登録日:2009/08/02 Sun 22:50:03
更新日:2024/01/31 Wed 21:23:53
所要時間:約 24 分で読めます
巨人を蘇らせる方法はただ一つ―――
ダイゴが光となること
その巨人の名は―――ウルトラマンティガ
画像出展:大決戦!超ウルトラ8兄弟(2008年)より
@円谷プロ、「大決戦!超ウルトラ8兄弟」製作委員会
究極の勇者!! 復活。
【概要】
1996年に放送された
平成ウルトラシリーズ第一作目。
80年に放送された『
ウルトラマン80』以来16年ぶりとなるTVシリーズであり、当時としては革新的な要素が多数盛り込まれた意欲作である。
まず、主人公である
マドカ・ダイゴ役を演じたのは、
95年にデビューしたジャニーズの大型アイドルグループ・
V6のメンバーである長野博。
主題歌もV6が手掛けており、ユーロビート界で有名なイタリアのミュージシャン、
デイヴ・ロジャースがV6に提供した『TAKE ME HIGHER』がOPテーマとして使われた。
(V6の初期の体表曲はその殆どがデイヴ・ロジャースの手によるものであり、
この『TAKE ME HIGHER』もV6が歌ったバージョン(日本語詩)とデイヴ・ロジャース本人が歌ったバージョン(英詩)が存在する。)
主演俳優がジャニーズのアイドル、しかも主題歌は今までのシリーズと雰囲気が大きく異なるタイアップ曲、
ということもあって当初は賛否両論を巻き起こしたが、現在ではどちらもファンから高い評価を獲得している。
(何気に、歌詞の中には「ティガ」という言葉が出てくるしね)
長野博もウルトラシリーズには好意的な姿勢で接してくれており、特に好きなウルトラマンは
ウルトラマンエースであるとのこと。
本作を長野博の代表作とするファンも多く、長野博本人もダイゴ役であればまたウルトラシリーズに出るつもりらしい。
つるの剛士以降の後輩ウルトラ主演俳優にも優しく、「後輩でも長野くんと呼んで良い」と言っている。
見た目も中身もイケメンヒーローである。
これまでのシリーズのお約束を踏まえつつも、シリーズ初の女性隊長を起用したり、
従来の
M78星雲の存在しない世界観(
ネオフロンティアスペース)やウルトラマンのタイプチェンジ能力などは以後のシリーズ展開にも大きな影響を与えた。
各話完結スタイルに留まらない連続するストーリー展開も特徴のひとつで、
平成ウルトラシリーズの作品の中でも人気はかなり高い。
第一話の予算が
ガタキリバコンボ4体分という逸話からも分かるとおり、ブランクを埋めるための様々な試行錯誤がなされ、
当初は必ずしも順調とはいえなかったが、すぐに持ち直し、最終的には非常に完成度の高い作品に仕上がった。
当時はまだ珍しかったCGも積極的に導入されている。
スタッフは直近の円谷プロ作品だった『
電光超人グリッドマン』参加者や実相寺昭雄率いるコダイグループ、飯島敏宏が代表を務めていた木下プロダクション出身者、平成ガメラに参加していたメンバーが中心となっている。
当初は円谷プロ企画部の右田昌万がメインライター、木下プロの松原信吾がメイン監督としてスタートしたが、
後にサブとしての参加だった脚本の
小中千昭や村石宏實監督らがメインスタッフとなって最終回も担当している。
また後に平成ウルトラシリーズのみならず幅広く活躍する活躍する脚本家の
長谷川圭一や太田愛も今作がデビュー作である。
また、詳しくは後述するが、ウルトラマンと変身者が一体化するタイプながらウルトラマン側の意思が存在せず、
ウルトラマンの力だけを突然授かった主人公が悩みながら戦っていくというストーリー展開や、
『光』が劇中で特に重要なキーワードとして扱われているといった要素は歴代シリーズでも類を見ない特異なものであり、
それらの要素を引き継いだ後続作品の『
ダイナ』と『
ガイア』も含め、シリーズの中では異彩を放っている。
そのため、『ティガ』『ダイナ』『ガイア』をまとめて『平成三部作』と呼称するファンもいる。
【物語】
時代設定は2007~2010年。
地球から戦争が消え、
地球平和連合TPCを中心に人類が宇宙進出を目指している時代である。
ある日、超古代文明からの滅亡への警告を収めたタイムカプセルが発見され、
同じくしてタイムカプセルの警告通りに謎の巨大生物「怪獣」が出現。
TPCの特捜チーム「
GUTS」は「怪獣に対抗するにはティガの巨人を蘇らせること」というカプセルの忠告に従い、
光のピラミッドとその内部に立つ巨人の石像を発見する。
しかし、石像を破壊するために現れた怪獣にGUTSは歯が立たず、主人公のマドカ・ダイゴ隊員も
乗機を撃墜される。
だがその瞬間、ダイゴの肉体は光となってピラミッド内の石像と一体化、光の巨人ティガに変身して怪獣を撃退した。
そしてダイゴは永い眠りから覚めた怪獣や宇宙からの侵略者などを相手にGUTSの仲間達と共に戦っていくことになるのだった。
遥かなる昔に、この星が生まれた。
やがて星は息づき、大いなる海と大いなる陸地が形作られた。
原初の生物が生まれようという時、遠い星々からこの新しい星へと移る種族が居た。
その種族はこの星で一度は文明を築くも、やがては滅亡した。
時を経て、他の星雲、他の彗星、今はなき星などから、この若い星に来る者たちがあった。
そして、
暗黒の王たる存在がその眷属を供い到来した。
その星・地球で産まれた者、他の星から移った者たちすべてを隷属させる。
だがその王たる存在も、自らを祀らせる神殿の中で長い眠りについた。
巨大なる隕石が衝突し、ほぼ全ての生き物が死に絶えようかと言う年月が過ぎた。
それでも生き残っていたものはいた。
地下深くに逃げ延びた生き物の中には、より巨大なる軀へと進化を遂げたものもあった。
これまでに地球へ到来してきた種族の殆どと、全く異質な移民が辿り着いた。
彼らは既にして高い文化と知性を持っていた。
この星・地球の環境に彼らは適応し、自らの文明を築く。
しかし、神殿に眠る暗黒の王の影響はいまだに残っていた。
輝かしい知的な文明が栄えるのを忌む暗黒の王は、暗黒の星より従者を召喚した。
「黒の者」とその眷属は、地球人の輝かしい文明を暗黒の闇に封じ、地球人たちは正気を失って滅び始めた。
地球人は、自分たちの文明と種族がここで潰える運命を覚悟した。
しかし、「黒の者」の蹂躙を見咎める存在があった。
それは光であり。力。
地球人の中で勇気を失わない者たちが、遥かなるオリオンの星雲から届いた光と同化すると、巨大なる「光の戦士」へとその姿を変えた。
「黒の者」とその眷属は、光の戦士たちによって、神殿の奥底へと封じられた。
それを見届けると、「光の戦士」は石像となった。
地球は平和になったと思われたが、またも大きな地殻の変動が起きようとしていた。
地球人たちには既にして帰る星も無かったが、このままこの星に留まることも叶わず、地球から旅立たざるを得なかった。
そして、神殿のある大陸が海中へと没した。
知的な種族が上在の長い年月が流れたが、やがて新たなる地球人が進化を遂げ、文明を構築し始めた。
かつてこの星にいた地球人とは異なる新たな種族だが、しかし地球と言う星自体が先史の地球人の記憶を光として密かに彼らの中へ受け継がせていた。
かつてこの星を支配した暗黒にして巨大なる神々の存在は、人類の歴史の転機に影響を及ぼした。
暗黒の王に近しい種族が、新たなる地球人の中に張り込んでいく。
人間の意識や考えに近しいその種族は、やがて抽象的ではあるが
悪魔という存在として、人類の中でひそやかに伝えられていく。
神殿に眠る「黒の者やその眷属、そして最も強大な旧支配者たる神は、いずれ再びこの星を支配しようとするだろう。
その日までに、人類は備えておかねばならない。
(『小説 ウルトラマンティガ 輝けるものたちへ』
プロローグ「大いなる黒き者の序詞(無吊祭祀書)より。
ちなみに
劇場版のパンフレットで明かされた超古代の設定では……
愛を抱きしめて いま
勇気抱きしめて 強く
きっと辿り着けるさ
熱い鼓動を信じて
【ウルトラマンティガ】
3000万年前の地球を仲間と共に守ったとされる光の巨人。
身長:ミクロ~53m
体重:4万4千トン
声:
真地勇志、
長野博(TFO・超8兄弟)、
緑川光(講談社全プレビデオ)
画像出典:新ウルトラマン列伝
81話「ティガ・ダイナ&ウルトラマンガイア 第2章『パラレルワールド』」より
2015年1月20日放映 @円谷プロ
超古代の都に突如迫った強大な闇の脅威から人々を救うため、オリオンの星雲より地球へ降臨した光の巨人。
ティガをはじめ、多くの巨人が怪獣たちを倒し平和を取り戻した後は人類の選択には干渉せず、
人々に戦士としての力を託して体だけを地球に残し、本来の姿である「光」の魂となって肉体から分離し、再び故郷の星雲へと帰って行った。
そしてその後は、怪獣災害から人々を救った守護神となっていた。
ダイゴ隊員が一体化した時点で「光」、つまりかつて「ウルトラマンティガ」だった魂は肉体から分離していたため、
それまでの一体化型ウルトラマンとは異なり、「ウルトラマンティガ」として力を行使する相手やタイミングはダイゴ隊員の意志のみに委ねられており、
「突如として得た超人の力をどのように行使するべきか」についてのダイゴ隊員の葛藤も、物語中で取り上げられている。
なお、宇宙に帰った「光」がまだ存命だった場合、ティガは歴代ウルトラ戦士の中の最年長候補の一人ということになる。
今までとは異なるウルトラマンとして、赤を基調としないカラーリング、大胆に抉られた形状の頭部など、それまでになかった意匠も取り入れられており、
それ以降の平成ウルトラマンの造形にも少なくない影響を与えている。
そのデザインは、美しいウルトラマンとして名高い。
また体のクリスタルが発光する
ウルトラマンギンガとともに夜景が一番似合うウルトラマンと言われていたりする。
戦闘面での特徴として、ティガはタイプチェンジで能力の傾向を変え、様々な状況に対応するというものがあり、
デザイン同様、こちらの特徴も平成ウルトラシリーズに受け継がれていくことになる。
以下はテレビ版におけるティガの各形態。
画像出展:新ウルトラマン列伝
80話「ティガ・ダイナ&ウルトラマンガイア 第1章『ガイアに会いたい!』」より
2015年1月13日放映 @円谷プロ
●
マルチタイプ
スピードとパワーのバランスが整っている基本形態。変身直後は基本的にマルチタイプである。
赤と青紫の両方の色が銀色の体に入っている。
必殺技は
ゼペリオン光線。
●スカイタイプ
スピードに長けるがパワーに劣る形態。
マルチの赤い部分が青紫になり、体もシャープに。
必殺技はランバルト光弾。
ちなみに基本3形態中、待遇が一番悪い。
●パワータイプ
膂力に長けるがスピードに劣る形態。
マルチの青紫の部分が赤になり、体もムキムキに。
必殺技はデラシウム光流。
ゼぺリオン光線も撃てるが相手が悪かった。
邪神 ガタノゾーアとの戦いに敗れ石化されたティガに、子供たちを中心とした「人の光」が集まった姿である。
タイプチェンジによって変化した形態ではなく、形態名にも「タイプ」は付かない。マルチタイプが人の光によってその力を昇華した形態であるため、使用できる能力はマルチタイプの単純な強化版となる。
世界中の子供たちと一緒に同化して戦っているためある意味、
合体ウルトラマンの部類に入るのかもしれない。
通常時の倍以上の身長と全ウルトラ戦士中最高の防御力を持つほか、
攻撃力も格段に向上しており、闇の権化だったガタノゾーアを圧倒的な力で倒した。
劇場版『THE FINAL ODYSSEY(以下TFO)』ではデモンゾーアに敗れたティガに太古の光の巨人たちの光が集まることでティガがこの姿で復活。
特筆すべきは全身を覆う黄金の光「グリタリングシールド」で、この光のヴェールの前にはウルトラシリーズに登場する全ての攻撃が通用しない。
『大決戦!超ウルトラ8兄弟』でも似た形態になったが、そちらはグリッターバージョンとされ、別形態という設定。
また、「サーガ」に登場したダイナもティガ同様、石化した状態から人の希望の意志を受けて復活した際に黄金の光を纏っており、一時的にだがグリッター化していたと思われる。
以下は設定が特殊なため、タイプチェンジというよりも進化の途中と言った方が適切かもしれない。
●
ティガダーク
映画『TFO』に登場した、過去に闇堕ちしてしまっていた時の姿。黒を基調としたカラーリングで、銀色の部分も暗い色味になっている。
超古代の闇の巨人の中で最強の力を持っていたが、劇中では変身したダイゴの心が光だったために本来の力を発揮出来ず、苦戦を強いられた。
ULTRA-ACTには新たな設定が付加され、光線パーツが付属。
『
ウルトラマンギンガ』にも登場した。
ちなみにファンのみならず公式からもよく誤解されることが多いが、
ティガは元々光の巨人でありこの映画までに「光」→「闇」→「光」(この段階で力がダイゴに受け継がれる)→「闇」→「光」と立場を変えているので、あくまでかつての姿なだけでこれがティガ本来の姿というわけではない。
つまり、タイプチェンジ能力を得る前の光の戦士だったティガの真の姿は、今もって謎のままである。
●ティガトルネード
映画『TFO』にて、闇の巨人の一人「剛力戦士ダーラム」の闇の力を光に変換して吸収、パワーアップした姿。パワータイプの原形。
ティガダークに赤いラインが入り、必殺技としてデラシウム光流が使えるように。
●ティガブラスト
映画『TFO』にて、闇の巨人の一人「俊敏戦士ヒュドラ」の力を光に変換して吸収・パワーアップした姿。スカイタイプの原形。
赤と青紫の色が入って外見はかなりマルチタイプに近くなったが、顔と胸のプロテクターのラインが黒いまま。
必殺技としてランバルト光弾が使えるように。
デザイナー丸山浩氏によると、ちなみにこの三種は当初は頭部だけ一緒で体のラインや模様等は通常のティガとは全く違うものにするつもりだったが、
スーツ製作の時間や商品展開を考えて諦めることになったらしい。
またこれらの姿は、いずれも脚本段階で本編と同じ3タイプの姿として書かれていたが、劇場版のプロデューサーである鈴木清氏によって考案されたとのこと。
【本編外での活躍】
●『ウルトラマンダイナ』
『ティガ』と世界観を共有しているため、第50・51話でダイゴが登場。
火星で倒れた
アスカを助け、自分がウルトラマンである意味に葛藤する彼に助言を与えた。
『ダイナ』の劇場版『
光の星の戦士たち』ではティガが登場。
ダイナがクイーンモネラに敗れても希望を捨てなかったススム少年と人々の光がもういないはずのティガを実体化させた。
力を失っていた
ダイナに光を分け与えて復活させ、共にクイーンモネラを倒した。
『
ウルトラマン80』に登場した
妄想ウルトラセブンと「人間の願いがウルトラマンとして実体化した」という経緯こそ似ているが、
方向性とか色々違うので、妄想ウルトラマンティガとか言わないであげてください。
また、人々の光がティガの形を取ったような存在のため、『ウルトラマンティガ』本編に登場した、ダイゴが変身したティガとは明確に別人とされている。
その演出からよく妄想ウルトラセブンと同じく人形そのものが巨大化し動き出したと思われがちだが、
よく見てみるとティガが登場した後もススム少年はティガの人形を握っている。
元々は『ティガ』本編の時間軸から『ダイナ』本編の時間軸にタイムスリップしたダイゴがティガに変身する
または、人々の光によりスパークレンスが奇跡的に復活するというプロットが存在していたが、
事務所関係のゴタゴタなどで長野氏の本映画への出演がNGとなり、ティガ登場の経緯が変更されたという。
●『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』
ティガはかつて、一時的に「闇の巨人」になっていたという衝撃の過去が明かされた。
テレビ版の数年後、ダイゴとレナの結婚までの日々を舞台に、超古代文明滅亡の謎やダイゴがティガとしての因縁に決着を付ける姿が描かれる。
余談だが、この映画ではティガの声をTV版で担当した真地氏ではなく、ダイゴ役の長野氏が担当している。
●『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』
ウルトラマンガイアのピンチに、勉たちの願いを受けた赤い珠の能力でダイナと共に時空を超えて呼び出された。
『光の戦士たち』とは異なり、人間体こそ登場しないがこのティガはダイゴが変身した、『ウルトラマンティガ』本編に登場したティガと同一人物である。
ちなみにこちらも、ラストシーンでティガとダイナも変身を解除して我夢に加えて、ダイゴとアスカも少年たちを諭すプロットが初稿では存在していた。
こちらも、事務所関係などの問題で長野氏の出演が叶うことはなかった……。
●OV『古代に蘇る巨人』
最初は縄文時代にタイムスリップしたダイゴの長男マドカ・ツバサが変身するが、ツバサは父ほど『光』の因子がなく、不完全な変身しかできなかった。
後に、現地の少年・アムイが完全な変身を行う。
ダイゴが未登場だった為、平成ウルトラマン3部作のOVでは、唯一テレビシリーズからの主人公が登場も変身もしなかった。
●『大怪獣バトル ULTRA MONSTES NEO』および『大怪獣バトル ウルトラアドベンチャー NEO』
ゲーム及び漫画作品であるが、TVシリーズ『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』と密接に関係する作品なので記載。
ティガ本編後の
キリエロイドが登場する。
M78スペースに飛ばされており、
悪の星人達とともにカネゴンのバトルナイザーを奪おうとしたところでワームホールに飲み込まれ元の世界にようやく戻れた…
と一瞬思われたが、実はTV本編とは微妙に歴史が異なる
もう一つのティガの世界であった。
この世界には他にもM78スペースの怪獣達が流入し、ティガとGUTSはガタノゾーア撃破後も怪獣や侵略者と絶えず戦い続けている。
キリエロイドは今度は邪神の力を手にすべくガタノゾーアを復活させるが、主人公のアイ、カネゴン、キール星人ヴィットリオの希望の光でグリッターティガが再び登場。
ティガと正義のレイオニクス達によって再びガタノゾーアは倒されるも、直後にEXゼットンの攻撃によりグリッターティガが敗北するという事態に陥ってしまった。
しかし、何とか無事であり、
レイブラッド星人との最終決戦では
ウルトラマン、
ウルトラセブンとともに駆け付けている。
●『大決戦!超ウルトラ8兄弟』
久々にダイゴが主人公に抜擢され、ティガも主役ウルトラマンに。
ちなみに本作でもTFO同様にティガの掛け声は真地氏ではなく、ダイゴ役の長野氏が担当している(ただし、数シーンのみ真地氏の掛け声も使われている)。
この作品のダイゴは「
ウルトラマンや怪獣が架空の存在である世界」に住む普通の青年だったが、
平行世界からやってきた本物の
ウルトラマンメビウス(ヒビノ・ミライ)と出会ったことをきっかけに影法師の世界侵略に巻き込まれていく。
メビウスが石像にされ、世界が破壊されていく中でも希望を捨てず、ついに別世界でウルトラマンだった記憶を思い出したダイゴは、
記憶の覚醒と共に自身の手の中に現れたスパークレンスを天に掲げ、『ウルトラマンティガ』に変身。
最初は一人だけだったために苦戦するが、ティガの奮闘に呼応するかのように次々とウルトラマンたちが登場し、メビウスもウルトラ4兄弟によって復活。
ウルトラマン、セブン、ジャック、エース、ダイナ、ガイア、メビウスと共に、「超ウルトラ8兄弟」として侵略者に立ち向かった。
目覚めたタイミングのせいで他のウルトラマンとの同時変身が行われなかった。
ちょっと残念だが、その分本編では1度しかなかった叫び変身をポーズ込みで披露してくれた。
●『ウルトラマンギンガ』
スパークドールズが登場。本編冒頭のダークスパークウォーズにも参戦していた。
本編では中ボスとしてダークライブされたティガダークが登場。撃破後は
礼堂ヒカルが所持し劇場スペシャルでウルトライブした。
その後の戦いと番外編では健太がウルトライブ。SDIは千草がライブした。
画像出展:劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!
2015年3月14日公開 @円谷プロ、「劇場版 ウルトラマンギンガS」製作委員会、松竹メディア事業部
前作に登場した上記のティガとの関連性は不明(劇中では前作のスパークドールズに関しては言及していない)。
今作に登場するウルトラマン達は設定上「各々の世界からやって来た本人」とされているため、一応本作での変身者がダイゴの可能性はあるが、
やはりV6のメンバーでもある長野氏のスケジュールの多忙によるものなのか、声は長野氏ではなく声優(担当:村上ヨウ)が担当している。
また、他のウルトラマン(特に同じく変身者が複数いるネクサス)と比べると特徴的な台詞があまりなかったため真相は不明。
ちなみに掛け声は真地勇志氏の掛け声が流用されている。またパワータイプは劇場作品で初登場である。
ちなみにパワータイプのスーツは放送当時のものを修繕したもの(ほかのウルトラマンにも言えることだが)。
舞台はウルトラマンXの世界だが、ティガの石像やスパークレンスがあったりとかなりXの世界設定に関わっている。
+
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ネタバレ格納 |
今回のボス怪獣である閻魔獣ザイゴーグが封印された芭羅慈遺跡に石像として祀られていた。
玉城教授の息子・玉城ユウト少年が母を守るために、
遺跡で見つけた古代のトンカチのようなもの……石化していたスパークレンスで変身し、エックス、初代ウルトラマンと共闘。
閻魔分身獣ゴーグアントラーと交戦する。
飛行能力を有するゴーグアントラーとスカイタイプで空中戦を繰り広げ、
ゴーグアントラーが防衛隊Xioの活躍で羽根を失ったことでパワータイプでの地上戦に移行。
大アゴを叩き折り、マルチタイプのゼペリオン光線で撃破した。
その後はエックス・マンと融合してエックス・ベータスパークアーマーに力を与えた。
この戦いの間は変身しているユウトの意識は一種のトランス状態であり、行動・戦闘はティガ自身の意志によって行っている。
子供が変身するのはOV・古代に蘇る巨人以来となる。
また、スカイタイプは15年ぶりの登場かつ、劇場版には初登場となった。
ゴーグアントラーとの空中戦で使われているのはTVシリーズで使われた飛び人形である。
ちなみに本作品に登場するティガはXの世界のティガであり、ネオフロンティアスペースのティガではない。
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余談だが、Xの世界では
デマーガを封印した光の巨人(公式サイト等では虹の巨人)についての言及があるが、それがティガなのかは現状は不明。
一応、TV本編のティガもデラシウム光流でレイロンスを縮小したりとスパークドールズ化っぽいことはしたことがある。
また、TV本編でも最初にやってきたティガは宇宙の彼方へと旅立っているので、もしかしたら長い旅の果てにXの世界に辿り着いていた。
……なんて妄想してみるのも有りかもしれない。
●『ウルトラマンR/B』
第5話「さよならイカロス」にて笛鳴山に埋まっていたルーブクリスタルを水蒸気爆発で掘り起こす形でブルが入手する。
ちなみに書かれている絵柄こそマルチタイプだが、「光」属性ではなく「風」属性だったり、クリスタルと変身形態のメインカラーが紫色で高速戦闘形態だったりとどちらかと言えばスカイタイプ由来の力になっている。
とは言え属性に関しては上述のティガトルネード(竜巻)やティガブラスト(突風)の様にティガには「風」に纏わる形態もあるので全く無関係と言う訳でもない。
ガンマフューチャーの見た目や多彩な技を使う辺りにはマルチタイプの要素が強く出ているが、
ティガフリーザーを元にしたと思われるガンマフリーザー、ティガ ・ホールド光波を元にしたと思われるガンマミラクルホールドも使うのでスカイタイプとパワータイプの要素も含まれている模様。
そして、
ウルトラマンZの後番組として2021年度上半期にあたる、ウルトラシリーズ再編集番組枠として放送される、「ウルトラマン クロニクルZ HEROES ODYSSEY」では、前作ウルトラマンZに加え、なんと
ウルトラマンティガもフィーチャーされる。ファンの間では、「2021年公開される(であろう)ウルトラマンZの新作劇場版にティガが関係するのでは?」という考察や、「2021年度の新作ウルトラマンが、ティガやネオフロンティアスペースに関わりがあるウルトラマンになるのではないか?」と考察されている。
【余談】
◇「ティガ」はインドネシア語で「3」を意味する単語。
三つの形態にチェンジするためにティガと名付けられた……と思いきや、
「最初に名前を考えていたら『ティガ』というフレーズが思い浮かんだ」という発言もあり、
名前と能力のどちらが先に決まったのかは不明。
少なくともデザイナーの丸山浩氏が笈田雅人プロデューサーにトイレで名前が決まったことを報告された際に、
彼に「ティガ」がインドネシア語で3を意味することを伝えられて、
決まった理由を「3タイプに変化するから」と丸山氏は認識したそうなので、
名前が「ティガ」に正式に決定したのは3つの形態へのタイプチェンジが理由で間違いないと思われる。
後年の『ウルトラマンZ』のガンマ(=γ、ギリシャ語アルファベットの「3」番目)・フューチャーにティガの要素が強く出ているのもこの辺りの繋がりか。
ちなみに当初、ピラミッドに眠っていた巨人は5体だったのだが、脚本家の
小中千昭氏が
「せっかく3という名前でやってるのに、5体って変じゃないですか?
ブロンズ像にされたウルトラ兄弟みたいだし。
壊された2体分の力もティガは持っていて、3つの色のパターンを持ったって事にした方がハマってるのでは?」
と提案。
それにパイロットを務めた松原信吾監督が便乗したことにより完成作品として出来上がった。
そのため、この時点でタイプチェンジ能力=他の巨人から得た力という設定が実は存在していたりした。
◇上述のようにティガのタイプチェンジは他の巨人から得た能力だが、(劇場版での設定もあってか)資料によって力の源となった巨人が異なっている。
◇本作はM78のウルトラシリーズと異なる世界観だが、
本編で一度だけ1965年にタイムスリップし、初代
ウルトラマン(我々の知る「M78星雲のウルトラマン」ではない)と共闘した。
◇長野氏が他の仕事で腕を骨折した際、劇中でも事故でダイゴが骨折したことにして違和感をなくしている。
長野氏の骨折が治るまでこの設定は使われ、ティガが変身直後に腕の骨折の具合を確認する描写があるなど、芸が細かい。
また、長野氏はV6の仕事の関係上出番が(歴代シリーズと比べると)主人公にしては少なめだったが、
その分他の隊員にもスポットが当たり、結果として隊員全員に主役回が作られ、キャラクターも掘り下げられることとなって“主演アイドルの人気にばかり頼った作品”という評価から脱することが出来た。
◇ラスボスを始め、「
クトゥルフ神話」をモチーフにした怪獣が登場したのは本作が初めて。
なお「ウルトラQ」には「クトゥルフ神話」の「ダゴン」によく似た半魚人の怪獣「ラゴン」が登場している。
また「ウルトラマン80」にも「ダゴン」がモチーフと思われる蛸型の怪獣「ダロン」が登場している。
だが設定にまでクトゥルフ神話を絡めたのは「ティガ」が初めてだろう。
◇
ウルトラマンナイスはティガを尊敬している設定だか、これはナイスの初出がティガ再放送時のオマケであるCMシリーズだったため。
◇本作は他のシリーズ作品に比べてホラー要素が強い話が多い。
3話、4話、6話、8話、9話、11話、22話、25話、27話、31話、33話、35話、37話、41話。
◇テレビ版のグリッターティガは復活直後しか輝いていないが、これは次回作『ダイナ』の制作に予算や人材を割いたためらしい。
また常時光らせ続けるのは当時の技術では困難だった面もあるとか。その分後のシリーズでは光りまくるが。
◇本作以降、ある回で登場したゲストや設定が後の回に見せ場付きで再登場するケースが度々見られるようになる。
また、再登場回には、さらに別のエピソードの設定が展開に絡んでくることもある。
本作の場合、『サ・ヨ・ナ・ラ地球』『
闇へのレクイエム』『霧が来る』の三つのエピソードの展開が収束した『
闇にさようなら』や、
クリッター絡みで続き物の『セカンド・コンタクト』『幻の疾走』『うたかたの……』、
そして過去に登場したゲスト達が役割を持って集まった
最終章三部作が例として挙げられる。
◇第一話の怪獣ゴルザはティガと叫んでいる。
◇『TAKE ME HIGHER』に押されがちだが、エンディングテーマ『Brave Love, TIGA』もかなりノリノリな曲。
何と俳優の岸谷五朗プロデュースで爆風スランプのサンプラザ中野・バーベQ和佐田が制作。
歌も爆風スランプ・岸谷の他、岸谷の相方寺脇康文、
元(当時)
TM NETWORKの宇都宮隆・木根尚登、西村雅彦、ホンジャマカ等が参加していた(イベント『AAA』の参加者から先発)。
ただОP・ED共にウルトラ御用達のコロムビアではなかったため版権が微妙にややこしくなり、
『Brave Love, TIGA』は2000年以降、『TAKE ME HIGHER』は2002年以降になるまでウルトラ系ベストアルバムにオリジナル版が収録されなかった。
また海外版ウルトラマンティガ用の主題歌として『目覚めよウルトラマンティガ』という曲も存在する(曲自体は日本語)。
こちらはボイジャーが歌っており、『TAKE ME HIGHER』に比べると、
「ウルトラマンティガ」という単語も普通に登場するなど、オーソドックスなヒーローソングとなっている。
海外独自のローカライズ主題歌は香港版も有名で(香港でのタイトルは「超人迪加」)、
現地のOPテーマ「超人的主題曲」はまるで70年代の頃の特ソンのような曲調をしていることから日本ではしばしばネタにされるが、
当時の香港で子ども時代を過ごした者にとっては圧倒的な知名度を誇るれっきとした国民的テーマソングである。
◇なぜかゲスト出演者に「声優経験」のある人が複数おり、第7話に
池田秀一、第16話に
郷田ほづみ(と彼の相方の一人平光琢也)、
第23話に『風の谷のナウシカ』でアスベル役を演じた松田洋治、
第27話に郷田の相方でもある赤星昇一郎、第32・40話に
ムスカ大佐……じゃなかった寺田農と揃っている。
◇『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル1』で登場して以降、劇場SP2・ウルトラ10勇士・きたぞ!われらのウルトラマンと4連続で劇場版に出演している。
SP1は正体不明のティガのSDで、SP2はSDI、
10勇士は(おそらく)ダイゴ本人だが、きたぞ!はX世界のティガと、登場する度にその出自は別である。
ちなみにその全てにウルトラマンギンガもいたりする。
『
絆の力、おかりします!』『
つなぐぜ!願い!!』では本人は登場しなかったが、ティガの力を借りるスペシウムゼペリオンが登場している。
◇ライブステージでは「古代から存在する戦士」つながりで
ウルトラマンノアとタッグを組んだことがある。
ちなみに両者を比較した場合、
ティガの方が戦歴が上である。
◇変身者がトップクラスに多いウルトラマンの一人。
本人がいた頃の古代人や、グリッターティガを顕現させた子供達などの名無しキャラを除いても、
ダイゴ、ツバサ、アムイ、並行世界のダイゴ、と4人もおり、
ウルトライブも含めればヒカル、健太、千草、さらに『きたぞ!われらのウルトラマン』でのユウトも含めると実に8人である。
ちなみに次点は5人のネクサス、続いて3人のゼロとなる。
◇映像技術的に過渡期だった時代の中で、なんとかして最善の映像美を実現すべく、フィルムとビデオを併用し、
更にCG合成なども加えたという事もあって、実はマスターテープの状態がかなりカオス。
デジタルリマスターに定評のある円谷プロダクションでも、本作はどんな風にリマスターすべきなのか、相当な悩みの種となったらしい(同じような問題を起こした作品は本作だけには限らないが…)。
◇プロデューサーの笈田雅人氏によれば、ティガのタイプチェンジ能力は
愛の戦士レインボーマンから得た発想だったとのことである。
ティガ 追記が 今 足りない
ティガ 修正を 授けてくれ