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#contents(fromhere)

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初稿投稿日: yyyy/mm/dd 追記修正歓迎
//#areaedit
*タイトル
【読み】
|ジャンル||~|
|対応機種||~|
|発売元||~|
|開発元||~|
|発売日| 年 月 日|~|
|定価|, 円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|レーティング|CERO: ()|~|
|廉価版| : 年 月 日/, 円|~|
|配信| : 年 月 日/ |~|
|備考| |~|
|判定| |~|
|ポイント| |~|
//#contents(fromhere)
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**概要
**評価点
**賛否両論点

**総評
**余談
//#areaedit(end)

一般的な編集の練習などは「サンドボックス」へどうぞ。



初稿投稿日: 2023/9/22 追記修正歓迎

アラビアンドリーム シェラザード

【あらびあんどりーむ しぇらざーど】

ジャンル アクションRPG
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 2MbitROMカートリッジ
発売元 カルチャーブレーン
開発元 カルチャーブレーン
発売日 1987年9月3日
定価 5,300円
プレイ人数 1人
備考 パスワードコンティニュー
判定 なし
ポイント 時空を超えた壮大なスケールの冒険
個性豊かな仲間達
子供向けのイメージに反して大人も匙を投げ出しかねない謎解き


概要

スーパーチャイニーズや飛龍の拳をリリースした 有限会社日本ゲームズ が、社名を 株式会社カルチャーブレーン と改めてから初めて送り出したファミコンソフトで、中世アラビアをモチーフにしたファンタジー世界を冒険するアクションRPG。
上記の2シリーズと比較すると知名度は低いが、過去や未来といった時空を超える壮大なスケールの舞台と、数々の独創的なシステムが盛り込まれた意欲作である。


ストーリー

昔々、アラビアは魔物達のあふれる暗黒の地でした。大魔神ゴルゴラが力を奮い、すべてが禍々しいもので満ちていたのです。 そこへ、伝説の魔法使いイスファが現れ、光の封印の聖なる力をもって、大魔神ゴルゴラを封じ込め、アラビアに平和をもたらしたのでした。

それから三千年経った或る日、大魔道士サバランは、アラビアを支配しようと野望にかられ大魔神ゴルゴラの封印を解いてしまうのでした。その所業を止めようとしたシェラザード姫は、何処ともなく連れ去られ、再びアラビアは暗黒が、支配するようになったのです。

イスファの生まれ変わりと云われた若き魔法使いが、サバランにさらわれた恋人シェラザード姫を救おうと、魔物達と勇敢に戦いましたが、大魔神ゴルゴラの力を得たサバランの前にあえなく敗れ、時空の彼方、異世界へ飛ばされてしまったのです。

―――時空の彼方、遥かアラビアの世界で魔物と戦っていた若き魔法使いとは、紛れもなく貴方のことです。その証拠に貴方には助けを求めるシェラザード姫の声が聞こえる筈です。 貴方は伝説の英雄です。しかし貴方は一人でサバランに立ち向うことはできません。そう、貴方には共に戦う仲間が必要です。そのためには、時空を越え、ある時は魔物も恐れぬ戦士にまたある時は賢い聖者に輪廻転生し、仲間を捜し出さなければなりません。 さあ、勇気を奮い起こし、再び魔法の世界へ旅立ちましょう。時空の扉は、いつも貴方の為に、開かれているのですから…………。


特徴

5つのステージを攻略するステージクリア形式のアクションRPG

  • 主人公は大魔道士サバランを追うと同時に、大魔神ゴルゴラ封印の鍵となる「光の封印」を求めて、ステージのボス「魔神」が待ち受けるパレスを目指すことになる。
    • そのためには時空をまたに掛けた冒険をし、ステージに散らばる仲間や様々な人と出会い、魔神に対抗する術を集めなければならない。

個性的な仲間達

  • ゲーム開始時点では「時の精霊コローニャ」との2人旅だが、ステージが進むごとに個性豊かな仲間が続々加わり、最終的には主人公を含めて最大12人という大所帯となっていく。
+ 仲間の紹介
  • カシム (名前変更可):主人公。伝説の魔法使いイスファの生まれ変わり。レベルアップで使える魔法が増える。
  • コローニャ :猫の獣人のような姿をした『時の精霊』。隠し階段のある所に行くとメッセージで教えてくれる。
  • ケバブー :『指輪の精』。ボスや魔法使いから退却したい時は、彼女の力を借りることで結界を破り、脱出することができる。
  • ファルーク :『ランプの精』の兄弟のひとりで、屈強な見た目に違わぬ腕力を持つ。アクションシーンでは攻撃アイテムとして力を借りることができる。
  • ガンメカ :昔のアララートの主言語だったペケペケ語を研究している『通訳ロボット』。
  • スピカ :イタズラ好きな『空飛ぶサル』。砂漠や森を迷うことなく飛び回ることができる。
  • イーピン :ダークパレスに囚われている『木の人形』。手に持った笛は吹くと不思議な力を発揮する。
  • プーキン :シマロンの実から生み出された『木の王』。暗闇を照らしたり、影をまとった敵の正体を暴く。
  • ムスタファ :フローズンパレスに居る『水晶の精』。アクションで敵の行動を鈍らせる魔法を使いこなす。
  • グビグビ :ビンのような恰好をした『毒消しの精』。敵の変身魔法を解くことができる。*1
  • レーニー :雨を自在に操る『雨の小人』。炎の魔神に対抗できる唯一の鍵。
  • ハッサン :『ランプの精』の兄弟のひとり。魔法合戦でファルークと編成すると、最強の陣形「ドラゴンの陣」が組める。
  • 主人公は冒険を続けるにあたり、幾度となく仲間たちの力を借りることになるだろう。
    • なお仲間はMPを使い切ったり*2後述の魔法合戦によって死んでいる場合、アクション画面で力を借りることができなくなる。

アクション画面の概要

  • 画面切り替え方式の見下ろし型のアクション。
    • ポーズ中の操作で使用する武器・アイテム・魔法などをAボタン・Bボタンに割り当てるシステム。何も割り当てられていないボタンはジャンプボタンになり、幅の狭い水場や茂みを飛び越えることができる。
      • 主人公は主に剣や杖を使い敵を攻撃、撃破していく。ゲームを進めると攻撃や回復の魔法を覚えることができ、仲間の力などの様々なアイテムが手に入る。
      • 街の中では「はなす」コマンドで街の人に話しかけられる。逆に攻撃を当てると「いたいっ!」などのリアクションが返ってきて、話しかけた時の会話の内容が専用のものに切り替わる。
    • ゲーム開始時は3つ残機が与えられている。主人公のHPが0になるか水などに入ってしまうと1ミスとなり、残機が無くなるとゲームオーバー。
      • ゲームオーバー画面では本作のパスワード「 時空 (とき)をこえる呪文」が表示され、タイトル画面に戻る(START)かコンティニューする(CONTINUE)かを選択できる。コンティニューの場合は特にペナルティなしでステージのスタート地点に戻される。

敵キャラクター

  • アクション画面のフィールドやダンジョンでは、画面が切り替わるごとに確率で敵キャラクターが出現。
    • 敵を倒すごとに経験値が手に入り、主にお金をはじめとしたアイテムをドロップする。
      • ゲームが進むと、影をまとい攻撃を無効化する敵が出現する。影を暴く魔法を使うか、プーキンの力を借りることで対抗できる。
      • 特定の位置には結界を張った敵の魔法使いとの固定エンカウントが待ち構えている。変身魔法を使い、手下を無限に呼び出す難敵で、倒すか特定の能力を使用しないと離脱できない仕掛けとなっている。

称号

  • ゲーム開始時に選択する他、モスクで変更することのできる、所謂ジョブシステムに近いもの。
  • パラメータ値の変化ではなく、アクションモードにおける武器の扱いの得手不得手で能力の差別化がされている。戦士だからといって覚えた魔法が使えなくなるということはないため、そこは安心して欲しい。
    • また特定の称号でないと進行できないイベントも存在しており、そのためストーリー進行に応じて適宜モスクに立ち寄ることになる。
      • 戦士 :剣の性能が上昇したり、特殊な効果を引き出すことができる。
      • 聖者 :盾や靴といった装備品の効果を引き出すことができる。
      • 魔法使い :杖の性能が上昇する。

街の施設

  • RPGで馴染み深いアイテム屋や宿屋を始め、お金を使って利用する様々な施設が存在する。
    • 宿屋 :仲間全員のHPとMPを回復させる。
    • :アイテムの購入の他、お金を借りることができる。アイテム購入の際「まけてよ」コマンドを使うと、場合によっては値切ることも……?
    • 傭兵所 :魔法合戦の助っ人となる傭兵を雇う事ができる。
    • モスク :称号の変更や、死んだ仲間の復活が可能。
    • カジノ :お金を賭けてルーレットを遊ぶことができる。称号が聖者の場合は入ることができない。
    • 魔法大学 :授業を受けてテストに合格することで新しい陣形を教えてもらえ、また卒業記念として貴重なアイテムを手に入れられる。

アイテム

  • 閉ざされた扉を開く「シクラスの鍵」や、敵に掛けられた変身魔法を解く「おまもり」など、バリエーション豊か。
    • 「ゴトラトのパン」「マシュルーブ」は回復アイテムで、それぞれHP、MPが尽きた時に持っていると自動で50ポイント回復してくれる仕組み。お金に余裕があれば最大限まで買い込んでおきたいところ。
      • 変わり種は「マジカルボイス」。コローニャが「怪しい」とメッセージを出している場所で使用すると隠し階段が現れる、本作を象徴するアイテムである。「アリババと40人の盗賊」の有名なシーンにちなんでか、このアイテムのみIIコントローラーのマイクに対応しており、説明書でもその点をアピールしていた。

レベルアップ

  • 主人公にはレベルが設定されており、レベルが上がるごとに自分と仲間のHPとMPの最大値が上昇し、新しい魔法を覚えることができる。
    • レベルアップするには経験値を一定以上集めた上で、ステージのどこかにある迷宮に捉われた王族たちを救出する必要がある。
      • 救出対象は1ステージごとにひとりずつ存在し、シェラザード姫の3人の姉妹を含めた合計5人となる。

魔法合戦

  • 本ゲームでは基本的に戦闘をアクション画面で行うが、一定の確率でエンカウントが発生し、コマンド入力式の戦闘画面に移行することがある。これを本作では「魔法合戦」と呼ぶ。
    • 魔法合戦では主人公を含む最大3人で「陣形」を組み、持っている回復アイテムを仲間に分け与えた状態で戦う。特定の陣形を組むことで専用の合体魔法が使え、その陣形が敵グループに対して有効な場合、防御力にボーナスが掛かる。
      • 戦いを無傷で避けたい場合は「和平」を申し込むことができる。お金が必要となる上、中には和平に応じない敵も居るが。

時空の扉

  • ステージのどこかにある「 時空 (とき)の扉」は、同じステージの違う時代へ繋がっている。
    • 例えば500年前のアララートは現代と違い砂漠が無いといった風に、同じステージでも時の移り変わりによって地形が大きく変わっていることが多い。
      • ステージクリアのためには現代と別時代をそれぞれ攻略する必要があり、その橋渡しとなるイベント。

アララート日食

  • ステージを冒険中に極稀に起こる現象で、日食中はフィールドの色彩が暗くなる視覚効果が入る。
    • 本作の世界観において太陽は悪魔のシンボルという立ち位置であり、その太陽が封じられたことでプレイヤー側に様々な恩恵が得られるという設定。
      • 具体的には敵キャラクターの能力が下がる、大魔法が使用出来る、など。なお時間経過、もしくは特定のイベントで日食は強制的に終了する。

大魔法

  • ステージのどこかに居る賢者に、同じくステージのどこかで手に入る合言葉を伝えることで授かることのできる、特殊な魔法。
    • アララート日食の時のみ使用可能で、通常の魔法とは一線を画した効果をもたらすが、一度使用すると無くなってしまう*3

評価点

アラビアンナイトをモチーフとした独創的で壮大な世界観

  • 架空のアラビアという舞台で千夜一夜物語をベースに味付けを行い、カルチャーブレーンならではの独特な世界観を作り上げている。
    • また、違う時代を冒険するというファクターは、ステージのスケールアップに貢献するだけでなく、散りばめられた情報からそのステージが時代と共にどう移り変わったのかを想起させ、世界観に奥行きを与えている。
      • アララート日食や気候の変化といったものが、視覚的特徴の変化やプレイヤーにメリットをもたらすイベントというだけではなく、世界観の構築に一役買っている点も注目すべき所。
      • そしてストーリー最終盤、主人公はついに大魔道士サバランを追い詰め、シェラザード姫との再会を果たすことになる。当然苦労は半端なものではないが、それだけに姫との再会のイベントには目頭が熱くなったという声も聞かれる。

仲間達と冒険をしている雰囲気を感じさせる試み

  • 操作できるのは主人公のみであるが(魔法合戦のコマンドを除く)、仲間達は随所で存在感を発揮しており、共に冒険をしているという感覚を味わわせてくれる。
    • 主人公と最初から共に居るコローニャは、街や怪しい場所があるごとにメッセージで知らせてくれるため、特に印象深い。またその可愛らしいビジュアルから、本作屈指の人気キャラクターでもある。
      • 戦闘中に援護してくれる仲間、敵にダメージを与える仲間、道案内をしてくれる仲間など、キャラクターごとに異なる活躍の場面が与えられていることで、より個性が強調されている。
    • ステージクリア後のデモシーンでは仲間たちによる会話が繰り広げられ、仲間同士で和気藹々とした様子を見せてくれる。

随所で凝ったビジュアルと演出

  • 電源を入れるとタイトル画面に入る前に、アラビアの情景のシルエットをバックにストーリーテリングが始まる。
    • ストーリーテリングによる導入は、主にストーリー重視型のゲームで既に積極的に取り入れられていた手法だが、本作ではタイトル画面に至るまでのグラフィックの描写とBGMとの相乗効果が素晴らしく、高い評価を受けている。
  • 魔法合戦も一見シンプルな画面構成に見えて、魔法や杖などのアイテムを使うとエフェクトが飛びかったり、状態異常の効果を受けるとグラフィックが変化したりと、視覚・聴覚ともに分かりやすいものとなっており、中々に力が入っている。
    • 特にド派手な合体魔法は条件が揃った時の威力が絶大で、並みいる敵の集団を撃滅した時は独特の爽快感がある。
  • 素早さの概念はなく、キャラクターがどんな行動をしたかでターンの行動順が決定され、具体的には「敵の合体魔法>味方の合体魔法>傭兵>魔法>特殊攻撃>遠距離攻撃(弓・杖)>近接攻撃」の順となる。
    • このうち遠距離攻撃のみ複数のキャラクターが使用すると同時に行動したという扱いになり、エフェクトと共に攻撃が交錯するような演出がなされ、その後にまとめてダメージ処理が行われるという、2023年現在でもゲームでは中々見られないものも。
      • 非常に描写が凝っている反面、ゲームのテンポを削ぐという側面もあるのだが、それについては後述の問題点にて。
  • 店などの施設、シェラザード姫の姉妹の救出など、仲間以外のNPCと対面するイベントは顔グラフィックが採用されており、キャラクターのビジュアルを強く印象付けることに貢献している。
    • 本作におけるNPCの顔グラフィックは他のカルチャーブレーンの作品と比べると、かなりリアル寄りの作風。
      • キャラクターをアピールした会話シーンは後のスーパーチャイニーズシリーズや飛龍の拳シリーズに通ずるものがあり、本作はその先駆けとも言えるものかも知れない。

カスタマイズ性に富んだアクション

  • アクションで使用するボタンコマンドは、ポーズ中に対応するボタンを押して使いたいものを選択する、当時としては画期的な操作形態。
    • AボタンとBボタンの2つのみだが、状況や用途に応じてコマンドをカスタマイズでき、慣れると快適。
      • 使用例をいくつか挙げると、ガッツリ戦闘したい場合は剣と杖を、サクサクと進みたい場合は攻撃魔法とジャンプを、道を塞ぐ敵を強引に突破する場合は保険として回復魔法をセットする等。もちろんこれ以外の組み合わせも自由自在。

バリエーション・質共に良好なBGMの数々

  • どこか悲しくも美しいフレーズのタイトルや過去・未来のフィールド、不思議な階調で奏でられる戦闘シーンやショップ、不気味さを前面に出したダンジョンやボス戦など、印象的な曲が多くバリエーションにも富んでいる。
    • 多くのユーザーはやはり幻想的なイメージに惹かれるのか、タイトルやフィールドのBGMの評価が特に高い。

賛否両論点

文字の読みにくさ

  • 当時のスペックではカタカナを使用するのが難しかったのか、文字はひらがなと英数字のみ。独特な世界観のため、初見では固有名詞がスムーズに頭に入りにくい。
    • またフォントも独特のものを使用していることから、やや形がいびつで読みづらい傾向にあり、「時空をこえる呪文」を写し間違える要因になったことも。

画面の点滅について

  • まだガイドラインが敷かれる前の時代で、他のゲームにも多かったことだが、様々なシーンで白色の激しい明滅を伴う演出が多用されている。
    • 特に魔法使い出現時と時空の扉イベントはこの明滅が激しい。ゲーム進行上避けては通れず、何度も見ることになるのでプレイの際は注意。

振れ幅が広すぎるアイテムの物価と品揃え

  • 品物は店によって物価が異なり、また品揃えが極端に違うこともしばしば。
    • ひとつ20ルピアの回復アイテムがよそでは100ルピアだったり、そもそも置いていなかったりするので、効率よくゲームを進めたいプレイヤーはその点を念頭に入れて、賢く買い物をしなければならない。
      • 条件が揃えば値切ることも可能だが、調子に乗って失敗するとすごい剣幕で店から追い返される上、若干数のルピアを巻き上げられてしまう。

問題点

移動及び中断の煩雑さ

  • ショートカットやファストトラベルの類はほぼ存在せず、「じゅうたん」という、ダンジョンの場合はその入口に、フィールドの場合は最寄りのモスクに立ち寄る、使い切りのアイテムひとつのみ。一度行った場所であれ、目的地までは自力で移動するしかないケースが多い。
    • 極端なシチュエーションとして、違う時代の町でイベントを起こした後、現代に戻ってフラグを立て、再度違う時代に飛ぶという手順を踏むイベントが存在する。マップが想像以上に広いこともあり煩わしい。
      • また中断するのに必要な「時空をこえる呪文」を写すにもいちいちゲームオーバーにならなければならず、再開はステージの最初からとなるため、再開場所を自分で選べない点も難点。

難易度について

  • その明るいタッチの作風に反して、本作の難易度は大人ですら頭を悩ませるほどに非常に高い。
    • 本作が高難易度といわれる要因の多くはアクションの難度や敵の強さではなく、謎解き、特に終盤のもののヒントの少なさと、一部の謎解きを失敗した時のペナルティとのバランスが釣り合っていない点に起因している。
      • ストーリー進行上、NPCと問答をするイベントが幾つか存在するが、プレイヤーを試すような意地悪な問いが多く、その多くが良識に照らし合わせれば自然と答えに辿り着けるが、基本ノーヒントかつひとつでも答えを間違えると即ゲームオーバーという厳しいモノ。
      • ゲームオーバー自体に明確なペナルティこそないが、ステージの最初に戻されるため、興を削がれるプレイヤーもいたことだろう。
+ 指輪の精ケバブ―を仲間にするための問答の例
  • 1つ目の問い「私は偉大なるサバランに仕える者。あなたもサバランを称えますね?」→「いいえ」が正解
    • 2つ目の問い「それではあなたはサバランに逆らうというのですか?」→「はい」が正解
      • 2つとも正解すると、主人公がサバランに立ち向かえる勇気を持った人物かを試していたことを明かされ、仲間に加わるが、1つでも不正解だとゲームオーバーとなる。
  • なおシナリオ最終盤の問答では、ゲーム中完全なノーヒントでとある人物の名前を答えなければならない。また続けて通るであろうアクションの謎解きは判定がシビアかつ、失敗すれば残機が減らされるといった風に、エンディングを目指すプレイヤーの心を着実に折りに掛かってくる。

ちぐはぐなレベルデザイン

  • 全体的な難易度としてステージ1はそこまで難しくはないが、ステージ2では開始早々 いきなり迷いの砂漠を抜けないといけない 。僅かなヒントを頼りにあてもなく砂漠を彷徨った挙句、攻略を放り出したという子供も少なくはないと思われる。
    • 各ステージのボスの攻略についても、特定の攻撃しか通用しないというものが多く、無数の手段から手探りで弱点を突き止めることとなる。
      • ステージ1、3、4のボスは比較的分かりやすいが、ステージ2、5のボスは主人公の持つ特定の魔法がカギとなっており、予め攻略サイトなどで知っていなければ試行錯誤を重ねることになりがちで、結果的に謎解き同様高難易度に感じやすい。

普通にプレイする分にはメリットの薄い魔法合戦

  • 本作の目玉のひとつであるはずのRPG風の戦闘シーン「魔法合戦」であるが、戦闘中は行動処理のウェイトが長めで、事あるごとに2秒以上のエフェクトが挟まるためテンポが悪い。
    • 特殊ケースを除くと、まとまった経験値とお金を得られるほぼ唯一の機会なのだが、敵と味方平等に行動が回ってくるターン制故にキャラクターの消耗が激しく、一戦ごとの所要時間を考えるとそこまで効率は良くない。
      • このため、 普通にゲームクリアするだけならば魔法合戦は避けるのが最善手 。なんとも本末転倒である。
      • 一応、レアなアイテムを獲得できるチャンスがあるのだが、攻略に影響を及ぼすほどのものではなく、魔法合戦自体がやり込みの類になってしまっている。
  • 魔法合戦を突き詰めると相手に有効な陣形で魔法を使うのがセオリーという点に行きつくのだが、仲間が揃っていない頃は取れる陣形も限られるため、殆どの場合が苦戦を強いられるというのも大きな要因だろうか。
    • 仲間の一人のグビグビは組める陣形がないので、魔法合戦に参加させるだけ不利になってしまう。
      • 例え有効な陣形を取ったとしても、即死系の合体魔法も必ず効くわけではなく敵をとりこぼしやすい等、戦闘自体が運に左右されることも多い。

お金の需要と供給のバランス

  • 本作は宿泊やアイテム購入の他にも、100ルピア単位でお金が要り用になるイベントが数多く存在する。
    • それに対して アクションシーンに出てくる敵が落とすお金は、原則コイン型の1ルピアのみ で、これだけでは稼ぎに膨大な時間を要する。
      • この他に巾着型の20ルピア袋があるが、低確率でしか落とさない。
    • 例外として魔法使いの敵は確定で20ルピア袋を落とすため、積極的に稼ぐ場合はこちらを利用することになるが、彼らの扱う即死攻撃によって、倒すのに慣れていなかったりアクシデントであっさり残機が減る可能性もあり、若干リスキーではある。
    • 店では商人から借金をすることもできる。この場合まとまったお金を一時的に手に入れられる。
      • だが時間経過で利子が増える上、最終的には 一定期間内に返せなければ破産となり ゲームオーバー。このゲームオーバーのみ、直接タイトル画面行きとなってしまう*4
    • この他にもいくつか大金を手に入れるイベントが存在するが、条件つきや回数に限りがあるものばかりで、積極的に狙うのはやや難しい。

……と羅列するだけでも、通貨の需要に対する供給のバランスが見合っていない点が指摘されやすい。

ボリューム不足感の否めない終盤

+ 最終ステージのネタバレのため折りたたみ
  • これまではステージごとに違う都を渡り歩いてきたが、最終ステージは魔神を倒して平和になったステージ4の続きとなる。
    • それ自体は問題ないが、平和になった影響という解釈なのか、一気にイベントの密度が減少。
      • 時空を越えて全く違うステージの顔を見せてくれた時空の扉についても、最終ステージの扉の行き先は 過去のダンジョンの内部 。クリアに必須なイベントもひとつのみと、ここにきて一気に尻すぼみ感が強くなる。
  • サバランのもとに辿り着くと、 サバランは既に改心しており、彼の提示する謎を解くことで自らの命と引き換えにシェラザード姫の呪いを解いてくれるという展開になる 。意外性としては十分アリなのだが、サバラン戦を期待していたプレイヤーはここでも肩透かしを喰らう。
    • 他の姉妹の色違いでしかない顔グラフィックのシェラザード姫、終盤のシェラザード姫やエンディングにおける仲間のセリフの端々に見られる不自然さなど、色々とシナリオを詰め切れなかったのか、クライマックスの肝心なシーンに限って締まらない点もどこか息切れ感を感じさせる。

総評

個性的なキャラクターをフィーチャーした摩訶不思議な世界に、制作者が面白いと思うものをとことん詰め込んで生まれた、以降のカルチャーブレーンの方向性に大きく影響を与えたと思われる一作。
その先鋒となった本作は非常にごった煮感が強く、クオリティも粗削りなイメージが拭えないが、それでもこの独特の世界を作り上げた様々な要素は、王道のファンタジー作品では決して成しえなかったであろう、不思議な魅力に満ち溢れている。
たかがマイナーゲームと侮るなかれ。魔法と夢の国アラビアでの冒険は、きっとあなたに唯一無二の体験をもたらすであろう。


余談

  • 海外ではNESソフト「 Magic of Scheherazade (1990年発売)」というタイトルでリリースされている。
    • ただのローカライズに留まらず、グラフィックやサウンドのアップデートを始め、レベルアップシステムの変更やストーリーの補完などの手が加えられており、同じ世界観ながら大きくプレイフィールが変更された内容となっている。
  • 本作リリース後、プラットフォームを最新ゲーム機に移して続編を製作する動きがあったのだが……。
    • 1990年代当時のゲーム雑誌に掲載されていたゲームソフト発売スケジュールには、プラットフォーム未定、発売日も未定の状態が何年も続いており、最終的にはゲーム画面のひとつも出さないまま、いつの間にかスケジュールからひっそりと姿を消してしまった。
      • そのため当時のファンや雑誌の読者の間では、「 長い間ゲーム雑誌に仮タイトルだけが載り続けた幻のゲーム 」として語り草となっている。

初稿投稿日: 2023/09/29 追記修正歓迎

ちびまる子ちゃん4 これが日本だよ!王子さま

【ちびまるこちゃんふぉー これがにほんだよおうじさま】

ジャンル RPG*5 amazon(アマゾンのASIN)
対応機種 ゲームボーイ
発売元 タカラ
開発元 KID
発売日 1992年8月7日
定価 3,800円(税別)
書換 ニンテンドウパワー
2000年11月1日/800円 F×1・B×0
プレイ人数 1人
備考 パスワードコンティニュー方式採用
判定 なし
ポイント マルチエンディング採用
ミニゲームのバリエーションが豊富
ゲームに慣れない初心者への救済措置あり
丸尾くんの貴重(?)な裸眼シーンあり
ちびまる子ちゃんシリーズ


概要

まる子が町内を駆け巡って、花輪くんの家に来日する王子様に渡すプレゼントをかき集めるRPG。
RPGとは言っても戦闘やレベルアップなどはなく、クラスメートや家族からの頼み(ミニゲーム、お使い)を引き受けてこなすことでプレゼントが揃っていく。
RPGとしては一本道のストーリーだが、途中に挟まれるミニゲームの結果によって結末が変わるマルチエンディングを採用した作品。

あらすじ

ある日の放課後、先生に呼び出されたたまちゃんを教室で待っていたまる子は、花輪くんから日本を訪れる王子様へのプレゼントを集めてきてほしいと頼まれる。
花輪くんいわく、自分は「日本らしい物」を持っておらず、王子様を招待する準備で忙しいので王子様が来る前に「日本らしい物」を集めてきてほしいとのこと。
早速学校を飛び出すまる子であったが、たまちゃんは誰もいない教室の中でまる子に忘れ去られたことに落ち込むのであった……。

特徴・評価点

ストーリーはほぼ一本道で、基本的にその時点で何かイベントがある家・場所にのみクラスメートやまる子の家族が登場する。
それ以外の場合は、クラスメートの家などを訪ねても何も起こらなかったり、自宅の場合はお母さんに宿題をやるよう注意されて「今はそれどころじゃない」とまる子が言い訳するだけで全体マップに戻る。

+ 家・施設等の一覧

花輪くんの家以外は学校を北として時計回りの順に位置するものと断っておく。

  • 学校
    • 学校の先生から「あんごう」を教えてもらえる。「あんごう」をメインメニュー画面から入力することで続きから再開できる。
      • いわゆるセーブポイントであり、シナリオ中にここを訪れる必要のあるイベントはない。
  • 公園
    • お姉ちゃんや丸尾くんがいることが多い場所。
    • お姉ちゃんはまる子がミニゲーム「みずきりあそび」をしたいと勝手に解釈することが多い(そして遊ばされる)。
    • 丸尾くんの素顔が見られる場所でもあるが、メガネをなくした理由はとある伏線になっていたりする。
  • 丸尾くんの家
    • イベントがあるときは丸尾くんが出てきて、手がかりを教えてもらったりミニゲーム「なんびきとおったでしょう?」に付き合わされることもある。
  • ブー太郎の家
    • 「竹馬」などのアイテムをくれることが多いが、そのたびに竹馬の出来具合の確認としてミニゲーム「たけうまきょうそう」をするよう誘ってくる。
  • はまじの家
    • ここでのはまじとのイベントはエンディングへのちょっとした伏線となっている。
    • ミニゲーム「かきくりとり」のクリア報酬で「まごの手」をもらえるぐらいしかいいことはないが、シナリオ終盤で本人ではないものの重大な役目を担ってくれる。ただし、そのイベントは「この家では」起こらない。
  • みつや
    • 「くじけん」を持っているときにくじ引きで遊ぶことができる。
    • シナリオ終盤でとあるハプニングが起きてしまい、集めたプレゼント全てをなくしてしまう強制イベントが起こる場所でもある。
  • みぎわさんの家
    • みぎわさんが出てくるたびに何故かミニゲーム「にもつはこび」を頼まれる場所。
      • しかも「くじけん」を持っているので、くじ引きでハズレを引き続けると嫌でも荷物運びを手伝わざるを得なくなる。
      • ただし、くじ引きで当たりを引いた後は「くじけん」をくれなくなり、次の強制イベントまで荷物運びを手伝わされなくなる。
  • 神社
    • 誰もいないことが多いが、友蔵にミニゲーム「おどりのけいこ」をつけてもらう場所でもある。
    • さすがに孫にタダ働きさせるのはまずいと思われたのか、ミニゲームをクリアすると何かしらご褒美がもらえる。ちびまる子ちゃん おこづかい大作戦!』とは違って10円を拾うことはない
  • まる子の家
    • まる子の自宅で、あまり日が暮れていないにもかかわらずお父さんが帰ってきている。
    • まる子が自分に心当たりがあると思ったときはここで何かイベントがあることがほとんど。意外にも友蔵はここでは登場しない。
  • たまちゃんの家
    • ここでの最初のイベントではたまちゃんが自分を置いてけぼりにしたことに対し文句を言ってくる。
    • それ以外のイベントでは何故か笛(リコーダー)の練習として、ミニゲーム「きょくあてクイズ」に付き合わされる。
  • 花輪くんの家
    • 町のど真ん中にある大きな家で、今作のゴール地点。
    • プレゼントを集めきるまでは門が閉まっており入れず、シナリオ中のイベントを全てこなしてようやく入れるようになる。
  • 豊富なミニゲーム
    ミニゲームは8つ×難易度2段階(やさしい・むずかしい)+シナリオ中のみ遊べるくじ引き、合わせて実質17つのミニゲームが用意されている。 くじ引き以外のミニゲームはメインメニュー画面から入れるフリーゲームの項目で練習できる。
    + ミニゲーム一覧、順番はくじ引き以外フリーゲーム欄にならうものと断っておく
  • たけうまきょうそう
    • 竹馬に乗ってブー太郎とゴールまで競争するゲーム。
    • AボタンとBボタンを交互に押すことで進み、同じボタンを連続で押してしまうとバランスを崩して倒れてしまい、タイムロスとなる。
    • ブー太郎がゴールするタイムは完全に固定されており、「やさしい」で21カウント(秒)、「むずかしい」で10カウントとなっている。
  • おどりのけいこ
    • 友蔵の踊りのお手本を覚えて、お手本と一致するアイコンをお手本通りの順番に選ぶ暗記ゲーム。
    • 成功するごとにアイコンを選ぶ個数が1つずつ増え、間違えた場合はお手本をもう一度繰り返し見せられる。
    • 5回目の踊りまでに間違えた回数が2回以下ならクリア、3回間違えた時点で即座にクリア失敗となる。
      • なお、クリアの成否は間違えた回数のみ関わっているため、無理に5回連続での成功を狙う必要はない。
  • なんびきとおったでしょう?
    • 左右の壁の間を通る動物の数を数えるゲーム。出題者は丸尾くん。
    • やさしい・むずかしいともに7問中4問以上正解すればクリア。4問間違えた時点で即座にクリア失敗となる。
      • クリアの成否が間違えた回数のみを見ているのはおどりのけいこと同じだが、間違えても答えは教えてくれない。
    • 難易度の違いは動物が通る速さのみで、選択肢は5匹から13匹までの9択。
      • 余談だが、普通は6「ぴき」13「びき」と読む選択肢も「ひき」で統一されている。また、何故か数える単位が「匹」ではなく「羽」のニワトリも混ざっている。それでいいのか、学級委員。
  • にもつはこび
    • 画面左側に置いてある荷物を画面右側の倉庫に運ぶゲーム。依頼人はみぎわさん。お前も手伝えと言うのは禁句である
    • 荷物をA・Bボタン連打で持ち上げ、十字キーで左右に移動して右の倉庫に運ぶのを繰り返すゲーム。
    • 難易度によって制限時間が変わり、「やさしい」は99カウント、「むずかしい」は80カウント以内に10個以上運べていればクリア。
  • みずきりあそび
    • 石を画面両側にある旗より遠くに投げるゲーム。石は10個あり、投げ終えた時点で5個以上遠くに投げられていればクリア。
    • 十字キーで左右に移動して、Aボタンで石を投げる。画面右側のバーが基準線より上にある時でないと届かないが、左から流れてくる流木に当たってもミス。
    • 「むずかしい」になると流木の数が増え、流れる速さも上がる。
      • 石が沈んでから次に石を投げられるようになるまでのタイムラグはないため、上手くタイミングが合えばボタン連打で数を稼ぐことも可能。ただし、バーの動きは周期性があるとはいえ流木を回避できるタイミングと合うとは限らないため、過信は禁物。
  • きょくあてクイズ
    • たまちゃんが笛で吹く曲を覚えて何番目の曲と同じ曲を吹いたか当てるゲーム。
    • 5問目が終わった時点で間違いが2回以内ならクリア。3回間違えた時点で即座にクリア失敗となる。
      • 覚えるのが曲のフレーズであること以外は「なんびきとおったでしょう?」とほぼ同じ。
    • 曲は最大で6曲吹く。曲名ではなくあくまで「何番目の」曲と同じかを当てるゲームである。とはいえ、曲名で暗記するのも作戦の一つでもある。
      • なお、何曲吹いたとしても選択肢は必ず1~6番目の6択で、仮に2曲しか吹いてないのに3~6番目と答えた場合は当然間違いとなる。
  • かきくりとり
    • はまじが落とす柿と栗をそれぞれ黒いカゴ、白いカゴで受け止めるゲーム。柿と栗とカゴの色はそれぞれ一致しているため、同じ色のカゴで受け止めると考えればいい。
    • 十字キーで左右に移動、カゴはAボタンまたはBボタンで入れ替えられる。
    • 地面に落としてしまったり、間違ったカゴで受け止めてしまうとミス。3回ミスした時点で合計20個以上受け止められていたらクリア。
    • はまじは一定個数柿と栗を落とすと一気にスピードアップするため、初めのうちにミスが重なるとクリアが厳しくなる。
  • カードあてゲーム
    • 8枚のカードのうち最初にめくられた当たり(まる子)のカードを覚え、シャッフルされた後に当たりのカードがどの位置に移動したかを当てるゲーム。
    • 当たりのカードは「やさしい」で1枚、「むずかしい」で2枚あり、「むずかしい」の場合は2枚とも当てて正解となる。
    • 間違ったカードを選んでしまうとお手付きとなり、当たりのカードの位置を教えられる。
      • 覚えるのが当たりのカードの位置であること以外は「おどりのけいこ」とほぼ同じで、3回お手付きで即座にクリア失敗となる。
    • カードのシャッフルの速度は正解するごとに上がっていくが、一度に動くカードは2枚で固定。「やさしい」なら指で追うのも手だが、「むずかしい」だとその作戦では厳しくなる。
      • 余談だが、ハズレのカードの絵柄は丸尾くん。『おこづかい大作戦!』の時といい、ズバリ、この扱いは理不尽でしょう
  • くじ引き
    • シナリオ中に「くじけん」をもらって町の南側にある「みつや」に行くと遊べるゲーム。
    • みつやのおばさんいわく、「当たりは3つある」とのことだが、実は裏がある。詳細は賛否両論点にて。
  • フリーゲームの項目でミニゲームを練習してもスコアなどは記録されないが、ミニゲームのクリア失敗回数がエンディングに関わってくるため練習する意義がないとは言えない。
  • 会話シーンの演出について
    • 主要キャラクターは基本的にバストアップのグラフィックが用意されているほか、表情のパターンもそれなりに豊富。
    • 特にみぎわさんは専用のBGMが、花輪くんには専用のフレーズが用意されているという優遇っぷり。BGMのイメージもそれぞれのキャラクターとマッチしていて飽きさせない。
      • ちなみにナレーションは当然セリフのみではあるが、ツッコむ所はBGMを止めてまでしっかりツッコむので存在感は失われていない。
    • 丸尾くんや友蔵がショックを受けた際に背景にでかでかと「ガーン」の文字が降ってくる演出もインパクト大。
    • また、今作では何気なく丸尾くんの素顔が拝める。メガネをなくしてしまったので探してきてほしいと頼まれるのだが、その素顔はある意味貴重。
  • ミニゲームの救済措置
    • フリーゲームの項目から遊べる「むずかしい」に該当するミニゲームは、一度失敗すると「やさしい」に難易度を下げてくれる。
    • さすがに「やさしい」より簡単にはならないが、リトライはすぐにかつ、いくらでもできる。ただし、ミニゲームクリアに失敗すると見えないペナルティが加算されていく。詳細は賛否両論点にて。

賛否両論点

  • 色々とツッコミ所があるシナリオ
    • 最初に遊ぶミニゲームは「カードあてゲーム」で、下校の時間に花輪くんが今作の目的の切り出しも兼ねて誘ってくるという展開なので失敗しても話は進むのだが、ツッコミ所が1つある。
      • 花輪くんいわく「イタリア製のカード」なのだが、ミニゲーム一覧の記載通り絵柄はまる子と丸尾くんである。しかも、仕様上明らかに丸尾くんのカードの枚数が多い。……丸尾くんの選挙活動はイタリアにも広まっているのだろうか?
      • もっとも、ミニゲームの使いまわしだからと言ってしまえばそれまでなのだが……。
    • また、シナリオ中に王子様を迎える準備で忙しいはずの花輪くんが登場するシーンがいくつかある。もちろん協力なんてしてくれない。何をしに来たのだ、花輪くんよ。
    • 他にもミニゲームをクリアしたのに何も情報や報酬が得られない展開もある。なんという骨折り損だ。
      • 特にひどいのはみぎわさんの荷物運び(2回目)。勝手に荷物運びを手伝えと呼んでおいてお礼の品の一つもなし。これにはナレーションもツッコむ。
  • ミニゲーム「なんびきとおったでしょう?」「きょくあてクイズ」の焦燥感
    • 解答タイムとなった瞬間に突然焦燥感をあおるBGMが流れるのは、ちびまる子ちゃんの世界観としてはかなり異質。
      • 突然激しいBGMが流れた拍子に暗記した情報が飛ぶ可能性も高い。なかなか悪質な演出であるが、せめて2問目以降は心の準備をして臨みたい。
  • 「くじ引き」の仕様について
    • 「当たり」は3つあると毎回言われるが、実は当たりの数は必ずしも3つあるとは限らない。
      + 検証により確認できたくじ引きの割り当て、ネタバレ注意
    • 「いちご大福」のくじ……当たり5つ、ハズレ1つ、もう1回2つ
    • 「甘納豆」のくじ……当たり4つ、ハズレ2つ、もう1回2つ
    • 「だるま」のくじ(1回目)……8つ全部ハズレ
    • 「だるま」のくじ(2回目)……当たり3つ、ハズレ3つ、もう1回1つ
      • シナリオ上最後に引くくじになってようやく言ったことが本当になるのだが、「いちご大福」のくじが接待しているのかと思うほどの当たりの数だったり、8つ全部ハズレというイベント上仕方がないとはいえとんでもない罠を仕掛けていたりと、このおばさん、侮れない。
    • なお、くじ引きに必要な「くじけん」はミニゲームをもう一度クリアすることでまたもらえるので、くじが引けなくなることはない。
    • また、一度引いたハズレ・もう1回のくじは除外されるほか、景品を先に取られて詰むこともない。
  • マルチエンディング
    • シナリオの途中でプレイしたミニゲームのクリア失敗した回数によって、エンディングが分岐する。
    • 同じミニゲームを連続でクリア失敗しても1カウントとみなされ、くじ引きでハズレを引いたときはノーカウントとなる。
      + エンディング内容、ネタバレ注意!
    • ミニゲームのクリア失敗回数4回以下……王子様からのプレゼントが南の島特製フルーツの盛り合わせ+プサディー*6からの手紙になる。
      • エンディング的にはこれがベストエンドとなる。プサディーが登場するのもこのエンディングのみ。また、シナリオ序盤ではまじが見せたとある特技の伏線も回収している。
    • ミニゲームのクリア失敗回数5~7回……王子様からのプレゼントがゲテモノ料理*7になり、それを食べたまる子たちは翌日学校を休む。
      • バッドエンドの1つ。王子様の容姿は美男子だが、料理のチョイスとそれを食べたまる子たちのことを考えると……。
      • また、王子様の容姿の関係上ベストエンドと漬物石エンドで回収されるはまじの特技の伏線が回収されないまま終わってしまう。
    • ミニゲームのクリア失敗回数8~10回……王子様からのプレゼントが漬物石(自称。ナレーションいわく本当は高価な宝石)になる。
      • バッドエンドの1つ。プレゼント発表までの流れがベストエンドと同じなだけに、タチが悪い。漬物石という名の宝石を誰が受け取ったかは不明。
      • エンディングのランクとしてはこちらが格下なのだが、内容とオチ、伏線回収等を考えるとゲテモノ料理エンドの方がよりバッドと言えなくもない。
    • ここまではまだ感動的・ギャグ的なエンディングで済むが、あまりにもミニゲームでミスし過ぎると……。

      • ミニゲームのクリア失敗回数11回到達……全体マップに戻った時点でまる子がすっかり夜になっていることに気づき、王子様とも会えないままスタッフロールへ……。
        • 最悪のバッドエンド。王子様へのプレゼントを渡せなかったことを考えると、花輪くんに合わせる顔がないことは明白だろう。

問題点

  • セリフの早送りの操作が不便
    • セリフの早送りはBボタン押しっぱなしでできるのだが、次のセリフに進むボタンはAボタンでしかできず、逆に早送りはAボタンではできない。そのせいでセリフ送りの操作で指を動かすひと手間が挟まってしまい、テンポがやや悪くなっている。
      • せめてオプション機能を用意してセリフ送りの速さを調節できればよかったのだが。後述の問題点を考慮しても、再開するたびに設定しなおせるだけでも違ったであろうに。
    • ただし、一度終わったイベントの会話は後で読み返せないので、読み飛ばしの抑制という意味では親切設計とも言える。とはいえ、それはそれでRPGとして問題があるが……。
  • 手がかりが途絶える場面がある
    • RPGとしてはかなり痛い問題点。少なくとも途絶えた場所はもちろん、「学校」「花輪くんの家」「みつや」は特定の状況でないと用がないので除外されるが、それ以外は基本的に総当たりするしかない。
    • 特に「だるま」探しまで進めるとクラスメートから「知らない」「持ってない」とばかり言われて余計な手間と時間がかかる。
    • そうでなくともセリフを読み飛ばしてしまう、「あんごう」で久しぶりにプレイを再開するなどして意図せず手がかりが途絶えてしまう場合もある。
      • 一応立ち寄れる場所がそこまで多くないのが救いか。
  • メインメニュー画面のカーソルの操作方法が何故かSELECTボタン
    • ある意味中古対策、コピープロテクト……になっているかは不明だが、恐らくメインメニュー画面に情報を詰め過ぎたのが原因だろう。
    • 発売から8年以上経ってニンテンドウパワーで取り扱うようになったため、十字キーでカーソルを動かそうとして戸惑ったプレイヤーもいたと思われる。
      • ちなみに「あんごう」は十字キーの左右で文字入力カーソルの移動、上下で文字の切り替え、Aボタンで確定する方式。そう考えるとメインカーソルの移動の役割としてはSELECTボタンが適任ではある。
  • セーブ機能がパスワードコンティニュー形式
    • 今作は「あんごう」という形で学校の先生から8文字の文字列をメモして再開時にそれをメインメニュー画面で入力する、というパスワードコンティニュー形式となっている。
      • そもそも発売当時の時点でRPGでのセーブ機能はバッテリーバックアップが主流となってきているのに、パスワードコンティニュー形式を採用するというのが大きな問題点であるが、マルチエンディングを採用していることを考えると「簡単にセーブ&ロードを繰り返されるとベストエンドに辿り着いた達成感が損なわれる」というスタッフの意図もあるのかもしれない。
    • 幸いにも「あんごう」の長さは8文字で固定、文字も「あ」~「み」の32文字しか使わない、と比較的良心的ではあるが、それでもRPGで電池切れの恐怖におびえる、という最悪の事態を想定していないのは問題点と言わざるを得ない。
      • 追い打ちをかけるように、学校の先生は再開直後に何をすればいいか教えてくれない。もっとも、次にやることを学校の先生が知っているというのも違和感があるので、ここはまだ軽めの問題点である。
    • 身もふたもない話になるが、「あんごう」の長さがたった8文字でしかも32文字しか使わないという時点で、中断せずとも一気にクリアできそうな雰囲気をかもし出している感も否定できない。
      • この「あんごう」は次回作『まる子デラックス劇場』にも「パスワード」という形で受け継がれたが、あちらは意味のある文字列となっており、少し覚えやすくなっている。
    • フォローするなら、バッテリーバックアップを採用していないということはセーブ機能が劣化しないというメリットがあるのだが、テンポよく進めれば1~2時間もあればクリアできるので……。
    • たった8文字とはいえ、1文字でも間違えればまず通らないため、「あんごう」を紛失したり書き間違えがあるなどして再開できなくなった場合の心境は言うまでもない。

総評

ちびまる子ちゃんという日常とギャグが混ざった世界観で(お使いゲーム寄りの)RPGというジャンルに挑戦するという意欲作になった今作。
ミニゲームは難易度違いで水増ししている面もあるが、そもそもの種類自体が8+1種類と他のちびまる子ちゃんシリーズより多めで、目立ったバグもなく初心者への救済措置もある、とミニゲームの質と初心者へのフォローに関しては良好と言える。
一方で、RPGとしては次のイベントへの手掛かりが途絶える場面がある、意図的に無駄足を踏まされる、中断・再開の際に「あんごう」という名のパスワードを介する必要がある、と発売当時からそれ以前の他のRPGと比べてもあまり質が高いとは言えない。
さらにマルチエンディングを採用した結果、確かに感動的・ギャグ的なエンディングが生まれたが、同時に世界観を壊しかねないかつシナリオが強制終了してしまうバッドエンドまで生まれてしまった。
総じてミニゲーム集としては良好だが、RPGとしては平凡以下という、ちびまる子ちゃんという世界観にRPGというジャンルを上手く落とし込めなかった作品例となってしまったのは残念と言えよう。

余談

  • 無事に花輪くんの家まで辿り着けると王子様からお返しとしてプレゼントがもらえるのだが、その中にはよくよく考えると入国時に検疫を受けたのかどうか怪しいモノがある。*8
    + エンディング内容に関わるためネタバレ注意
  • ベストエンドのフルーツ盛り合わせは何のフルーツを使っているのかぼかされているものの、はまじが知らないフルーツを使っていることははっきりしているため、解釈次第では結構グレーな表現だったりする。
  • ゲテモノ料理のバッドエンドに至っては、まる子たちが食べた翌日に学校を休んでいるため、集団食中毒を起こした可能性がある。
    • ちなみにゲテモノ料理の中に「こうもりのスープ」があるが、コウモリは輸入禁止動物に指定されている。(参考:農林水産省の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)……まる子たちは立場上食べざるを得なかったとはいえ、よく国際問題にならなかったものである……。
      • もっとも、ちびまる子ちゃんの舞台の1974年やこのゲームの発売年の1992年は、現代とはまた事情は異なるのだが(例えば、コウモリが輸入禁止になったのは2003年)。
  • ミニゲーム「なんびきとおったでしょう?」はシナリオ中では「やさしい」しかプレイする機会がない。スタッフのミスだろうか?
  • ファミ通クロスレビューでの点数は40点満点中20点。『おこづかい大作戦!』から2年弱経っても点数が伸びない辺り、スタートダッシュでこけた代償は大きかったようだ。
  • スタッフロールはまる子が読み上げるのだが、その中に「けっこん おめでとう」と、明らかにスタッフロールとは無関係であろうスタッフ紹介があったりする。

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最終更新:2023年10月01日 16:30

*1 アクションで登場する魔法使いの変身魔法を除く。

*2 特定の仲間に限る。

*3 使用した後に賢者に合言葉を伝えれば、再度手に入れることも可能。

*4 ゲームオーバーからのコンティニューで借金を踏み倒させないための特殊な措置と思われる

*5 ファミ通191号クロスレビューより

*6 まる子がタイに行ったときに友達になった女の子

*7 大トカゲの丸焼き、こうもりのスープ、カエルの唐揚げetc...

*8 伝染病や外来種が日本に蔓延するのを防ぐため、海外から入国・帰国する際には検疫を受ける義務がある