スペシウム光線

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スペシウム光線 - (2020/11/21 (土) 01:40:00) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/07/27(金) 16:00:25
更新日:2024/04/09 Tue 14:44:56
所要時間:約 18 分で読めます





うむ……やはり!
スペシウム光線ですね、キャップ!


スペシウム光線』とは、円谷プロダクションが制作した特撮TVドラマ『ウルトラシリーズ』に登場する、
我らがヒーローウルトラマン及び帰ってきたウルトラマンの代表的な必殺技である。
スペシウムの名の由来は「スペース(宇宙)」と「イウム(鉱物系元素を意味する接尾語)」から。


概要に入る前にまずは画面の前のみんな、放つポーズをやってみなさい。ググるなよ!


……はい、そこの腕をL字に組んでるキミ。君は銀のスプーンでも目に当ててなさい、失格!
腕でバツ組んでるキミも失格。それはネオスやゼアス、エックスに任せなさい。


正しいスペシウム光線のポーズは、腕を十字に組んで放つというもの。
帰ってきたウルトラマンのOPでも「十字を組んで狙った敵は、必殺技の贈り物♪」とあっただろう?
右胸の前で、左手が自分から見て奥(敵怪獣側)にクロスしたのが正しい形となる。右手が前だとまた違うウルトラマンの光線技になるので注意。
「腕時計に馬場チョップ」と覚えよう。







シュワッ!/ \ヘアッ!


画像出展:ウルトラマン(1966年7月17日~1967年4月9日)
第1話「ウルトラ作戦第一号」、第27話「怪獣殿下(後編)」、第36話「射つな!アラシ」より
@円谷プロ




概要

ウルトラマンを知っている人なら誰でも知っていると思われる、初代ウルトラマンの必殺光線。
彼の代表する必殺技だけあって使用回数が多く、初代マン、ジャック共に数ある技の中でも最も多くの怪獣・宇宙人を倒してきた。
ちなみに、設定上の威力は二人共同じらしい。


本来のスペシウム光線はウルトラの国宇宙警備隊見習い隊員なら誰でも最初に取得する光線技の初歩であり、必殺の威力は無い。
しかし初代マンとジャックはこの技を極限まで磨くことで必殺技にまで昇華させているのだ。

初歩の光線だけあって牽制や迎撃など、様々な応用や幅広い威力の調整が出来るので、
二人はこの辺りに目を付けこの技を極めたのかもしれない。


どうやら光の国出身の他のウルトラマンの必殺光線はどれもスペシウム光線の発展系らしく、
地球人が開発したスぺシウムエネルギーを増幅させる“スペシウム・リダブライザー”によって
ウルトラマンメビウス・フェニックスブレイブのメビュームナイトシュートやゾフィーM87光線も強化されている。

また、スペシウム光線の応用技である八つ裂き光輪(ウルトラスラッシュ)をエースや80、ネオスも使用している。

映画『新世紀ウルトラマン伝説』ではあらゆる世界のウルトラマンの光線技の基礎とされ、実際に全員で撃った。

、どう見てもエフェクトがそのウルトラマン元来の光線だったりする。
ゼアスに至ってはポーズまで間違えているが、彼は本来の必殺光線の構えからしてスペシウム光線の左右逆なので仕方ない面もある。




主な使用者と発射ポーズ

発射ポーズは共通して平手を十字に組むポーズであり、立てた右手から光線が発射される。
手を十字にすればそれでいいのか、姿勢などは各ウルトラマンによって異なる。


◆ウルトラマン
軽く上半身を屈め、顔の前で腕をクロスする。*1指が若干反り気味。光線の色は白。*2
上述の通り、初代ウルトラマン(とウルトラマンジャック)はベーシックな光線技であるこの技を極限まで磨き上げ、必殺技として用いているという渋い設定がある。
その威力は仕事率換算で50万馬力、50万度の爆発を起こすとか。
大伴昌司センセイによると「射程距離200m」とあったが、どう見てもそれより長い(明らかに月~地球間=38万㎞より長い!)

効果音がジェットエンジンのような『ザー』という音であるのも特徴。
昭和客演時代は他と同じ『ピャー』だったが、平成客演では再び『ザー』に戻っている。

腕を十字に組む以外に固有のポーズはないが、
惑星フェラント上で兄弟達と共にグランドキングと激突した時は腕を左右に広げるアクションをしていた。
またFERでは腰を深く下したうえで腕を左右に広げるアクションによる溜め描写が存在する。
尚、初代ウルトラマン本編ではスーツアクターを勤めた古谷敏氏のこだわりとたゆまない努力により決して顔とカラータイマーが隠れないようになっている。

楳図かずおの漫画版やウルトラ怪獣かっとび!ランドでは高圧電流を纏っているという設定。
かっとびランドでは力を抜いて撃つと暖房にもなる。
風邪を引いたり食あたりになったりしたときには眼前で滝のようにヘロヘロ落ちていく始末であった(クシャミした時には制御不能の超威力で出ていた)。
最大威力で発射した際には山を貫通している魔貫光殺砲かよ。

◆ウルトラマンジャック
指は真っ直ぐで、胸の前で腕をクロスする。身を屈める初代に対してジャックは直立気味で背筋も伸ばしている。
光線の発射音はウルトラセブンのエメリウム光線に近く、色も青白い
核兵器の直撃に耐えられる設定のタッコングやグドンを一撃で粉砕する威力を持つ。


◆ウルトラマンネオス
ポーズは初代マンと同じだが光線の色と発射音は彼固有の「ネオマグニウム光線」と同じ。
バッカクーン戦で一度だけ使用。


エースキラー
捕えた初代ウルトラマンから奪ったスペシウム光線を使用する。
右手に刃物を持ったまま(握り拳)でも使用出来るが、何故か光線は黄色く、SEもジャックと同じなのが特徴。
『ウルトラファイトビクトリー』に登場したエースキラー(ビクトリーキラー)が使った際は色、SE共に初代ウルトラマンとほぼ同一の物だった。


ウルトラマンダイナ
ポーズは初代ウルトラマンと一緒だが色は青白く、SEもソルジェント光線のまま。
放映からしばらくはダイナ本来の必殺光線「ソルジェント光線」として扱われていた。
詳細は下記で。


◆ウルトラマンダーク(SD)
初代ウルトラマンのスパークドールズがダークライブされた存在なので、当然のように使用が可能。
ただし、ダークライブの影響なのか、色は如何にも闇の力らしい黒と紫でSEも通常のものより低くなっている。
これは八つ裂き光輪やウルトラセブンダーク(SD)の光線技も同じ。


◆ウルトラマンギンガストリウム
パワーアップしたギンガはウルトラマンタロウが変身した新アイテム・ストリウムブレスの力でウルトラ6兄弟の能力を使用出来る。
発射ポーズ、SE共に初代マンと一緒だが、ウルトラマンのビジョンが重なる演出がある*3
『ギンガS』の最終回でタロウが帰還したので使用出来なくなっていたが、『ウルトラギャラクシーファイト』で再びタロウと邂逅した際に力の一部を与えられた為、再び使用可能になった。


◆ULTRAMAN
ULTRAMAN SUIT及びVer.Zに搭載された機能。
右手首の制御ユニットを左手首のコネクタに接続して十字を組む事で発射される。
本来両腕のスペシウムブレードを用いるのでこれが破壊されたら使用出来なくなるが、ウルトラマンの因子を受け継ぐ進次郎は自力で発射した。

変わった点として左腕側のスペシウムブレードから発射されるのが特徴。
アニメ版では見栄えの為にチャージ描写が増え、従来通りの右腕から放たれる。
ただしこちらも右腕のブレードから放つのでややL字型に近いクロスとなっている。
ベムラーも同時に繰り出す場面があったりするので見比べてみよう。


◆その他のウルトラマン
上記のように殆どのウルトラマン(少なくともウルトラの星の宇宙警備隊員やコスモスまでのその他のウルトラ戦士)なら皆スペシウム光線を使用出来る。
彼らの多くは「腕を十字にクロスさせる」のは一緒だが光線のエフェクトはバラバラであった。

使ったウルトラマンの個性が現れる技、それがスペシウム光線なのかもしれない。




原理

詳細な原理は不明だが、蓄えられた右腕のマイナスエネルギー、
左腕のプラスエネルギーを交差させることでスパークさせ、破壊光線として発射するとされる。

この光線には“スペシウム”という元素が含まれていて、
そのスペシウムを苦手とするバルタン星人を倒したことで科学特捜隊のムラマツキャップが命名したことが名前の由来である。
ウルトラマンの必殺技で名付けシーンがあるのはこれとガイアフォトンエッジくらい。

また、打倒ウルトラマンを狙うナックル星人の解析でアルミニウム原子3000個に対してクローム原子100個の割合で含まれる事も解っている。

「バルタン星人がスペシウムが苦手」というのは劇中ではムラマツキャップの推測にすぎず、ナックル星人の台詞は元素とは矛盾しているため
後の作品内にスペシウムを利用したアイテムが登場するまで児童誌設定を軽視する一部のファンからは疑問の声が上がっていた*4

ちなみにスペシウムは太陽系にも存在し、火星で採掘される。




派生技&関連技


八つ裂き光輪(ウルトラスラッシュ)
スペシウムエネルギーを回転鋸状にして放つ切断技
初代、ジャック共通の技。更にはエース、80、パワード(パワードスラッシュ)、ネオス(ネオスラッシュ)も使用している。
スペシウムエネルギーを固形に集中している都合上、実は威力はこちらの方が上。小説版では迂闊に扱えない大技とされている。
しかし固形化した為か、スペシウム光線以上に破られやすい。
初代マンは現在でも度々使用するが、ジャックは二度目に使ったキングザウルス三世のバリアに完敗してからは一切使っていない。

追尾、連射、分裂、防御など様々な応用が可能で、
『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』では左手に発生させてキングジョーブラックの腕を直接切断する活躍を見せたり、
劇場版 ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン』で客演した時は光輪を盾にしてゴルザの攻撃を防いだりしていた。

ちなみにウルトラマン80のウルトラスラッシュは初代マン直伝である。
M78星雲出身のウルトラ戦士以外ではウルトラマンダイナのダイナスラッシュがあるが、こちらはソルジェントエネルギーを凝縮している。


◆ウルトラスペシウムシュシュファイナル
ウルトラマンが東映の不思議コメディーシリーズの一つ「有言実行三姉妹シュシュトリアン」にゲスト出演した際、
バルタン星人を倒すために使用されたシュシュトリアンとの合体必殺技。

巨大化したシュシュトリアン3名が前衛で片膝立ちになり、組んだバトンは頭上に掲げ、
その後、ウルトラマンがスペシウム光線をシュシュファイナルが交差するバトン越しに放った。
方向性としては後のスペシウム・リダブライザーに近いか。


◆フォッグビーム
ジャック独自の技で、冷凍光線らしい。
キングザウルス三世戦でのみ使用され、そして防がれて以後登場しなかった。
名前の通り霧状の光線で、外見からは全くスペシウム光線との関連性が見いだせないが、
帰ってきたウルトラマン』の企画書であった『続・ウルトラマン』には「凍結スペシウム」という技の記載があり、
朝日ソノラマより出版された『不滅のヒーロー ウルトラマン白書』によればこのフォッグビームかウルトラフロストがこれに該当するらしい。
おそらく劇中でもキングザウルス三世を凍らせるために使用したと思われる。
一応ここに載せてはみたが、スペシウム光線の関連技というには少々グレーゾーンかもしれない。


◆シネラマショット
ジャック独自の技。
エネルギー消費が激しい分スペシウム光線やワイドショットよりも強力という設定で、
ストーリー初期のジャックの切り札的必殺光線だが、キングザウルス三世に一度防がれただけで以後本編では使わなかった。
しかし客演時の『ウルトラマンタロウ』34話、『ウルトラマンレオ』第38話、 タイの黒歴史映画『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』、
アニメ『ザ・ウルトラマン』では他の兄弟との一斉攻撃の際には使用。(たまに光線の出し方や色が違ったりするため違う光線なのか、別バージョンの出し方なのかは不明)


◆メガ・スペシウム光線
ウルトラマンパワードの必殺技。
両腕のパワードスタビライザーに気力を集中、十字に組んだ腕全体から放つ。そのため、他のスペシウム光線と違って十字架のような青いビームが発生する。
威力はダイナマイト200万本分。ウルトラマンのスペシウム光線の実に5倍もの威力があり、さらに炸裂時の温度は1億度にも達する。
その為に下手に攻撃すると核爆発を起こすガボラ(パワード)をも臨界させるより早く蒸発させて無事事件を解決したことがある。 
なお、角度によっては十字というよりカタカナの「ナ」にしか見えないのは秘密だ。
作中で耐えた怪獣は存在せず、光線吸収能力を持つドラコゼットンのみが対処できた。というかこの2体も直撃した際にはなすすべなく消し飛んでいる。
ただしザンボラーは超高熱で空間が歪むためビームが命中しなかった。

ウルトラ銀河伝説』でもウルトラマンベリアル相手に使ったが、ウルトラウーマンベスを盾にされてしまった。


◆スペシュッシュラ光線
ウルトラマンゼアスの必殺技。
光線そのものにはあまり関係はないのだが、憧れのウルトラマンのポーズを真似て鏡で練習していたらウルトラマンとは左右逆になったという設定がある。


◆マルチ・スペシウム光線
ウルトラマンティガがパラサイト宇宙人イルドに使った技。
ポーズこそスペシウム光線と一緒だが、光弾と光線の中間のようなエフェクトで威力もさほど高くない。
イルドにはあまり効かず、それどころかイルドの塔に人質として捕えられた人々に危害が及ぶことになってしまった。


ソルジェント光線
ウルトラマンダイナの必殺技。
こちらはポーズが初代のスペシウム光線と全く同じという点以外に特筆すべきことはない。
が、ギャビッシュとゴルザⅡ*5に使った物はエフェクトがスペシウム光線(色は青白い)と同じになっており、
『ウルころ』辺りからこれはスペシウム光線であるとされるようになった。


◆マリン・スペシウム光線
映画『甦れ!ウルトラマン』で披露した虹色のスペシウム光線。
イデが開発したスタミナカプセルでパワーアップし黄金のオーラをまとった際に使用し、ゼットンを粉々に粉砕した。
長らくマイナー技であったがSRPG『スーパーヒーロージェネレーション』では最強必殺技に採用。


◆カオススペシウム光線
Fighting Evolution Rebirth』におけるカオスウルトラマン・カオスロイドUの必殺技。
構えた腕に捻じれた紫の光の線が無数に延びて合わさることで放たれる。
非常に禍々しい。
しかしウルトラマンギンガの劇場スペシャル第2弾『ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』で使った時は
ウルトラマンダーク(SD)と殆ど変らない、黒くてSEの低いスペシウム光線といった感じだった。


◆カオススラッシュ
こちらもカオスロイドUの必殺技。
右腕そのものを巨大な紫のウルトラスラッシュに変化させて飛ばす技。
非常に痛そう。
こちらも『ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』では色違いの八つ裂き光輪だった。


◆ギガスペシウム光線
『FER』における初代マンの必殺技。
プラズマスパークの光が集まることで放たれる。光線というより光の洪水。
威力は通常の光線を凌駕する。


◆スペシウム超光波
漫画『ウルトラマン超闘士激伝』に登場する技。
ウルトラアタック光線の強化技「スペシウムアタック」を更に強化した技で、発射しただけで地球が吹き飛ぶとか
着弾すれば星の2つ3つは簡単に消せるというムチャクチャな威力。しかもこれ超闘士化する前
イメージ的にはピッコロが月消し飛ばした時の気弾をかめはめ波並みのエフェクトにした感じ。


スペリオン光線
2016期待のホープ、ウルトラマンオーブスペシウムゼペリオンの必殺光線。
初代マンとティガの光の力をお借りした形態であるスペシウムゼペリオンにふさわしく、
自身の前面に光の輪を展開し、二人の必殺技スペシウム光線とゼペリオン光線のエフェクトを合わせたような光線を放つ。
勿論、回転鋸状にすれば光のカッター「スぺリオン光輪」となる。
フュージョンアップ形態が増えていくとかませ扱いされることが増え、戦績はよろしくない。


ES(エメリウムスラッガー)スペシウム
こちらもウルトラマンオーブの技。
ウルトラセブンとウルトラマンゼロの力をお借りしたエメリウムスラッガーの必殺技で、亡霊魔導士 レイバトスをひとまず倒した。*6

見た目は「黄金に輝く凄いワイドショット」のようだが、腕の構えは浅いものの「スペシウム」の名を冠するだけあって十字に組んでいる。
また、SEも初代ウルトラマンのスペシウム光線とは全く異なる(エメリウム光線やワイドショットなどのSEである。ジャックのスペシウム光線はこちらよりのSEだが)。
そもそもセブンといいゼロといい、スペシウム光線要素の薄いウルトラマン*7の力を借りているのに何故あえて「スペシウム」なのかは不明。
制作陣曰く「ゲームにはない最終決戦に相応しいスペシャルな感じの光線技」として造られたそうなので、語呂合わせもあるのかもしれない。


レッキングバースト
2017年運命の申し子、ウルトラマンジードプリミティブの必殺光線。
初代マンの光とベリアルの闇の力が融合したプリミティブにふさわしく、
白と赤黒い光子エネルギーがひとつとなり、二人の必殺技スペシウム光線とデスシウム光線のエフェクトを合わせたような光線を放つ。
使用回数は非常に少ないが、一撃で敵を倒したり、月面から地球へ二人のウルトラマンを移動させたりと威力は高い。
あまりにも威力が大き過ぎるのか、ガスタンクなどの燃料施設を巻き込んでの使用ができないのが弱点。
詳しくは項目を参照されたし。


◆スペシウムフラッシャー
同じくジードがフュージョンライズした究極の姿、ロイヤルメガマスターの必殺光線の一つ。
杖モードのキングソードにウルトラマンカプセルを装填して発動する。
普通のスペシウム光線と違って、いつもの光線に電撃のエフェクトを足したエフェクトを持つ電撃光線となっている。




関連技術

先述したように、スぺシウムは太陽系内では火星で産出される。
ウルトラマン』の頃からマルス133の開発などに使用されていたが、
ウルトラマンメビウス』の時期には既に地球人類の火星への入植が果たされており、輸送船で地球まで輸送する様子が描写されている。
また、M78ワールドの平行世界であるネオフロンティアスペースの火星でも「SP-1」という名前で発見されている。

現在作中で確認されているスペシウム及びSP-1の使用法は全て兵器であるが、
ひょっとしたら描写されていないところでは希少なエネルギー資源などに平和利用、または研究が進められているのかもしれない。


◆マルス133
科学特捜隊のイデ隊員が2丁製作した光線銃。火星の物質であるスペシウムを使っているためにマルスと名付けられた。

第16話の脚本に記述があるため理論上スペシウム光線と同等の威力と言われる事が多いが、
あくまでスペシウム光線の原理を応用した光線銃というだけであるのでどれほどの威力なのかは不明。
まぁ、どちらにしても本編では語られてはいないのだが。

初使用時は地球に攻め込んだバルタン星人二代目(ただし等身大)を数体倒し、
その後はゴモラの尻尾を焼き切ったり、ゼットン星人を倒している。

アボラスにも使われたが、アボラスがスペシウム光線3発でやっと倒せるほど丈夫な体をしていたためか、大した効果も上げられずにエネルギー切れした。
ジェットビートルがドラコに襲われた時には地上にいたギガスにこれで威嚇射撃を行い、ドラコに襲われたと思わせる事で2匹を戦わせた。
再生ドラコの肩を傷付けた事もあるが、こちらは倒すには至らず、イデのスパーク8で倒している。
ゼットンに対しては足止めにすらならなかった(脚本によればスーパーガンとマルス133以外はこの時ゼットン星人に破壊されて使用できなかったとか)。

なおこの光線銃、イデ隊員により純粋な地球の技術のみで開発されたものなのだが、
小説「ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント」ではこれが一番最初に開発されたメテオールとされている。

一応メテオールの定義は異星人の技術を利用した超絶技術のことなので、
ウルトラマンのスぺシウム光線の理論を応用したマルス133は立派なメテオールだと言えなくもない。

ちなみに実相寺監督のノベライズではイデ以外が使うと、威力を発揮できないというワンオフ兵器の欠点も見つかっている。

一方で『ウルトラマン』の最終回以降40年間怪獣もウルトラマンも現れなかった世界を描いた『ウルトラマン怪獣伝説 -40年目の真実-』では、
逆にスパーク8、マッドバズーカ共々40年経った2006年でも第一線で使用されていることがイデから語られている。
本当に優れた物は物持ちもいいのだ。


◆スペシウム砲
地球平和連合TPCの火星マリネリス基地が新鉱物「SP-1」を基に開発した新兵器。
SEとエフェクトは初代マンと全く同じ物が使われている。
総弾数はたった3発しかないが、ウルトラマンゼロ曰く「威力はスペシウム光線と同等」らしい。
実際、マウンテンガリバー5号が試作品を手持ち武器として使用した時は一撃で隕石群を薙払った。

が、全てはすべてはアスカの夢オチだった。
一応、TPCの年表によれば本当に開発されたようだが、結局本編には登場しなかった。


◆スパークボンバー
スペシウム砲と同じくSP-1を使用した兵器。
スーパーGUTSの最新鋭機であるαスペリオルの機首に搭載されている大口径砲で、ガッツイーグルスペリオルへの合体時にγ号のガイナーを接続して発射する。
「ネオデキサス砲」 とも表記されることから技術的にはデキサスビームの発展形である様子。
ただ、こちらも本編未使用。


◆スペシウム弾頭弾
CREW GUYSが運用するメテオールの一つ。
ガンウィンガーがマニューバモードに変形することで両脇のトランスロードキャニスターが展開、発射可能となる。
一発ではただの強いミサイルだが、全弾ヒットさせると並の怪獣くらい簡単に粉々にする破壊力がある。
GUYSオーシャン仕様のシーウィンガーの物は3発のスペシウム弾頭弾を同時に発射する“スペシウムトライデント”という微妙に仕様が違う物が装備されている。
こちらはその名の通り、同時に発射された弾頭弾がまるでトライデントのような粒子を纏っているのが特徴的。


◆スペシウム・リダブライザー
別名ファイナル・メテオール。
人類がウルトラマンと共に戦うこと、そしてウルトラマンへの感謝を目的としたメテオールで、
ウルトラマン達の光線に含まれるスペシウムエネルギーを増幅する機能が備わっている。

普段は軌道上に待機しているが、サコミズ隊長がキーを解除することで地球に降下してくる。

本編ではメビュームナイトシュートやM87光線に含まれているスぺシウムエネルギーを増幅させたが、
エンペラ星人の念動力によって半壊させられたうえでメビュームフェニックスを増幅し、最終的には耐え切れなくなり大破した。

メビウス、GUYS、ゾフィーVSエンペラ星人との決戦で使用され、最初で最後の役割を果たした。


◆スペシウムブレード
漫画『ULTRAMAN』においてウルトラマンスーツに搭載されている武装。
両腕部に設置され、スペシウムを利用したエネルギー刃を形成する。
接近戦のみならず、右手首の制御装置に左手首のコネクタを接続して、スペシウム光線を放つも事も可能。
また、攻撃のみならず加速にも用いられるなど、ウルトラマンスーツの主兵装として幅広く活躍している。
スーツが新型のBタイプに更新されてからはウルトラスラッシュの機能も追加された。


◆ウルトライザー
ウルトラマンX』における防衛チーム特殊防衛チーム Xioの隊員が携帯する光線銃・ジオブラスターに、
ラボチームのファントン星人グルマン博士がウルトラマンエックスの力を解析して作製したアタッチメント・ウルトラブースターを装着した状態。
反動が大きく扱いづらいが、巨大化したザラブ星人を粉砕する程の破壊力を誇る。

「エックスを参考にしたのならスペシウム光線じゃなくてザナディウム光線みたいな武器だろ?」と普通なら思うだろう。
だが、その形もSEも、どこからどう見ても初代ウルトラマンのスペシウム光線なのである。
まずその形状からして初代ウルトラマンの顔と両腕だし、発射形態は左腕にあたるパーツが右腕とL字を組むように倒れるし。*8

その理由はグルマン博士のみぞ知る。たぶん。
まぁグルマン博士自身M78ウルトラマンについてわりと詳しそうなので、もしかしたらエックスの力を解析というのは建前だった可能性もあるかもしれないが。
後に、グルマン博士はかつて初代ウルトラマンの戦いを見たことがあると判明した。……やっぱり建前だったんじゃ




スペシウム光線が効かない相手

必殺のスペシウム光線も決して無敵という訳ではない。
合体技や他の技で倒す例もあるとはいえ、2016年までに映像作品では初代マンは19体、ジャックは15体しかスペシウム光線単体で倒していない。
これは怪獣や宇宙人の中にも非常に強力な者や知恵を働かせて『必殺技破り』をしてくる者だっているためである。

ここではスペシウム光線を破ったいくつかのパターンを見てみよう。
画面の前の皆さん、特に新米宇宙警備隊員はよく読んでおこう。

耐久力または防御力が高い

バリヤーや吸収なんて小細工など必要のない、単純にタフだったり防御力が高いという王者のスタイル。
こういうタイプはダメージを受けても怯む程度という猛者が多い。

光線が効きにくい

格闘やミサイルなどは通用するのにスペシウム光線などの光線の類が効かない、または特定の光線に耐性があるタイプ。

特殊能力を持っている

生態の一環、またはスペシウム光線への対応策を講じてあるタイプ。
エネルギーを回復するだけならまだしも、反射したり増幅して撃ち返す場合もある厄介な方々。
しかしそれらの能力には何かしらの隙があることがあり、単に硬いというタイプと違って絶対に効かないということはない。
こういう奴らに無策で光線技を仕掛けてもまず事態が好転することはないので、画面の前の新米ウルトラ戦士は気を付けよう。

その他

何も高い防御力や特殊能力を持っている奴らだけが必殺光線を無力化する訳ではない。
自分の身体能力や頭脳を最大限に生かすことも必殺技破りの特技となるのだ。




余談

スペシウム光線に限らず、ウルトラマンの必殺光線はその威力から、「最初から撃てばいいのに」と言われることが多い。
だが、実際にシリーズでウルトラマンが最初から、或いは早い段階で必殺光線を使う展開では大抵の場合通用しないか妨害される。

ポーズを取る隙を衝かれて攻撃されたり、効かなかったり、避けられたりすればまだマシな方で、
吸収されて敵をパワーアップさせる結果に終わったり、反射されて大ダメージを負ってしまうこともある。
そもそも初代ウルトラマンがゼットンに敗北したのはエネルギーを吸収されて打ち返された波状光線がカラータイマーに直撃したからである。

※なお、初代ウルトラマンはいきなり光線を撃ったわけではなく、格闘戦でゼットンに力負けしており、
 八つ裂き光輪なども効かず、有効打がないまま時間が過ぎてカラータイマーが点滅したため、殆どダメージを与えていない状態で光線を撃っていた

そのため、シリーズのファンからすると「開幕直後の必殺光線=苦戦・敗北フラグ」という印象が強く、
「最初から撃てばいい」という声には「お前は何を言っているんだ」と思わざるを得ない。
ウルトラマンサーガ』でゼットン相手に初っ端から光線ぶっ放した三人のウルトラマンに対しても、
シリーズファンからは「ゼットン相手に光線撃つなよ」とか「ダイナとコスモスはともかく、ゼロェ……」という声が挙がっていた。


また、確かに光線技は派手で威力も高く、決め技となることが多いが、光線を使わない攻撃が弱い、トドメを刺せないというわけでもなく、
特に昭和ウルトラマンでは投げ技や打撃技がトドメとなった話も多い(特に故・実相寺昭雄が担当した回が顕著)。
ウルトラマンに次いで有名なウルトラセブンでは決め技は敵を切断するアイスラッガー(物理技)も多用されており、ワイドショットはあまり使われていない。

強力な分エネルギーの消耗も激しいというのも必殺光線の共通する特徴であり、迂闊に連射してエネルギー不足に陥り、窮地に追い込まれるパターンもある。
パワードに至っては、他に方法がなかったとはいえメガスペシウム光線を構えを解かずに三連射した結果、カラータイマーが白濁化して倒れてしまった*10
また、ゼアスやオーブのように万が一光線の制御に失敗するとあらぬ方向に暴発する危険性もあるようで、周囲への被害を考えれば光線技の使用に慎重を期しても不思議ではない。…見習い二人とプロの宇宙警備隊員を比べるのは適切ではないかもしれないが。

戦略的な観点から見ても、相手をエネルギー消費が低い技や体術で弱らせ、トドメとして必殺光線を撃つのが正しいのである。

スーパーファミコンでリリースされたアクションゲームでは、これを再現し、
格闘戦で相手の体力をゼロにする → スペシウム光線でとどめ という流れで倒すのが基本ルールだった。

  • スペシウム光線でなければ、いくら攻撃してもとどめを刺すことはできない。
  • 相手の体力がゼロでなければ、スペシウム光線を撃っても倒せない。
  • 双方の体力は少しずつ回復する。
  • 光線技を撃つエネルギーは少しずつ溜まっていく。

というルールなので、エネルギーが溜まるのを待ちながらひたすら相手を殴り続けるのが定石であった。
また、『ウルトラマンファイティングエボリューション』などでも打撃でフラフラにしなければ光線技は使えず、
『ウルトラマン倶楽部3 またまた出撃!! ウルトラ兄弟』に至ってはHPが限界まで減らないと撃てない。しかもボス戦では使えない。鬼だ。


また、2016年公開の『シン・ゴジラ』におけるゴジラ(第4形態)の「放射線流」の背中及び尾の先端から放たれるバージョンにはスペシウム光線と同一のSEが使用されている。






スペシウム光線の物真似をした、あの時の少年達は追記・修正をお願いします。

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