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*エレベーターアクションリターンズ 【えれべーたーあくしょんりたーんず】 |ジャンル|アクション| |対応機種|アーケード(F3システム)| |発売・開発元|タイトー| |稼働開始日|1995年| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''| ---- #contents ---- **概要 前作『[[エレベーターアクション]]』登場から12年後に登場したアクションゲーム。8ボタンレバー2ボタン式、2人同時プレイ可能。~ グラフィックやサウンドは大幅に進化。システムもエレベーターアクションをベースに大幅なパワーアップを施している。~ エレベーターによるギミックを踏襲しつつ、特殊部隊とテロリストとの戦いというミリタリーアクション風の世界観となった。 **システム -残機ライフ制。ライフが0になるとミスとなり残機が1消費する。 --ライフは敵の攻撃で減少する。しかしエレベーターに挟まれる・1階分の高さから落ちる・タイムオーバーでライフ関係無しにミスになる。 ---エレベーターに挟まれる際、地面に血が滲み出る演出が挿入される。微妙なグロさも継承済み。 ---普段は残り時間が表示されず(最終ステージ除く)、残り時間が僅かになると初めて残り時間を表示するので注意。 -前作からの継承 --ジャンプボタンによる飛び蹴り、エレベーター操作、エレベーターによる押しつぶし、電灯破壊。クリアに必須の色違いのドアに入って重要文章の回収。 -攻撃方法が増加 --攻撃とジャンプ同時押しで強力なボム攻撃を実行可能。ボムの効果はキャラクターによって異なる。 --青いドアに入り特殊アイテムを入手すると武器がパワーアップする事がある。敵を貫通し、接触する物を炎上させるミサイルランチャーや、連射が可能なマシンガンに変化する。残弾制。 --更に斜め上方に攻撃角度を調整する事が可能。天井についた照明や、上の階を攻撃できる。 -操作方法の変化 --移動方向にレバーを二回入れるとダッシュする事が可能。 --敵と至近距離にいる場合は格闘攻撃に変化。連続で攻撃ボタンを押すとコンボになり威力が増す。銃で撃つよりもスコアが高い。 -キャラクター選択システム搭載。機動力やボム内容の異なる三人のうち一人を選んでプレイする。 --カート=ブラットフィールド:金髪のイケメン兄ちゃん。移動スピードが最も速い。一見すると銃の連射性能が最も低いように見えるが、実はカートのほうがジャドよりわずかながら速い。ボムは時限式の手りゅう弾で、威力も使い勝手もそこそこ。 ---飛びぬけた性能を持たず、全キャラ中2番目の体力も今一つ信用ならないので、実は最も難しいキャラかもしれない。 --イーディー=ベレッタ:長髪の麗しき女性。連射力がぶっちぎりに高く、そこから生み出される火力は強烈の一言。特にマシンガン装備時は必見。ボムは焼夷弾で、攻撃範囲がやや狭い代わりに長く画面に残り続ける。緊急回避には心もとない面があるが、きちんとパターンを組めるならかなり強力。 ---体力の少なさが欠点だが、最も稼げるキャラ。 --ジャド=タフ:ごついおっさん。銃弾を4発程度なら耐えられる体力の多さが頼もしい。彼だけダッシュがタックルになっており、攻撃判定がついている。雑魚をダッシュで薙ぎ払うのは爽快感抜群。ボムは、セットした後に爆発して破片が飛び散る設置型。自爆はしないので、直接的に投げ当てて爆発させる使い方で充分強い。 ---移動スピードの遅さと連射性能の低さが災いし、一部場面がきついのが難点だが、初プレイには一番オススメできるキャラ。 -ステージの大幅な変化 --全6ステージの非ループゲーム。最初のステージである廃ビルこそ前作をそのままリニューアルした物だが、空港では横スクロールとなり、左側へ進軍していく。 -微妙な変化とギミック --前作では天井についた電灯を破壊すると真っ暗になったが、本作では壁についたコントロールパネルを射撃で破壊しても事情が変わる。 **長所 -時代に合わせてよりきれいに細かくグラフィックが書き込まれ、プレイしやすくなった。 --一方、1面の舞台は前作同様のビル内部であり、まさにエレベーターアクションの正統進化を体現したステージとなっている。(マップ構成も同じ) -前作と比して難易度が低下し、先へ進みやすくなった。 --ライフ制であり自機の耐久力が高いので死に難くなったことが大きな要因。 --青いドアの体力回復アイテムやパワーアップアイテムを用いる事で更に難易度は低下。使わなくても十分クリアできるつくりになっている。 -相変わらずの単純ながらも多彩で奥深い攻略。 --更に前作に比べて敵の種類が増えたので攻撃方法も増加している。 -BGMの担当は渡部恭久。ステージ毎に2曲以上用意されている。そしてあいも変らず展開の節目で曲が変わる。 --隠し要素的な扱いだが、初代エレベーターアクションをハウス調にリミックスした「エレベーターアクション'95」は一聴の価値有り。 **賛否両論点 -ギミックやシステムの追加が豊富すぎて、従来のエレベーターアクションらしさがあるにはあるのだが印象深くは無い。 --前述のように主人公達は特殊部隊のメンバーでミリタリーアクションテイストが色濃い作風であり、前作のスパイ映画を意識した潜入探索の雰囲気は皆無。 --「リターンズ」と言う名前をつけたため「前作のリメイク」という印象が強まってしまったこともテイストの違いの要因だろう。素直に「II」とつけておけばまだ違ったかもしれない。 ---ちなみに海外版のタイトルは「II」がついている。 -前作同様、エレベーター待ち時間があるので若干冗長。主人公達は落下には弱く一発死してしまうので、そこは無茶できない。 --実は敵も同様に落下に弱い仕様なのも前作同様。 -エンディングは全キャラ共通でいやにあっさり。 --実はタイトーらしい鬱展開。文章で表示されたりはしないので一見気付きにくいのだが、よく見るとその意味がわかる。 --ボタンを押すとスタッフロールが飛ばされる仕様のため、じっくり見たい場合は注意。 ---ちなみに本作の流れを組んだ業務用『エレベーターアクションデスパレード』にも鬱展開は存在する。 --最終ステージでタイムオーバーになるとクリア失敗になり(コンティニュー不可)、テロを完遂されてしまうバッドエンドとなる。 **総評 大変解りやすいシステムで手軽にできる2Dアクションゲーム。グラフィックも美しくなってギミックも豊富。攻略を目指さなくても十分楽しめる作りになっている。 //だが、エレベーターアクションらしさはあまり無い。皮肉にも、「ああ、前作の血を色濃く受け継いでるな」と実感するのはエレベーターの待ち時間くらいである。 一方、スパイ映画をテーマとした前作から一転、ミリタリーアクション的世界観に転換し、ゲーム性を踏襲しつつも派手なギミックが多く付加されたこともあり、前作の面影やらしさはあまりなくなっているため、前作のテイストが好きだった人にはやや賛否両論といえるかもしれない。 **家庭用移植 -''『エレベーターアクションリターンズ』(セガサターン版 1997年2月14日、ビング)'' --前作『エレベーターアクション』とのカップリング移植。初代の方はオマケ扱いでロックされており『リターンズ』の全クリア後に遊べるようになる。 -''PS2『タイトーメモリーズ上巻』'' --本作が収録されている。 **関連作 -''『エレベーターアクションデスパレード』(2009年 AC)'' --アーケード向けにリリースされた最新作。シリーズ初のガンシューティングアクションとなっている。 --ストーリーやキャラクターは異なるが、『リターンズ』の流れを組んだミリタリーアクション風の作風となっており、~ シリーズ恒例のエレベーターギミックも健在となっている。