ゲスラ


円谷プロの特撮作品『ウルトラマン』に登場する怪獣。別名「海獣」。
南米に生息するトカゲ「ゲスラ」がカカオを運ぶ船に紛れ込んで日本に来てしまい、
東京湾の水質汚染のせいで怪獣化してしまった存在である。
カカオ船の船長の話を見る限り、「ゲスラ」は怪獣名ではなく原種のトカゲの種別名のようである
(『ウルトラQ』のタランチュラモルフォ蝶のようなものだろうか)。

原種は雑食性で、特にカカオ豆や豆に集るゲラン蜂を主食としており、
巨大化してもその習性は変わらず、カカオの匂いを嗅ぎつけて船を襲った際に大量のカカオを食えたことに味をしめて、
カカオ輸送船を狙って襲撃するようになった。
原種の頃から犬並みのサイズでありながらジャガーを殺せる猛毒のトゲを備えており、
巨大化したことでさらに毒が強化されたらしく、並の毒が効かないウルトラマンにも有効で、
変身して1分弱にも拘らずカラータイマーを点滅させる程に弱らせる毒性を見せた。
設定では口から発条光線を放てるらしいが劇中では未使用。
弱点は頭部のヒレで、ここを失うと急速に衰弱して、最悪死に至る。

間の悪いことに、ゲスラが目を付けた横浜のカカオの輸送船は、
宝石密輸団ダイヤモンド・キックが豆に紛れさせて隠したダイヤの密輸に利用されており、
さらに運悪く居合わせたホシノ少年と友人がダイヤモンド・キックに拉致されてしまい、
全くの偶然からその事態を知った科学特捜隊は下手に市街地でドンパチできなくなり、
ゲスラへの本格的な戦闘の前に、ホシノ少年の救出に対処しなければならなくなってしまった。
ムラマツ達が救出に奔走し、ゲスラが少年達が監禁されているカカオの倉庫に接近する最中、
ピッキングで逃亡を謀ったホシノ達だが(すごい小学生だ)、ダイヤモンド・キックのメンバーに見つかり、
彼らが放った銃声を聞いたゲスラは防衛本能から狂暴化。
スパイダーショットやスーパーガンの迎撃も物ともせず、神奈川県警のパトカーごと隊員達を踏み潰そうとするが、
そこにウルトラマンが割って入り阻止し、戦闘に移る。
猛毒のトゲでウルトラマンを苦しめ、さらに体当たりで海中に突き落とし、
ホームである水中戦に持ち込んで優位に戦うが、弱点であるヒレを毟り取られて衰弱死した。
何気にウルトラマンがスペシウム光線を使用せずに倒した初の怪獣*1である。


スーツは『Q』に登場したピーター(アリゲトータス)の改造。
脚本のプロットではモスラ(幼虫)のスーツを改造したハチの怪獣の回だったらしいが、
何らかの理由で変更になったらしい。
ラン蜂+モスラゲスラ?
後述のキングゲスラが登場するまではウルトラ怪獣の中では知名度は高いとは言えなかったが、
その特徴的なインスマス面から印象に残りやすい怪獣である。

映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』で強化種のキングゲスラが登場して再度脚光を浴び、
以降の映像作品でもスーツの流用でキングゲスラが何度か登場しているのだが、
一方で通常種のゲスラは登場していない(『タイガ』の幼体はカウントできるかどうかが微妙)。
一応『ウルトラマンZ』第2話のモニターの画面でブラジルに通常種のゲスラが出現したことは書かれていたが、
映像内では出番はなく、第23話で登場したのも結局キングゲスラだった。

+ 他作品における活躍
前述の『大決戦!超ウルトラ8兄弟』ではキングゲスラが敵の一番手として登場。
横浜が舞台であることから、過去に横浜に出現した怪獣としての選出だったらしい。

ウルトラマンX』ではダークサンダーエナジーで強化されたキングゲスラが登場。
全身の棘を赤い光弾状にして連射する「ベノムショット」という技を得ていた。

ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』ではベゼルブによりクグツ怪獣にされたキングゲスラが登場。

ウルトラマンタイガ』では、主人公の工藤ヒロユキが幼い頃に拾った個体が登場。
ヒロユキはその個体を「チビスケ」と名付けて育てていたのだが、
実はレキューム人が怪獣オークションに出品する目的で育てていた生体兵器であり、奪い返されてしまう
(この時、粒子化していたタイガはヒロユキの勇気に感心し、その命を救うため彼と同化した)。
それから約十年が経過した本編第2話時点において、改造された怪獣兵器キングゲスラとして登場して暴れ回った。
キングゲスラはヒロユキのことを覚えており、タイガとの戦闘の末になんとか鎮静化したものの、
事態を快く思わないウルトラマントレギアが乱入。
トレギアの攻撃からタイガを庇ってボコボコにされ、最後はトレラアルティガイザーを浴びせられて爆死してしまった。

ウルトラマンZ』では野生のキングゲスラが登場。
ウルトロイドゼロ(正確にはそれが内装するD4レイ)を地球の秩序を乱す危険因子と認識し、
まるで人間が怪獣という驚異に集団で相対する防衛隊のように、
デマーガゴメスパゴスタッコングなどの他種族の怪獣と共に、徒党を組んでウルトロイドゼロの破壊を試みた。

ウルトラマンデッカー』でも登場したが、ネオメガスと交戦した末、
こじ開けられた口から体内に光線を注ぎ込まれて爆死するという、前座怪獣扱いだった。

『ウルトラマンブレーザー』では青辺恵美隊員の履歴書に「ニューヨークでゲスラ討伐に参加」と書かれている。

ゲーム作品ではニンテンドーDS『怪獣バスターズ』に登場。
プレイヤーが最初に遭遇する所謂イャンクック枠の大型怪獣で、
原種に加えて灼熱環境に適応したゲスラ(赤)、各種耐性が強化され大型化したゲスラ(青)、
通常の二倍ほどのサイズに成長した巨大ゲスラの四種類が登場する。
攻撃手段は長距離を進む突進、毒属性の短距離突進、口から吐く混乱属性を帯びた下水、背後に放つ毒針など。


MUGENにおけるゲスラ

カーベィ氏の製作したキャラが公開中。
ワンダースワンカラーソフト『ウルトラマン 光の国の使者』のネロンガが元と思しきGesura505氏の提供したスプライトを用いて作られている。
機動力は遅めだが、発生の早い「尻尾攻撃」や「とびかかり」などの近接攻撃に加えて、
中距離攻撃の「くさい息」などの技を備えており、インファイトが得意な性能となっている。
超必殺技はいずれも1ゲージ消費で、「発条光線」、「毒突き」、
フィールドを海に変えて奇襲する「沿岸警備命令」の3つ。
AIもデフォルトで搭載されている。
紹介動画

また、同じくカーベィ氏によりキングゲスラも公開されている。
紹介動画

2022年2月にはバレンタイン記念キャラ「ゲスラチョコ」が公開された。
性能はオリジナルと同じだが、攻撃の際に相手をチョコまみれにする演出がある。
紹介動画

そして2022年4月には幼体ゲスラ「チビスケ」がエイプリルフール記念で公開された。
幼体なので、技は体当たりのみのキャラとなっている。
紹介動画

また、同じくカーベィ氏が製作したコンプゲー『AIメカゴジラ対戦格闘ゲーム』には、ロボット化した「メカゲスラ」が参戦している他、
モスラ幼虫を改変して作られた「ゲラン蜂」もGesura505氏とカーベィ氏のコンビによってMUGEN入りしている。

出場大会



*1
シナリオ上でトドメにスペシウム光線が使われており、一部書籍や円谷プロ公式ウルトラマン検定でもこちらが採用されている。


最終更新:2024年01月08日 01:56