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初稿投稿日: yyyy/mm/dd 追記修正歓迎
//#areaedit
*タイトル
【読み】
|ジャンル||~|
|対応機種||~|
|発売元||~|
|開発元||~|
|発売日| 年 月 日|~|
|定価|, 円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|レーティング|CERO: ()|~|
|廉価版| : 年 月 日/, 円|~|
|配信| : 年 月 日/ |~|
|備考| |~|
|判定| |~|
|ポイント| |~|
//#contents(fromhere)
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**概要
**評価点
**賛否両論点
**問題点
**総評
**余談
//#areaedit(end)

一般的な編集の練習などは「サンドボックス」へどうぞ。



初稿投稿日: 2023/9/11 追記修正歓迎

ダンジョントラベラーズ2 王立図書館とマモノの封印

【だんじょんとらべらーず おうりつとしょかんとまもののふういん】

ジャンル 3DダンジョンRPG

対応機種 プレイステーション・ポータブル
プレイステーション VITA
発売元 AQUAPLUS
開発元 スティング
発売日 2013年3月28日
定価 5,040円(税込)
レーティング CERO:D(17才以上対象)
廉価版 2023年6月9日 DL版:1,980円
判定 良作
ポイント 前作から一転して完全オリジナルになったダンジョンRPG
ベースそのままにパワーアップしたゲームシステム
やはり可愛い見た目に反して難易度はガチ
Leaf/AQUAPLUS作品リンク


概要

  • ToHeart2』のキャラクターたちが活躍するダンジョンRPG「ToHeart2 ダンジョントラベラーズ」の続編。ゲームシステムや一部装備、職業、アイテムなど共通点も多いものの、本作はストーリー、キャラクター全てが一新された完全なオリジナルのゲームとなっている。
  • したがって2と謳ってはいるものの、前作をプレイしていなくても問題ないし、ToHeart2を知らなくても本作を楽しめる。
    • Vita版、PC版はDLCを利用すればToHeart2の登場キャラクター達を仲間にすることも可能。
  • 「かわいい女の子たちが難易度の高いダンジョンを探索するハクスラ要素を伴った3DダンジョンRPG」というゲームの主旨そのものは前作から変わっていない。高難易度の3Dダンジョンを遊びたいプレイヤーにもお勧めである。

特徴

最大5人からなるパーティを編成し、敵を倒しつつ3Dで構成されたダンジョンを探索する3DダンジョンRPG。

  • 使用可能キャラクターはデフォルトでは16人。DLCでToheart2のキャラ20人を追加で仲間にすれば総勢36人の大所帯となる。
    • 主人公のフリードは非戦闘職である「ライブラ」固定だが、チームリーダーあるいは軍師として味方の指揮をとる。プレイヤーはフリードとなって戦闘員が最大5人のパーティを編成し、指示することでダンジョンの探索およびマモノとの戦闘を行う。
    • はじめはアリシア、メルヴィの2人しかチームに編成できないが、ストーリーを進めていく度に新たなキャラクターが加入し、チームの編成に幅を持たせてくれる。
  • 王立図書館を拠点とし、編成を決めた上で各ダンジョンを攻略する。ダンジョン内では編成の変更は出来ないため、目的に合わせて拠点で編成を考える必要がある。
    • ダンジョンから脱出すれば自動的に味方のステータスは全快し、死亡していたキャラも無料で蘇生する。王立図書館に戻ればアイテムの売買や倉庫の利用、編成の変更も可能。
    • ダンジョン内でHPやTPを回復できる手段は限られており、後述する難易度の高さもあって帰還するタイミングの見極めが肝心となる。
      • 本作では初期状態だとアイテムが最大30種しか持てない。同種のアイテムは9つまでなら1種としてまとめられる。たいていはドロップアイテムが溜まって鞄がいっぱいになり、以後のドロップが無駄になるタイミングで整理のために帰還する形となる。
  • ダンジョンには宝箱、トラップ、一方通行、梯子、落とし穴、ワープゾーンなど様々な仕掛けが張り巡らされている。
    • 基本的にはシナリオ上でボスとなるキャラがどこかに存在するため、ダンジョンを探索してボスを討伐し、王立図書館に戻って新たなダンジョンを開放する…というのが主なゲームの流れとなる。

レベルアップ、クラスチェンジを経て好みのキャラクターを育成していく。

  • 前作同様、キャラクターには一次職(下級職)が固定で割り振られており、レベルが一定以上になればその系統ごとに二次職(中級職)・三次職(上級職)にクラスチェンジできるようになる。前作同様、職業系統はキャラ別に固定で変更はできない。
    • 前作から続投したファイター・マジックユーザー・スカウト・メイドの4つの職業系統に加え、スピエラーが新たに追加された。
    • クラスチェンジ先も前作同様ツリー形式になっており、二次職次第では三次職の候補は制限がかかる。したがってなりたい三次職を見据えた上で二次職を選ぶ必要がある。
  • 各キャラはレベルアップすると能力上昇に加え、レベルに応じてSPというポイントが加算される。これを技・魔法・パッシブにカテゴライズされているスキルに割り振り、各スキルを習得する。
    • スキルを習得することでキャラの行動の幅を広げたり、能力の底上げを行ったりすることができる。スキルも、攻撃を強化したり、カウンターできるようになったりなど様々で、セットにより個性を出し様々な戦術を構築できる。
    • クラスチェンジを行うことで、下級職に習得したスキルを保持したまま新たに上位のクラススキルを習得出来るようになる。
    • 当然だが、選んだ職業によって習得出来るスキルが異なる。特に一部の三次職は複数の二次職からクラスチェンジできるようになっているが、どの二次職を経由したかで二次職として習得可能なスキルが変わる。この点も見据えた上でクラスチェンジ先を選ばなければならない。
  • 特定のレベルに達した際、レベルリセットを行うことでスキルの割り振りやクラスチェンジを全て初期に戻し、振り直せる。前作と違い、クラスチェンジが解禁されるレベル15,30などにもリセットできるようになった。
    • 実質的にスキルおよび職業はあとでリセットしていくらでもやり直せるため、最初はそこまで悩む必要はない。

敵も味方も美少女。

  • 味方の主要キャラで男性はフリードのみ。パーティメンバーは全員女性である。また、フリードや敵のマモノを含むほぼすべてのキャラがフルボイスで喋る。
    • フィールドを歩いているだけでもランダムに編成キャラの会話が発生する。条件を満たしていた場合はサブイベントが発生し、パーティメンバー同士の掛け合いを見ることができる。
      • サブイベントにより、メインシナリオで出番が少ないキャラも掘り下げが行われている。サブイベントは収拾要素としてギャラリーにも登録されるため、これを集めるのもやり込み要素の一つとなる。イベントによっては一枚絵がみれることも。
  • 前作同様モンスターであるマモノも一部を除き、全員美少女。
    • 各層にいるボスを倒すと色っぽいグラフィックが表示される。

前作からさらにパワーアップした戦闘システム。

  • 戦闘になればフリードが各キャラに命令し、敵を全滅させることで勝利となる。逆にフリード以外の全てのキャラが倒されるとゲームオーバーとなる。前作同様、一般的なRPGとは違った独自のシステムがある。
  • 素速さの高いキャラから順に行動を選んで行動していく。行動順は常に画面右に表示されているため、自分と敵がどのタイミングで行動するかはリアルタイムに把握できる。
    • ターンの頻度はステータスのAGI(素早さ)、武器の攻撃速度(A~Fにランク化されている。Aが最も速い)、行動内容(一般にアイテム使用は速く、スキルは遅い)で決定される。
      • これにより、極端に攻撃速度に差がある場合は片方が1回行動する間にもう片方が2回行動することも希ではない。
      • 特にAGI、武器の攻撃速度の影響は大きい。一般に攻撃力の高い武器(両手武器やロングボウ)は攻撃速度が遅い。
    • また、各行動には「行動後速度修正」という概念があり、強い技や魔法を使うほど次のターンが回ってくるまでに時間がかかるようになる。一発火力を重視するか、手数を重視するかはチームリーダーの手腕の見せ所である。
  • 前作同様、前衛か後衛かで隊列の設定が出来る。前衛は狙われやすくなる代わりに近距離武器の攻撃力が落ちない。後衛は狙われにくくなる代わりに近距離武器の攻撃力が低下する。職業バランスを考えて隊列を組みたい。
    • 後衛にいても敵の前衛に火力を落とさず攻撃出来る中距離武器、隊列の影響を受けない遠距離武器などを使えば物理キャラを後衛においても活躍させることは可能。魔法は隊列の影響を受けないため、脆い魔法使いは当然後衛において守ってもらうべきである。
    • 本作より敵も前衛と後衛を組むようになった。こちらと同じ思考回路を持ち、戦士系を前衛に壁として出しつつ後衛の魔法使いキャラが強力な魔法をしかけてくるので厄介。
  • 前作同様、魔法には詠唱時間の概念がある。
    • 魔法を選択すると次のターンまで詠唱しているという扱いになり、ターンが回ってくると魔法が発動する。
    • 詠唱中に攻撃を受けると、魔法詠唱が中断されてしまうことがある。この場合、次のターンは通常のコマンド選択となる。
      • 具体的には「HPを大きく減らされる」「ダメージを問わずクリティカル攻撃を受ける」が詠唱中断のトリガーとなっている。
    • 沈黙によって魔法を封じられたり、麻痺やスタンで行動そのものを阻害されても詠唱失敗となる。
    • もちろん敵の魔法も同様。敵が魔法詠唱を始めたら詠唱を止めやすいクリティカル攻撃や状態異常を集中させ、敵の魔法詠唱を阻止するのが基本戦術の一つである。
      • これを見越してか、敵サイドは序盤から強力な魔法を扱うキャラが多数登場する。
      • 技は即時発動するので速効性があるが、行動後速度修正が重く再行動に時間がかかるという欠点がある。
  • 状態異常が非常に強力。
    • 睡眠やスロウなど、多くのRPGでは戦闘中のみの状態異常のほとんどが戦闘終了後まで継続する。そのため、こちらが状態異常になったまま連続戦闘することになると極めて不利になることも。
    • 逆に「攻撃力アップ」「行動速度アップ」などのいわゆるバフも戦闘終了後まで継続し、一部の技はフィールドで使用することも可能。予めバフをかけておくことで有利な状況から戦闘を開始できる。
    • もちろん、こちらから敵に状態異常をかけることで無力化させたり、戦闘力を大きく削ぐことも可能。一部の状態異常は終盤の敵やボスにまで通用するため、上手く活用したいところ。

武器や防具、封印の書を装備してキャラクターを強くする。

  • 本作では装備品が店売りされていない。装備品は全て、ダンジョンの宝箱かマモノのドロップで入手することになる。
    • ダンジョン内で入手した武具は「???ソード」などといったように詳細が不明であり、装備するには「鑑定」する必要がある。鑑定は拠点である王立図書館で行える他、一部の上級職がスキルとして習得すればフィールドでも可能。
      • 装備にはエンチャントといって付属効果がランダムでついている。中には強力かつレアなエンチャントも存在し、運が良ければパーティをより強く出来る。何度もダンジョンに潜ってレアな装備を集める楽しさもあり、本作はハクスラ系にも該当している。
    • 同じマモノを9体倒すと、「封印書」というアイテムに変換できる。これは装備品の扱いとなり、装備することでステータスの補正や敵の状態異常を完全に防ぐなどの効果をもたらす。また、封印されたモンスターは以降の戦闘で、1ボタン操作で最大HPや属性耐性などステータスの一部を確認できるようになる。
      • 前作ではHPを減らした上で捕獲する必要があったが、今作ではHPを0にすればライブラであるフリードが自動で封印書の素に変換してくれるようになった。前作と違い封印しながら経験値やドロップアイテムも手に入る。
    • 封印書は装備してキャラクターを強化する以外にも、ダンジョン内で出会う鍛冶屋を利用することで素材として武器や防具を錬成し、その能力の一部を付加させることができる。
      • 前作同様、売ればそれなりのお金になる。序盤の資金源としても重要。特に今作は鍛冶屋を利用しているとあっという間にお金が尽きるため、金策が大事となる。
    • また、各ダンジョンのボスクラスのマモノは「大封印書」という別カテゴリーのアイテムになる。これはフリード専用の装備品であり、装備することでパーティ全体にユニークな効果をもたらす。

可愛い見た目とは裏腹に手強い難易度

  • この点も前作と同様。ダンジョンの嫌らしい仕掛け、明らかに適正レベルを超過している強敵との遭遇、敵同士の連携、いろいろな要素が組み合わさって本作の難易度も相応に高い。
    • 「気を抜くとHP満タンからでも雑魚戦で全滅しうるゲーム」とよくいわれるが、まさにその通りである。

前作からの変更点

基本システムは前作を踏襲しているが、いくつか変更、新規追加、改善された点がある。

システム改善点

  • 下ボタンで振り向きの他に後退ができる。キーコンフィグで設定可能。
  • いつでも全体マップが確認でき、別フロアのマップも見られる。
  • カーソル位置の記憶ができるようになった。
  • バトル中にアクティブのキャラの顔グラが表示され、誰のターンなのかわかりやすくなった。
  • 行動順番の味方に青線、敵に赤線が付いて識別しやすくなった。
  • 封印書を作成すると図鑑でマモノの情報を見ることができるが、ステータスだけではなく、出現場所やドロップアイテムなども見られるようになった。
  • レベルリセットは1、15、30、50、と戻れるレベルを選択できるようになった。Vita版、PC版のみレベル90にもリセット可能。

新規追加されたシステム

  • 味方に加え、敵にも前衛、後衛の概念ができた。敵味方とも、武器の種類により近距離(前衛から前衛)、中距離(前衛から後衛・後衛から前衛)、遠距離(後衛から後衛)でのダメージが変化する。
    • 基本的に、後衛の敵に近接武器で攻撃すると与ダメージが低下する。これを見越してか、戦士系を前衛に、魔道士系を後衛に配置と明らかにガチな編成の雑魚敵がエンカウントするようになり、脅威度が増した。
  • 前述の通り、移動鍛冶屋ができた。装備品と封印書を掛け合わせることで、付加能力を付け修正値も強化することができる。ただし、ユニーク装備は除外。一つの装備品に対して強化できる回数は5回まで。
  • 「アイス屋」「ら~めん屋」が登場。ダンジョン内でランダムに発生し、お金を払うことでパーティのHP、TP、状態異常などを回復可能。
    • 要は「ダンジョン内でランダムにエンカウントする宿屋」であり、これが追加されたことでこちらのパーティの継戦能力が増し、メイドをパーティに入れることが必須ではなくなった。
  • ダンジョン移動中にキャラクターが独り言(FEV)を話すようになった。実は台詞が隠しステータスである「ヤル気」によって変化するため、この台詞と顔グラフィックで各キャラのヤル気をチェックできる。

前作から変更された点

  • レベルリセットボーナスがLV50~からLV61~になった。レベルを60以上下げる形でリセットすると、各キャラクターの基本能力にボーナス値が加算される。
    • つまり何度も大幅なレベルリセットを繰り返すことで通常より強いキャラを育成可能。膨大な時間がかかるため、やり込み要素の一つである。
  • コマンドがルーレットから縦並びへ変更。
  • 素手時の攻撃スピードが落ち、前作ほど強力ではなくなった。大封印書の効果を使用してもAランクしかない。
  • カバンの初期容量が20→30へ。また、カバンの容量は依頼をこなしていくことで増える。
  • 装備欄に封印書スロットが増えて、アクセサリと封印書が別個に装備できるように変更。
    • 前作では封印書が強すぎてアクセサリーが軒並み空気だったが、これが解消された。アクセサリー自体も錬成で強化可能。
  • ダークナイト → バーサーカーのように一部クラスの名前が変更されている。
    • 名前が変更されてないクラスも、スキルが追加されたり性能が変化していたりといった調整が入っている。

評価点

自由度の高い編成、職業構成で自分の好きなキャラを好きな職業に出来る。

  • キャラクターごとにユニークスキルが設定され、かつ能力値は若干異なるものの、基本的には職業による能力補正とスキルカスタムでキャラの強さが決まる。
    • 要はスキルと装備さえ整えれば、誰をどの職業にしてもちゃんと役割を果たすことができる。このキャラはこの職業でないと活躍できない、といったことがない。
    • なので最終的な職業は完全にプレイヤーの好みで決めてしまって良い。シナリオの流れや本人の好きそうな職業を選んでも良し、見た目が好きだから選んでも良し。
  • 同じ上級職でも、経由した中級職が違うと全く異なる性能になりうる。装備やスキルの取捨選択次第では、経由した職業が全て同じでも戦い方を変えることが出来る職業も少なくない。
    • 自由度が高いといっても、スキルを満遍なく捕ったりすると中途半端なキャラになることも多い。攻撃したいのか、守りたいのか、補助をかけたいのか、明確な役割をプレイヤーが与えてやる必要があり、だからこそ思い通りのキャラクターを作ることが出来る。

キャラ育成の自由度が高いため、編成次第で取れる戦法も多種多様。

  • ゴリゴリの物理職3人で前衛を固め、補助職と回復職を交えて強引に押し切ったり。
  • 全員素速さの高い職業にし、惜しみなく技を使い「やられるまえにやる」を徹底したり。
  • 状態異常とデバフをばらまく職を取り入れ、敵を弱体化させて被害を抑えたり。
    • さすがに魔法使い4人などバランスの悪いパーティを組むと苦戦は免れないが、RPGの基本を守れば編成の自由度は高い方。
    • 殴るヒーラーや前衛で避ける盾役の魔法使いなんかも作れたりする。

必要最低限の情報を自然と教えてくれるチュートリアル。

  • 3DダンジョンRPGゲームの初心者向けとして、各所にチュートリアルが設けられている。割と突っ込んだ内容の解説も入るため、攻略サイトなどに頼らなくてもゲーム内でシステムの把握が可能。
  • チュートリアルもただ文字が出てくる退屈なものではなく、「サブイベント扱いとしてパーティキャラが解説してくれる」「別行動している獣人コンビが漫才を繰り広げる」「王立図書館にいるメイド先生がネタたっぷりに解説する」など、チュートリアルそのものがサブイベントとして組み込まれている。もちろん全てフルボイス。
    • 獣人コンビによる漫才解説、メイド先生の奇天烈な授業は当時のネットスラングや流行りのゲームネタが混ざったメタ全開なものであり、担当声優の熱演もあってカオスな内容となっている。

どこでもセーブ可能。

  • 気を抜くと次の雑魚戦で全滅する高難易度のため、セーブはダンジョン内でもいつでも可能。特に終盤は敵に先制攻撃されると全滅する恐れが大きいため、こまめなセーブが必須。
    • ただし、ダンジョンから脱出する手段を失った状態でダンジョン奥地でセーブした場合、最悪詰みかねない。セーブデータは10個以上別に保存できるため、複数のデータを作っておくことが望ましい。

可愛い女の子達と豊富なグラフィック。

  • 前作同様、キャラクターの衣装が エロ 可愛い。真面目なファンタジー風の衣装もあれば、ほとんど裸同然の衣装もある。
    • 前述の通りキャラ間での格差は少ないため、好みの衣装だけで職業を決めてしまっても割となんとかなったりする。
    • レベルリセットも手軽に出来るので、着せ替えも容易。1度経験した職業のグラフィックはギャラリーで自由に閲覧可能。

豊富なやりこみ要素。

  • 前作同様、「トロフィー」にあたる「証」の要素があり、収集することでパーティスキルが強化される。
  • ライブラの書も達成率が表示され、コンプリートすることがやりこみ要素となる。
  • レベルが60以上リセットするレベルリセットを行うと、キャラクター能力の基礎値にボーナスがつき、永続的にキャラが強化される。上限こそあるが、最強キャラを作ろうとすると途方もない時間が必要となる。
  • 武器防具の錬成もつけられる能力値に上限があり、かつ素材の封印書が強いほど錬成効果も強くなるため、強い装備を作るのには手間をかけられる。
  • 実はエンディングをみるだけならそこまでプレイ時間は必要ない。このゲームは1度エンディングを見た後に大量の追加ダンジョンが現れるため、むしろゲームを1度クリアしてからが本番といった方が正しい。

賛否両論点

相変わらず前作同様、難易度が高い。

  • 基本的に敵の火力が高く、確実にこちらを消耗させてくる作りになっている。
    • 特に敵の使う魔法は詠唱を邪魔できるからかダメージがかなり高く設定されており、序盤でうっかりくらおうものなら前衛職でも最大HPの6-8割を持って行かれる。後衛に至っては耐性がなければ即死することがあるくらい。
    • 中盤以降は敵の物理火力も跳ね上がる。複数の敵の攻撃が集中すればよほど耐久特化していない限り前衛職でも耐えられないことも多い。
  • 中盤以降の敵の編成がガチ。物理担当、魔法担当、踊り担当、デバフ担当がバランス良く組まれており、危険な敵を後衛において守る形で現れる。
  • そしてこの連携に優れる敵パーティに先制攻撃された場合、こちらのターンが回ってくるまでに魔法を撃たれて全員瀕死、下手すれば追撃で死者が出ていたり踊りや状態異常を撒かれてろくに行動出来ないこともしばしば。
    • ウィザードリィ』や『エルミナージュ』、『世界樹の迷宮』などを彷彿とさせる高難易度だが、基本的にレベルを上げて装備とスキルを整えれば十分突破できる程度の難易度にはおさまっている。敵の先制や一方通行など一部理不尽な要素もあるが、やりがいのあるゲームにはなっている。

一部の職業が強すぎる。

  • 職業間のバランスは比較的取れており、あちらにできることはこちらにできないが各所にみられるため、上位互換や下位互換といった職は存在しない。が、ゲームシステムに噛み合っているかどうか、特定のスキルが強いなどでどうしても職業間に強弱差が出てきてしまう。とくに編成するか否かで難易度が変わってしまうような強職業もちらほら存在する。
  • 特に名前が挙がるのがメイド上級職のエトワールだろう。デバフによる敵の弱化がメインの職業だが、敵に持続ダメージを与える「衰弱のサルサ」が強すぎる。
    • 割合ダメージを防御無視、耐性無しで与えるため、ボスや堅い敵には下手な技や魔法よりダメージが出る。ということでエトワールにサルサを踊らせてあとはひたすら耐久しているだけで中盤のボスは簡単に撃破できてしまう。これにより一部の火力職のお株が奪われている。
    • 特に中盤以降はボス含む敵の攻撃が激化し、回復と補助に手一杯で攻撃している暇がないこともよくある。サルサは1度でも踊ってしまえばダメージを受けて中断されない限り永続するため、攻撃にターンを割かなくて良くなってしまう。
    • 初心者救済になっているといえば聞こえは良いかもしれないが。

職業制限の扉がある。

  • 中盤以降に存在し、指定された職業をパーティに入れていないと通過出来ない。場合によっては複数の職業制限扉があわさっていることもあり、こちらのパーティ編成を大きく制限されてしまう。
    • 一応、表エンディングを見るだけならこの扉は全て無視しても問題ないようには設計されている。
  • 追加ダンジョンではこの職業制限が当たり前のようにつきまとう。様々な職業と多くのキャラクターを使ってほしいということなのだろうが、やりすぎではないかとの声もある。
    • DLCを利用しない場合のパーティメンバーは16人であり、これは上級職の総数と一致する。全てのメンバーを別々の職業にクラスチェンジさせ、満遍なく育成して欲しいという開発者の意図だろう。
      • そうなるとウィッチ3人だとかダークロード3人といった極端なパーティ構成を使い続けられなくなるのでやはりプレイヤーの自由度は減ってしまうのだが。

問題点

逃走不可に先制攻撃・強敵枠が重なると詰みを起こしやすい。

  • 敵の一撃が重いということは、敵に先制されて先に行動された場合の被害が尋常ではない。最悪、こちらに手番が回ってきた時にはすでに死者が出ているなどパーティが半壊していることもある。
  • 中盤以降はダンジョンに「強敵枠」が配置される。必ず通常のマモノ2体分以上のスペースを占める大型で、たいていは単体か少人数パーティでしか出現しない。その代わりにステータスが周囲の敵より遙かに高く、中ボスクラスの戦闘力を持つためまともに戦えばこちらの被害も大きくなりやすい。先制を許した場合は言わずもがなである。
    • 一例として、平均レベル30程度のパーティで攻略するダンジョンで遭遇する「クラーケン」。強力な全体魔法を詠唱無しでぶっぱなしてくる上にその威力が非常に高く、こちらの平均HPが300-400程度なのに無耐性だと350近くくらう。後衛は食らったらHP満タンでも基本即死であり、前衛でも壊滅的な打撃を受けること必須。もちろん使用回数に制限などないため、こちらが立て直す前に二発目が飛んでくることも少なくない。すぐに倒そうとしても膨大なHPに加えて物理攻撃を回避するスキルを使用するため、倒しきれずに全滅…はよくある話。
  • 普段は逃走することで被害を抑えることが出来るが、「一方通行の扉や通路をくぐった直後にマモノとエンカウントした場合は逃げられない」というシステムがあり、一方通行先で出くわすと逃げることも許されなくなる。
  • パーティメンバーが十全でない、あるいは先制攻撃を受けたりするとそこから立て直すことが困難であり、逃げることも出来ず全滅に陥りやすい。
  • どこでもセーブ可能ということはこういう事態も想定されているのである。こまめにセーブすれば済む話ではあるが、人によってはストレスを感じるだろう。

中盤以降は敵の火力が高すぎて対策が必須。

  • 中盤の敵やボスが使ってくる魔法、技が後衛が即死しかねない威力になる。つまりまともに食らっていては全滅必至であり、何らかの対策を講じる必要がある。
  • パラディンなどの壁役を起用する、強い装備を作る、状態異常で無力化する、高火力で速攻を仕掛ける、など。特に属性攻撃を行ってくるボスなどは耐性のついた装備をつけると大きくダメージを減らせるため、耐性装備を用意することが半ば必須となっている。
    • 例えば前述のクラーケンは水魔法なので、パーティ全員を水耐性の装備で固めれば被害を大きく軽減できる。
  • これはつまり敵がどの属性を使ってくるかの把握と、耐性装備の別個用意が必要になるということ。初見殺し的な要素も強めである。

相変わらずAGIと攻撃速度が必須ステータスで、装備やスキルを選ばされる。

  • AGIが高いと回避率が上がるだけでなく、技や魔法を使った際に再行動出来るまでの時間が短縮される。もちろん攻撃せず、アイテムや補助だけ使っている補助職もこれは同様である。
    • 一撃一撃が重いこのゲームでは、敵より手番が増えるというのが強力すぎる。加えて敵に先制することで厄介な敵を集中攻撃して先に落としたり、状態異常を先に撒いて無力化したりすれば戦闘難易度は大きく下がる。
    • ただのアイテム係としても、敵が一回行動する間にアイテムを1個使えるか2個使えるかというのは戦力として差がありすぎる。
  • 平たく言えば「俊足が絶対であり、鈍足にほとんどメリットがない」。素のAGIが低いヴァルキリーでさえAGIの底上げが必須であり、装備や錬成、スキルは攻撃速度特化を半ば強制されるようになってくる。
    • この傾向はクリア後の高難易度ダンジョンほど顕著である。

技と補助魔法が強く、攻撃魔法が使いづらいのが変わっていない。

  • 前作同様、攻撃魔法はスキルレベルを上げると威力とともに詠唱時間まで延びてしまう。詠唱中断されるリスクを背負って、実質2行動に1回しか攻撃出来ないというのが使いにくいことに変わりはない。
    • 攻撃魔法特化のクラスであるウィッチはクラスチェンジ直後は圧倒的な火力で敵を殲滅出来るが、敵の総合力が増す終盤になるに従ってメリットよりもデメリットが浮き彫りになり、扱いづらい職業となっていく。
    • 一応前作と比較すれば魔法が有利になる(≒近接物理職が不利になる)状況が増えているため、これで救済しようとしたのだろう。
      • 敵にも隊列が出来たため、後衛に安定してダメージを通せるのは確かに魔法の強みではある。
      • 近接攻撃と違い、反撃されるスキルが存在しないのでノーリスクで攻撃出来る。しかしそれは後述の問題点につながる。

終盤はカウンターが横行するため、迂闊に近接攻撃出来ない。

  • 攻撃してきた相手を弱体化させる「ダークオーラ」、あるいは攻撃を回避しつつ手番を問わず反撃してくる「心眼」。味方のファイター系もこれらを会得できるが、中盤以降は敵の物理職もこれらのスキルを搭載する。
    • したがってうかつに殴ってしまうと逆にこちらが弱体化させられるor反撃で削られてピンチになりかねない。
    • 中・遠距離攻撃あるいは攻撃魔法であればこれらのカウンターを受けない。近接物理職と魔法職とのバランス取りに使われているようだが、攻撃したら逆にピンチになるというのはストレスも溜まる。
      • 敵のカウンターを無視できる「絶対攻撃」を持つヴァルキリー、遠距離攻撃が得意でカウンター対策になりうるスナイパーやウィッチなどに個性を持たせてはいるのだが…。

店売りされていない回復アイテムの効果がわかりにくい。

  • 敵のドロップや行商人から購入出来る回復アイテムは説明欄に具体的な効果が書かれていない。HPだけでなくTPを回復したり、死亡キャラを蘇生させられるなどユニークかつ有用な効果を持つものも多いが、ゲーム内ではこれを確認出来ない。
    • 攻略サイトを駆使して有用なドロップアイテムを持ち歩けば冒険が楽になるため、出来ればゲーム内でこの情報を確認させてほしかったところである。

総評

大まかなゲーム内容としては前作をブラッシュアップしたものである。自由度の高い編成、キャラ育成、装備集めの楽しみといった、ハクスラ系3Dダンジョン探索RPGに欲しい要素は一通り揃っている。加えて可愛い女の子達による数々のグラフィック、フルボイスによる掛け合いなど、世界観がオリジナルとなってもしっかり華は添えられている。

そして何よりキャラクターがオリジナル化したことで、Toheartを知らないプレイヤー層にも遊ばれるようになった。もともとゲーム内容としては高い完成度を誇っていたため、元ネタを知らずとも遊べるようにしたことは英断である。相変わらずゲーム難易度は高く、所々に不便さや理不尽さも感じられるが、それも含めて楽しみたいという高難易度好きのプレイヤーにも需要がある。幅広いプレイヤー層に受け入れられ、PC版で今すぐにでもプレイ可能であるため、気になるのであればプレイして損しないゲームだ。

その他

続編


初稿投稿日: 2023/9/15 追記修正歓迎

ファイナルファンタジーVI(ピクセルリマスター・CS版)

【ふぁいなるふぁんたじー しっくす】 ※データはSteam・スマートフォン版との違いのみ記載

対応機種 プレイステーション4
Nintendo Switch
発売日 2023年4月20日
定価 2,200円
判定 良作
劣化ゲー
ポイント やっと普通に遊べるレベルになった
それでも見られるバグ
ファイナルファンタジーシリーズ
ファイナルファンタジー ピクセルリマスターシリーズ
I / II / III / IV / V / VI

概要

各ゲーム機向けに調整を施した移植。

更なる変更点

  • ピクセルリマスター共通追加機能
    • ピクセルドットフォントの追加
    • BGMをスーパーファミコン版原曲へ切り替え可能となった。サウンドテスト機能でも原曲が聞ける。
    • 戦闘コマンドにおいて左右でぼうぎょ・チェンジ選択が復活した。(ピクセルリマスター4/5/6共通)
    • ゲームブースター機能の追加
      • エンカウントのON・OFF、取得経験値の変更など。『VII』~『XI』とは異なり戦闘中の無敵機能は無しとなっている。
  • OPに原典同様のスタッフロールが追加。しっかりとリマスター版のスタッフとなっている。
  • カイエンの必殺剣の名前変更が再び可能となった。
  • デスゲイズの位置が視覚化され『VII』のアルテマウェポンと同じシンボルエンカウントである事が解りやすくなった。

評価点

  • 全体的に元のSFC版により近い出来となっている。
    • それでいて、ゲームブースターの恩恵もあり過去の移植作からさらに快適となった部分も見られている。 最初からこれくらいやるべきだろうに
  • ゲームブースターの追加で原作におけるやり込みの恒例だった低レベル攻略、育成がやりやすくなっている。
    原作や過去の移植版では実質不可能だったゲームスタート時から一切レベルを上げないままラスボス戦まで行く事も可能。

問題点

  • GBA版の追加点は無いなど、ゲームブースターを除けば過去作移植から優れた点は少ない。
  • 場面切り替えをする際に飛空艇が突如現在位置から遠く離れた位置にワープして進行不可能になるなど、やはりバグが見られている。
  • テレビモニターのサイズにもよるのか、会話ウインドウが全体的に小さめ。
  • 左右でのぼうぎょ・チェンジ機能は小さなウインドウで別個表示される形式だったが、本作ではメインコマンド欄と同じウインドウ内に表示されるため違和感がある。

総評


初稿投稿日: 2023/10/01 追記修正大歓迎 

本ゲームでは不定期に不具合修正やゲームバランス調整のためのアップデートが行われており、本項目が必ずしも最新の内容に対応しているとは限りません。

DAVE THE DIVER

【でいゔ ざ だいばー】

ジャンル ハイブリッド・海洋アドベンチャーゲーム
対応機種 Windows/mac(Steam)
発売・開発元 MINTROCKET
発売日 2023年6月28日
定価 2,400円
プレイ人数 1人
判定 良作
ポイント 昼はダイビングで魚捕り、夜は寿司屋営業
非常に豊富なサブイベントの数々


概要

オンラインゲームの開発を中心としているNEXONのサブブランド、MINTROCKETによる「ハイブリッド・海洋アドベンチャーゲーム」。
2018年にモバイルゲームとして開発中であると本作の存在が初公表され、2022年10月に早期アクセス版が公開、そして2023年6月に正式版が配信開始された。
ダイビングはアクション、寿司屋経営はシミュレーション、ストーリーの進行はRPG…といったように複数のゲームジャンルを内包しているのが特徴。


ストーリー

休暇中の元ダイバー「デイヴ」は、友人のコブラから「美味い寿司を奢る」との連絡を受け、南の島に向かう。
ところが、寿司を奢るというのはデイヴがその島の海で調達した食材で怪しげな寿司職人バンチョが寿司を握る、というものだった。
コブラはこの寿司屋経営をビジネスにしようとして彼を呼びつけたのだった。おまけに人手もいないので、デイヴは寿司屋の経営・接客も任されることになる。
こうして寿司屋を開店した一行だったが、最近この地では地震が起こっているようで…


システム

  • 舞台は様々な海洋生物が生息している不思議な海溝「ブルーホール」のある南の島。
    • 主人公のデイヴを操作して日中はブルーホールに潜って魚を獲り、日没後はその魚で寿司屋を経営するのが基本サイクルとなる。

ダイビング

  • 海に潜って2Dアクション操作で探索して魚を捕まえ、夕方に料理として提供するための食材や素材を集めていく。
    • 活動中は常時酸素を消費していき、酸素がなくなると活動できなくなるので、海中の酸素ボンベなどを取得して適宜回復させる必要がある。
      • 酸素はHP的な役割も兼ね備えており、攻撃的な魚などに触れても多く消費してしまう。
    • 酸素がなくなると緊急救助が行われるが、その際は取得物のうち一つしか持ち帰れなくなってしまう。
  • 酸素ボンベや宝箱、調味料が入っている鍋はその前でしばらくボタンを押し続けて開封する。
    • 開封には若干隙を晒すため、魚に狙われている際には注意を払わなければならない。
  • 攻撃手段は主に銛・銃器・近接武器の3つがある。
    • 銛は構えて狙いを定めてから近距離のターゲットめがけて発射する、バランスの取れた攻撃手段。
    • 銃器は銛と同様の操作で遠距離からでも攻撃できるが、こまめに弾を拾ってリロードしなければならない。
    • 近接武器はリーチが短くダメージも低めだが、海藻を切ったり鉱物を採掘したりできる。
  • これらの武器は銃器職人のダフに作ってもらうか、海中に落ちているものを拾って取得できる。
    • 素材を集めれば銃器を強化でき、基礎性能を上げたり様々な追加効果を付与させたりできる。
  • 武器以外にも海中では水中スクーターや酸素カプセルなどの装備を拾って2つまで保持することができ、好きなタイミングで使用できる。
  • 魚を捕らえるには銛で突く、銃器で弱らせる、網で生け捕りにするなど様々な方法がある。
    • 完全な状態で魚を捕獲するほどレアリティが上がり、材料として使える量が増加する。
    • 魚の捕獲状況に応じて作中の魚の電子トレーディングカードである「MARINCA(マリンカ)」も自動的に集まっていく。
  • 魚以外にも海藻、ゲームを進めればウニやタツノオトシゴなども捕獲できる。
  • 大型の海洋生物と戦うボス戦が発生することもある。
  • 各取得物には重量が設定されており、積載量を超えるとデイヴの動きが遅くなり、限界量に達すると新たに何も獲得できなくなる。
    • そのため、限界に達したときはどの取得物を優先すべきか取捨選択をしなければならない。
  • 資金を貯めると最大空気量や積載量、潜水可能深度、銛の威力などを強化することができる。
  • 水面に近づくか特定地点で数秒間ボタンを押し続けて脱出ポッドを呼び出すことでダイビングを終了し、取得物を獲得できる。

寿司屋経営

  • 「バンチョ寿司」の営業開始前には、毎回どのメニューをどれだけ用意するか決定しておき、その分指定された食材や調味料を消費する。
    • 材料を別で消費してその料理を強化することもでき、売上価格、お客の評価の元となる味スコアを上げることができる。
  • 営業中はアクションとなり、お客の注文に合わせてバンチョが作った料理を運んでいくのが基本。
    • それだけでなく、飲み物を注いだり食器を片付けたり料理を作るためのワサビを擦ったりすることもある。これらの操作も簡単なミニゲームとなっている。
    • 営業時間は現実の時間で2,3分ほどだがお客を待たせすぎると帰ってしまい店の評判を下げてしまうため、かなり忙しないプレイが求められる。
  • ゲームを進めると従業員を雇うことができ、操作の負担を減らすことができる。
  • 売れ行きに応じて「職人の魂」を獲得でき、それを消費することで新たなレシピを考案することができる。

評価点

非常に豊富なイベントの数々

  • ゲーム進行中にそのとき限定の操作を行うミニゲームが頻繁に登場し、予想外の体験を恒常的に味わえる。
    • QTEの完成度を上げて一つのミニゲームに落とし込んだものが大量に詰め込まれている、といった様相。
    • ジャンルは横スクロールアクションやシューティングに対話型のシミュレーション、はたまたリズムゲームと多岐に渡り、デイヴ以外のキャラクターを操作する場面もある。
  • メインストーリーとは別のサブイベントも豊富。ゲームを進めていくと大量にすべきことが増えていき、いい意味で忙しく充実したプレイングに没入できる。
    • 各サブイベントは「特定の生物を指定数捕獲する」「特定の箇所に出向いて特定の行動を行う」といったいわゆる「おつかい」系のものが多い。
    • だが、たくさんのおつかいを同時進行で行うことになるため、道中の攻略性に自由度が生まれやすい構成になっている。
  • 総じて、ダイビングで海を探索するだけでなく、狩りに明け暮れたり海底の謎を解き進めていったり、はたまた海の生態系を観察したりと様々な観点から海を楽しむことができる。
    • イルカやクジラといった捕獲するのに抵抗がある生物にも、写真を撮影したり撫でたりすることで触れ合えるようになっている。

作中で扱われる各分野への造詣の深さ

  • 料理人のバンチョは「どんな生物でもおいしい料理にすること」を信念としており、熱帯魚やサメなどの通常は食用にしないような魚まで握り寿司にしてしまう。
    • このようにネタに走っているメニューが多いように見えるが、魚の煮付けや天ぷら、パイ料理など堅実なメニューも幅広く作ることができる。
      • マグロはきちんと赤身/中トロ/大トロに分かれており、部位ごとに作れるメニューも異なるこだわりよう。
  • 現実離れしたものから定番のものまで様々な料理を作れるのも本作の大きな魅力の一つである。
  • 登場する海洋生物の多くは実在し、生息水域や行動習性にも現実のものがおおよそ反映されており、リアリティがある。
    • ロード画面やマリンカで簡単な説明文も閲覧でき、勉強にもなる。
  • 脱出ポッドを使用した際に窒素減圧されていることが示されるなど、ダイビングの細かな描写にも力が入れられている。
  • 開発元は海外ではあるが、料理に見られるように日本文化への理解度も非常に高い。
    • 日本語訳は完璧で会話はとても自然。各キャラクターの口調や台詞回しもたいへん個性豊か。
    • 日本作品由来のパロディも見受けられ、元ネタを知っていても知らなくても楽しめる。

良質なグラフィック・ピクセルアニメーション

  • デイヴなどのキャラクターはドット絵、背景や海洋生物は基本的に3Dモデルで描かれているのだが、どちらもクオリティが高く、かつ違和感を崩すことなくマッチしている。
    • 美麗なグラフィックで描かれる海洋の神秘的で幻想的な雰囲気は、探索への没入感を高めるのに貢献している。
  • VIPがバンチョの料理を食べた際のリアクションとして挟まるアニメーションはとてもダイナミックでコミカル。
  • バンチョやダフが開発/強化をする際のムービーもそれぞれ「職人らしさ」「オタクらしさ」が全面に押し出されていて見応えがあり、種類も多い。
  • 通常時の立ち姿もドット絵ながら各キャラクターの特徴を分かりやすく捉えており、親しみやすいキャラクターデザインとなっている。

作中の世界に本当にいるように錯覚させる工夫された描写

  • ゲーム進行の確認や管理、設定などのオプションはデイヴのスマホアプリとして一括でまとめられており、作中に存在する形で上手く落とし込んでいる。
    • 知り合った人物と連絡を取るには電話を用いたり、イベント開催がメールで通知されたり、スマホの中のミニゲームで遊べたり、電卓機能まで付いていたりと実際のスマホと遜色ないほどに扱える。
  • バンチョ寿司は作中のSNS「クックスタ」でも活動しており、新メニューを出したときのお客やVIPの反応を見ることができる。
    • モチベーション維持のみならず世界観の構築に一役買っている。

賛否両論点

「広く浅い」各イベント

  • 唐突に始まる各ミニゲームは一回限りのその場のアドリブ性を楽しむことを重視されており、一つ一つはそれほど完成度の高いものではない。
    • 例えば、飲み物を注ぐ操作は簡易的なミニゲームになっているが、何度も行うことになると楽しさより煩わしさが勝りやすい。
  • そのため序盤に試行錯誤しているうちは手探りの楽しさがあるものの、ゲームに慣れてくるとプレイヤーによっては積み重なったタスクをこなすのが単調で億劫に感じてしまいかねない。
    • しかし、このカジュアルさ、言わば「浅く緩い」部分が間口を広くしている側面もあり、一概に問題点とは言い切れない。

潜水パートと営業パートの比重

  • 潜水時間には制限がなく、荷物がいっぱいになる限界まで探索を続ける場合が多い。
  • そのためゲームを進めていくと潜水の比重が大きくなっていき、海中と陸上で話の進行が少し噛み合わなくなっていく。
    • しかし、潜水し続けられるからこそ自身のペースで探索を楽しめるようにもなっているため、これは良い方向にも働きかけている。
      • そのため潜水パートでは一度にあまり多くのことをしすぎないように進めていくことを推奨。
  • なお、イベントが進行しすぎないよう一度陸に上がるよう指示されることがあるなど工夫の跡は見られる。

問題点

単純作業の育成/強化

  • ゲームを進めると生け簀や農場が解放され、魚や米などを育てて収穫できる。
    • しかし、ここでプレイヤーができることがボタンを押すだけの雑草抜きや種蒔き、水やりといった単純操作しかない割に頻繁に足を運ぶ必要があり、作業感が強い。
      • 生け簀や農場の画面に切り替えるのにロードを要し、さらにそこからデイヴを移動させなけらばならずテンポが悪い。
    • 農場の状態を確認できるアプリもあるのだが、収穫したり雑草を抜いたりするには結局現地に赴かなければならず、存在意義が薄い。
  • 料理や銃器の強化も進めていくと大量の素材が必要となり、同じ素材を集める行動の繰り返しを強いられる。
  • 育成面に関しては、早期アクセス版の時点ではレベルデザインを主担当とするプランナーがいなかったことが開発陣の反省点として挙げられている。

銃器の性能バランス

  • 銃を強化する際に毒属性や火炎属性などを付加できるが、それらを強化する余裕が出た頃には多くを使う意味が薄くなっている。
  • 最終的には魚を良い状態で捕まえるために睡眠銃やネットガンを多用することになり、他の銃器の出番がほとんどなくなってしまう。

変化に乏しい海中の地形

  • 作中でブルーホールは「入る度に地形が変わる」と言及されているが、実際の地形は近海、中間水域、深海で各3パターンくらいと少ない。
    • 海中自体もそこまで広いわけではなく、いわゆるローグライクゲームとは趣が異なる点に注意。
  • ゲームを進めると新たに現れる生物・アイテムはあるが、地形は大差ないため何回も移動することになると飽きてしまいやすい。
  • 特定の地形でしか出現しない魚も少なからず存在する。
    • その魚目当てでダイビングした場合は該当する地形が選ばれなければその魚を見つけることすらできず、この微妙なランダム要素が足枷になってしまう。

総評

日中は魚獲り、夕方は寿司屋というシンプルなサイクルと数多のミニゲーム、サブミッションが融合され、展開が読めないゲームプレイを提供し続けてくれる一作。
個性豊かなキャラクター達や料理のラインナップ、現実に忠実で緻密な細かい描写、ネタ要素といった演出面も評価が高い。
様々な角度から海の奥深さに潜り進むようにアプローチする楽しさを教えてくれる作品である。


余談

  • タイトルにも含まれているデイヴの名前はその太った容姿から日本語の「デブ」と「ダイブ」を掛け合わせたもの。
    • このネーミングはある意味必然的であり、上層部は日本語を理解している人があまりいなかったがそのまま採用となったらしい。
  • 主人公のデイヴ含めてキャラクターの中年率が異様に高いのも本作の特徴。
    • 開発陣の年齢層が近いのもあって面白いキャラクターを集めていくと偶然中年のキャラクターが多くなっていったそうである。
  • コロコロコミック2023年9月号より、コミカライズ版が連載開始。
  • 2023年10月26日にNintendo Switchで配信開始予定。

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最終更新:2023年10月03日 20:52