Ξガンダム

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Ξガンダム - (2023/11/29 (水) 10:20:16) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/12/03 Thu 02:09:40
更新日:2024/04/09 Tue 15:25:30
所要時間:約 6 分で読めます






……我々はマフティーの名前のもとで、クスィーガンダムとともに、連邦政府と戦うのは、組織におぼれた人びとを粛正する目的があるからです



Ξガンダムとは小説及び劇場アニメ映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』に登場したガンダム・タイプのモビルスーツで、同作の主役機体である。

+ 目次

《諸元》

型式番号:RX-105
所属:地球連邦政府組織(マフティー・ナビーユ・エリン
パイロット:マフティー・ナビーユ・エリン(ハサウェイ・ノア)
建造:アナハイム・エレクトロニクス社
生産形態:試作機
頭頂高:26m
本体重量:32t
全備重量:80t
ジェネレーター出力:3,980kw
スラスター推進力:160,000kg
センサー有効半径:30,000m
装甲材質:ガンダリウム合金



《機体解説》

秘密結社「マフティー・ナビーユ・エリン」がアナハイム・エレクトロニクス社に極秘裏で発注した最新鋭モビルスーツ。

かつてのニュータイプ戦士、アムロ・レイが最後に使用した機体・νガンダムを引き継ぐという意味を込めてギリシャ文字 「ν(ニュー)」 の次の 「Ξ(クスィー)」 と名付けられた。

それまで戦艦や大型MAにのみ搭載されていた、ミノフスキー粒子の反発力を推力剤として使うエンジンミノフスキークラフトをモビルスーツとしては初めて搭載した。
このエンジンは、科学薬剤を燃焼させるエンジンよりも、小型軽量で強力な推力を獲得することが出来るため、ジャンプフライトをするモビルスーツ、ジェットエンジンで動くサブフライトシステムに対し、宇宙・地上を問わず圧倒的な優位性を持っている。
小説では詳細な設定はなかったが、ゲーム版では機体サイズが頭頂高28mサイズという設定で、映画版でもこの設定が適用された。
ミノフスキークラフト搭載のモビルスーツは他にオデュッセウスガンダムが登場するが、別工場で生産されたものであり、アナハイム内の工場はグループ内では別会社という設定であるため、戦場でこの2機がかち合ったのは、両会社は予期したことではなかった。
映画版では、ミノフスキー・フライト・ユニットを搭載という設定となった。劇中でミノフスキー・フライトとも呼称されるこのシステムは、2021年5月1日に開催されたイベント「ミノフスキー・フライト稼働実験」の説明によると、ミノフスキー粒子の塊であるIフィールドにより飛行するシステムであるとの事。(Vガンダムに登場する装置と同名だが、別物である。)

ペーネロペーのものとは異なり完璧なビーム・バリアーが搭載されており、防御と高速飛行が行える
このバリアーはメガ粒子砲であるビームや実体弾であるミサイルでさえも防ぐ事が出来るのである。
またこのビームは厚く展張さえすれば大気圏突入時の熱であっても防ぎ、高速飛行時は進行方向に波形を変えてビームを放射する事で大気の干渉を減散させ、大気圏内でモビルスーツ形態のまま歴史上初めてマッハ2に近い速度で飛行した。
Ξガンダムと交戦したレーン・エイムによれば、バリアー展開中は機体全体が光に包まれている様に見えたらしい。
閃光のハサウェイ特集が組まれた1990年8月号の月刊ニュータイプでは「Ξガンダムは防御と高速飛行が行える革命的な機体」だと紹介された。

小説では変形形態が設定されていない。
『GジェネレーションF』以降のゲーム作品では飛行時には肩口のウイングや胸部装甲をを展開した「フライトフォーム」と呼ばれる形態が設定され、高速飛行時にはこの形態へ移行する。
Gジェネレーション初出のサンライズ準公式設定だったために、『ガンダムバトルユニバース』等一部のゲーム作品ではゲーム中に変形が取り入れられているにもかかわらず、機体解説では小説版の描写を優先し、非変形での単独飛行が可能と解説されていた事も多かった。
その後、サンライズ公式設定である劇場アニメ版では設定が輸入され、こちらでは肩アーマーと背部スタビライザーも水平に固定される。

携行武装はサーベルとライフル、シールドなど比較的ベーシックなものだが、内蔵された大量のミサイルは火力が高く、初戦ではペーネロペーも撃墜したのもこの武装である。
ゲーム版でのみ、メガ粒子砲を装備しているが、こちらの設定は映画版には適用されていない。

頭部には脳波サイコミュブロックなる装置を搭載しており、パイロットの脳波を拡大する。
また、サイコミュ兵器の一種であるファンネル・ミサイルも搭載している。
このファンネル・ミサイルは、νガンダムの誘導ミサイルであるフィン・ファンネル同様使い捨てである。(一部のゲームでは戻ってくる。)

極めて高性能な機体であり、ハサウェイの技量も相まって、地球連邦軍傘下のキルケー部隊に規模が大きく劣る秘密結社マフティーの戦線を支えた。


《デザイン》

【小説版】

小説表紙や扉絵に掲載された最初のデザイン。デザインは森木靖泰。
映像化を考慮しなかったこともあり、裃や陣羽織を極端にしたかのようなパネル構成や顔を思わせるコクピット周りなど、
ペーネロペー程ではないものの、同じ森木氏がデザインを手掛けた『冥王計画ゼオライマー』の八卦ロボを彷彿とさせる鋭利で怪物的なフォルムが特徴。
デザインにあたっては富野由悠季との打ち合わせもなく、担当編集から『ファンネル・ミサイルを発射する』『ミノフスキークラフトで飛行する』の2点が伝えられたのみで、結果として複雑なデザインは「僕の考えた最強のガンダム」程度の軽い気持ちで描いたと劇場アニメのパンフレットで振り返っている。
小説中では明確なカラー設定はなく、美樹本晴彦の担当した中巻の表紙では初代ガンダムであるRX-78-2を思わせるトリコロールカラー、同巻の口絵では真っ白なカラーリングとなっている。(口絵部分は、月刊ニュータイプ誌に掲載されたものの再録。)

【Gジェネ版】

『GジェネレーションF』への参戦にあたり、森木靖泰がリファイン。以後、ゲーム作品のデザインはこれを踏襲する形に。
小説中巻のカラーリングが採用され、小説で描かれていなかった背部の設定が加わったり、従来のガンダムとしては個性的すぎた頭部や胸部を中心に大きくリファインされた。

【GFF版】

『GUNDAM FIX FIGURATION』で立体化されるにあたり、更にリファインが加えられた。デザインはカトキハジメ氏。
パーツバランスが見直され、νガンダムから続く系譜を実感できる大人しめの外観となった。
ペーネロペーとのコンパチキットであり、オデュッセウスガンダムを軸として二度とやりたくなくなる苦行アーマーを換装していく特性故に、下半身周りは特に共通点が多い。

【劇場アニメ版】

初登場から足掛け約30年、複雑なデザインもCGのパワーでようやく動かせるようになった。デザインはGFF版同様にカトキハジメ氏。
小説版をベースにしつつ、ゲーム版のデザインを折衷したものとなっており、カラーリングは小説中巻の口絵を思わせる白を前面に押し出したカラーリングとなっている。
武装も小説から一部仕様変更されており、ビームサーベルは所謂“ジュッテ”が展開可能なタイプになり、ビームライフルもEパックを装着するタイプである事が確認できる。
また、サーベルのビームの色も小説中巻表紙のピンクから緑に変更されている。
また、ミノフスキー・クラフトからミノフスキー・フライト・ユニットへと設定変更されている。


当初はゲーム版準拠のデザインにするつもりだったが、カトキ氏の「折角だから小説版のデザインを尊重したい」という意見を反映し、また製作陣も“テロリストのガンダム”という事(=正統なガンダムではない)を強調するために小説版準拠のデザインにする事が決まった経緯がある。
ちなみにカトキ氏もカラーリングの変更には最後まで躊躇していたらしいが、最終的には小説版のデザインを尊重し、現在のカラーリングに落ち着いた。
このデザインが生み出されるまでにはだいぶ時間がかかったようで、2018年に公開された『機動戦士ガンダムNT』上映後の特報で公開されたPablo Uchidaによるティザーイラストや、劇場版に先駆けて2021年にスタートしたさびしうろあき作画の漫画版ではゲーム版準拠のデザインになっている。


《武装》

ビームライフル

専用に開発されたビームライフル。過去のものと比べて初速が倍近く速いため、対応の遅れたグスタフ・カールを易々と撃墜している。
ハサウェイのトリッキーな戦術の中核を成した武装であり、囮として海上に発射したまま飛ばされたり、最終決戦ではエネルギーをチャージしてわざと破壊され目晦ましにも使われた。

ビームサーベル

小説版では、両肩からせり出すトーチに装備されていて、中巻表紙ではピンク色である。
劇場版でも両肩からせり出すトーチに装備されているが、グリップの形がガンダムMk-Ⅱ同様、宇宙世紀前半のガンダムとしてはちょっと珍しい角柱型へと新しく設定された。

シールド/ビームキャノン

背面にミサイルを装備した堅牢な盾。メガ粒子砲の直撃すら耐え凌いで見せた。
劇場アニメ版のHGUCでは武装解説に「先端部にビームキャノンを内蔵している」と記載されており、後述のメガ粒子砲の代替になっている可能性がある。

腕部ミサイルランチャー、膝部大型ミサイルランチャー

およそ全身にわたって装備されているミサイル
作中では、ペーネロペー撃墜時の接射やアデレード空港の爆撃などに使用。

ファンネル・ミサイル

オールレンジ攻撃の一種で、脳波コントロールできるミサイル。
小説版では、デザインがない。
『GジェネF』で新規にデザインが書き起こされ、円柱の両先端部に円錐の推進部兼弾頭がついている形状となっている。

サンドバレル

ペーネロペーと同じく搭載された散弾砲。
劇中では、ミサイルなどへの迎撃用防御兵装として用いられた。

肩部メガ粒子砲

小説と劇場版には登場しない兵装。(劇場アニメ版のHGUCでは武装解説に存在しないため今後使用されるかは不明だが、一応パッケージイラストには肩アーマー下部先端に砲門らしきものが描かれており、プラモ自体にも存在するため可能性はある。)
ゲームでのみ登場する兵装で、
EXVS』シリーズを初出とし、ビームサーベルをマウントしたトーチ部分の先端から、『Gジェネ』などでは肩部正面装甲の下部先端を正面へ向けて発射するため砲塔が存在せず、砲門が覗いているのみ。

マイクロ・ミサイル・ポッド

小説と劇場版には登場しない兵装。
ゲームでのみ登場する兵装で、『EXVS』シリーズを初出とし、、腰部後方にアタッチメントを介して接続される。ブースターとしての役割も担っており、使用後は順次破棄できる。
ハニカム状のミサイルを三方向から一斉射可能で、出撃ムービーでは使用するシーンが映る。
ROBOT魂で立体化もされた。


《劇中での活躍》

+ ネタバレ
アナハイムの月面工場で完成後、カーゴ・ピサに格納された状態で月面から地球へと移送される。
新任司令のケネス・スレッグを警戒した搭乗者であるマフティーの意向で、インドネシア・ハルマヘラ島沖にて空中受領を計画。察知し直後に追撃してきたレーンの駆るペーネロペーと交戦、撃墜しこれを退けた。
この際の戦闘だが、『ビーム・ライフルを海面スレスレで発射して飛ばし、陽動を仕掛ける』『こちらを見失ったペーネロペーの目の前に突然現れミサイルで集中攻撃』という戦法でペーネロペーを撃墜している。

その後、エアーズロック攻防戦やアデレート空港襲撃などではマフティー側の主要戦力として多大な成果を挙げる。
特にアデレート空港の第一次爆撃では、ミノフスキー粒子を四方に散布することで、侵攻方向をカモフラージュし、突如飛来したあとは一気に内蔵したミサイルを発射して即座に空域から離脱するなど、ビーム・バリアーによる警戒網を敷いていたケネスですら虚を突かれるほどの奇襲作戦を成功させた。

宇宙世紀0105年4月26日、マフティーはオーストラリア・アデレートにて行われる連邦中央閣僚会議の粉砕を宣言、地球保全地区についての修正法案の破棄を要求し会場を襲撃。
その際、因縁のペーネロペーと再び激突し、互いの兵装を駆使した熾烈な戦いを展開する。
Ξガンダムが優勢になるものの、予め設置されていた小型のビーム・バリアーに誘導され、そこにケネス側に結果的に保護されたことでギギ・アンダルシアの不思議な力も加わり、最悪のタイミングで発生したビーム・バリアーに焼かれて撃墜。
Ξガンダムにもビーム・バリアーがあり、その防御機能によりマフティーは即死こそ免れるが、全身火傷と打撲で入院。後に銃殺刑に処される事となる。
機体はアデレート空港に置かれ、連邦軍により機体の製造元を調査される事となった。
しかし製造元を示すような情報が一切無いため公的には所在不明扱いになったが、その姿を目にしたブライト・ノアは、「このつくりは、アナハイム・エレクトロニクスだよ」ときっぱり言い切っている。
マニピュレーターのエネルギー・チューブが埋まっている部分がビームで溶かされダンゴ状になっていて、両腕が左右に広がったまま硬直したその姿はまるで十字架を背負ったかのようであった。

マフティーが止めようとしていた法案は、実はアデレート空港爆撃の前に可決されており、全てが遅い結果になってしまった。
ここから閣僚が地球をリゾート地にしている『機動戦士ガンダムF91』の時代へと続いていくことになるのであった。


ゲームでの活躍》

2000年のゲーム『SDガンダム G GENERATION F』に初めて収録され、以降は他のロボットゲームにも収録される事となり、世間に広く知られるようになっていった。

ガンダムバトルシリーズ

ユニバースよりペーネロペーと共に登場。パイロットはマフティー。
ちなみに本機を動かせるアクトゲーはこれが初めて。
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』以降のMSという事もあって性能は高く、武装のバランスも良い。
特にサブ射撃のファンネル・ミサイルはかなりの追尾性能を誇り、回避しにくいため使いやすい。
回収不可能なので回収コマンドを入力すると射出されている全てのミサイルが同時に攻撃するようになっている。
ゲーム中では解説されていないが変形コマンドを入力する事でフライトフォームに変形できる。
機体サイズも忠実に再現されているため滅茶苦茶デカい。
ラフレシアと並んでもひけを取らないサイズはある意味必見。

Gジェネシリーズ

空・宇宙適性共にAで移動力は破格の9と高性能(ワールド以降は8に下がった)。
ただ、第3射撃がバルカンでありメガ粒子砲を持つペーネロペーに比べると火力で劣る。バルカン自体は低燃費でミリ殺しや削りができるため存在意義がないわけではないが。
ジェネシスではメガ粒子砲に加えて一斉射撃が追加され、ペーネロペーとの差はほぼなくなった。

ガンダムVSシリーズ

機動戦士ガンダム Extreme vs. FULL BOOST』より参戦。また、それに合わせてEXVS無印家庭版でもDLCとして登場。
コストは3000。さすがに体格が大きいせいで、他の機体とのサイズ差が半端ではない。特にガンダムF91といった宇宙世紀後期の機体と並べると親子ほどの差がある。

メイン射撃のビームライフルは他機体よりやや太めで、一発ごとにミサイルが2発連動する。なのでビームは当たらずともミサイルのみ当たるというケースもよくある。
サブ射撃はファンネル・ミサイル。足を止めて6基射出するが、MBの中間アップデート以降は足を止めずに射出できるようになった。
発射すると敵機に接近し、上方から包囲⇒一斉突撃する。特殊格闘発動中は更に4基追加射出する。
特殊射撃はメガ粒子砲&ミサイル一斉射。ミサイルは左右に3発ずつ発射する。ビームの弾速と威力は凄まじく、足を止めるリスクを鑑みても十分使えるレベルにある。
余談だが、本作ではメガ粒子砲の発射位置は原作設定と異なりビームサーベルのマウント基部先端からになっている。MVのOPが確認しやすいだろう。
特殊格闘はミノフスキー・クラフト発動。発動するとサブ射撃&特殊射撃が弾数回復し、更にそれぞれ弾数が1つ追加される。この状態で特殊格闘を入力すると、レバー方向もしくは上方に急速移動する。発動及び解除時は硬直モーションが入るため、隙を晒さないように注意。
格闘CSはミサイル一斉射。ファンネル・ミサイルではないので通常弾頭のものとなるが、弾幕形成に優れこそするが誘導はマチマチで1ヒットするかどうかのレベル。賑やかしには良いのだろうが、あまり頼りにすべきではない。
この手の機体にしては格闘も十分に振れる範囲内で、特に横格闘は主力。

家庭版のミッションモードでは、なんとマフティーの演説が全収録されたミッションが存在する。

続編の『機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOST』では、中間アップデートで機動力上昇とメイン射撃の弾数増加などを得た。
ライバル機のペーネロペーも参戦し、あまり個体差が無いためどちらかが喰われるポジションになると思われたが、杞憂に終わっている。
出撃ムービーも新規追加。Ξとペーネロペーがそれぞれビームやミサイルを連射して空中機動をする単純なものだが、その機動性の高さを証明するシーンである。

機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOST ON』では、射撃CSに単発射撃を追加された。
更に格闘CSでメッサー呼出が追加され、レバーの有無で射撃か突進かを選択。初期は性能がそこそこだったが、修正を経て並みのアシスト程度には強化されている。
細かな修正を二度貰い強化されつつあったが、機動性に分のあるペーネロペーには少し劣ってしまっている。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2』では、格闘CSに旧武装のミサイル一斉射が追加された形で復活。振り向き撃ち可能となったのでメイン射撃でそのまま落下できる。従来のメッサーと同時に発動するので無駄が無い。
ミサイルの誘導が全機体共通で強化されたのもあって、メイン射撃連動のミサイルが当たりやすくなった。
横格闘に三段目が追加、下格闘が斬り抜けとなり格闘性能も向上。
癖の少なさや武装の強力さから初心者向けの機体としても有名。

稼働当初はダブルオーガンダムトールギスⅢといったいわゆるバランスブレイカーが目立ちあまり日の目を浴びる事はなかった。のちに参戦したガンダム・キマリスヴィダールや、リフレッシュ修正により一気に強機体と化したHi-νガンダムやウイングガンダムゼロなどもクスィーの評価を相対的に下げることとなる。
しかしPDF2019が終了し、Hi-νガンダムや見事優勝を飾ったトールギスⅢが下方修正を受けたことでクスィーの安定さやL覚醒との相性の良さが見直され一気に評価を上げる。M覚醒でミノフスキー・クラフトがリロード中でも時間を稼ぐことができ、稼働末期には3000コストの中でもトップに迫る評価に。一度も修正を受けることなく稼働終了まで駆け抜ける。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2 X BOOST』では、全体的に下方修正を受けてしまう。
機動力低下、メイン射撃判定縮小、格闘CSの溜め時間増加と誘導低下、下格闘の威力減少が挙げられる。特徴だった強判定のメイン射撃が弱体化を受けたのは特に痛く、ミサイルとの弾幕を若干だが削がれた形となる。
反面、Nサブ射撃にファンネル・ミサイル直射が追加。旧サブ射撃の硬直モーションを取った後、展開したファンネル・ミサイルが2基ずつ敵機に直進するというもので、射程距離こそあれど正面からの迎撃やメイン射撃からの追撃として手早く対処できる強みは魅力的。
更に特殊格闘のミノフスキー・クラフト展開のゲージ切れ硬直が削除された。敵機はこの硬直を狙って攻撃を当ててくる事が多かったので、この修正はかなり大きい。
しかし今までの強みを削がれたうえ新しい強みも環境トップに比べると見劣りする。機動力や格闘CSの性能が落とされたことで安定感も下がってしまった。またのちにG-セルフ(パーフェクトパック)が修正により一躍環境機体に。扱いやすさ・強力さどちらも優秀で弾幕性能も良好なので立ち位置を奪われ気味。

ギレンの野望シリーズ

アクシズの脅威Vから参戦。旧作で言うキュベレイポジション。
ペーネロペーの開発と、敵性を除く全ての技術をカンストさせて出現する。

連邦系最強のモビルスーツであり、運動性は全ての機体の頂点に立つ脅威の82。
サイコミュ搭載なのでNTの能力を最大限引き出せる。おまけにミノフスキー粒子散布も可能。
大気圏内では飛行形態に変形可能。一部の武装が使えないが移動力、散布範囲がさらに向上する。
NTとして高い能力のアムロやカミーユ・ビダンを乗せると殆ど被弾せず、片っ端から落としてくれる。

ただいくつか問題を抱えており、開発に時間が掛かり過ぎるので完成する頃には殆ど決着間際で活躍が難しい。
実際に使うには敵勢力を殲滅せずにひたすら「生殺し」しつつ開発を進めるしかない。
原作と異なり、ファンネル・ミサイルが大気圏内で使えないという欠点も。
さらに終盤は宇宙での決戦が多く、飛行形態が無用になりがち。いっそマフティー編でもあれば……

スパロボシリーズ

第4次での没データを経て『スーパーロボット大戦V』において初参戦。
『V』では閃光のハサウェイの原作再現が無く、ハサウェイも秘密結社マフティー所属ではないため、原作とほぼ別人となっている。Ξガンダムもそれに引っ張られる形で設定が変更されており、ミスリルでテストが行われているアナハイムの新型MSという扱いである。

MSでは貴重な空S(ただし宇宙SのMSも多い中で宇宙Aなのが少し惜しい)であり、移動力が初期値で7。
カスタムボーナスも含めれば変形なしMSでは驚異の移動力9となる。ゲームバランス調整のためだろうけれど、同作で共演の真ゲッター1より速い。
(同作では移動力の基本値がそれまでの6から5に引き下げられており、その中で9というのは圧倒的アドバンテージと言える)

また、中盤になると必殺技として移動後射撃攻撃である「高機動攻撃」、撃墜数条件とレーンとのイベント条件を満たすことによりMAP兵器版のミサイルポッドが解禁される。
ニュータイプなら誰でもその優秀なスペックを発揮できるため、プレイヤーによってはハサウェイを降ろしてしまうことも。特にデフォルト乗機が物足りないキンケドゥ・ナウとも相性が良い。


《立体化》

登場から長い間立体化には恵まれていなかったが、近年ではよくされるようになった。
2013年にROBOT魂 <SIDE MS>にて受注生産されることとなった。
またBB戦士でも一般販売されている。ファンネル・ミサイルとスタンド、メッサーにギャルセゾンのオマケ付きである。

2016年には食玩「ユニバーサルユニット」で本機がラインナップ。
フライトフォームへの変形が可能だが、膝やスカート裏などがシールで再現されていて剥がれやすい。

ニコニコ動画にMGの既存キットベースでこの機体を作る動画がある。
見ればこの機体の大きさが分かるだろう。
また、OPのつもりで作った手書き動画が存在する。時間がある時に比較してみてはいかがだろうか。


ガンプラでの立体化は久しく存在しなかったが、グスタフ・カール、メッサー、ペーネロペーがHGUC化と徐々にその存在を匂わせつつあった。
そして2020年11月にHGUC化が発表され、2021年4月に一般販売で登場。
劇場アニメ準拠デザインでの立体化で、1/144ながら箱は並のMGより大きい。
武装は一通り揃っているが流石にファンネル・ミサイルは付属しておらず、腰部装甲裏にモールドとして再現されている。

また同日に『ΞガンダムVSペーネロペー ファンネル・ミサイル エフェクトセット』も販売された。
こちらはなんとPG用の箱に詰められており、ファンネル・ミサイルと射出エフェクトが新規付属している豪華版。
その分値段も17,000円超えとかなりお高い。下手なPG並みである。
この手の特別セットは大体限定販売になるのだが、何故か一般販売される事に。
それでも通常版共々全国各地で売り切れが相次いだのだからすごい話である。
しかし、2020年以降転売目的でガンプラの買い占めが横行している事もあり、欲しかったが手に入れられなかったという人も大量に発生、Ξガンダム単体はともかくペーネロペーとのセットぐらいはプレミアムバンダイでの受注生産にして欲しかったとの声も多数上がる事に。
バウンド・ドックなんかと異なりプレバンでの救済も無く、しばらく再販の予定も無いなかったためかなり入手困難なキットとなっている。

可動域はデザインや強度の都合上肩の可動がやや狭め(それでもかなり動く)だが、全体的に良好。
ただし、掌の肉抜きが目立つ上白系統のカラーリングでまとめられているため、無塗装だとのぺっとした印象を受けやすいので素組み派には少々厳しい仕様になっている。
幸い複雑な塗り分けが必要な部分は少ないので、これを機に塗装に挑戦してみるのも良いだろう。
それでも「ハードルが高いな……」という方はガンダムマーカー各種でスミ入れするだけという手もアリ。

「劇場アニメ準拠のデザインより慣れ親しんだゲーム版のデザインが良い!」という方はRGνガンダムのマスク部分を移植して塗装するとかなりそれっぽくなるのでオススメ(スリットの数が違うのであくまでそれっぽくなるだけだが)。
やはりというかゲーム版準拠のデザインに塗装、改造するモデラーが続出した。
同時期に発売されたホビー誌でもゲーム版デザインに改造して掲載されていたぐらいである。


《余談》

新SD戦国伝 超機動大将軍編に登場する機動武神天鎧王のデザインモチーフ…だが森木氏つながりで天のゼオライマーも混じっていたりする。

公式記録では出所は不明とされているが、当時連邦のあずかり知らないところで次世代型のガンダムなど開発できる組織はアナハイム・エレクトロニクスを除いて他になく、内部を解析するまでもなく同社がテロ組織マフティーに関与している事は誰の目にも明らかだったが、
これに関しては半ば公然の秘密と化していたようである。


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