ヒッポリト星人

登録日:2012/01/04 Wed 21:31:14
更新日:2024/04/25 Thu 21:43:49
所要時間:約 4 分で読めます





ヒッポリト星人とは『ウルトラマンA』第26・27話に登場した宇宙人

CV:谷津勲

データ

別名:地獄星人
体長:50メートル
体重:6万3千トン

概要

モチーフはタツノオトシゴで蝦茶色のボディと象のように長い鼻が特徴。
醜悪な顔つきと長い尻尾から、最初に地球にやって来た時はTACから超獣だと思われていた。

自称「宇宙最強の生命体」
ウルトラマンエース挑発する際に持っていたAのフィギュアはタクシーの運転手が子供の土産用に買った物を奪った物であり、後にそれらしい人形が首をもがれた状態で発見されている。
なんでそんなものをわざわざタクシー運転手から盗んだのかというと、北斗がヒッポリト星人の虚像について調査していた際、ある地点で事故炎上を起こしていたタクシー運転手が、「藪から超獣が出てきてタクシーと激突して事故になり、その超獣が息子へのプレゼントのエース人形を奪っていった」と証言しており、さらに北斗が確認するとタクシーには地球外生命体と思われる血痕や肉片が付着していた事が明らかになっている。

……要するに直接場面が描かれていたわけではないが「人間大サイズのまま道路に飛び出したところタクシーに撥ねられ肉片を飛ばすレベルの派手な負傷をしてしまい、腹いせに運転手のエース人形を奪って破壊」というようなことがあったのだと思われる。
正直宇宙最強の生命体にしてはややお粗末である。


能力

主な技は
  • 両手を合わせて出す「ヒッポリトミサイル」
  • 頭部の突起から撃つ「ヒッポリトビーム」
  • 虚空から出現させる「ヒッポリトカプセル」
  • 口吻部から噴射する「風地獄」
  • 両目から放たれる「ヒッポリトアイライフル」
  • ヒッポリトカプセルに閉じ込めた相手をブロンズ像に変える液体「ヒッポリトタール」
と多種多様。
この技の内、ヒッポリトタールによるブロンズ像化は星人が死ぬことで一応解けるが、それでも生命活動は停止したままという、想像以上にやっかいなもの。

名称が判明している技以外では、ヒッポリトカプセルで自分の体長200メートルもの巨大な虚像を遠方に投影する能力、セブン戦での炎のパンチ、TAC戦での口吻部から吐く火炎、ウルトラの父戦での腹部からの散弾状の光弾がある。
また、「地獄」耳の為、50㎞先の針の音をも聞き取り、そのギョロ目は50㎞先の人間を見ることができる。

まさしく、生き地獄の如き火力を有している。


劇中での動向

ウルトラマンエースとの戦いでは、ヒッポリトタールを使って、ブロンズ像に変えることに成功。
石化寸前に発したエースのウルトラサインにより助けに来たウルトラ4兄弟とも交戦。

まず、ゾフィー初代マンを秒殺でカプセル地獄。
ウルトラマンジャックは2人のカプセルをこじ開けようとするができず、ウルトラブレスレットに手を添えた瞬間、自身もカプセル地獄に。*1
そんな中、ウルトラセブンは一人奮戦するが、最終的にボコボコにされて、トドメにカプセル行きとなった。
4兄弟は直前までカプセルから脱出しようと中で暴れていたはずだが、ブロンズ像にされた際は、皆、ポーズを取っていた。

その後、虚像を見破ったTACを追い詰め、そこへウルトラの父が現れる。
父にエースのタールを落とされた上、父の攻撃に苦戦するも、長旅でヘロヘロだった父がスタミナ切れになったことから逆転する。
だが、父が命と引き換えにパワーをエースに与えたことでエースは復活

父のパワーを得たためか、初戦よりも力が増したエースは動揺しているヒッポリト星人を圧倒。
最後はTACの援護射撃で怯んだところに、メタリウム光線を撃ち込まれて粉々にされてしまった。
ヒッポリト星人が倒されたことで4兄弟のブロンズ化は解け、エースがエネルギーを分け与えたことで完全復活する。
それにしても、ヘロヘロのウルトラの父の力でエースが元気バリバリに復活するなんて、ウルトラの父燃費悪すぎだろ。


この戦いで戦死したウルトラの父は後に蘇っている
後の『ウルトラ銀河伝説』で父は現在の姿を維持している設定が判明しており、だから肝心な時にエネルギー切れになるのかもしれない。


ウルトラ兄弟が纏めてブロンズ像と化す衝撃のストーリー展開や、その強さゆえにファンも多い。
WOWOWでハイビジョンリマスター版が放送された際の人気投票では、バキシムエースキラーを抑えて1位となっている。

ちなみに、『ウルトラマン物語』でのウルトラの父の死亡理由は特訓でエネルギーをタロウに与えていたため。
原典に比べれば、一応の理由付けにはなっている。


その他の活躍


◆『大決戦!超ウルトラ8兄弟

糸目でスリムになった「スーパーヒッポリト星人」が登場(初代とは別固体)。
鱗は緑から水色に変わり、腹の所にあった赤い宝玉は胸に移動しているが、それでもヒッポリト星人だとすぐにわかるデザインではある。
飛行能力や、倒されてもブロンズ化が解けなかったり初代よりパワーアップしてるらしい。


怪獣キングゲスラキングパンドンを使役して、ウルトラマンがフィクションにしか存在しない平行世界の地球を襲撃。
謎の少女の導きで本編世界から次元移動してきたウルトラマンメビウスにキングゲスラ、キングパンドンを撃破されるも、キングパンドンを撃破直後のメビウスを不意打ちでブロンズ像にし、引き連れたキングシルバゴンキングゴルドラスと共に街を蹂躙する。

そこに現れた、並行世界の記憶を宿したマドカ・ダイゴが変身したウルトラマンティガもブロンズ像にしようとするが、ダイゴ同様に並行世界の記憶を宿したアスカ・シンと高山我夢がそれぞれ変身したウルトラマンダイナウルトラマンガイアが現れたことで形勢逆転。
この偉大なるヒッポリト星人が貴様らごときに敗北はずがない』という、完全に死亡フラグな台詞を言いながらTDGトリオに怪獣二体と共に襲い掛かるが、彼らに放った火の玉(のような攻撃)はダイナ・ガイアにあっさりとはじき返され、一対一の状況に持ち込まれたティガと空中で高速戦闘を行うが、その間に怪獣二体はダイナ・ガイアに撃破され、自分もティガにやられて地上に落下した挙句、上空のティガが放ったゼペリオン光線の直撃をもらって撃破された。スーパー(笑)
なお、ダイナとガイアがブロンズ像にされかけたティガを助けようとした際の描写で、ヒッポリトカプセルが外からの光線で破壊できる事が判明した。*2

その後、黒幕によってこの並行世界で倒された怪獣四体の怨念と融合させられて合体怪獣ギガキマイラ」の胸部パーツとして蘇生(気のせいか、合体前より穏やかな表情になったように見える)。
ギガキマイラとしての力でティガ、ダイナ、ガイアを圧倒するも、彼ら同様に並行世界の記憶を宿したダンディ4が変身したウルトラマン、セブン、ジャック、エース、そして彼らにブロンズ化を解除されたメビウスがティガたちの加勢に入ったことで再び形成が逆転。

必殺光線を超8兄弟のバリアーで弾き返されて大ダメージを受けて宇宙空間に逃れようとするも、追撃してきた彼らの合体光線を受けて撃破された。


◆『大怪獣バトル』シリーズ

宇宙最強を自称しながら、どうやらレイブラッド星人の存在にビビっていたという設定が明かされた。

ゲームのストーリーモード及び漫画『大怪獣バトル ウルトラアドベンチャー』では、
主人公の少年を騙してバトルナイザーを奪おうとするも失敗、
怪獣(ゲームではモンスアーガー、漫画ではベムラー。このベムラーが後に主人公の新たな仲間となる)と共に襲いかかるも、倒された。

漫画『大怪獣バトル ウルトラアドベンチャーNEO』にも登場。
打倒レイブラッドを狙う宇宙連合軍の筆頭となり、レイブラッドが憑依したEXゼットンをヒッポリトタールで固めるも、破られてそのまま倒された。


◆『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説

スーパーヒッポリト星人が再登場。
ウルトラマンベリアル怪獣墓場で蘇らせた怪獣軍団の一体。
元下僕(キングゲスラ、キングパンドン、キングシルバゴン、キングゴルドラス)も一緒に復活させられており、扱いは同等までに落ちた。
最終的にウルトラマンゼロに倒される。


◆『ウルトラゼロファイト第2部 輝きのゼロ』

ベリアルの配下であるダークネスファイブの一人として、
地獄のジャタールという個体が登場(名前はヒッポリト星人だが着ぐるみはスーパーヒッポリト星人の流用)。

CV:岸哲生

カプセルを使わず触れるだけでブロンズ化させるという今まで登場した同種よりも強力なブロンズ化能力の他、
本物と全く同じに見た目&声を出せるようになる変身能力も持つ。

グレンファイヤーミラーナイトをブロンズ像に変えた後、
ウルトラの母に化けてゼロを油断させる作戦に出るが、殺気から見破られてしまう。

なお、グレンファイヤーとミラーナイトの奇妙なポーズの姿は、
初代でヒッポリトカプセルに閉じ込められたウルトラ兄弟が直前まで脱出しようと暴れていたのに、
固まったらポーズを決めていたことへのオマージュである。

それでもゼロに触れることには成功していたため右手をブロンズに変えるが、
「固まる前にお前をぶっ倒せばいいんだろ?」と脳筋な解決法に出たストロングコロナゼロに、
ブロンズ化した右手でボッコボコに殴られ、ガルネイトバスターを受けて倒された。

といった感じで序盤で退場したのだが、その後結局ジャタール以外のダークネスファイブは全員生き残ったこと、
本来はヴィラニアスの相棒でありダークネスファイブではないタイラントがあまりに馴染んでいたことから、
ファンだけでなく公式ブログにすら「ダークネスファイブはスライグロッケン、デスローグ、ヴィラニアス、タイラントだよね」とネタにされた……

後にべリアル陛下同様シャイニングウルトラマンゼロの力によって復活……したのだが、ダークネスファイブのメンバーにはその存在を忘れ去られていた。

きちんと自分の部下を覚えていたべリアル陛下が唯一の良心。良かったねジャタール。

復活早々グレンファイヤーとゼロを襲うが、二人が偶然突き出した拳に偶然当たり襲い掛かったことにも気付かれないまま遥か彼方へ吹っ飛ばされた。
その後なんとかベリアル達と合流できたようで、『大怪獣ラッシュ』では再びダークネスファイブに加わっている。
異名が「ダークネスファイブの切り込み隊長」なところに若干の悪意を感じないでもない

なお、にせウルトラの母から元の姿へと戻るシーンは軽いトラウマものであり、列伝最終回でこのシーンが取り上げられた際はグレンファイヤーも「ゲゲェーッ!気持ち悪ゥゥゥゥ!!」とコメントした程。


◆『ウルトラマンオーブ

映画『絆の力、おかりします!』にてガッツ星人テンペラー星人とともに出演。
その名もヒッポリト星人カリスト、声優はお笑いトリオジャングルポケットの太田博久。
この三人(ジャングルポケットの方ではない)はいずれも一度はウルトラ戦士を破った強豪(の同族)である。
必殺技は顔から放つ赤い稲妻。

テンペラー星人バチスタとは抜群のコンビネーションを見せ、復活したギンガビクトリーとも、3分ルールはどこに行ったのかというくらい長々と闘い続け、
最後は二人同時攻撃を放つもギンガビクトリーアルティメタムで突き破られ、二人仲良く爆死した。


【外伝的作品】

◆内山まもる版

『A』では口から直接タールをぶっ放すというキタナラシイ方法でウルトラ5兄弟を倒したが、ウルトラの父に敗れた。
後に読切『怪獣はか場のけっとう』にて、別個体が巨大ヤプールと共に怪獣・超獣軍団を怪獣墓場から蘇らせているが、
人海戦術でウルトラの父をリンチにかけ、倒したことで5兄弟の猛烈な怒りを買い
ボコボコに叩きのめされ二人仲良く必殺光線で消し飛ばされた。
『タロウ』期の読切『かがやけ ウルトラの星』では怪獣軍団の中に姿を確認できる。

◆『ウルトラマンタロウ

本編には未登場だが、放送中盤で猛威を振るった再生怪獣たちの親組織「怪獣軍団」の四大幹部の一角とされている。
残りは初代メフィラス星人チブル星人、ヤプール(←改造ベムスターとかを操っていたアイツ)。

◆『ウルトラマン物語

宇宙帝王ジュダに征服され、すっかり手駒に成り下がる。

◆『ウルトラ怪獣かっとび!ランド

先生におべっかや賄賂を使うイヤなヤツ。
自己顕示欲がモーレツに強く、彫刻コンクールではあの手この手で他参加者を蹴落とそうとしたが、
悪行が祟り自分がセメントに落ちて彫刻になってしまった(結果、皮肉にもそのまま優勝してしまった)。
その後、3話経過した次の巻でもまだ彫刻のままで、同じく鳩時計の刑に処されたキュラソ星人と共に見世物にされていた。
(2話後に戻って相撲大会に出ていたが)

◆『ウルトラマン超闘士激伝

第2回銀河最強武闘会に「宇宙で一番強い」と息巻き参戦。
優勝候補であるテンペラーからも「ワシと比べ遜色ない」と評されていたが、特訓を経て闘士に覚醒したエースに負けて予選落ち。

◆『ウルトラマンSTORY 0

暗黒宇宙の支配を目論む「星間連合」の幹部として登場。
星間連合内でもリアルファイトなら最強に近いテンペラーと行動を共にしており、ヒッポリトタールの量産に勤しんでいた。
しかしその本性は力を笠に着る卑怯者であり、テンペラーも邪魔になれば斬り捨てるつもりでしかなかった。

アブアブ族という蟹に似た宇宙人の住む惑星「ディープシー」にわざと日照りを起こし、後で人工降雨機で雨を降らせるという
せこい方法で自らを「」と思い込ませ、ヒッポリトタールの原料となるアブアブ族の遺骸を献上させていた。
ゾフィーによってその本性が暴かれると、怒りに燃えるゾフィーがプラントを襲撃するものの、
「テンペラーと戦わないと、ブロンズにした貴様の弟たちを今すぐ爆破してやる!」と脅し、逃げ去る*3
ゾフィーがテンペラーとの一騎打ちで疲弊するとテンペラーの助太刀に入ったふりをしてミサイルで攻撃し、ゾフィーをタールで固めようとするが、
テンペラーに割って入られ、更に左腕を斬りおとされてしまう。

這う這うの体で逃げ去るヒッポリトだったが、そこで同じ星間連合のボーグと遭遇し、助けを求めるものの逆に拷問を受けタールの解除法を吐かされる。
隙を見てボーグの右足を固めたものの、脚を捨てたボーグの鉄拳に腹を貫かれ死亡した。

◆『ウルトラ怪獣擬人化計画

デザインはなまにくATK(ニトロプラス)氏。
物凄くムチムチした体型の美女。ヒッポリトカプセルは虫かごになっている。



追記・修正はタール漬けにならないように気を付けてお願いします。



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最終更新:2024年04月25日 21:43

*1 この際、ジャックの手首にはウルトラブレスレットは付いていない…とこのシーンでは言われがちだが、よく見るとちゃんとブレスレットらしき腕輪がついている。しかし本当によーーーく見ないとわからないレベルで目立たないうえに位置がズレてるし見た目ももの凄くショボい。ぶっちゃけパッと見付いていないと思われて仕方がない見た目なのだが、この辺は当時の大人の事情というやつだろう…。ちなみに、撮影当時使用されていたブレスレットは、ジャックのスーツアクターを勤めたきくち英一氏に贈られている。

*2 なお、この時ダイナ&ガイアが使ったのは「ウルトラパリフィー」という邪悪なエネルギーを浄化する技。ウルトラ兄弟がメビウスを救出したのも同じ技である。

*3 なおこの際、プラントを爆破しその爆発にゾフィーを巻き込むことで手傷を負わせる卑劣な真似をしていた