1964年の『三大怪獣 地球最大の決戦』で初登場。電子音のような特徴的な鳴き声を出す。
(後に 『ウルトラ』シリーズで防衛チームの基地の通信音のほか、『 新世紀エヴァンゲリオン』ではミサトさんの着信音にもなっている)。
金星の高度な文明を滅ぼし *2、隕石に姿を変えて今度は地球に飛来してきた。
隕石から放たれた炎が、キングギドラの姿を象って変化していく演出は屈指の名シーンと評判。
ゴジラ、 ラドン、 モスラ(幼虫)の3大怪獣を纏めて相手にするが、
モスラの糸で首を雁字搦めにされ、ゴジラに投げ飛ばされ、そのまま宇宙へと逃げ去っていった。
ちなみに、この時の完成したばかりの着ぐるみは現在の黄金色ではなく、
身体は青、翼は赤・青・黄のグラデーションというカラーリングだった。
『怪獣大戦争』ではX星人の手先として現われ、操られたゴジラやラドンと破壊活動を行うが、
ゴジラ達のコントロールが切れると戦闘に入り、その末に海に転げ落ちてまたも敗走した。
『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』では別個体(2代目と称されることが多い)が登場したが、
共に登場した新怪獣 ガイガンの人気に押されて影が薄い。
『流星人間ゾーン』でもガロガバラン星人の手下怪獣として登場、ゾーンファイターと激突した。
ちなみにこのゾーンファイター、ゴジラシリーズではゴジラが他の地球怪獣達と手を組んでやっと撃退したキングギドラを単独で倒していたりする。
昭和シリーズでは他にも『ゴジラ対メカゴジラ』『メカゴジラの逆襲』の2作にて、
流用フィルムやスチール写真を使ったイメージシーンで出演している。
平成VSシリーズの『ゴジラVSキングギドラ』では宇宙怪獣ではなく、
未来では世界を支配している日本を現代で壊滅させようと企む未来人が、
過去にゴジラが誕生した場所に故意に置き去りにした三匹の愛玩用の小動物「ドラット」が放射能の影響で合体・変異した超ドラゴン怪獣である。
ペット用に遺伝子操作されたドラットは特定の音波によってコントロールが可能であり、変異後も未来人の尖兵として自由に操る事が出来る。
昭和のギドラが東洋の「龍」を思わせる顔付きだったのに対し、こちらは角が真っ直ぐに伸びており鬣も無いなど、
西洋の「ドラゴン」を彷彿とさせる。また、鳴き声も変更されている。
お馴染みの引力光線の他に新能力として翼の表面にバリアーを張り、ゴジラの放射熱線を防ぐことが出来る。
現代の核でパワーアップして復活したゴジラと北海道で戦うが敗れ、首を一つ失った状態でオホーツク海に沈む。
現代で自分の祖先に会ったことで仲間を裏切った未来人の手により未来世界で改造手術を受け、
有人操縦式のメカキングギドラとして復活、新宿副都心で暴れ回るゴジラと激闘を繰り広げた。
腹部から発射されるマシンハンドでゴジラを捕らえ、そのまま飛び立つがこの時点でかなりのダメージを負っており、
さらにゴジラがダメ押しとばかりに放った熱線で遂に限界を迎えたのか、共に海へと墜落した。
このメカキングギドラの技術は後に 『ゴジラVSメカゴジラ』にて応用されることとなる。
本作のキャッチコピーはお前だけには絶対負けない!となっており
数十年ぶりの復活でありながらゴジラのライバルであるということを証明してくれた。
なお、同映画のノベライズ版では純粋な未来人の怪獣ではなく、金星人の手によって金星に氷漬けにされていた
オリジナルのキングギドラのデータから、 未来人が解析してドラットを作り出したことになっている。
ちなみに金星で眠っていたオリジナルのギドラは、未来人がデータを採取した直後に 爆殺された。
また、本作とは別に宇宙超怪獣としてのキングギドラが敵として登場するという映画の構想も存在していた。
これは紆余曲折を経て スペースゴジラに変更され、重力を操るという点にその名残が見られる。
『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』では海のモスラ、陸の バラゴンと並ぶ、
ヤマト護国三聖獣のうちの一体であり、空を司る神とされている。
この映画のみヤマトの守護神であることを誇示するためか「魏怒羅」という漢字名が付いている。
歴代キングギドラの中では唯一の善玉怪獣であるが、守るのはあくまで日本の国土で日本人ではないため、
志を失った軽薄な若者などは守るどころか進んで 虐殺している。
しかしながら、横浜のベイブリッジから落下した由里と光秋を、 自らの意思で命を救ったりもしている。
完全体は「千年竜王」と呼ばれ、陸海空すべてを制覇する存在である。この状態になって初めて「キングギドラ」と呼ばれる。
千年竜王になってゴジラの熱線を増幅反射するなどして一時は優位に立つが、
ゴジラに引力光線を吸収され、そのエネルギーを上乗せした熱線をまともに受けてしまい爆散、倒されてしまった。
その後他の護国聖獣と共に霊体となってゴジラの動きを止めるもののそれが精一杯で、結局ゴジラを倒したのは、
防衛軍(この世界における 自衛隊)の勇敢な将軍が、自ら潜水艇でゴジラの体内に突入して放った特殊貫通弾であった。
使えない護国聖獣もいたもんである……*3
『ゴジラ FINAL WARS』にはキングギドラ自身は登場しないが、上位種と思われる「 カイザーギドラ」が登場する。
通常のキングギドラとは異なる四足歩行という重量感のあるデザインが大きな特徴。
また、三つの首でそれぞれ角の生え方などが異なっている。
なお、写真ではやけに青く見えるが実際の着ぐるみは真っ金金だった模様。
この他劇中では絵コンテの指示であまり大きく動かなかったものの、実際の着ぐるみは走れるように出来ていたとのこと。
また、ゴジラシリーズ以外では平成モスラシリーズ3部作の最終章『モスラ3』にも登場している。
本作では昭和シリーズ以来の「宇宙超怪獣」で、1億年前の中生代白亜紀の地球に飛来し、恐竜を滅ぼした張本人という設定。
現代においては、地球の生態系の頂点且つ生命力に富んでいるという理由から、人類の子供をエネルギー源として捕らえていった。
その力はゴジラシリーズ以上に圧倒的で、従来の引力光線に加えて翼からの反重力光線、
更にはバリアを張ったり、マインドコントロール術でエネルギー源として捕らえていた子供達や、
モスラに仕える妖精エリアスを洗脳するなどといった多数の特殊能力を身に付けている。
また、3つの首から一斉に引力光線を放射する「トリプルトルネード」という大技もある。
これにはモスラも「まだギドラが幼体である過去へ飛んでそこで倒す」という、
正義の味方にあるまじき卑怯な戦法を取らざるを得なかったほど
(ちなみにこのシリーズの新モスラもファンの間で歴代最強と言われるほどの能力を持つ)。
しかし過去の幼体でも論外と言っていいほどに手強く、結局は相討ちになったかと思われた。
ところがどっこい、ギドラは戦闘で千切れた尾から再生するという荒業で蘇生することに成功。
一端は消滅した現代のギドラも再び現れる。今度こそ打つ手なしと思われたその時、
恐竜時代の地層から「鎧モスラ」として復活したモスラも姿を現した。
過去の時代でギドラを倒し力尽きた後、祖先の原始モスラが作った繭に守られつつ眠りに就いていたのだ。
さしものギドラも桁違いの戦闘力を持つ鎧モスラには苦戦。トリプルトルネードも通用せず遂には滅び去った。
なおこの作品に登場する幼体ギドラが、ティラノサウルスを口に銜えて豪快に食べる姿は圧巻である。
また第1作には亜種の「デスギドラ」が登場している。
ちなみにこのデスギドラには、マグマ状の不定型生命体が過去にキングギドラと交戦し、その姿を元に変化したという設定が存在する。
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そして2017年……(映画『キングコング 髑髏島の巨神』ネタバレ注意 |
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王が目覚めた… |
そして2019年公開の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』に満を持して参戦。
「キングギドラ」としては『大怪獣総攻撃』以来の登場、更に宇宙怪獣であるという設定も踏襲され、こちらは『モスラ3』以来である。
当初は南極に氷漬けの状態で眠っており、怪獣を調査する組織モナークでは「モンスター・ゼロ」と呼称されていた。
太古からゴジラ(本シリーズでは「 地球の環境を守護する」という役割を持つ)と戦い続けていた宇宙怪獣……いわば「外来種」であり、
古代の人々がその力を恐れた故忘れ去ろうとしたからか、記録はほとんど残されていない。
そうとは知らない過激な環境テロリスト集団「マザーアース」によって目覚めさせられ、ゴジラらと再び戦うことになる。
僅かに残された文献からギドラと呼称されていたことが判明、キングギドラと呼称されるのは劇中でのある出来事以降である。
武器は噛み付きや口から放つ稲妻状の光線の他、気象を変化させる、無酸素状態でも平気、
体の部位を失っても短時間で再生するといった能力を持つ。
なお、今回のギドラはモーションアクターにCGを被せる形で表現されている(これはゴジラや他の怪獣も同様)が、
これのおかげで「左の頭が人間に気を取られるのを真ん中の頭が諌める」といったような、従来と比べて擬人化が進んだ一面も見られる。
というか、首の一つ一つが別個の人格を有しており、真ん中が長男でリーダー役、左右二つが弟分なのだとか。
この他、糸による躁演では難しかった「蛇のように首を巻き付けてゴジラと揉み合う」「ゴジラの放射熱線を首の動きだけで回避して光線で反撃」
等、活き活きとした動きで暴れ回る。
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伏して拝むがいい…黄金の終焉を(アニメ版『GODZILLA』ネタバレ注意) |
「この宇宙には、より絶対的な破壊の力が潜んでいる。
…ギドラだ」
アニメ版『GODZILLA』3部作においては「高次元怪獣 ギドラ」として登場。
異星種族エクシフから「神」「虚空の王」と崇められる、
本編より10万年前にエクシフの母星を滅ぼした(正確には供物としてエクシフ達が捧げた)存在。
それ以来生き残ったエクシフの1人が神官として星々を渡り歩いては文明の発達を促し、
ギドラはその文明諸共惑星を喰らい尽くし幾多の星々を滅ぼしてきた
(かつてエクシフが打倒ゴジラに協力的な態度を見せ、高度な技術を地球に授けたのもその一環である)。
第1作でその存在が示唆、第2作ラストで「ギドラ」の名が語られ、
そして第3作『星を喰う者』において、主要人物のエクシフ族であるメトフィエスの儀式によって地球へと降臨。
地球の頂点に立つ怪獣・ゴジラとの「怪獣対決」を繰り広げることとなる。
デザイン面は「黄金の龍」という歴代ギドラの基本的な部分こそ踏襲しているが、
その出で立ちは「異空間から長く長く伸びている首が3本」という異様なもの
(一応従来通りの胴体・翼・尾を持つ姿の3Dモデルも作られており、シルエットで登場。また、ソフビ人形もこちらの形式を取っている)。
その正体はゴジラ側の次元とは全く別の次元に住む高次元エネルギー生命体であり、
こちらの次元に出現する際にブラックホールを発生させるほどの重力制御能力を持つ。
さらに観測者を用いることで、異次元の法則を使ってこちらの次元に好き勝手干渉することが出来るという能力を持ち、
こちら側の次元から干渉出来ないが、ギドラ側からは一方的に干渉出来るという絶対的な優位性を誇る。
ただし、これらの能力は観測者の眼を破壊されると消えてしまい、逆にギドラがこちら次元の法則に捕まってしまうという大きな弱点がある。
作中でも当初はゴジラを一方的に蹂躙していたが、観測者たるメトフィエスの眼が破壊されたことで形勢が逆転。
同じ土俵に引きずり出された後はゴジラに呆気なく倒されてしまった。……が、元いた次元に撃退されただけで、死んだわけではない模様。
ちなみに本編に登場したのは完全な降臨を遂げていない不完全体であり、全身が出現すると惑星が一瞬で滅びるらしい。
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