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*RPGツクールXP 【あーるぴーじーつくーる えっくすぴー】 |ジャンル|RPG制作ツール|&amazon(B0002CCN38)&amazon(B001P9CZCQ)| |対応機種|Windows 98~XP|~| |開発元|エンターブレイン|~| |発売元|【パッケージ版】エンターブレイン&br()【Steam】Degica|~| |発売日|2004年7月22日|~| |定価|【パッケージ版】9,800円&br()【Steam】2,480円|~| |廉価版|VALUE!:2009年2月26日/5,040円(税込)&br()VALUE!+:2012年9月27日/3,990円(税込)|~| |備考|バージョンアップでVista、7、8(32/64bitOS)にも対応|~| |判定|なし|~| |ポイント|手軽に作れなくなった上級者向けツクール&br()発売当時はアクティベーション必須&br()『RGSS』の評価は高い&br()アップデートと続編『VX』にて欠点はある程度解消|~| |>|>|CENTER:''[[ツクールシリーズリンク>ツクールシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『RPGツクールシリーズ』の一作。新たにスクリプト作成システム「RGSS」(Ruby Game Scripting System)を搭載している。 //次作である『VX』が発売された現在でも、制作ツールとして本作を選ぶツクラーは多い。しかし、製作環境が大きく変わったことで一気に挫折するツクラーも現れた。 **特徴・評価点 -「RGSS」の搭載により、より作成の幅が広がった。 --RGSSはオブジェクト指向言語である「Ruby」を元にしたスクリプト言語であり、専門的な知識は必要だが、RGSSを書き換えることでこれまで変更・追加することができなかった様々なシステム等を組み込むことが可能となっている。 --『[[2000>RPGツクール2000]]』では出来なかったタイトルメニュー画面の変更や、パラメータの追加、上限突破等イベントコマンドでも実現不可能な項目の作成が可能。 -インターフェース面が改善された。 --イベント作成画面においてイベントの種類で色分けされるようになったりとより見易く、使い易くなっている。 -グラフィック面では続編『[[VX>RPGツクールVX]]』に引けを取らない程、レベルが高い。 --素材量もかなりの量があり、これだけでも十分なゲームが作れる。 ---キャラクター一人ひとりに移動用と戦闘用のグラフィックがちゃんと用意されているため、シンボルエンカウントのゲームなども素材のみで容易に作れる。ちなみに、戦闘グラフィックが存在しないキャラは町民と動物ぐらい。 --素材の式数制限も大幅に緩和。 -戦闘画面では味方の立ち絵(バトラー)を表示出来るようになった。 --2000ではスタンダードなフロントビューだっただけに評価する声も。 -BGMのクオリティも評判が高い。 --その質の高さは「(良い意味で)サンプルのクオリティではない」という声も上がるほど。ちなみに、いずれのBGMもオーケストラ風の曲調で統一されている。 -その他 --画面サイズが640*480に変更。 --エディターの多重起動が出来るようになった。 --ゲームデータの暗号化で、ソースの盗用も防げるようになった。 **問題点 -イベントコマンドなど『2000』で出来たことが『XP』では出来なくなり、初心者にはとっつきにくくなった。 --顔グラフィックの表示など重要な機能がデフォルトで存在しない。 --スクリプトを書けば出来ることも多いが、『2000』と同じことをするためにスクリプトを書く必要があるのは明らかな劣化であると言わざるを得ない。 --現在では『RGSS』素材が大幅に増えたため、ある程度緩和されている。 ---とっつきにくいといってもあくまでPC版の他ツクールと比べてであり、操作方法はほぼ同じで基本的なコマンドは残っている為に簡素なRPGならイベントコマンドだけで作成可能である。 -発売当時は必要スペックが高かった。 --また、処理落ちもよく発生する。 ---エディター画面で放置しているとフリーズを起こしてしまう。 ***ユーザー認識問題 -本作から違法ソフト対策として定期的にネットに接続してアクティベーション(ユーザー認識)する必要がある。 --ネット環境を使わずに作品公開や宣伝等を行う事は非常に困難であり、半ばネット環境必須となるのはやむを得ない部分でもある。~ ただ、ネット環境がなかったりネットをあまり利用しない(作成したゲームを自分だけ、もしくは内輪で楽しむ)ユーザーも皆無というわけではないため、そういった層からの不評の声はもちろん存在する。 --PCのパーツ構成を変えると別PCとして扱われ、ユーザー認識ができなくなることもある。 ---ユーザー登録を行ってあれば再発行が可能。 ---現在では認証システムの変更により初回認証のみで済むようになり、ユーザーサポートに問い合わせる事でオフライン認証も行えるようになった事で認証回りの問題は改善されている。 -ユーザー登録を行うには同梱のはがきを送らなければならないというアナログスタイル。 --ただこれを行わないと上記のサービスは受けられない。 --次作『VX』以降ではインターネット上で出来るようになっている。 **総評 正当進化を遂げたPC版ツクール。RGSSの導入でこれまでには無いシステムを生み出すことが可能となり、PC版RPGツクールの汎用性を高め、~ 以後の作品においてもRGSS(『[[VX Ace>RPGツクールVX Ace]]』まで)やJavaScript(『[[MV>RPGツクールMV]]』以降)を上級者向けの機能としてツクールに搭載する契機となった作品である。~ もっとも、スクリプトをはじめとしたXPでの操作に慣れずに2000に戻ったユーザーも生み出してしまったというのは残念なところである。~ 本作においてはスクリプトを導入した結果、スクリプトを使えば出来る、という理由からか旧作で標準搭載された機能が削除された箇所が少なからずある。~ この点についてはこれまでのRPGツクールが持ち合わせていた「プログラムができなくても簡単にRPGが作れる」というコンセプトに反してしまっていると評さざるを得ない。~ そのためか、以後のツクールにおいては、上級者向けの機能を搭載しつつも初心者にも使いやすい機能の追加に重きが置かれるようになっている。 **余談 -現状での販売価格は『2000』と同価格 --作りやすさとライトっぽさの『2000』とRGSSによる作成の幅広さとデフォルメが薄い本格派の『XP』言う様に住み分けが出来るようになった。 -Steamで配信されているものの日本語には非対応。 -2020年8月20日『RPGツクールMZ』が発売された際に、本作の技術的サポートが2021年1月24日をもって終了されることが発表された。 --同時に[[VX>RPGツクールVX]]、VX Aceもサポート終了が発表されたため、RGSSを導入したツクールは全てサポートが終了されることとなる。