「うつろうもの… 弱く… おろかで… むじゅんにみちて…
そして… うつくしい。」
CAPCOMのRPG『ブレスオブファイアIV うつろわざるもの』に登場するキャラクター。表の主人公であるリュウに対する、もう一人の主人公。
人間時の身長は176cm、体重は66kg。声優は
千葉一伸
氏。
数百年前に一代で世界の西側を統一してフォウ帝国を築き、「神皇」と称された。
竜に変身する能力を持つなど、一国を滅ぼすほどの強大な力を持ち、オンクーとアーターという2匹の獣を従えていた。
その後自らの復活を預言して眠りに就き、半身であるリュウの召喚を待つ。
人間が存在するに相応しいかどうかを疑問視しており、それを見極めようとしている。
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ネタバレ注意 |
帝国は、フォウルが復活するまで帝国を守り、復活した際には皇帝の座を譲る盟約を交わしている。
しかし、その地位を明け渡したくない第13代皇帝ソーニルは、復活したフォウルを抹殺しようと画策する。
そのためフォウルは眠りから覚めた後、自らが作り上げた帝国に追われる羽目になる。
一度はヒトに絶望するが、フォウルを看護してくれた田舎の村の少女マミ(無論 こっちではない)などに希望を見い出す。
しかし、マミは帝国軍からフォウルを匿って捕まり、
「呪砲」と呼ばれる「痛みを弾に込めて発射する装置の弾」として様々な拷問の末殺されてしまう。
マミが呪砲役に選ばれたのは、その呪いの強さは狙った対象への想いの強さに比例するからであった。
呪砲の弾はフォウルに命中、いつもマミが付けていた鈴が目の前に転がってきたのを見て、
フォウルは マミがどういう運命をたどったのか全てを理解し、人間全てを滅ぼそうと決める。
ラストでは人間に希望を持つリュウと絶望を持つフォウルが対峙し、
そこでの会話でどういう選択肢を取っていたかでエンディングが分岐することとなる。
フォウルの絶望に共感してしまうと、リュウがフォウルに取り込まれる形で融合して人間を罰するルートに突入し、
巨大な竜神となりかつての仲間達を圧倒的な力でなぎ倒す(所謂バッドエンド)。
結末はフォウルが一人佇み「私は…間違っていない」という言葉で締められ、
世界中の罪のない人々も全て滅ぼしてしまうことを予感させる形で幕を閉じる。
フォウルの絶望を否定し立ち向かう場合は人間全てを救うルートとなり、
リュウは仲間達と共に巨大な竜神の姿のフォウルと戦うことになる。
そして戦いが終わった後、上記とは逆にフォウルがリュウに吸収される形で二人が融合し、
リュウはこの世界の神を消滅させ、自身も神を捨てて人として生きていく事を決意。
だがそれは悪人も救われるという意味であり、マミの仇であるユンナは罰されないまま生き残る。
さらに神が消えたこの世界がどうなっていくのかは分からないというあっさりした終わり方の上、
ユンナがエンディングにものうのうと出てきて 「や、だいじょうぶ‥ 神なんて… 私が、いくらでも作ってあげます」*1
などと全く反省味の無いセリフを放ったために恨みを抱いたプレイヤーも多いとか。
フォウルの心情を真に理解できるのはリュウではなくずっと第三者視点で見届けたプレイヤーだけであり、プレイヤーへの問いかけとも言える。
完全無欠なハッピーエンドが存在しない点が『ブレスオブファイア』シリーズらしい所である。
ちなみにゲーム発売の8年後に連載された漫画版(作・壱村仁)では、
基本的にはゲームに忠実な内容なのだが、ラストの導入はなんとバッドエンドルートをなぞっており、
人間に絶望したフォウルにリュウが共感して取り込まれてしまう展開となっている。
しかしフォウルに迷いがあったため再び分離するというオリジナル展開に突入し、ラストバトルは二人の一騎打ちに。
そして原作とは違い、リュウは神を消滅させた後この世界から姿を消してしまう。
その後はゲーム版より大幅に補完されており、帝国が復興していく様子がしっかりと描かれ
元凶のユンナについても復興した帝国の新体制に追われているという描写が入った。
復興する世界の中でヒロインのニーナは希望を抱きながらリュウの帰りを待ち続け、
そしてついにリュウ、そしてフォウルも人となって蘇り、二人共に仲間達の元に帰り人間達を見守っていくという、
大胆なアレンジながらも非常に希望に溢れた終わり方になっている。
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余談だが、この『ブレスオブファイア』シリーズは全ての作品で、
主人公とヒロインの名前が
リュウと
ニーナで統一されている(ただし全員同名の別人)。
同じ会社の作品ではあるが、もちろんあの
ストリートファイターのリュウとは無関係。
だが『2』の主人公の名前の初期案は「ケン」だったりもする
『ブレス』シリーズ自体は未だに人気の根強いシリーズなのだが、
主人公の名前が被っているせいか(どうかは分からないが)、CAPCOMの
クロスオーバー作品で『ブレス』キャラが参戦した事は未だに一度も無い。不遇。
なお、シリーズでは伝統的に、神すらも恐れる竜の力を持つ主人公に対し、
必ず同じく竜の力を持つ存在が道を違えた者として現れる展開があり、フォウルもその一人と言える。
原作での能力
表主人公であるリュウが氷に弱い炎属性であるのに対し、フォウルは炎に弱い氷属性となっている。
ストーリーの都合により常に一人旅となるが、その分非常に強力な性能を誇る。
最初から
Lv64あり、装備の方もシリーズ伝統の最強武器である「皇帝の剣」を最初から所持しているため申し分ない。
また、リュウが会得したスキルや竜変身をフォウルも使うことが可能で、逆もまた然り。
登場する雑魚敵も本来ならゲーム後半~終盤に出るような強豪揃いだが、それ以上にフォウルが強いためほとんど気にならない。
ただ、敵側もフォウルが炎に弱いことを熟知しているため、ボス戦は炎属性のオンパレードとなりなかなか苦戦を強いられることになる。
スキルはともかくアイテムの方はリュウ側と別勘定で、買い物をする機会も無いためアイテムの無駄遣いは死を招く。
MUGENにおけるフォウル
ペルソナ3主人公を製作したUN氏が、手描き
ドットで製作したフォウルが存在。
長らくβ版だったが、2012年6月11日にめでたく完成版となった。
主に
超必殺技を当てることでAPが増加し、APが最大値の2/3以上溜まると一定時間竜に変身できる。
竜変身中は常時
スーパーアーマーで、簡単にお手玉できる攻撃を繰り出せる。
しかし、防御力が下がり崩し能力が低下、相手に大量に
ゲージを与えてしまうなど弱点もある。
また更新で、特殊カラーが搭載された。7P~9Pまでが強化モードで、10~12Pカラーでボスモードとなる。
Air氏による外部
AIが2017年2月25日より公開され、現在はhamer氏によって代理公開されている。
かつては亞氏によるAIも存在していたが、同氏は既に引退しており現在入手不可。
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技表・コンセプト |
[ 特殊動作 ] -----------------------------
ダッシュ |
66 |
バックステップ |
44 |
ジャンプ |
7 or 8 or 9 |
空中ダッシュ |
(空中で)66 (※)各行動は空中で一回しかできない。 |
空中バックダッシュ |
(空中で)44 (※)各行動は空中で一回しかできない。 |
空中ジャンプ |
(空中で)7 or 8 or 9 (※)各行動は空中で一回しかできない。 |
【 通常攻撃 】 -----------------------------
弱攻撃 |
X |
コンボ補正がきつめだが、ゲージ回収率が非常に高い。連打して固めたり、空中弱攻撃でコンボをつなぐだけでゲージ回収可。 |
中攻撃 |
Y |
リーチに優れており牽制に使える。先端当てからでも三連撃等必殺技に繋げられる。 |
強攻撃 |
Z |
コンボ補正が緩めになっているので、ダメージを取るコンボには強攻撃を経由するべき。 |
弱→中→強 ‥‥ チェーン派生
↓ ↓
弱→中
↓
弱
【 必殺技 】 -----------------------------
裂波 |
236 + X or Y or Z |
パワーウェイブ。弱はガードさせて有利なので固めに。中は距離が離れた時のコンボの中継に。 |
三連撃 三連撃二撃目 三連撃三撃目 |
214 + X or Y or Z X or Y or Z X or Y or Z |
本キャラのメイン、ほとんどの通常攻撃から繋がる。 中は一部に飛び道具無敵あり。強は発生硬直劣悪だが、コンボ補正ボーナスがある。 中と強で表裏揺さぶりになる。 |
烈氷撃 |
623 + X or Y or Z |
切り返し技。発生まで弱は下半身無敵、中は上半身無敵、強は投げ以外全身無敵。 1~2hit目に超必でキャンセル可。 |
オーラスマッシュ |
(空中で) 214 + X or Y or Z |
弱は連続ヒットするので硬度やキャラサイズによっては高威力に。 中は発生時自分の喰らい判定が後ろの方にあるので空対空に。カウンターヒット時ワイヤー吹っ飛び。 強はロック技。コンボ補正を無視してダメージを与える。 |
【 超必殺技 】 -----------------------------
1ゲージ消費
エバーホワイト |
236 + XY or YZ or XZ |
相手に多段ヒットしてる間に追撃等が出来るが、発生が遅く保証もない。 |
スーパーコンボ |
214 + XY or YZ or XZ |
突進技なのでコンボパーツとして優秀。 |
2ゲージ消費
パワーフラックス パワーフラックス追撃 |
236 + XYZ or A A 押しっぱなし (1ゲージ追加消費) |
発生3Fと爆速。ほとんどの技から繋がる。キャラサイズによってダメージが変動する。 追撃技はほとんどAP稼ぎ用 |
スーパーコンボ(ロング) |
214 + XYZ or A |
暗転中、無敵で微前進しているので、弾速や幅によっては飛び道具をくぐれる。 空中ガード不可なので受け身狩りに。 |
「竜変身」APゲージ66.66%必要
トランス(or竜変身解除) |
22 + XYZ or A |
肘鉄砲 |
X(10.00%消費) |
ひっかき |
Y(10.00%消費) |
レーザー |
Z(10.00%消費) |
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この他、Infinite氏によるPotS氏風アレンジを施した改変版が存在する。
紹介動画(公開先へのリンク有り)
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プレイヤー操作(10:50~)
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出場大会
凍結
削除済み
出演ストーリー
プレイヤー操作
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超絶ネタバレ注意 |
というのも、帝国では人体実験を繰り返した結果人造のうつろわざるもの(=神)を未完成ながらも製作しており、その原料は人間と大量の魔物。
作中では東の大陸の王族であるニーナの姉・エリーナが外交として帝国を訪れた際に人造のうつろわざるものの原料に使われており(この時点で国際問題)、
行方知れずとなった姉を探しにニーナと婚約者のクレイが極秘裏に探しに出奔、
その途中で時間がズレて召喚されたフォウルの片割れであるリュウと遭遇した…というのがリュウ編のオープニング。
そして終盤。帝国の軍本部基地には内臓に溢れた臓物だらけの肉々しいエリアがあり、そこの血管が道を塞いで進めない。
そこで出てきたエリーナの幻影から「神を殺す『神鉄の剣』でしかその管は斬れません」と言われ、ユンナを探すことになる。
ユンナがパーティの怒気に押され逃げた拍子で落とした神鉄の剣で管を斬って先に進むと、ニーナとクレイはエリーナと漸くの再会を果たす。
……が、エリーナの胸から下は様々な魔物を繋ぎ合わせた肉塊と化しており、横たわっているベッドも貫通、身動き一つ取れない異形の姿と成り果てていた。
臓物だらけのエリアも先ほど斬った管も、エリーナに繋ぎ合わされた魔物の肉体の一部だったのである。
そしてエリーナはクレイに神鉄の剣で介錯を頼み、その生涯を閉じる……。
そんなストーリーなので、リュウ編・フォウル編両方の元凶のユンナがいけしゃあしゃあと生き残るノーマルエンドでは、
「ユンナを罰させろ、倒させろ」と不満の声が上がったのである。
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もっとも… |
こういった展開は『IV』に限った話ではなく、
- ラスボスのせいで竜族が白竜と黒竜の2派に分派。主人公の姉は敵方に洗脳され、最終的に主人公達が手に掛ける事に(初代)
- 前作のラスボスが残した種が芽吹いて宗教を興し、残った竜族は『II』のラスボスを監視するために地上から姿を消す。
教団の本拠地では主人公達を生かすために仲間の家族や親類が命を落とす。 下手をすると主人公も自分の父親を手に掛ける事に(『II』)
- ラスボスはシビリアンコントロールの際、竜族を「世界に過ぎた力」として徹底的に排除。機械技術も管理した上で海洋に流してサルベージさせる。
その道中でラスボスの思想に染められた幼馴染の同族と殺し合い(『III』)
- 塔に閉じ込められ生まれた瞬間から階級が決まっている超格差社会。
言葉を話せないヒロインは閉鎖環境の空気を改善するためだけに作られた生物(しかも作用は一度きり)。 不憫に思った主人公は彼女に空を見せるために塔のてっぺんから脱出を目指す(『V』)
……と、『ブレスオブファイア』シリーズは基本的に暗いが多い作品でもある。ちなみに『II』は初代と地続きの世界観。
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最終更新:2024年09月04日 16:09