「ふふふっ。戦況はジオン優位となる
この最強新型モビルスーツと共に。」
機動戦士ガンダム EX-REVUEに登場するMS(モビルスーツ)。同作の
ラスボス。
このゲームのためにデザインされた完全なオリジナル機体で、どの映像作品にも登場しないばかりか、
Gジェネやギレンの野望などガンダム関連の他ゲームにも長らく登場していないため、原作を遊んだ人以外にこのMSを知る術はほぼ無く、
さらに本作自体の認知度が低いため、一般のみならずガンダムファンからの認知度もかなり低い、正に歴史の闇に葬られたMSである。
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型式番号「MS-19」 |
ドルメルの型式番号は「MS-19」だが、これは欠番であるMS-19を許可をとって使用しているらしい。
同様に「MS-20」も欠番だが、これは0080に登場するケンプファーが「MS-18」、そして0083のドラッツェが「MS-21」だからである。
このため、ジオンMS一覧を作ろうとすると「MS-19の場所に、他に該当する機体が一切存在しないためドルメルの名が入っている」とか、
「MS-19(と20)に不自然な空席がある」という事になり、名前くらいは意外と知られていた……と思う。
なお、その他に型式番号「MS-19」を持つのは「MS-19N カタール」と「MS-19E ホークアイ」が存在するが、番号が被っているのは、
これらが公式に組み込まれているのか怪しい機体ドルメルがMS開発者にすら知らされていなかった幻の機体である証、と言えるだろう。
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長年「幻の機体」という扱いを受けていたが、漫画作品『機動戦士ガンダム カタナ』において奇跡の復活を遂げた
(『戦場の絆』とコラボしている作品であったが、残念ながらドルメルは出演することなくサービス終了)。
デザインはTV版各機体と同じく大河原邦男だが、同氏の
90年代当時のデザインになっており、一年戦争の機体とは思えない外見になっている。
ガンダム4・5・6号機など
前例がいくつもあるからしょうがない(なお4・5・6号機は00年代にゲームに登場した際にリデザインされた)。
ストーリーデモでは、次第に戦局が不利になっていくジオン軍の体勢を単機で覆す性能を持っている
*1かのように描かれているものの、
武装は両腕に装備されたビームサーベル兼ビームガン、爪先に装備された短いビームサーベル(トゥビーム)が主武器で、
遠距離攻撃用の武器はあまり装備しておらず、純粋にMS同士の白兵戦に特化している。
マ・クベ大佐が見たら喜びそうな感じである。
外見的センスの違いで嫌がる可能性はあるが
またジオン軍MS伝統の肩のトゲを
ヒートパイルとして武装化しており、この着眼点は注目に値するだろうか。
他には両肩と胸にミサイルポッドが付いているが、ゲーム中では使用しない。
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パイロット |
赤い機体だがシャアが乗っているわけではない。シャアは同日の戦いでは ジオングに乗っている。
なおドルメルの整備班の話によると、ドルメルは整備が120%完了しており、ジオングとは訳が違うとの事。
パイロットは 「RAMUICO=SHUTEIN(ラムイコ=シュタイン)」という女性。
ゲーム中では英字表記しか明かされておらず、
後に『クイズ機動戦士ガンダム 問・戦士』(ガンダム関連の問題しか出ない アーケードクイズゲーム)で初めて読みが判明した。
ストーリーデモではドルメルの開発にも関わっている事が窺える(単に見学していただけかもしれないが)。
キャラセレ画面ではパイロットも表示されるが、彼女のみヘルメットで顔が隠れていて見えず、
ストーリーデモの登場シーンでも顔が写らないため、パイロットが女性であるのはドルメル戦後に初めて判明する。
……しかしドルメルを使用すると、 勝利メッセージは普通に女性言葉だし、なにより 女性の声でめちゃめちゃ叫ぶのでモロバレである。
軍事要塞であるア・バオア・クーで生まれた事から、普通にジオン軍に入隊してパイロットに配属された娘ではなく、
特別な事情がありそうだという推測ができるのだが、詳細は不明のまま。
書籍『データガンダム キャラクター列伝[宇宙世紀編I]』では、ゲーム中の階級章から階級は少尉と記されている。
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そして2023年5月、『バトルオペレーション2』にて
29年越しのまさかの実装を果たし、界隈を騒然とさせた。
コスト450の格闘寄りの強襲機であり武装は原作通り腕部ビームサーベルに胸のミサイルポッド、そしてタックル時に使用するヒートパイル。
攻撃モーションも原作ゲームを意識したビームサーベルによる連撃やスライディング(トゥビーム)、
勝利ポーズも
原作再現とかなり凝った出来栄えである。
だが「メガスラッシュ」と肩のミサイルポッドは採用されなかった
肝心の性能はお世辞にも環境入り出来ているとは言えず、特に宇宙は宇宙適正を持っているが、宇宙で戦える武装・スキル構成をしていない。
その厳しい状況に陥っている要因は格闘ゲームの原作に引っ張られ過ぎている点が大きく、始動になる武装がビームガンしかないので、
強襲機がダメージ補正で有利を取れる支援機に一対一で出会ったとしても、よほど接近していなければかなり厳しい。
それ以上に足を引っ張っているのが、格闘攻撃と強引な突撃を有利にするスキルを複数持つ代わりに、
現状で殆どの環境機が持っている「緊急回避制御」スキルを持たない点にある。
タックル(命中すると相手の行動を妨害し、更に格闘攻撃に対してはカウンターが発生する)の消費ブースト量が少ないという利点はあるものの、
慣れたプレイヤーがタックルを出せる状態のドルメルに格闘を振ってくれることはまず無い。
射撃戦が主体となる戦場ではそもそもの攻撃手段がほぼ無く、
近距離戦が主体となる場所でも大よろけやダウン属性を持つ敵がいた場合、即溶けの危険性が常に付きまとう。
結局の所、活躍できるのは北極基地等の狭いマップでの乱戦で味方の攻撃に合わせた追撃と、
CPU戦の対ボスにてランキングの条件がコスト450の時期にのみ輝く場所はあるくらいに収まっている。
同年11月には『カタナ』に登場したカスタム仕様のドルメル・ドゥーエも実装。
こちらは肩のミサイルポッドも使うことが出来る。
性能はコストが上がり500でカテゴリーも汎用となり、焼夷ミサイルが追加されただけで基本は同じだが、
時限強化の「妖刀システムD」が追加され、瞬間の戦闘能力は大幅に上がっている。
しかしながら、妖刀は1出撃につき1回のみで継続戦闘力は無く、サーベルは普通のMSらしさのあるモーションに変更。
加えてオリジナルのドルメルから格闘の火力を落とされただけでなく、
ヒートパイルの多段ヒットも機体の造形が変わっているにも拘らずモーションを流用したためか、
ヒット数が安定せずに火力が思ったほど伸びないという問題も発生。
同コスト内で優秀な汎用機がいる中本機を選ぶ理由も無く、かと言って強化が必須と言うほど悲惨な性能でもない、
弱機体の中でも上の方というある意味では特に厳しい立ち位置になっている。
原作での性能
設定では
ゲルググより少し小さいくらいのサイズだが、ジオングと同じかそれ以上のサイズになっている。
ガンダムと一回りくらい大きさが違う。
その割に動きが素早く、ジャンプも高いので飛び込みやすく、さらには下方向に強いJ↓中攻撃、非常に
めくりやすいJ中攻撃、
攻撃判定の広いJ強攻撃と良い技が揃っているのでジャンプ攻撃が強い。
必殺技は隙の少ない
飛び道具「マルチランチャー」、中距離に衝撃波を撃つ「メガスラッシュ」、肩のトゲで突進する「ヒートパイル」。
マルチランチャーはかなり高性能、ヒートパイルは隙も少なめと各種高性能だが、
それぞれしゃがみ状態に当たらない、「→←→」という
コマンドなので出しづらいと一長一短がある。
メガスラッシュは出が早く、飛び道具も相殺するので連続で出し続けるとちょっとしたバリヤーみたいになり、
慣れない相手は対処に悩むだろうが、これだけ出してればいいという万能技では無い。
また解りやすい無敵技、対空技を持たないのが弱点で、攻め込まれた時の切り返しに苦労するだろう。
しかしこのドルメル、
歩き小攻撃が連続ヒットするのでそこから
気絶に持っていけるという
宇宙世紀小パンMSなのであった。
立ち小攻撃はしゃがんだ相手にはスカってしまうが、連続2ヒット以降は立ち喰らいになるという仕様のため屈小攻撃×2から持っていける。
タイミングはシビアで、後者の場合もっとシビアになるが、たとえガードされても動きの速さ故そこからの歩き投げが強力。
無敵技には弱いが、このゲームは必殺技が出し辛いため、失敗して小パンを喰らってしまったら終わり。
殊にしゃがめず、無敵技を持たないジオング辺りは近づかれたが最後苦戦必至だろう。
ドルメルの開発者はジオングによほど対抗意識があったと思われる。
……え?ひどいって? まぁ
シャアザクなら歩きしゃがみ小攻撃(しかも下段)で同じ事がもっと簡単に出来るのでいいんじゃないでしょうか。
なおこのゲームはどのMSも技モーションが有名格闘ゲームのパクリ
*2で構成されている事で知られているが、
ドルメルもホバーキックや投げ、ダブルニープレスなど
ベガから採用されている部分や、
ソニックブームの出がかり、
蒙虎覇極道ぽいモーションが存在する。
MUGENにおけるドルメル
taurusac195氏による、原作
ドットを使用したものが存在する。
システム的にはシンプルで、ダッシュ、バックステップ、3段ジャンプ以外に特筆すべきものは無い。
taurusac195氏のキャラは原作パイロットの声が使われておらず、
超必殺技ではラムイコの声ではなく渋い男の声を発する。
ラスボス故か、氏のお得意の『バトルマスター』仕様なのか、体力が
通常キャラの3倍超(素で
3200)。
また、巨体故にリーチが長く
判定も非常に強いが、密着状態では当たらない事も。
1ラウンド目開始時に
ゲージMAXになるが飛び道具がゲージ消費制になっているための措置と思われる。
必殺技は
波動コマンド、超必殺技は波動2回コマンドと覚えやすいが、他の技から
キャンセルする事ができず、
また、一度出してしまえばキャンセルする方法も無いので、ご利用は計画的に。
超必殺は2つあり、A超必殺は全段ヒットで6割の
乱舞技で、技中
喰らい判定が無くなる強烈な技……のように見えるが、
暗転直後は喰らい判定が残っているので切り返しにならず、また
暗転見てからガードが余裕で間に合い、
当てても途中で確実に抜けられてしまう……が、フィニッシュの一つ手前でガード不能攻撃を繰り出すので、
単純にガードだけしていてはかわしきれないという、強いのか強くないのかよく分からない仕様になっている。
B超必殺は全段ヒットで3割。無敵はないが途中で抜けられる事がないので安心して使える。
しかしこれも暗転見てからガード余裕なのでぶっぱは禁物。
確実に当てられるシチュエーションは落下中に対地空中攻撃を低空で当てた場合のみ。やっぱり使い辛い。
AIは未搭載。
出場大会
出演ストーリー
*1
ガンダムに詳しい人なら「ジオングでもビグ・ザムでもそんな事は無理だったのに、それが可能って、ドルメルってどんな化け物だよ」
と思われる事だろうが、実際ゲームで動いてるドルメルを見る限り
どう考えても絶対不可能なので世界観を覆すような事態には陥っていない。
奇跡の出演を果たした『バトルオペレーション2』でも、やはり広大な戦場で接近戦特化には無理があるという事になっている。
未来世紀にでも行けば……しかしガンダムじゃ無いからガンダムファイトに出場できないしなあ
そのため、「それが可能」と思い込んでいるラムイコの軍事知識が疑わしいという、逆の問題を生み出している。
が、それももしかすると、実は軍人ではなく彼女こそがドルメルの開発者なのではないかという考察も成り立つ。
それだとアイナと被るが
それぐらい彼女はドルメル以上に謎のベールに包まれているのである。
なおメーカー側は「当時の資料が手に入らなかったから」と言い訳している。
いや、原作資料が無いからって別の作品をパクって良い訳じゃないから
最終更新:2024年08月11日 19:52