セイバーフィッシュ(ガンダムシリーズ)

登録日:2012/07/02 Mon 22:24:35
更新日:2020/03/09 Mon 10:41:31
所要時間:約 5 分で読めます






セイバーフィッシュ

SABER FISH

型式番号:FF-S3(宇宙軍仕様)
所属:地球連邦軍
開発:ハービック社

《武装》
25mm機関砲×4
ブースターパック内蔵ミサイルランチャー 3発×4基
対艦ミサイル

《主なパイロット》
ルース・カッセル
ユウ・カジマ(ザ・ブルー・ディスティニー版)



地球連邦軍が宇宙世紀0070年代に制式採用した戦闘機。
名前の由来はおそらく「太刀魚」から。

元々は設定のみが『機動戦士ガンダム』に存在するだけだったのだが、『MSV』のコア・ファイターバリエーションにて設定が付け足され、現在の形になった。

宇宙世紀初頭、地球連邦軍は宇宙空間の軍備拡張の為に、宇宙戦艦と共に運用する小型戦闘機の開発に着手した。
そして取り合えず「トリアーエズFF-4」が完成するも、ミノフスキー粒子によりまともな運用が出来なくなる。
その後「コア・ファイター構想」に基づき戦闘機開発が進み、大気圏・宇宙両用の多用途戦闘機として、U.C.0071年に試作機が完成。
装備の換装によって宇宙から高高度、大気圏内など、あらゆる戦闘空域での活動が可能な、まさしく万能戦闘機となった。
宇宙仕様のS3型には4基のブースターパックが装着されており、高い機動性を獲得しているのが特徴。
また、ブースターパックには1基につき3連装のミサイルランチャーが内蔵されていて、火力も強化されている。

さらに強力な対艦ミサイル*1を備えており、マゼラン級戦艦サラミス級巡洋艦などの砲撃をサポートするという、
制空戦闘機としてだけでなく連邦の大艦巨砲主義の死角を補う支援戦闘機としての側面もあった。
この対艦ミサイル持ってる設定がとあるゲームで重要な意味を持つ事になるがそれは後述。


当初はマゼラン級の艦載機となることが期待されていたが、大艦巨砲主義が根強い宇宙軍では採用されず、空軍の高高度戦闘機としてのみ配備された。
しかし一年戦争序盤の時点ではマゼラン級を改装したトラファルガー級空母、コロンブス級輸送艦を改装したアンティータム級補助空母で運用されており、
一年戦争開戦までの何処かの段階で宇宙軍にも採用され、マゼラン級ではなく改装空母*2で運用される戦闘機という立場になっていたようだ。
更に開戦前にはセイバーフィッシュなどの戦闘機を専門に運用する本格的な宇宙空母としてペガサス級宇宙空母の建造が進められていた。
すなわち、連邦宇宙軍は巷で言われるように「航空戦力を軽視していた」のではなく「航空戦力が整っていないうちに開戦に持ち込まれた」のである。
なお、ペガサス級は開戦直後のザク・ショックを受けてモビルスーツ(MS)を運用する強襲揚陸艦へと変更されたために、結局母艦になることはなかった。

動力は従来の科学燃料を用いるジェット/ロケットのハイブリッドであり、核融合炉や熱核ロケットエンジンは有していない。
そのためMSにはパワーで差を付けられ、何より戦闘機であるために死角から近接白兵戦を仕掛けられると為す術がなかった*3ので苦戦は免れなかったものの、
従来式の宇宙戦闘機としては最高クラスの性能を持っており、ジオン側の宇宙戦闘機ガトルが相手ならば優勢に戦闘を進められた。
上下左右に装備された四基のブースターパックから生み出される機動性の高さと、ミサイル主体の攻撃力の高さは伊達ではなく、
一年戦争初期にはミノフスキー粒子散布下でもMSにある程度対抗出来る貴重な戦力として連邦宇宙軍に重宝された。
本機でザクを複数機撃破したエースパイロットもいるぐらいである。
機首にある4基の25mm機関砲もMS相手では通用しないが、航空戦力相手なら十分な威力を発揮する。

逆に言うと、ジオンはセイバーフィッシュをはじめとする優秀な戦闘機の存在を警戒して、その普及が進まないうちに挑んだのかもしれない。
もし、艦艇数のみならずセイバーフィッシュまでザクの三倍の数が配備されていれば、果たして一週間戦争はあれほどの大差がつけられただろうか。


やがてコア・ファイターの開発やジムやボールの生産・配備が進むにつれて第一線を退き、宇宙での活躍の場は失われていった。
しかし地上では開発から20年以上建ったU.C.0090年代もなお、拠点防衛や防空用として長々と運用された。

流石に旧式化も著しくMSにとって脅威とはなり得なかったが、長い歴史の中でも地球連邦軍を支え続けたのである。




バリエーション


◆セイバーフィッシュ(空軍仕様)
型式番号:FF-3

セイバーフィッシュの空軍仕様。
ブースターパックを装着していないため、身軽になった一方で推力と火力は低下している。
しかしブースターパックを装着出来ないというわけでもなく、U.C.0087年にジャブローを防衛していた機体や、
0096年にトリントン基地に配備されていた機体は装着状態で実戦投入されており、むしろ装着状態で登場することが多い。


◆セイバーフィッシュ(局地要撃機仕様)
型式番号:FF-S3DF

セイバーフィッシュのバリエーションの一つ。詳細は不明。


◆セイバーブースター

『機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ』に登場した派生型。
機体後部に巨大なブースターユニットを装着して拡張性を強化したもので、ジェネレーター出力が三割程強化されているのでMSを乗せてのサブフライトシステムとしても運用が可能。
劇中に登場したのは宇宙海賊シュテンドウジが使用している。


◆偵察型セイバーフィッシュ カモノハシ

『THE ORIGIN』に登場した偵察・哨戒型のセイバーフィッシュ。
武装を全廃して各種偵察用の機器を装備している。


◆セイバーフィッシュII

『アウターガンダム』に登場した発展型。
ブースターポッドの代わりにビーム兵器4基と外装型
ミサイルを6発装備している。


◆レイヴン・ソード
型式番号:FF-S5

「MSV-R」に登場。
セイバーフィッシュの後継機で、機体を小型化しつつ高い性能を持たせている。
エンジンは出力を上げた改良型を採用し、目標としていた数値の85%分の航続距離や機動性を得ている。
ちなみに目標数値の設定はブースターパックを装着したセイバーフィッシュの戦闘中のものを参考としている。

開発はかなり早くから始まっていたが、MSの開発を最優先課題としていたせいで試作機は予定より3ヶ月遅れて完成している。また、大気圏内だと稼働時間が短いなどの問題もあった。

完成から1ヶ月後には制式採用されるが、本格的な量産は戦後になってから。
少なくとも300機以上が生産され、機動艦隊などに配備された。また、大気圏内用のFF-S5Cや複座式コクピットのFF-S5Dも造られている。

…が、理由は不明だが4年半後には退役したらしい。




主な活躍


映像作品では『機動戦士Ζガンダム』と『機動戦士ガンダムUC』に登場した。

『Ζ』ではジャブローに配置された機体が降下してきたエゥーゴのMS部隊を迎撃するも、最新鋭のMSにはまるで歯が立たず、容易く撃墜されていった。
ちなみにこの機体にはブースターパックが装備され、資料でもFF-S3と記されているので宇宙軍の物だった可能性がある。

『UC』ではトリントン基地に配備された機体が登場するが、出撃前にザクⅠ・スナイパータイプの狙撃で全滅した。
登場から全滅までの時間、僅か6秒。
もし飛ばれていれば、飛行出来ないMSか飛べる機体も輸送機かSFSばかりだったジオン残党には勝ち目がないので、真っ先に潰されたのだろう。




ゲームでのセイバーフィッシュ


主な出番はGジェネシリーズやギレンの野望。
トリアーエズの上位互換でコスト面以外全てが上回っている。
特にギレンの野望ではなんとこいつを大量生産すればMS抜きでもクリア出来る。

Gジェネシリーズでは初期能力こそ低いものの、対艦ミサイルの威力が高いので特に1stから開始する初期作においてはゲーム開始時に唯一まともにザクと戦える存在として非常にお世話になった。
他の戦闘機は火力がショボ過ぎるのでこいつがいなかったら戦艦か、捕獲した貴重なザク、設計で作ったけど適応が最悪なザニーなどで戦わなければならないのである。
セイバーフィッシュがいてくれて本当に良かった……
お約束だが改造していくととんでもない化物が対艦ミサイルを抱えて敵めがけて飛んでいくことになる。
U.C.0150年代のMSさえ蹂躙していく様はまるで悪夢。ミノフスキー粒子散布下でのMSの優位性とは何だったのか。




ガンプラ

EXモデルでもUCHGでもハブられ一切ない。
レジンキャストキット等を除けば、マイナーな機体のラインナップが嬉しい森永のガンダムキャラメルのオマケでが唯一の模型化となる。





追記・修正は元戦闘機乗りのMSパイロットがお願いします。


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