**問題点
-敵のアルゴリズムが練られているとは言いがたい。
--敵の種類が増えたのも関わらず、アルゴリズムそのものは『バトルシティー』と殆ど変わっていないため、役立たずな印象を受ける。
--ジープは動きが速く、司令部を狙うべきなのにも拘らず適当に爆弾をセットするばかり。
-スコアランキングが無く、最終的なスコアを確認出来るのがゲーム終了時の数秒間しか無い。
--稼働当時、アーケードゲーム専門誌ゲーメストのハイスコアコーナーではランキング画面が存在しないゲームは集計対象外というルールになっていた為、永久パターンが存在しないにも拘らずハイスコア集計が行われなかった。
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**総評
『バトルシティー』の路線から発展した物となり、シンプルなバランスを更に改善。~
『タンクバタリアン』から始まった「戦車が自機の固定画面シューティング」の集大成とも言える作品に仕上がった。~
ミリタリー色の濃いサウンド・ビジュアルも抜群の雰囲気を醸していた。
システムI基板の有終の美を飾るに相応しい作品と言っていいだろう。
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**余談
-TBS系のTV番組『関口宏の東京フレンドパークII』で番組内のアトラクションの一つである「ハイパーホッケー」にてパックがゴールに入った時の効果音で本作のクレジット音が使用されていた。
--ゲーム自体は知らなくてもこのクレジット音は聞いた事があるという方は多いはず。
-ナムコは本作の後も『トーキョーウォーズ』『[[TANK!TANK!TANK!]]』と3Dシューティング化しつつも戦車を題材とした作品をリリースしている。
-2人同時プレイのイメージが強い本作だが、実は4人同時プレイ版が存在する。
--マイタンクのカラーリングは1P側:赤色、2P側:青色に加えて3P側は黄色、4P側は緑色となる。
--スコアと残機が切り替え式で一体になり、プレイ人数が増えたことで敵戦車の数も2倍に増えている。
--主に海外市場向けに作られたバージョンで国内では流通しなかったため、知名度はかなり低い。下記の移植作でもいずれも2人同時プレイ版の移植となっている。
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**家庭用移植
-バーチャルコンソールアーケード版(Wii、2009年11月10日配信)
--特殊タンク化アイテムの「パラポラレーザー」の名称が「リップルレーザー」に変更されている。
-[[ナムコミュージアム>ナムコミュージアム (Switch)]](Switch、2017年7月28日配信)
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*タンクフォース
【たんくふぉーす】
|ジャンル|シューティング|~|
|対応機種|アーケード(システムI)|~|
|発売・開発元|ナムコ|~|
|稼動開始日|1991年|~|
|プレイ人数|1~2人((海外では日本国内版に無い最大4人同時プレイ可能なバージョンあり))|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br()※バーチャルコンソール版より付加|~|
|配信|バーチャルコンソールアーケード&br()【Wii】2009年11月10日/800Wiiポイント|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|バトルシティーのアレンジ&br()ミリタリー色濃厚な作風&br()幻の4人同時プレイ版&br()システムI基板の最終作|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
アーケードの『タンクバタリアン』、ファミリーコンピュータの『バトルシティー』に続く、固定画面で戦車が戦うシリーズの正統後継作。~
『バトルシティー』の2人同時プレイを受け継ぎ、アイテムや新たな敵・ギミックなどの要素を盛り込み大幅にパワーアップした内容となっている。~
また、本作は『[[妖怪道中記]]』を第1弾として数多くの名作を輩出した基板「システムI」の最後のゲームである。
**ゲームシステム
-基本システムは『バトルシティー』と同じく、1レバー(4方向)1ボタンを使用する固定画面式の見下ろし型シューティング。自機となるマイタンク(1P側:赤色 2P側:青色)を操作して、敵戦車や兵器を全て撃破するのが目的。詳細は後述するが基本は残機制であり、全36ラウンド構成。
--敵味方の弾が「幅2マス分の敵機着弾判定と地形着弾判定」を持っている点と、敵の攻撃がプレイヤー側の攻撃で例外なく相殺可能という点は、過去作の基本システムからそのまま継承している。
---ただし「1マスずれた状態で正面から撃ち合う」場合は、地形による遮蔽がない限りは双方の弾の相殺が発生せずに素通り、双方の機体側面に命中してしまう仕様もそのまま継承している。
--敵を全滅させるとラウンドクリア。ラウンド内での残りの敵数は画面右側に表示される。
---敵は画面上方・左右の数カ所から現れる。該当する場所はラウンドごとに決まっている。
--各ラウンドにはマイタンク・敵戦車双方の砲弾で破壊できる「壁」がそこかしこに存在し、時に破壊して道を開いたり、時には盾にして敵の攻撃を防いだりする。
---破壊不能の壁や、弾は通るが戦車は通過できない水場、数発撃ち込むと周りの敵を巻き込んで大爆発するガスタンクなど、通常の壁以外のフィーチャーもある。
--4ラウンド毎に、通常の敵戦車とは扱いが異なるボスキャラである巨大兵器が登場。このボスキャラも敵カウントに含まれるため、破壊する必要がある。
--ループ制だった『バトルシティー』とは異なり、本作は全36ラウンドをクリアするとエンディングを迎え、ゲーム終了となる。
--2人同時プレイでは相方のマイタンクにもこちらが撃ったショットが当たる。『バトルシティー』では「誤射された側が一定時間動けなくなる」という重大なペナルティがあったが、本作では「誤射された側が該当方向に少し弾かれる」だけで済むようになった。
---チームワーク次第ではそのペナルティを逆手に取って「長い直線で相方を通常より素早く移動させる」などの高等テクニックにも応用可能。
-ゲームオーバーとなる条件は2つ。「残機が無い状態で自機を破壊される」か、「マップ最下部中央にあるプレイヤー陣営の司令部に敵の攻撃が直撃する」か、いずれかが発生した時点でゲームオーバーとなる。
--プレイヤー陣営の司令部は標準的な耐久力の壁に囲まれる形で設置されている。
--『タンクバタリアン』や『バトルシティー』では司令部とそれを囲む壁は自機の攻撃でも破壊できてしまい、「司令部を誤射してゲームオーバーになってしまう」こともあったが、本作では「司令部周辺の壁も司令部そのものも自機の弾が効かない」という変更が行われており、誤射を心配する必要は無い。
-敵を破壊すると時折アイテムが出現し、回収することで自機を強化したり、特殊効果を得たりすることができる。
--本作では、時間制限付きで自機の性能が大きく変化し、特殊なショットを撃てる・移動速度と砲弾の速度が上がる等の効果がある変身アイテムが追加されている。
#region(特殊タンク化アイテム)
-''ツインショット''
--ショットが単発になる代わりに2連装化する。
---外見に反し、ツインショットの判定が「幅2マス分の弾が2発固まった状態で飛んでいく」というものであることには注意。
-''ハイパーショット''
--通常ショット3発分の威力を持つショットを高速で発射する。頑丈な敵タンクも一撃で破壊可能で、耐久力が低い敵タンクや壁をいくつかまとめて破壊する半貫通効果もある。
---過去作『ブレイザー』のセルフオマージュ変身。
-''4方向ショット''
--上下左右4方向へショットを同時発射するようになる。ツインショットと同じく単発。
---過去作『ブレイザー』のセルフオマージュ変身。
-''パラボラレーザー''
--壁や地形をすり抜けるレーザー。威力は通常ショット3発分。ショットの性質の関係上、地形を一切破壊できなくなる。
---なお、敵弾の相殺は可能である。
-''スモール''
--プレイヤーが小さくなり、移動速度とショット弾速が上がる。ショットの連射数や性質は、通常状態に準じる。
---スモールの効果時間中にパワーアップを回収できた場合はスモール状態に即時適用される他、通常状態にも反映される。
#endregion
#region(それ以外のアイテム)
-''パワーアップ''
--1個回収する度に、マイタンクのショットが強化される。3個回収した4段階目が最強状態であり、ミスするまで有効。本作では2段階目でショットを2連射可能になる。((『バトルシティー』では3段階目まで強化させる必要があった。))
---通常では破壊できないグレーの四角い壁は、最強状態になると破壊可能になる。
-''爆撃機''
--『バトルシティー』での「手榴弾」に相当するアイテム。上空から黄土色の味方爆撃機が爆撃を行い、画面内の敵を一掃する。
-''タンク''
--残機が1つ増加する。本作では残機を増やす手段はこれのみ。
-''ボーナス''
--スコアが加算される。500、1000、2000、3000の4種類で司令部から遠いほど高いスコアになる。((例外として最奥2列は500点))
-''防弾壁''
--一定時間、司令部周辺の壁が敵の攻撃を防ぐ防弾壁に変化。回収する前に敵の攻撃で壁が破壊されていた場合は、同時に修復も行われる。
--この「防弾壁」と下記の「時計」、「盾」は併用可能。
---ちなみにこの防弾壁のグラフィックは最強状態のショットで破壊可能なものと同じだが、プレイヤー側が誤射しても効かないので心配無用。
-''時計''
--一定時間、画面内の敵の動きが止まる。本作では専用のBGMがついた。
-''盾''
--一定時間、マイタンクにバリアが展開されて無敵化する。重ね取りも可能だが、そのラウンドをクリアすると効果が消滅する。
---同社『ドラゴンスピリット』のセルフオマージュ。バリアが切れかけのグラフィックになるとあっという間にバリアが切れる、という表示時間配分も元ネタと同じ。
#endregion
-ラウンドを開始して一定時間を過ぎると永久パターン防止対策として黒い爆撃機が上空を横切り、マップ全体へ爆撃を行う。この爆撃は自機まで巻き込むものになっている上に自機も回避不能、バリアや無敵時間も無効、という画面全体攻撃であり「出現=ミス」となる。
--幸いにも黒い爆撃機の無差別爆撃の爆風ではプレイヤー陣営司令部は損害を受けない為、残機があるならばゲームオーバーの憂き目は免れる。あくまで自機が倒されるタイムオーバーの扱い。
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**評価点
-これまで通り初心者の手に届きやすいゲームシステムとゲームバランス。
--『バトルシティー』の経験者のみならず、新規層やゲームそのものをやりなれていない人でも敵の出現やアイテムの場所を把握しやすい作りになっている。
--司令部をプレイヤーのミスで破壊されなくなった事で、安心感が高まった。
--アイテムと敵の種類が増えた事でより戦術に深みが増した。
-グラフィックの進化により壁の模様が豊富になった。
--「バトルシティー」ではレンガのみの味気のない世界観だったが、町や戦場、工場、ジャングル等背景表現が豊かになった。各地の戦場を転戦しているという雰囲気作りに大きく貢献している。
-バリエーションと戦略性が増えたフィールド
--単純なブロックだけではなくなったこともあり、フィールドの戦略性はかなり上がっている。
--基本的には穴を掘って待ち伏せが安定。しかしそれを続けると敵に司令部まで掘られかねない。どこに穴を開け、通路を作り、射程を通し、救援も容易にしておくか。などなどの戦略性がある。壊せば壊すほど動きやすく射程も通るが、その分敵を阻止しにくくなる。これらも人によって変わるだけの幅がある。
--とあるラウンドで特定の壁を壊すと隠れていた[[パックマン]]やNAMCOの文字、『ディグダグ』のプーカァが現れる。
-敵もバリエーションが大幅に増した
--本作では「自機と同じような攻撃手段を持った標準的な敵車」以外の敵も多く登場するようになった為、面白みが増している。そういった意味ではゲームシステム上、無理なく戦略・戦術の幅が広がっている。
--基本的には「強力な攻撃を繰り出す敵」や「耐久力の高い敵」ほど挙動が鈍重、もしくは読みやすいアルゴリズムで動くなどの弱点が目立つようになっていくため、理不尽さが無いように工夫されている。
---「大型の戦車が相殺に2発必要な巨大弾を撃ってくる」点や「自機がフルパワーでも相殺しきれない数の弾を一気に撃つ敵」の存在がある為、相殺システムの防御性能が前提の「後の先」の戦法は、場合によっては有効ではない。前作や前々作でのセオリーから離れ、積極的に前に出て大火力の敵の側面を突きにいく必要もある。
---本作では直接弾を撃たない間接攻撃型の敵も登場。該当するのはジープ型の敵で、「一定時間後に爆発し、爆発地点を中心に近隣マスに攻撃判定が発生する」性質を持つダイナマイトを設置する。この攻撃については「爆発した瞬間のダイナマイトに自機の弾が重なっていると相殺が成立する」という特殊な扱いであり、相殺自体が上級テクニックとなっている。
---また、少数のみではあるが非常に巨大な砲塔を持つ敵も登場。「弾単体は幅2マス分だが武装が合計幅3マス以上に及ぶ水平3連装砲」という、本作のゲームシステム上とても強力な攻撃手段を持っている。該当する敵の攻撃は「幅2マスのトンネル状の地形」の中から隠れるように撃たない限り、たとえ真正面の分を相殺しても自機の角や側面を撃ち抜かれてしまうものとなっている。
--自機とは違った特性の敵車というのは新要素ではあるが、ゲームシステム上は前述したような瞬間火力に優れるなど特殊な敵車と、「単独では弱いが非常に気まぐれ」な通常の敵戦車とのコンビネーションが最も厄介。
---そのゲームバランスの都合上、新しい敵車が出始める時は他の種類の敵車がほとんど絡まない状態で「顔見せと攻略法のチュートリアルを兼ねて同種が数機固まって出てくる」ので、プレイヤーがもし予備知識の無い初見でも落ち着いて挙動を観察できる余裕が持たされているという配慮が光る。
-「John」こと相原隆行氏による良質なBGM
--ナムコで戦車ものといえば本作の前に凄惨なストーリーと演出が一部で有名な『ブレイザー』があったが、あちらの悲壮感すら感じる曲の雰囲気とは方向性が違い、多くの曲が「勇壮な行進曲」といった雰囲気のもので占められている。
---最序盤・中盤・最終盤と最も多くのラウンドで流れる、軍歌・マーチを意識したBGM「TANK FORCE MARCH」。曲名どおり本作のテーマにマッチしており評価が高い。
---『バトルシティー』のスタートBGMをイントロに盛り込んだファンサービス的な曲「バトルシティ'92」も、本作の雰囲気に溶け込んでおり違和感は全く無い。
---最終面であるラウンド36で流れる「EVIL FORTRESS」は、行進曲風から外れた非常に激しい曲である。ラスボスが『タンクフォース』のゲームバランスの基準では到底考えられないほど激しい攻撃を繰り出してくる点との相乗効果で、ナムコ戦車ゲーム史上初のラスボス戦BGMにふさわしい一曲となっている。
---エンディングBGMの「THE ETERNAL TWILIGHT」は、とてもしんみりした曲。エンディングの風景と併せて、ぜひその目で確かめながら聴いてみてほしい。
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**賛否両論点
-ゲームシステムが非常にシンプルであるため演出もシンプルで地味。
--いかんせん固定画面のゲーム、また既に時代遅れになりつつあったシステムI基板ということで、演出もとてもシンプルで地味であった。固定画面、また主人公も敵も小さいキャラであり、地味な印象は拭えない。ラスボスも例外ではない。
--ゲーム自体はシンプルであり、難しいゲームに追いつかない新規層に向いてる事は間違いではない。
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**問題点
-敵のアルゴリズムが練られているとは言いがたい。
--敵の種類が増えたのも関わらず、アルゴリズムそのものは『バトルシティー』と殆ど変わっていないため、役立たずな印象を受ける。
--ジープは動きが速く、司令部を狙うべきなのにも拘らず適当に爆弾をセットするばかり。
-スコアランキングが無く、最終的なスコアを確認出来るのがゲーム終了時の数秒間しか無い。
--稼働当時、アーケードゲーム専門誌ゲーメストのハイスコアコーナーではランキング画面が存在しないゲームは集計対象外というルールになっていた為、永久パターンが存在しないにも拘らずハイスコア集計が行われなかった。
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**総評
『バトルシティー』の路線から発展した物となり、シンプルなバランスを更に改善。~
『タンクバタリアン』から始まった「戦車が自機の固定画面シューティング」の集大成とも言える作品に仕上がった。~
ミリタリー色の濃いサウンド・ビジュアルも抜群の雰囲気を醸していた。
システムI基板の有終の美を飾るに相応しい作品と言っていいだろう。
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**余談
-TBS系のTV番組『関口宏の東京フレンドパークII』で番組内のアトラクションの一つである「ハイパーホッケー」にてパックがゴールに入った時の効果音で本作のクレジット音が使用されていた。
--ゲーム自体は知らなくてもこのクレジット音は聞いた事があるという方は多いはず。
-ナムコは本作の後も『トーキョーウォーズ』『[[TANK!TANK!TANK!]]』と3Dシューティング化しつつも戦車を題材とした作品をリリースしている。
-2人同時プレイのイメージが強い本作だが、実は4人同時プレイ版が存在する。
--マイタンクのカラーリングは1P側:赤色、2P側:青色に加えて3P側は黄色、4P側は緑色となる。
--スコアと残機が切り替え式で一体になり、プレイ人数が増えたことで敵戦車の数も2倍に増えている。
--主に海外市場向けに作られたバージョンで国内では流通しなかったため、知名度はかなり低い。下記の移植作でもいずれも2人同時プレイ版の移植となっている。
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**家庭用移植
-バーチャルコンソールアーケード版(Wii、2009年11月10日配信)
--特殊タンク化アイテムの「パラポラレーザー」の名称が「リップルレーザー」に変更されている。
-[[ナムコミュージアム>ナムコミュージアム (Switch)]](Switch、2017年7月28日配信)