当時、新作TVシリーズを作る体力がない中、映画やOV作品、
番組のナビゲーター、その中での短編ドラマなどで長期に渡って断続的に登場し、そのキャラクターを印象付けていった。
映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(2009年)
本作で初登場したゼロは、若く将来有望なウルトラ戦士だったが、
力を求めるあまり、ウルトラの星のエネルギー源である プラズマスパークコアの力を得ようとして、
ウルトラセブンに取り押さえられ、彼から「お前にはウルトラ戦士になる資格はない」と一喝されてしまう。
星の掟を破った罰としてゼロはウルトラの星から追放、辺境の惑星K76に幽閉され、
ウルトラマンレオの下で精神と体を鍛えるための修行を行うことになった。
なお、この時点ではゼロは自身の出生を明かされておらず、セブンが実の父だとは知らなかった。
こうしてレオの元で反抗しながら修行を積んでいたゼロだったが、
ある日、戦いの余波で崩れた岩に潰されそうになった ピグモンを必死に救出した。
この姿を見たレオは、ゼロがウルトラ戦士にとって一番大切なものである「優しさ」を得たことを確信する。
しかし、それと時を同じくして危機に陥ったセブンからのアイスラッガーが飛んで来る。
この時、セブン達は悪のウルトラマン「 ウルトラマンベリアル」の襲撃を受けており、
ベリアルの攻撃でウルトラ戦士の大半が敗北し、プラズマスパークコアを奪われてウルトラの星が凍り付くという、
絶体絶命の状況に追い込まれていた。
セブンが実の親だと明かされたゼロは決戦の地である怪獣墓場へと急行。
力尽きたセブンを看取ると、 ウルトラマン達を追い詰めていたベリアルに戦いを挑んだ。
ゼロは圧倒的な強さでベリアル配下の怪獣軍団を薙ぎ倒し、ベリアルに勝利したが、
ベリアルは怪獣達の魂と融合して巨大な怪獣ベリュドラに変身、ゼロを苦戦させる。
しかし レイの機転と、ベリアルが奪っていたプラズマスパークコアがゼロを認めて新たな力を与えたことで形勢逆転、
ゼロとウルトラマン達の合体攻撃によりベリュドラは粉砕され、ウルトラの星は無事復興した。
死んだかに思われたセブンも復活を果たし、彼から「さすが俺の息子だ」と称えられたゼロは父親と熱い抱擁を交わした。
しかし、ベリアルはゼロに強い怨みを抱きつつ生き延びており、ここから二人の長きに渡る因縁と戦いが始まるのであった。
OV作品『ウルトラ銀河伝説外伝 ウルトラマンゼロVSダークロプスゼロ』(2010年)
本作のゼロは宇宙を滅ぼしかねないサロメ星人の計画を阻止するために戦う。
詳しいストーリーは ニセウルトラセブンのページを参照。
本作の敵のダークロプスゼロはベリアルがゼロ自身の姿を模して造らせたロボットである。
また、本作のゼロは師匠レオとのタッグ戦を見せており、レオとの合体技レオゼロダブルフラッシャーも披露した。
映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』(2010年)
並行宇宙で大帝国を築いて悪行の限りを尽くし、全宇宙征服を企むベリアルを倒すために、
本作のゼロは並行宇宙へと移動しベリアル銀河帝国と戦う。
また、弟を庇って重傷を負った惑星アヌーの青年ラン(演:小柳友)に憑依し、初の人間体を披露した。
打倒ベリアルのために並行宇宙の伝説の装備『バラージの盾』を探すゼロは、
その過程でベリアルに反抗していた正義の戦士達、ジャンボット(ジャンバード)、 グレンファイヤー、ミラーナイトと出会い、
互いに力を認め合う仲間になる。
その後ベリアルに囚われてしまうゼロだが、仲間達に助けられ脱出、ベリアルとの直接対決に挑む。
しかし巨大怪獣アークベリアルと化したベリアルにゼロは大ピンチに追い込まれる。
その時、探し出したバラージの盾に並行宇宙の人々の光が結集し、
ウルトラマンノアの力を宿した伝説の鎧「ウルティメイトイージス」が誕生する。
ゼロはミラーナイトら仲間達の的確な援護とウルティメイトイージスの力でアークベリアルを粉砕、
ベリアルの肉体を完全に消滅させて並行宇宙に平和を取り戻した。
その後並行宇宙から飛び去ろうとするゼロだったが、
ジャンボット、グレンファイヤー、ミラーナイトが平和を守る仲間としてついて来た。
ゼロは仲間達と新たな宇宙警備隊「ウルティメイトフォースゼロ」(以下UFZ)を結成、
ウルトラの星に戻らずに別の宇宙の平和のために戦うことを決めた。
(ウルティメイトフォースゼロの仲間達についてはグレンファイヤーの項目参照)
本作はベリアルとの決着がひとまず付く以外にも、後のゼロの活躍に繋がる要素が多数出てきた作品である。
共に戦う仲間とUFZの結成、エネルギー切れを気にせずに戦える上、並行宇宙を自由に渡り歩くことを可能にするウルティメイトイージスの入手等は、
後のゼロの活躍を語る上でかかせない要素になった。
TV作品『ウルトラマン列伝』(2011~2013年)
2000年代後半は毎週放送されるウルトラシリーズの番組があまり無い時期だったが、
過去のウルトラシリーズの映像の再編集を中心とした番組として2011年に『ウルトラマン列伝』がスタートする。
本作では過去作の一部話数を抜粋して放送する上、子供が詳しく知らない過去作品のウルトラマンも登場するために、
こういった内容を子供にも分かりやすく解説する解説パートが存在していた。
この解説パートのナビゲーターを務めたのが、当時の最新ウルトラ戦士であるウルトラマンゼロだった。
あくまで解説としての登場だったが、これまで通りの砕けた言葉遣いや荒っぽい強気さもある中で、
親しみやすい語り口や時折とぼけた面も見せるなど、これまでとは違った一面も見せており、
彼のキャラクターの幅の広がりにおいて重要な意味を持っていた。
それまでのゼロは戦闘能力は強いものの少し我が強く自分を押し通す所があり、
荒っぽい口調なこともあって親しみにくい印象を感じる人もいたため、本作で見られた一面はより一層人気を広げた。
また、過去のウルトラマンの活躍を盛り上げる解説が多かったため、
これまではあまり見られなかった先輩ウルトラ戦士への敬意も感じられるようになった。
また、番組内で後述の帯番組『ウルトラゼロファイト』を行うようにもなる。
続く『新ウルトラマン列伝』でもメインMCを務める回があり、約6年にかけてこれらの番組で活躍した。
海外向けに総集編を除くゼロの主演回を集めTVシリーズとしたものが製作されており、日本でも放送された。
また、新規撮影部分では他のウルトラ戦士と特訓する場面や、
UFZのメンバー達と愉快な掛け合いを行ったりと映像ソフト化されないのが惜しい程の魅力的な活躍が描かれた。
特にウルトラマン列伝最終回では、ゼロファイト第2部のその後が描かれ、
ゼロがより精神的に成長する非常に重要な回であった。
OV作品『ウルトラマンゼロ外伝 キラー ザ ビートスター』(2011年)
本作のゼロはUFZと共に、有機生命体を滅ぼそうとするロボット軍団の主 ビートスターと戦う。
本作ではビートスターがジャンボットを捕えて分析して製作したロボット「ジャンキラー」が登場。
当初はゼロ達と敵対するが、彼らの説得で正義の心に目覚め、「ジャンナイン」を名乗りUFZの一員となった。
映画『ウルトラマンサーガ』(2012年)
本作のゼロはハイパーゼットンを操るバット星人と戦う。
敵の企みやストーリーについては バット星人、 ウルトラマンダイナのページを参照。
本作の舞台はウルトラマンが存在しない次元の地球「フューチャーアース」であり、
ここに他の宇宙から訪れたウルトラ戦士達がバット星人と戦う。
本作のゼロは、子供を守るために重傷を負った青年タイガ(演:DAIGO)の命を救うべく彼に憑依するが、
タイガは何故かウルトラマンへの変身を拒んだため、全力を発揮できず10m程の小さな姿で戦う場面も見られた。
タイガは、ウルトラマンダイナことアスカ・シンが活躍した宇宙「ネオフロンティアスペース」出身で、
バット星人の円盤と遭遇し、ワープに巻き込まれて「フューチャーアース」にやって来たのだ。
そしてタイガがウルトラマンの力を拒む理由は、かつて両親が怪獣災害に遭った際にダイナの助けが間に合わなかったため。
ダイナに恨みはないが、ウルトラマンの力にも頼りたくないという葛藤を抱えていたためだった。
しかし、ある出来事を機にトラウマを振り切ったタイガはゼロへと変身、ダイナ、 コスモスと共にハイパーゼットンに挑み、
この3人が合体した「ウルトラマンサーガ」に変身して敵を撃破した。
ちなみに、ラスト付近ではゼロがDAIGO氏に因んだ仕草を披露する。
ウルトラゼロファイト1部、2部(2012年)
前述の戦いでダイナ、コスモスと合体したため、
分離後のゼロは彼らの力を受け継いだ新たな姿『ストロングコロナゼロ』、『ルナミラクルゼロ』への変身能力を獲得。
第1部はこの2つの姿を巡る物語となった。
本作のゼロはバット星人グラシエと対決。ストーリーの詳細は バット星人のページを参照。
本作で出会ったピグモンはゼロにとって守るべきものとして重要な意味を持つことになる。
ウルトラゼロファイト2部では謎の敵集団ダークネスファイブと対決。
UFZと共に戦いに挑んだゼロだったが、敵のボスの正体は何と…
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あのお方 |
ゼロに敗れ、肉体が消滅したベリアルだった。
怪獣墓場に送られた魂が、暗黒の鎧アーマードダークネスに憑依し復活に成功したのだ。
肉体を失ったベリアルは新たな体としてゼロの体を狙っており、一瞬の隙を突いてゼロに憑依、
ゼロの意識を抑え込んでベリアルの魂が支配する黒い体の「 ゼロダークネス」に変えてしまう。
ゼロダークネスはゼロの仲間であるUFZを攻撃、説得しようとする仲間達の言葉も届かず、彼らを全滅させる。
仲間に続いてゼロを必死に止めようとする怪獣墓場のピグモンまで殺そうとするゼロダークネスだったが、
死んだ仲間達の激励の言葉を受けたゼロの意識の必死の抵抗がゼロダークネスの動きを止める。
そしてついにゼロの意識は究極最終形態シャイニングウルトラマンゼロとして復活、
ベリアルの魂を体から追い出し、時間をも巻き戻して死んだ仲間達を復活させた。
しかし、ハッピーエンドの裏でベリアルまでも肉体を取り戻し復活、新たな戦いを予感させるラストで物語は終わった。
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