下書きの記載に関するルールの変更について (24/5/26変更)
記事が完成するまでの間は最低でも週に1度は記事作成相談スレを確認するようにしてください。
記事作成依頼の判断は初稿者に委ねられますが、下書きが完成したと判断しても別の利用者が追記や修正を行うことも踏まえ、記事化依頼前にスレで意見が挙げられているか確認してください。
記事を直接投稿できるメンバーの方も、「記事下書きページを利用する場合は」性急な記事化は避け、スレを確認することを推奨します。
詳しくは利用法をご確認下さい。


記事下書き3

ゲーム記事や用語集項目など、Wikiコンテンツ作成時の下書き用ページです。ここにある記事は正式作成前の扱いのため、リンクの作成や修正依頼・要強化依頼の添付は禁止です。
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下書きに画像をアップロードするのは控えてください。記事化後も画像が下書きに残り続けてしまうためです。
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メンバー権限がない人は新規ページ作成ができないため、記事の作成は下書きページを経由する必要があります。
メンバーではない人は記事作成依頼所からページ作成を依頼してください。

権限がある人は下書きを経由せず直接ページを作成して構いませんが、以下の場合は下書きページの利用が推奨されます。

  • 記事内容の質に自信がない場合や、第三者によるチェックが欲しい場合
  • 有名作・話題作で編集合戦が頻発することが予想される、判定について揉める可能性が高い場合

加筆、修正、下書きを元にした新規記事の作成は自由です。ただし、 自分がプレイしたことのない作品の記事化は禁止 とします。
また「このWikiで扱う作品」及び「記事作成のガイドライン」を参照の上でお願いします。記事作成相談スレも活用してください。


「記事下書き」は用途別にページが分かれています。


利用法

  • 1. 記事を載せる。
    • 下書きは縦に並んでいますが、新しく下書きを載せるときは必ず最下部に追記してください(下書き作成日が古いものが下部に行くと削除期限日がわかり難くなるため)。
      また、編集が楽になるので記事の最初と最後にareaeditプラグインを付けることをお勧めします。
    • ここに載せた下書きは、初稿作成から1ヶ月が経過すると基本的に削除されます。 記事の投稿時には、必ず記事冒頭に初稿作成日を記述して下さい。記述の無い場合、1か月より早く削除されてしまう可能性があります。
      事情により長期間更新できない場合、個人でバックアップを取る事をお勧めします。
      その場合、初稿執筆者が不在の際に第三者が下書きに直接手を加えることもありますので、執筆に復帰する際は下書きの確認とスレでの相談を忘れずに行いましょう。
      • なお、判定や記事内容について記事作成相談スレで議論中の場合と、避難所にある記事の場合はこの限りではありません。ただし避難所の利用には相談スレへの報告が必要です。
    • 新規記事の判定については基本的に初稿執筆者自身の判断に委ねられています。記事作成のガイドラインに則る限りは自由に付けて構いません。ただし記事作成後に異論が生じた場合、判定変更議論依頼が提出されることがあります
  • 2. 記事を完成させる。
    • 基本的に初稿執筆者が記事の完成に責任を持つようにしてください。 記事は大勢の手で完成させるものですが、下書きに投稿したからといって必ずしも他のユーザーの手が加わるとは限りません。未完成の記事を長期間放置するのは迷惑行為です。
    • もちろん一般記事同様に初稿作成者以外が編集を行うことも可能です。ただし、第三者が以下の事項を行う際は必ず記事作成相談スレに報告を入れてください。悪質な場合は規制されることがあります。
      • 下書きを削除もしくは移動する場合。
      • ゲーム記事の判定を変更する場合(未定のものに付与することも含む)。
      • 下書きを記事として作成する、もしくは作成依頼を出す場合。
      • その他、記事のニュアンスに大きく変更が生じる編集をする場合。
    • 記事が完成するまでの間は、 少なくとも週に1回程度は記事作成相談スレを確認してください。
      • 作成している記事に対して、スレ内で意見や指摘が出ることもあり、初稿作成者が意見や指摘を確認しなかった場合、スレ内の意見や指摘にしたがって大きく内容を書き換えられてしまう可能性もあります。
  • 3. 記事を作成する。
    • 記事が完成したら、作成する前に記事作成相談スレで意見や指摘が出ていないかを確認し、意見や指摘が出ている場合は、その意見や指摘を解消してから記事作成してください。
      • 記事完成後、2,3日の間は意見や指摘が出ないかを確認するといいでしょう。スレで記事が完成した旨を報告し、意見や指摘を募るとより確実です。
      • 意見や指摘を無視して記事作成をした場合、自分では問題ないと思っていても「文章が簡素で内容が薄い」「文章が支離滅裂でわかりにくい」「他のサイト・Wikiからの無断転載」などの理由により、 記事化後すぐに修正依頼や要強化依頼が出されたり、記事化自体が見合わせとなる場合があります。
    • 記事が完成したと判断したら、好きなタイミングで記事を作成して構いません。新規記事作成は管理者とメンバーのみ行えるため、ログインIDを持っていない人は、記事にする際に『記事作成依頼所』で依頼してください。
      • なお、代理作成依頼によって作成された記事の内容に関する責任は執筆者・依頼者に帰結するものとし、代理作成者は責任を負いかねます
    • 記事内容によっては、単独記事として作成するよりも既存の記事への追記の方が良いと判断される場合もあります。
      なお、追記の場合はログインなしでも作業可能です。
      • 追記を想定して記事を作成する場合、下書きの冒頭に追記先の記事名を表記しておくのもいいでしょう。

注意点

  • 発売直後のゲームの記事を執筆したい場合、発売日から3か月経過していることが条件となります(3か月ルール)。
    • 移植版や、海外で先行発売された後に国内で発売された作品も、その発売日から3か月の経過を待つ必要があります。
  • 一度に投稿する下書きは一つとし、その下書きを完成させて記事化依頼してから次の下書きを投稿するようにしてください。
+ 下書き用テンプレート。書き方の詳細はテンプレのページを参照

contentsプラグイン(19行目)は必ずコメントアウト状態(先頭に「//」が付いたまま)で記載してください(記事作成時にコメントを外す)。
コメントアウトしない場合、全下書き項目の見出しが目次化されてしまいます。

↓↓↓ここからコピー↓↓↓
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#areaedit
初稿投稿日: yyyy/mm/dd 追記修正歓迎
*タイトル
【読み】
|ジャンル||~|
|対応機種||~|
|発売元||~|
|開発元||~|
|発売日| 年 月 日|~|
|定価|, 円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|レーティング|CERO: ()|~|
|廉価版| : 年 月 日/, 円|~|
|配信| : 年 月 日/ |~|
|備考| |~|
|判定| |~|
|ポイント| |~|
//----
//#contents(fromhere)
----
**概要
**あらすじ
**特徴
**評価点
**賛否両論点
**問題点
**総評
**余談
#areaedit(end)
↑↑↑ここまでコピー↑↑↑

一般的な編集の練習は「サンドボックス」へどうぞ。



初稿投稿日: 2025/9/6 追記修正歓迎

シャインポスト Be Your アイドル!

【しゃいんぽすと びー ゆあ あいどる】

ジャンル シミュレーション
対応機種 Nintendo Switch 2
発売・開発元 コナミデジタルエンタテインメント
発売日 2025年6月5日
定価(税10%込) 8,800円(パッケージ/ダウンロード版)
デジタルデラックスエディション:11,000円
レーティング CERO:B(12才以上対象)
判定 良作
ポイント まさかのSwitch2でリリース
アイドルの夢と現実のせめぎ合い
技術とこだわりのライブシーン
ゲームバランスは少々詰めが甘い部分も
電撃文庫シリーズ


概要

Nintendo Direct: Nintendo Switch 2 - 2025.4.2にて発表された、コナミとストレートエッジが手掛けるメディアミックス企画『シャインポスト』のCSゲーム版。
Nintendo Switch 2のロンチタイトルなので当然だが、サードメーカー初のSwitch2専用完全新規タイトルでもある。

電撃文庫などで先行していたメディアミックス作品が好評を得ながらも、ゲーム版発売に至るまで一筋縄ではいかなかったために期待半分不安半分な前評もあったが、中身の方は手堅い一作となっていた。
本ゲーム版及びメディアミックス作品を含める『シャインポスト』の総合プロデューサーは『Elebits』及び『ラブプラス』でディレクターを務めた石原明広氏が担当している。

『シャインポスト』とは?

記事内で本作の発売経緯やプロジェクト全体に都度言及すると冗長になるため、まずはこれまでの『シャインポスト』という企画そのものの解説を行う。

  • 『シャインポスト』とは21年に発表されたマルチメディアアイドルプロジェクト。
    • 2021年より刊行開始された小説版を原案とし、漫画・アニメ・リアルライブなど多角的な展開がなされていた。
    • しかしながら、企画発表当初より告知があったiOS/Andoroid向けモバイルゲーム版がサービス開始されないまま時間だけが過ぎて行き、ついにはSNS上の公式アカウントで行われていた配信までのカウントダウンも停止。出演陣の誕生日を祝うツイートだけが投稿されていたために誕生日お祝いbotと揶揄されてしまっていた。
      • こうした先行きについて暗雲が広がっていた状況故に、巷では開発中止になったのではないかとの噂も流れ始めていた。
  • 転機が訪れたのが2025年の1月。これまでiOS/Andoroidにてリリース予定だったモバイルゲーム版『シャインポスト』の正式な開発中止と、対応ハードがスマートデバイスからCS機へと開発移行していることが明かされ、先行きに一筋の光明が差したのであった。
    • そして同年4月2日。Nintendo Directにて突如開発中だったゲーム版『シャインポスト』が最新ハードであるSwitch2のロンチタイトルとなることがサプライズ的に明かされ、「Switch2初のサードメーカーがリリースする完全新規タイトル」であることも相まってこれまで『シャインポスト』というコンテンツを認知していなかった層からも注目を集めた。
    • こうして世に出たSwitch2用ソフトである『シャインポスト Be Your アイドル!』だが、中身はコナミの過去のシミュレーションゲームの要素を踏襲しつつも、これまでのアイドルゲームでは例を見なかった技術も投入されており、伝統と革新が融合された一作としてようやくお目見えすることとなった。

ゲーム内容

メインモード

  • 本編となるメインモードでは、アイドルユニットを育成し武道館でのライブ成功に導くことが目的のシミュレーションゲームとなっている。
    • これまでの各媒体の作品とは世界観設定上の繋がりはない。「TINGS」や「HY:RAIN」などメディアミックス作品で各アイドルが所属していたユニットは存在せず、全員が新人アイドルという状態でスタートする。
    • このため、原作に登場していたアイドル以外のサブキャラも登場しない。主人公はゲームオリジナルの人物となっており、新興事務所の社長とプロデューサーを兼任することになる。
      • 裏方のキャラクターが登場しない分、主人公のコンサルタントとしてゲームオリジナルキャラの和泉野小夢が登場し、随所でサポートしてくれる。
    • ゲームの流れ及び育成は『パワプロ』シリーズに近い。
  • ゲーム内のプロデュース期間は5年間。
    • 1年目~3年目の年始にオーディションを実施し、同時最大3ユニットをプロデュースすることになる。
      • オーディションは全23人の中からランダムで10人が選抜され、その中から5人を選びユニットを結成する。
      • 選ばなかった残りの5人は、次回以降のオーディションに再度登場することがある。年齢は変わっていないのだがそれはご愛嬌。
    • 各ユニットはデビュー後3年目に条件を満たしていれば目標である武道館に挑戦できる。
  • ゲーム内の時間は、1月内の上半期・下半期をそれぞれ1ターンとして扱う。
    • 各ターンでは事務所運営・資金調達・メンバーとの交流・設備投資や曲や衣装の発注・スポンサーとの契約及びスポンサー料の受け取り・ライブの実行・現在のパラメーターの確認などが行える。
      • 事務所運営・資金調達・メンバーとの交流・ライブのいずれかを実行するとターンエンドとなり次ターンになる。
    • ライブはそのターンでも飛び入り開催できるが、会場の事前予約も可能で開催予定日が遠いほど費用が割引される。
      • 予約したライブのキャンセルも可能だが、相応のキャンセル料を払うことになるためそうならないようにスケジュールを考えて予約を入れる必要がある。
  • ユニット及び各ライブ会場にはクラスという概念が存在する。
    • クラス1から始まり、クラスが上がればより大きい箱でライブが行える。
    • 目標となる武道館は最高クラスであるクラス5となっているため、挑むためには予約期限であるデビューから3年目の9月下旬までにクラス5になっている必要がある。
    • 武道館を予約しない・あるいはそもそもできない状態のまま3年目の9月下旬を終えた場合、自動的にチームの解散が決定する。
      • 解散が決まった場合、最後の晴れ舞台として解散ライブを行うか、あるいは解散ライブも実行せずにそのまま解散するかを選べる。
    • 成否は問わず、武道館ライブを終えたらそのグループとは一区切りがついたという形となり、プロデュース対象から外れ、残りのグループのプロデュースに専念することになる。
      • 5年目終了時点で各年のアイドルを武道館に導けたか・武道館ライブが成功できたかでエンディングが分岐する。
  • 資金
    • 経営シミュということもあって育成・ライブ会場の予約とキャンセル・設備投資・曲や衣装の発注等あらゆる場面で資金が必要になってくる。
    • 特に最終目標である武道館での公演には相応の大金が必要となるため、ライブを成功に導き事務所を続けるためにはアイドルたちの実力のみならずお金も大事である。
      • ライブ等で資金が赤字になるとその瞬間に強制バッドエンド。よってキャッシュには常に気を配らなければならない。
  • 各アイドルにはボーカル・カリスマ・メンタル・ダンス・ビジュアル・体力の6つのパラメーターが存在する。
    • 体力のみ施設での育成が不可能で、他のパラメーターの総合的な数値から自動的に決定される。

ヒロインストーリーズ

  • タイトル画面より選択できる、ゲーム本編とは別の独立したADVパート。
    • 世界観設定はこれまでのメディアミックス版がベースになっており、本編とは異なり各アイドルは原作に登場した各自のグループに所属している。
    • TINGS、HY:RAIN、FFF、ゆらゆらシスターズと4つのグループからそれぞれ1人をピックアップしたシナリオが4本用意されている。
      • キャラクターの所属以外もほぼ原作に準じた世界観故に、主人公が他人の嘘を見抜く能力を持っていたり、アイドル以外のサブキャラクターが登場する。
    • なぜ一つの作品内にこのような世界観設定が異なるシナリオが別個に用意されているかというと、これらのシナリオは開発中止になったアプリ版で使用される予定だった物を再利用したものだからである。

ビューワーモード

  • メンバービューワー
    • 各キャラのプロフィールや3Dモデルを閲覧できる。
  • ライブビューワー
    • これまでの周回プレイで育成したアイドル・入手した楽曲や衣装・公演を行った会場を自由に組み合わせてライブを行える。
      • 5年目まで行けなかった赤字倒産ENDを通った場合でも、育成経験ありという扱いになってこちらで使用可能になる。
    • アイドル達のパラメーターはカンスト状態として扱われるため曲を外したりすることはない。
  • メモリービューワー
    • ver1.1より追加された各キャラのサイドストーリーや幕間の会話、特定の状況での発言などを観覧できるモード

評価点

CS機で楽しめる『シャインポスト』の世界

  • 上述の通り、難航の末にCS機向けタイトルに変更されて発売されたわけだが、まずこれ自体を喜ぶ声が多い。
    • スマートデバイス向けの運営型アプリはうまく行けば長期間継続的にコンテンツを楽しめるという利点もあるのだが、その一方でやはり主な収益方法は有償ガチャになりやすく、今更論ずるまでもないがガチャ絡みの様々な問題点がつきまとうことになる。
      • 石原Pへのインタビューでもガチャでの収益を前提とした運営体制になる予定だったことに言及されており、そうしたガチャ絡みのしがらみから解放され買い切りソフトとして遊べることを喜ぶファンが多い。
    • また、収益が悪ければ短期のサ終でプレイが一生不可能になる、あるいは逆に収益が良くて長期化コースに乗った場合でも肥大化していくゲーム内容とレガシー化していく開発環境を維持することの難しさからのサ終…と運営型アプリは数年や場合によっては1年もせずにプレイ不可能になってしまうというリスクも存在する。
      • これに対し、CSゲーならば手元でいつまでも遊べるという運営型アプリにない確たる安心感が存在する。
    • 携帯して気軽に遊びたいという要望にも、Switch2ならばスマホより大きな画面で楽しめると同時にパワフルなサウンドで応えられる、ゲーム用に特化されたデバイスなので各種処理もスムーズ…などなど、
      総じてSwitch2のソフトになったことによるメリットの面が多く、見事ハードの切り替えに成功したと言えるだろう。

アイドルの華やかな夢とシビアな現実が交差する世界観

  • 他のアイドルコンテンツのように夢を目指す少女たちのサクセスストーリーではあるのだが、その一方で他のタイトルよりも業界の裏側やリアルな生々しさを感じさせる箇所もある。
    • ゲームとしての目標は武道館ではあるのだが、武道館に行けなかった場合の後日談もキャラごとに作られており、まだ人生をやり直せる範疇の人物もいればよからぬ方向に進んでしまう人も…と、失敗の代償がリアルに描かれる。
    • 夢破れても人生は「続いてしまう」ということの重さを直球で描くのはこうしたコンテンツとしてはかなり珍しく、独自色があると言える。
    • EDの中にはプレイヤーの右腕となりもっとも頼りになる小夢が、秘めたる思いをぶちまけるという衝撃的な内容になっているものも。
  • しかし、だからと言って決して現実の厳しさを強調してアイドルを偶像と切って捨てるようなゲームではない。
    • ストーリーとしてはアイドル文化及びそこに携わる人を通した他者の価値観の尊重・アイドル文化の地位を高めよう、というテーマが存在しアイドル文化そのものは肯定的に描かれている。
    • アイドル自体にビジネス的な側面もあるのは認めつつも、だからこそより健全な業界にしよう、アイドルでなくても大きな夢を持っている人や、大きな夢のためにバトンを繋げる人はみんなが 輝く道標 (シャインポスト)であるという前向きなメッセージ性のある作品である。
+ トゥルーエンドのネタバレ注意
  • 後述の難易度の都合から、トゥルーまでの周回で小夢の辛い過去をプレイヤーは知ることになるため、 その小夢が新たな夢を見つけ報われるオチなのは好評。
    • アイドルたちよりも小夢が好きになったという感想も多く、アイドルのサクセスストーリー面が強い他メディア版に対してプレイヤー=主人公のゲーム版だからこそのシナリオの魅力点と言える。
  • 終盤で全アイドルにとって目指すべき頂点である蛍が姿を見せる、という流れなのはアニメと同じだが、アニメでは表向きは尊敬を集めながらも裏では人間的な一面もある人物として描かれていた一方で、 本作では蛍との個人的な深い繋がりのある人物が登場しない。
    • このため、「絶対アイドル」の肩書に恥じない人格面が強調された描かれ方をしており、アニメの焼き直しになっていないと同時にパフォーマーとしての格を感じさせるという描かれ方の違いがあるのは以前より関連作品を楽しんでいた人からしても面白い。
  • 各キャラのハッピーエンドだが、恋愛関係になるわけではない。
    • そうした関係になることを想起させるキャラもいるが、一線は越えずにプロとしてそれぞれの道を歩もう…という矜持を感じつつもどこかビターな関係性で終わるようになっている。
      • 余談だがシナリオ担当者は普通に主人公とアイドルが結ばれるような展開にしようとしたところ、アイドルは恋愛をしないという石原Pのこだわりによって製品版の形になったとか。
    • 仲良くなった女の子といい関係になるというのはゲーム的なシナリオだが、客観的にみると夢を応援したいと言いつつ手を出すという不健全さもあるのでまぁよかっただろう。
      • システム上一周で3人のハッピーエンドが見られるので仮に恋愛関係になるオチにしてたら10代半ば~大学生と3股する社会人という非常に絵面的にまずいことになっていたので、そういう意味でも正しい選択だったと言える。

先端技術とこだわりで作り上げられたライブパート

  • 組み合わせ自由自在なライブシーン。
    • 本作の最大の特徴として、ライブにおいては23人全員が全32曲のどのポジションに配置することへの制約がないことが挙げられる。
      • 32曲の中には更に人数違い版が存在する曲もあるが、こうした楽曲もポジションを変えれば歌うパートもそれに応じてちゃんと変わる。
      • もちろん各アイドルに合った歌を歌わせる…のもよいのだが、小中学生に女のドロドロとした感情のこもった歌を歌わせたり、クールビューティーな年長者に児童向け教育番組のような歌を歌わせたり…とイメージに反するような歌を歌わせるのも面白い。
    • また、歌唱パラメーターの上達状態がきちんと反映されるという仕様があり、上達度に応じて歌い方もよりはっきりした発声になりビブラートやロングトーンもしっかり使いこなせるようになる。
      • こう書くと『学園アイドルマスター』のように上達度に応じて各役者があらゆる曲を別撮りしたのか、と思うかもしれないが……。
  • 実は本ゲーム内のライブシーンで流れる楽曲に各演者が歌っている曲は一つとして存在しない。ライブで披露される全ての楽曲は「演者の声を模倣した歌唱AIが出力した歌」である。
    • 技術面の解説をすると、本作制作にあたりあらかじめ各キャラの演者に複数の曲を歌ってもらい、それを元にAIにディープラーニングさせ、本人の歌唱を学んだAIが各曲に合わせた歌声を生成する…という仕組みになっている。
    • 機械が作った歌なぞまともに聞けるものかよ、と思うかもしれないが、音声合成・歌声合成技術の研究開発を行っている株式会社テクノスピーチ社*1の技術協力を得たことで、さすがに演者本人の歌唱力と同一とまではいかないものの、AIもここまで来たのか!?と驚くようなクオリティに仕上がっている。(参考動画1  技術デモなどではなく、実際に発売されているゲーム内のライブシーンの動画である。)
    • 学習においてはコナミ側が曲の指定やリテイクを行わないという独特な手法がとられており、演者側が好きに選んだ楽曲から学習をさせることで、単純な歌の巧拙よりもアイドルごとの歌声の個性を重視した調声がなされている。(参考動画2 このように、同じAI技術でもアーティスティックな歌い方やあどけない歌声といった個性を表現できる。)
    • ステータスに応じて細かく歌い方が変わる、ミスをすると音程を外すなど、この技術は演出としても上手く活かされている。
      • AI歌唱が盛りこまれたゲームや作曲ソフトは以前からもあるが、一本のゲームのために23人分もの歌声を作るというのは決して簡単ではない上に規模として前例のないことで、本作のオンリーワンの要素と言える。
      • 様々な分野でAI技術の活用が注目されている昨今だが、AIをエンターテイメント分野に用いるとどのようなことができるのか、という実例としても革新的かつ興味深いと言える。
  • ライブ衣装は60種以上かつ細かな差分違い版を含めると80種近くも用意されており、曲やアイドルに合わせて色々着せ替えるのも楽しい。
    • ファンシーなかわいらしい衣装もあればスタイリッシュでカッコいい衣装もあったりと曲同様幅が広く、好きな衣装を選べる。
    • 中には(アイドルのステージ衣装なのでそれ相応に隠れてはいるが)水着も存在する。大観衆の前で推しをセクシーな恰好で踊らせるのも一興。
      • 余談だが水着はもっとごく普通の水着のようなデザインだったところ、石原Pのこだわりで露出を減らしてかわいらしさを増やしたとのことで、アイドルとしての品性は保っている。まぁでかいキャラは何がとは言わないがちゃんと揺れるが
    • これらの衣装の原案は、AKB48や=LOVEなど実在のアイドルグループの服飾デザインを行っている株式会社オサレカンパニーが製作を行しており、この点でも『シャインポスト』という企画へのスタッフの力の入れっぷりが分かるだろう。
  • 作品世界のリアリティを増すのに一役買っている点として、実在のステージがそのまま実名で出てる。
    • ビル街にある「日比谷野外音楽堂」、ちゃんと背景に富士山が見える「コニファーフォレスト」など造形もしっかりしている。
    • 原作の縁からかライブ会場の中に「中野サンプラザ」があり、在りし日のように*2今からでもライブができるという貴重な(?)ソフトになっている。
    • これまたスタッフのこだわりポイントだが、会場ごとの音響の違いもしっかりと再現している。
      屋内か屋外か、ライブハウスや大型ステージか…等によって同じ曲でも歓声含め聞こえ方が違うため、しっかりと臨場感が感じられる。 (参考動画3 会場はクラス5の屋外会場であるコニファーフォレストで、上の参考動画1,2とはそれぞれ音響の違いが分かるだろう。)
  • ハコがでかくなりファンも増えてくるとライブに声援やコールが入ったり客に出演者の名前が呼ばれたりとより臨場感が出る。
    • メリットが一切ないプレイだが、ファン数はライブシーンの人数にきちんと反映されるため、ファンを増やさないままゲームを進めた場合箱の広さに対して観客に空きが目立つようになるという細かい仕様もある。
      • ごく一部ではあるが、特別な演出や性格に応じた踊り方の差が出る楽曲も用意されている。

シミュレーションゲーとしての面白さ

  • 不調管理に悩まされる面白さ
    • 失敗すると連鎖的に起こるというかの伝説の「爆弾処理」が令和に帰って来た。
    • 特に二年目以降は不調が見えていても他チームとのスケジュールの兼ね合いもあってタイミング的にすぐには対処できない、ということになりやすく緊張感がある。
  • いかに成功と収益のバランスを取れたセトリを用意できるかも悩ましくも考えるのが楽しい。
    • お金の管理はライブでどれだけ稼げるかは事前段階ではおおまかにしか分からないが、ストレス管理や時期を考えたらやるしかないという決断が迫られる時があり、バクチ的な面白さがある。
      • 試行錯誤が面白く、簡単でないだけに武道館達成できたことは達成感がある。

丁寧に作られたADVパート

  • 各キャラとの会話パートも一見普通に見えてなかなか丁寧に作られている。
    • 会話パートの立ち絵が一枚絵ではなく動きまくる。目線も細かく調整されている。
    • 特定の本数指を立てて数字を表現する、後ろめたいので話ながら目線をそらす、会話内容に合わせ顔を向ける相手を変える、しゃべっている間に涙ぐんでしまう…など非常に丁寧にモーションが作られている。
    • メモリービューワーに登録される会話でも555本あり、実際にはこれに登録されないちょっとした会話などもあるため地味ながら作業量的には相当な手間がかかっていると言える。
  • メインストーリーでは5人のアイドルが全員集まって会話するシーンもあるが、どの組み合わせを選んだとしても違和感のないように作られている。
  • ヒロインストーリーズも以前からのファンを中心に好評。もちろん本編内では語られない要素も出てくるので、本作から『シャインポスト』の世界に入った人でも本編とはまた違うアイドルたちの一面を楽しめるようになっている。
    • 特にアニメでは主人公チームであるTINGSの一員ながら個人回が無かった紅葉がピックアップされているのは好評。
    • FFFとゆらゆらシスターズの所属キャラは、これまでの作品では七海だけが他のキャラよりは多少出番があったぐらいで他のメンバーの仔細はゲームに預ける形になっていたので、ようやく詳細なキャラクター像やそれぞれの関係性が描かれたのも嬉しいところ。

賛否両論点

  • AI歌唱は上述のような評価点はあるが、自然さや完成度にはキャラごとにムラが存在する。
    • 突然ピッチが外れたりロングトーンで不自然な声の伸ばし方をする場合がある。特に紅葉は声質とAIの相性が悪かったのか、たまにかなり前のボーカロイドのように聞こえる時がある。
      • 春や亜珠花などの歌声は未熟な新人アイドル的なかわいらしさも感じる一方で、歌の巧みさという観点では他のキャラに見劣りする。
        ボーカルのパラメーターが高いキャラとの差別化や歌唱時以外のキャラクターとしての声の演技に寄せた調声の結果だろうか。石原Pは歌がうまいだけがアイドルではないとコメントしているので意図的に歌唱力に差をつけている可能性もある。
    • 対して、愛利や桃華や花音などはかなり安定している。麗美や菜花や七海も比較的良く、実唯奈もキャラクターとしての演技からはやや離れてしまっているものの歌自体は上手い。
    • ダントツで突出した出来の良さを誇るのが響季。ゲーム内でも歌唱力の潜在能力がMAXになるように設定されているのも納得のクオリティ。
    • 技術としては本当に素晴らしいので、今後の発展・改善に期待したいところ。
  • 上述の通りシミュレーションゲームとしての面白さはあるのだが、題材から想像できないぐらい硬派な部分もある。
    • 難易度選択機能や、近年のゲーム業界で採用されやすい超初心者向けのサポート機能などは存在しない。
    • 赤字になったら即ゲームオーバーという都合上、プレイに慣れるまでの序盤や武道館を乗り切るまでに必要な資金を体感として理解してないとそこまで上手く進んででも一発アウトということが起こりうる。
      • 意外といきなり危険なのが初ライブ。初プレイではどれぐらいの収益が入るか想像がつかない上に、直前で曲や衣装の発注もできてしまう。複数曲をやり切るにはその分体力がかなりいることを把握してないと、ライブがあるタイミングで色々発注してしまい資金が尽きておしまい…ということになりかねない。
    • 3年目は特に苦しく、3チームの管理をしなければならない。
      • そのうえ最後の難関である武道館ライブが待ち構えており、失敗は許されない。また、十分なファン・グッズ開発・資金確保を行っていないと、ライブに成功しても大赤字になってしまいゲームオーバー...なんて残念なことにも。
      • ただし武道館の成功は「5人曲を3つ入れる」のが成功条件なので、三人曲と二人曲をうまく使う抜け穴がある。
      • また、武道館以外でも応用できるテクだが、マスクパラメーターとして各曲は消費体力がわずかに異なるらしく、小夢に実行不可能と言われる演目でもただ並びかえるだけ実行できてしまう場合がある。
    • 本作はオートセーブでやり直しは不可能。
      • 周回プレイで前週の資金や曲や衣装の引継ぎも無し…と往年のゲームのような硬派さがある。
      • もっとも資金などは引き継いでいないことを前提のバランス調整をしているので、引き継げたら簡単になりすぎる部分はあるが。
  • ある意味スタッフのこだわった部分なのだが、こだわりすぎてて条件を分かっていないと回収困難な会話イベントがある。
    • 各アイドルとの会話の中にはそのアイドルが学生時代のうちにしか発生しないものがあり、ちゃんとゲーム内の時間経過と矛盾しないように設定されている。
    • しかしながら時限イベントであるというヒントが作中に無いため、仕様に気づかないとメモリービューワーにてその会話だけがいつまで経っても埋まらないままになりやすい。
      • 一応回収しなくてもゲームクリアには差し支えないので、会話を全回収しようとした時に気になってくる程度のものではある。

問題点

  • キャラクターが多いこともあって複数周回することを前提としているようなのだが、ゲームバランスにやや粗い箇所もある。
    • 3年目を耐えきった後は手持ち無沙汰になりがち。
      • 上述の通りこのゲームの難所は「資金繰りが厳しいが将来を見越た投資もする必要のある序盤」「グループが増える二年目以降」「1・2年目組の武道館挑戦」である。
        このため、1・2年目組を育成しなくてよくなる4年目の後半及び5年目はそれまでの資金や設備・ファンの人数が揃っていることもあって最低限のストレス管理さえしていれば特に躓くこともなく、そのまま2年目組の武道館さえうまく行けばあとは順当に3年目組の武道館ライブが成功できてしまうので、歯ごたえに欠ける。
    • 複数回周回してキャラクターとの会話イベントを回収する場合、5年目が余裕になるのを見越して3年目組にまだイベントを見ていないキャラを選べばゆっくり回収できるというメリットにはなっているが、過去のシミュレーションゲーム同様終盤が簡単になりがちという問題を抱えていると言える。
    • 1年目組が武道館成功した場合の4・5年目のみに対処しなければならないイベントを発生させたり、実行しなくてもクリアはできるが大量の資金がいるやり込み要素などがあってもよかったかもしれない。
  • 3年連続武道館ライブ成功が真エンドの条件である以上、攻略の幅は限られる。
    • 事務所のステータスだが、育成力が最重要で後はその他のステータスはEかD程度で3年連続武道館が達成できるようになっている。
      • 逆に育成力を疎かにして資金力関係のステータスを上げることのメリットが薄い。
    • ある程度上位クラスのライブで成功すればかなり稼げることもあってて「金周りは最低限だけ強化してそれ以外は育成全振り」でよくなってしまう。
    • 上位クラスでのライブ収益をもう少し減らす分、ゲーム中盤以降のスポンサーから得られる利益を増やしたり、真エンドを目指す以外にも条件を満たした時に見れる特殊エンドがあってもよかったかもしれない。
  • 死に要素のアンコール
    • ライブがうまくいった場合アンコールが発生し収益がアップするという要素のがあるのだが、あまりこの要素が生きているとは言い難い。
    • 本作のヘルプ画面はかなり親切なのにもかかわらず、何故かアンコールの解説だけは存在しない。このためスポンサーからの要求で初めて存在を知ることになるが起こし方が分からないという状況になりがち。
    • しかしながら、スポンサーの条件に「特定の会場でアンコールを起こす」が出てくるのは資金に余裕が出てくる中盤以降なので、スポンサーの枠を無駄に埋める要素にしかなっていない。
      • 上述の資金のバランスも合わせて、普段のライブだとあまり儲からないがアンコールが発生した場合のみかなり収益面で稼げる、アンコールが発生しても攻略上のメリットはさほどないが特殊な演出のライブシーンが始まる…等この要素を活かす工夫をして欲しかったところ。
  • 問題点と言うよりは要望に近いが、これまでの作品で発表された大半の楽曲を収録している中で、アニメ最終回にて印象的だった「On Your Mark!!」が未収録ないのがもったいないと言われていた。
    • アップデートでメモリービューワーモードのBGMとして採用されたため一応完全に聞く手段が無い状態からは脱却したが、結局現時点ではライブの演目としては歌えないままである。
    • 要望の類としてもう一点。
      ヒロインストーリーズではひまわりシンフォニーとLAUGH DiAMONDの所属キャラがメインになるストーリーは収録されていない。
      • このため当然ながらこの2グループの所属キャラのヒロインストーリーを見たいとの要望がある。
      • 石原Pは没となったスマホ版から拾い上げられなかったシナリオはまだまだ他にも存在すると言及しているため、いつか日の目を浴びて欲しいものである。
+ アップデートで改善
  • 初期版では会話回想機能が無かったため、各種会話をクリア後に再閲覧できなかった。
    • 特に一部の会話イベントではかなり力の入った専用の一枚絵があったため、再度見られるようにして欲しいとの要望が多かった。
    • 発売二か月後のver1.1でメモリービューワー機能が搭載され、現在では一枚絵つきのイベントに限らず他のストーリー・ランダムイベント時の各アイドルのセリフや個別のグッド/バッドENDなどを見返せるようになった。

総評

苦難を乗り越えリリースされた本作。経営シミュレーションとしても美少女ゲームとしても良く出来ている。
様々な業界でAI技術の導入が話題となる中で、エンターテイメント分野にAIをどう落とし込めば新たな体験が産まれるかという実例としても、先進的な事例と言える。

ゲームバランス面において少々詰めが甘い部分はあるが、ことライブやADVパートでは丁寧な手の込みどころもある。
とにかく一番重要な点として大幅な仕様変更という逆風にもかかわらず苦難を乗り越え見事Switch2のロンチに間に合わせた製作陣の手腕は評価されるべきだろう。

アイドルにあまり興味がない、これまでのメディアミックス作品を知らないという人もいるかもしれないが、夢と現実という人類にとって普遍的なテーマを題材にしており、これまでの『シャインポスト』を知らなくてもプレイできるつくりになっている。

まだまだ専用タイトルが少ないこともあり、Switch2を買うつもりの人、Switch2でしか味わえないゲーム体験を探している人にはぜひイチオシの一作である。

余談

  • 本作は個人の動画投稿/配信ガイドラインにおいてYouTubeやTwitch、ニコニコ動画などにプレイ動画等を投稿するには許可されているが、X(旧:Twitter)及びDiscordにはスクリーンショットのみ投稿可・動画を投稿するのは禁止となっているので注意。
    • 恐らくは楽曲の権利関係の都合で上述の動画サイトはJASRACと包括契約を結んでいるが、X及びDiscordは結んでいないのが原因と思われる。
  • モバイルゲーム版の素材をある程度流用する形で製作されているのだが、モバイル版のプレスリリースでは実装予定だったが本作には完全に引き継がれていない要素もある。
    • 実装予定だった要素の一つが屋外会場の天候や時間変化がある予定と告知されていたが、本作では実装されていない。
    • もっともまぁ夕方や夜間は背景が綺麗というのはありうるが、曇天や雨天ではあんまり見栄えがいいとは言いにくいので、実装されなくてもさもありな部分はある。

初稿投稿日: 2025/9/9 追記修正歓迎
特にPSP版のマルチプレイに関しては筆者にプレイ経験がないので追記を募集しています。
『LCS』の記事に則り、1ページ内に原語版・日本語版を並べる構成とする予定です。

初稿筆者より:ホスト規制に掛かっており、掲示板に書き込みができない状況です。
規制状態の場合に初稿投稿者としてふさわしくないという判断であれば初稿を取り下げますが、現状巻き込み規制なのか判断がつきません。

注意:このページでは、『Grand Theft Auto: Vice City Stories(原語版)』と、同日本語版について紹介する。 また、シリーズの各作品を以下のように略する。



Grand Theft Auto: Vice City Stories

【ぐらんど せふと おーと ばいすしてぃすとーりーず】

ジャンル クライムアクション

対応機種 プレイステーション・ポータブル
プレイステーション2
発売元 Rockstar Games
開発元 Rockstar Leeds
Rockstar North
発売日 【PSP】2006年10月31日
【PS2】2007年3月6日
レーティング ESRB:M(17歳以上対象)
判定 良作
ポイント 携帯機と思えぬ脅威のボリューム
「3D Universe」の集大成
異質ながらも質の高いストーリー
実在のミュージシャンが登場
Grand Theft Autoシリーズ

概要

世界中で大ヒットしているアクションゲームの金字塔『Grand Theft Auto』シリーズ、通算第8作目。 『LCS』の約1年後に発売されたPSP向け作品であり、『III』をベースに作られた通称「3D Universe」と呼ばれるシリーズの最終作でもある。

ストーリー

1984年のバイスシティ。生まれ変わりつつあるこの街には、チャンスが溢れている。麻薬売買を巡る裏社会の激しい勢力争いは、この街の成長をむしろ加速させていた。街のいたる所で開発が始まり、今ここに犯罪と汚職がはびこる一大都市が誕生しようとしていたのだ。

ヴィクター・ヴァンスは、陸軍兵として自分の国と、機能不全に陥った家族を守ってきた。だがたった1つの選択ミスが、それを不能とさせてしまった。彼は除隊処分となり、刺激と欲望の渦巻く街に、1人放り出されたのだ。残されたのは、極限の選択。この街での「成功」か「野たれ死に」だ。
(ロックスター・ゲームス公式サイトより)

特徴・評価点

  • バイスシティをPSPでほぼ完全に再現。
    • 本作では『VC』後半の舞台であった西側の島からスタートする。ストーリー中盤以降になると東の島が開放される。
    • ストーリー上『VC』の2年前に相当するため、マップの一部が異なる。
    • 入れる店が大幅に増えている。これは後述のエンパイアビルディングの物件ミッションのために入れるようになっており、買い物などはできない。
  • 概ねの特徴は『LCS』に準じているが、以下の要素が『SA』から復活した。
    • 泳ぐことができる。ただし出現するゲージがなくなると溺れてしまう。
      • 特定のサブミッションクリアで無限に泳げるようになる。ちなみに『VC』では泳げなかった。
    • ヘリコプターが復活。ゲーム後半では様々なミッションで乗ることになり、『VC』では隠しアイテムコンプリートの報酬だった軍用ヘリ「Hunter」もストーリーで印象深い役どころを務めている。
    • 自転車、ホバークラフト、小型飛行機などの乗り物も『SA』から再登場。
    • 汎用フォントで表示されていた地名・車名表示は『VC』同様の筆記体フォント表示になった。
  • 『GTA』としてはやや異質ながらも完成度の高いストーリー
    • 主人公のヴィクター・ヴァンスは陸軍出身ということもあり終始犯罪行為には不本意な様子を見せ、特に薬物取引は強く嫌悪している。
      • 悪徳上官にハメられて軍を不名誉除隊に追い込まれ、やむなく犯罪に身を落とすことになったヴィクターだが、決して芯を失わずバイスシティに立つ姿はこれまでの『GTA』シリーズの主人公とは違った味があり、魅力的である。
    • 明確なヒロインと言える子持ち女性のルイーズがいるのも『GTA』としては異質。しかしその展開は……。
    • 一方で周囲を固めるサブキャラクターは個性が強い悪人ばかりなのは相変わらず。
      • 『VC』に登場したキャラも多く登場しており、フィル・キャシディやランス・ヴァンスなどの過去の姿が見られる。
    • 細かいところだが、1984年当時に携帯電話はあまり普及していなかったからか、『III』以来久々にポケベルが登場している。
  • 実在のイギリスのミュージシャン「フィル・コリンズ*3」が登場。CVも本人が務めている。
    • 借金を抱えたマネージャーのせいで命を狙われるという役回りで、主人公は彼を守るために奔走することになる。
    • 楽曲『In The Air Tonight』がゲーム内に収録されており、ライブ映像をベースにゲーム内グラフィックで再現されている。ゲーム内で何度でも視聴可能。チケットは有料だが安価なので問題ないだろう。
  • 新要素「エンパイアビルディング」
    • 「帝国建設」の名であり、『VC』の「物件ミッション」と『SA』の「縄張り争い」を合わせて更に強化した内容になっている。
    • 街の各地にはビジネスの拠点となる建物が30か所配置されている。プレイヤーを含め4種のギャングが所有しており、襲撃したりされたりで所有が変遷する。
      • プレイヤー側は敵ギャングのビジネスに駐車されている車両を破壊することで敵ギャングを怒らせ、これを全滅させることでギャングを撃退することができる。
      • 敵ギャングもプレイヤーのビジネスを襲撃してくることがある。プレイヤーが急行して防衛するとノーダメージだが、防衛に失敗するか放置すると物件にダメージが入ってしまい、耐久力がゼロになるとその物件を失う。
      • プレイヤー以外のギャングも相互に襲撃を行っており、たびたび所有が変わっていることがある。
    • ギャングが撃退された物件は一旦所有者なしとなり、物件を購入しビジネスを建設することで所有することができる。なお購入しないまま放置していると他ギャングに取られてしまう。
    • ビジネスを決定すると一旦建設中になるが、時間経過ではなく距離を取って建物をアンロードすると建設が終了する。これはマップアイコンでも確認可能。
      • ビジネスの種類は「警備」「金融」「派遣」「砂糖」「密輸」「強奪」(名称は日本語版に準拠)。
        それぞれ建設費用が異なり、右に行くほど高額になる。後ろの3つは東の島解放後、敵から該当ビジネスを奪取することで建設可能になる。
        なお、「派遣」は売春、「砂糖」とは麻薬取引のことである。
      • ビジネスは大きさを小・中・大から選ぶことができる。当然大きいほど高額。
      • 6種のビジネスは固有のミッションを持っており、1つでもクリアすれば収入が2倍に、最大レベルまでクリアすれば3倍になる。
      • ビジネスごとに建物の外見は固有になっている。収入を重視して高額ビジネスで固めてもいいが、周囲の景観と比べて違和感がないように配慮するのもプレイヤーの自由。
    • 建設したビジネスの建物内にはセーブポイントがあり、ガレージはないものの各ビジネスごとに固有の車両が配置される。なお、30か所の物件を全て所有すると固有車両が防弾仕様になる。
    • ビジネスを建設すると毎日16時に収入が得られる。過去作とは異なり自分で取りに行く必要はなく、自動で所持金に振り込まれる。
      • ミッション中は振り込みは後回しになる。またセーブによる時間経過でスキップしても受け取れる。
      • 充分にビジネスを建設し運営すれば、毎日数万ドル単位の大量の収入が入るため、バイスシティに「帝国」を築き上げることができる。
      • 『SA』の縄張り同様、最低でも5件のビジネスを所持していないとストーリーが進まない場面がある。
  • システムの変更・改善も多数見られる。
    • 死亡・逮捕された場合に失った武器を2000ドルを支払うことで取り返せるようになった。そのためミッション失敗後の立て直しが非常に楽になっている。
    • 各種職業ミッションはレベル5ごとにチェックポイントがあり、そこで中断しても続きから再開可能になった。
      • 職業ミッション自体も救命ヘリや消防ヘリを使うものが追加されている。
      • エンパイアビルディングの物件ミッションは1レベルごとに再開可能。
    • 過去作では軍隊から奪うか100%クリア特典で、自分で使うにはおまけ的要素が強かった戦車Rhinoは、本作ではストーリークリアのみで搭乗可能になり、サブミッション攻略などに使えるようになっている。
    • マップ内の発見済みの隠し要素を確認可能になった。マップ画面で◯ボタン長押しで表示を切り替えられる。
    • 隠しアイテムは「レッドバルーン探し」になった。建物や植物の見つけづらい場所にも配置されており、銃で撃ち抜くことで回収したことになる。
      存在自体がやや気づきにくいが、ラストミッションの攻略中にほぼ間違いなく1つは破壊でき、気づけるようになっている。
      • 非常に見つけづらかったり、スナイパーライフルやヘリコプターが必須のものもあるが、過去作のようにアクションゲーム的に難しい操作を強いられるものはなくなった。
    • 殺戮ミッションは1度クリアしたものも再プレイ可能になった(報酬は得られない)。クリア済みのものはアイコンのドクロが青に変わる。
    • 100%クリア達成後、ストーリーミッションのムービーシーンを見ることができるようになった。このような取り組みはシリーズ初だった。
      • 後の『GTA:CW』以降ではミッションをリプレイ可能にするという形に替えて登場している。
  • ゲームに詰め込まれたとんでもない物量
    • 様々な要素が詰め込まれた結果、100%クリアに必要な要素の数は非常に多い。ストーリークリア時点では達成度は5割にも満たないことすらあるほど。
    • シリーズで見ると決して広い方ではないバイスシティに、とんでもない密度で要素が詰め込まれている。
    • 特にレースの数は半端ではなく、車・バイク・水上に大量のレースが用意されている。
    • 殺戮ミッションやユニークスタントも他作品と比べるとかなり数が多い。
    • 後述の通りストーリーミッションは難しめだが、サブミッションに関しては『LCS』よりも難易度が緩和されているものが多い。長い道のりではあるが、100%クリアは決して困難ではない。
  • PSP版はマルチプレイ対応。10種類のミッションが楽しめる。
  • PS2版はマルチプレイ非対応だが、殺戮ミッションが5種追加されている。また隠れ家で購入可能な乗り物がいくつか増えており、防弾車が気軽に入手可能になった。

賛否両論点

  • 一部ミッションの難易度がやたらと高い。
    • 特に最序盤のフィル・キャシディのミッション「Boomshine Blowout」が悪名高い。
      • フィルの酒「ブームシャイン」を炎上する工場から持ち出すというものだが、操作性のクセが強いフォークリフトで、爆破ゲージによる制限時間がただでさえ短く、酒を炎に近づけたら爆破ゲージが急速に貯まるという極悪仕様。
      • ミッション内容が内容だけに工夫のしようがなく、ゲーム最序盤にあるまじき壁として知られることになってしまった。
    • 一部の銃撃戦のミッションでは敵が無限湧きする。
      • しかも出現した敵は物陰またはプレイヤーの後ろに湧くため、見えないところから撃たれまくるというキツい事態になりがち。
    • 一応、本作でも『VC』『LCS』同様死亡や逮捕によるミッション失敗直後には開始地点に運んでくれるタクシーが登場する。
      上記の通り本作では失った武器を取り返せるようになったため、上記2作よりは実用的になっている。ただ防弾チョッキだけは戻ってこないのがネック。
      • また、一部のミッションではミッション失敗後の再プレイ時に途中の移動パートをスキップできるようになっている。
        しかしスキップできる・できないミッションの判別が不明瞭であり、救済策として有効活用できる域とまでは言えない。
    • 本作は敵も味方もNPCのドライブバイがやたらと強い。ストーリーミッション上では味方がいるため有利に働く場面が多いが、サブミッションやエンパイアビルディングの攻略では不利になる場面が多い。
  • エンパイアビルディング関連の仕様
    • 敵対ギャングの物件への襲撃は通常プレイをしている間はあまり発生しないのだが、一方でこちらが敵の物件を襲撃するとその後は急激に発生率が上昇する。この状態はセーブ&ロードされることで解消される。
      • 実際に街中のギャングも通常時より更に敵対的になり、乗り物に乗ってドライブバイで襲撃してくることすらあるため意図的なものと思われる。
      • しかし、防衛に失敗しても3回程度は耐えることができ、あとでその物件で安価な修復費用を支払えばもとに戻すことができる。
        しかも敵ギャングが選ぶ襲撃対象の物件はランダムなので、よほど運が悪く特定の物件を集中攻撃されない限り奪われる心配はなく、わざわざ防衛に向かう必要性があまりない。
      • なお、『SA』の縄張り争いと異なりセーブやミッション開始などでキャンセルした場合は必ず防衛を失敗した扱いになる。
    • 敵の襲撃が発生している状態では既に画面内に出ているものを除き敵物件の乗り物が出てこなくなる。
      • これは縄張りを広げている時に問題になりやすく、上記の通り防衛失敗がある程度許容できるバランスであるため、とりあえず物件を手に入れたらセーブ&ロードが安定択になってしまう。
      • ちなみに、既に画面に出ている敵物件の乗り物を破壊した場合は通常通り物件奪取が始まる。この場合は上記の通り防衛は失敗扱いになる。
    • また、エンパイアビルディングで破格の収入が得られる分ミッション報酬は他作品より少なく、10000ドル以上を得られるミッションは1つもない。
      • 終盤は激しい銃撃戦で弾薬を消費しやすいため、ストーリーだけを追いかけようとすると金欠になりやすい。

問題点

  • PSPというハードに限界まで詰め込んでいるためか、種々のバグが多いとされている。Wikipediaにバグの内容が列挙されているほどである。
    • トラックを護衛するミッションで、運転が荒い*4のか地形に引っかかってトラックが進行不能になることがある。ミッションを失敗するかセーブをロードするしかなくなる。
    • ヘリコプターから飛び降りる際に地面を突き抜けて画面外に落ちることがある。しばらくすると近くの地面に自動で復帰するが……。
  • ヴィクターの弟、ランス・ヴァンスの扱い
    • 『VC』にも登場し印象深い役回りであった彼だが、過去にあたる本作では全く救いようがない完全無欠のクソ野郎であり、ストーリー中盤以降でヴィクターが巻き込まれるトラブルのほとんどは元を辿れば彼が原因なものばかり。
      • 『VC』では若く青さが目立ち、トミーに軽んじられて裏切った男と取れる描写であったが、本作の描写を見るに根っこがそもそもダメな男だったという扱いになってしまっており、後付け設定にしても扱いの悪さが目立つ。
      • とはいえ、リカルド・ディアスと偽名で既に関係を築いていた点や、人間を見る目の鋭さなども『VC』への伏線としてちゃんと描写はされている。
    • なお、ランスの厄介者ぶりはゲーム部分にも反映されている。
      彼が登場するミッションの多くでは率先して銃撃戦の前線に出ようとするため、プレイヤーが積極的にカバーしに行かないとすぐに殺られてミッション失敗になってしまう。
      • ゲーム内のミッション指示でも「ランスを守れ!」とよく言われるあたり、やはり意図的に設定されているようだ。
    • 総じて、未熟さの表現としてはいささか過剰すぎた感が否めない。

総評

総じてこれがPSPで出たこと自体が驚異的といえるほどの詰め込み具合。
ほぼ『VC』のアッパーバージョンと言っていい仕上がりであり、遊べる内容の多さは凄まじい。
ストーリーミッションの難易度バランスにはやや難があるものの、無規制の原語版に関しては良作として充分許容できる範囲であろう。

『III』から長く続いた3D Universeの締めくくりとしては申し分のない完成度であり、有終の美を飾ることができたと言える。

余談

  • 現時点では後年の機種への移植はされていない。
    • スピンオフながら高い完成度を誇り期待する向きは多いが、やはり実在のミュージシャンを出したことによる権利問題が影響していると見られる。
    • 2013年4月からPlayStationNetworkで配信されていたとのことだが、2017年7月24日を持って配信停止されている。
  • 本作の主人公のヴィクター・ヴァンスは『VC』の冒頭にも登場しているが、トミーとの薬物取引中に殺害されてしまう。
    • 当然ながら後付設定とはいえ、本作での薬物取引を嫌悪する姿とあまりにも違うので違和感を感じるプレイヤーも多い。
  • 本作を最後に長らくバイスシティが舞台の『GTA』シリーズはリリースされていなかったが、2026年発売予定の『VI』では約20年ぶりにバイスシティが舞台となり、ファンが待ち望んだ現代のバイスシティが描かれることとなる。

Grand Theft Auto: Vice City Stories(日本語版)

ジャンル クライムアクション
対応機種 プレイステーション・ポータブル
プレイステーション2
発売元 カプコン
開発元 Rockstar Leeds
Rockstar North
発売日 【PSP/PS2】2007年12月6日
定価 【PSP】5,229円(税込)
【PS2】4,179円(税込)
レーティング CERO:Z(18才以上のみ対象)
判定 劣化ゲー
ゲームバランスが不安定
ポイント ホットコーヒー被害者第3号
ゲームバランスがかなり難化している
Grand Theft Autoシリーズ

概要(日本語版)

『SA』『LCS』と同じく遅れて発売された日本語版は規制を施された状態で発売されている。

問題点(日本語版)

基本的に日本語版『SA』『LCS』と同一の箇所は簡潔に記述する。

  • 人(敵)に対して1発でも武器を使用するだけで手配される。
    • 本作ではこれが強烈で、銃撃戦のミッションで原語版だとせいぜい手配度★2程度で済むところがあっという間に手配度が★3以上になってしまう。上記の通り本作は元々難易度が高い傾向にあり、それに大きく拍車をかけてしまっている。
    • エンパイアビルディングでも、物件襲撃・防衛の際にあっという間に手配度が上がり、ひどいと手配度が非常に高い状態でギャングとの三つ巴を演じることになる。
    • 同様に殺戮ミッションも非常に厳しいことになっている。なお、本作では元々一般人が対象のものは存在しないため、削除されたものはない。
    • PS2版に関しては隠れ家での車両購入で容易に防弾車が入手できるので、それでなんとか対応はできる。PSP版はそれすらないのでかなり厳しい。
  • 倒れている人へ追い討ちすることができない。
    • 坂道や銃器による追い打ちは可能。
  • 人を殺しても金を落とさない。
  • 残酷描写表現の削除。血の表現も若干規制されている。
  • エンパイアビルディングでは、上記の通り売春は「派遣」、薬物取引は「砂糖」となっている。
    • 「砂糖」の物件ミッションでは「勘違いした警察」のせいで手配度★3に追われることになる。皮肉が効いているとも言える。
    • ちなみに物件のアイコンはそのまま。つまり薬剤カプセル型の「砂糖」ということである。薬物の隠語であることを全く隠していない。
      • なお、物件ミッション名も「Drug Running」から「Sweet Empire」に変更されている。

評価点(日本語版)

  • 『LCS』同様、ストーリー面での規制は全くない。ローカライズの質も相変わらず高い。
  • 地名表示は『LCS』同様の日本語表示、車名やミッション名表示は原語版同様の筆記体フォント表示。地名を覚えやすく雰囲気も乱しにくい、両方の折衷になっている。

総評(日本語版)

『SA』『LCS』同様の規制により、終始警察の手配に悩まされながらプレイすることになる。
元々難易度が高いミッションが多く、また主要コンテンツであるエンパイアビルディングなどの攻略にも悪影響をきたすなど、残念ながらオリジナル版と比べるとゲームバランスが大幅に悪化している。

ローカライズそのものの質は従来作通り非常に高く、つくづく「規制さえなければ」と惜しまれる出来であると言わざるを得ない。
本作は元々ストーリー上過激な表現がほとんどなく、そもそも規制する必要があったのか?という点でも疑問符が付く。

余談

  • 『LCS』同様、本作日本語版の規制はプログラム的には簡単な処理で切り替えているらしく、ほんの2行ほどの改造コードでオフにできる。
  • 本作までホットコーヒーの弊害が大きかった『GTA』シリーズのローカライズだが、ナンバリング次回作『IV』で一旦は落ち着きを見せることとなる。

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最終更新:2025年09月13日 23:04

*1 一般向け製品だと、「CeVIO」や「VoiSona」などのソフトウェアを開発している。

*2 中野サンプラザは2023年に閉館し解体が決まっている…のだが、諸事情で2025年現在では再開発計画が暗礁に乗り上げている。

*3 1980年代から90年代にかけて大ヒット曲を連発した世界的なシンガーソングライター。プログレバンド「ジェネシス」のドラマーとしても有名であり、本作のライブでもその腕前を遺憾なく発揮している。

*4 運転者はアル中のフィルなので意図的なものかもしれないが……。