マゼラン級戦艦(ガンダムシリーズ)

登録日:2011/07/05 Tue 22:04:06
更新日:2025/04/01 Tue 11:18:45
所要時間:約 15 分で読めます






「マゼラン、急速発進! ドッキングロック解除急げ!」



マゼラン級宇宙戦艦



マゼラン級宇宙戦艦とは、機動戦士ガンダムシリーズに登場する架空の宇宙戦艦である。


【緒元】

英名:Magellan-class Battleship
分類:宇宙戦艦
所属:地球連邦軍
全長:265m (327m)
全幅:67.1m (94.5m)
全高:80.2m (72m)
推進機関:熱核ロケット 4基

  • 武装
40cm連装メガ粒子砲×2 (MS IGLOO メガ粒子主砲×7)
36cm連装メガ粒子副砲×5
12.7cm連装防空砲×2
7.6cm連装防空砲×12
対艦ミサイル発射管×4
多目的ミサイル発射管×4

  • 搭載兵装
大気圏突入可能大型連絡機×1
多目的連絡艇×4
MS×8機(ビンソン計画による改4型以降)

  • 主な座乗者
レビル将軍
ティアンム提督
ワッケイン司令
一般連邦士官


【概要】

地球連邦軍の主力戦艦。
全長などは劇場版機動戦士ガンダムⅢとそれ以降では違いがある。

宇宙世紀0070年代に地球連邦の【軍備増強計画】にてサラミス級巡洋艦と共に就役し、
以後地球連邦軍の主力戦艦として0080年代後半までの間、地球連邦宇宙軍の主力艦艇を務める。
大戦中の艦隊再編成計画、【ビンソン計画】においては「改マゼラン級」として、ミサイルランチャー及びミサイル弾薬の一部を降載しモビルスーツ(MS)搭載能力を付加したものが建造された。
改マゼラン級は主に艦底部のバルジ部分にジムの格納庫、艦橋前方にボールの格納庫がある。
最終的に114隻が建造されたとされる。

長距離探索レーダー及びメガ粒子砲による艦隊戦を前提として作られたため火力は非常に高く、艦隊旗艦や主力艦として数多く配備された。
防御面ではほぼ全方位に対空機銃が供えられており、接近してきた相手を迎撃する。

エンジンは熱核ロケットが4基、艦後方に船体に組み込まれる形で配置されている。諸説あるが、初の熱核融合炉(反応炉とも)搭載艦であり、全てのコロニーを無寄港で巡回することが可能な航続距離を持つ。
これは全装備の中でも最重要機能であり、地球からもっとも遠いポイントに存在するサイド3をにらんでいたことがうかがえる。

武装は主砲が連装メガ粒子砲2基、副砲が同5基である。完成当時からメガ粒子砲を備えていたかどうかは疑問があり、ミノフスキー博士の亡命事件があった0072年以降の装備とする説もある(竣工そのものが0072年以降とも考えられ曖昧なままになっている)。但しメガ粒子砲装備以前は液体火薬式の実体弾砲であったという説もある。また、MS IGLOOでは7基とも主砲に統一されている。
ただ、副砲が主砲の1ランク下の口径というのは運用上疑問が残る。そもそも副砲は肉迫してくる軽艦艇を迎撃する防御兵装であるため、速射性と旋回追従性の高い中口径砲である筈なのだが、真逆の大口径砲というのは不自然であるし、2種の大口径砲装備は射撃管制システムが複雑化してメリットは無い。長距離打撃武装としての主砲と近-中距離の打撃兵装としての副砲という発想ならば、どう考えても前弩級戦艦の行う前近代的な発想である。


対空砲は連装機銃が20基。これはチベの18基よりも多く、MS戦が主流になってからも何とか第一線で戦うことができた遠因となった。他、ミサイルランチャーも同様に多数装備が確認できる。

船体は四面構造になっており、このうち最下部を除く三面を上面とし各面に砲撃指揮所やレーダーを設けている。上述の主砲と副砲を合わせて大変、砲術戦能力に特化していたことが分かる。一方、当然ながらMS搭載は前提ではなく、代わりに(と言うか本来的に)トマホークと呼ばれた宇宙戦闘艇を装備した艦もあった。


まぁ、簡単に言えば



やられ役、である。



「MSなんざぁ、近付いてくる前にこの自慢の砲塔一斉砲火で蜂の巣w」と余裕ぶっこいていた地球連邦の予想を裏切り、対MS戦であるブリティッシュ作戦・ルウム戦役ではマゼラン惨敗。
ミノフスキー粒子という未知の存在や、MSの機動力とそれらがぶち込む核バズーカにより、
マゼランは本来の強みをまったく活かせず「時代遅れの大艦巨砲主義の象徴」と不名誉な称号をつけられる……。


しかしさすがは連邦の主力。


対MS戦では遅れをとるものの、自慢の高い火力を活かしその後の重要な戦い(星一号作戦・ソロモン攻略戦)では旗艦や主力戦艦として活躍。
もともと砲塔の配置が非常に良く、真後ろを除けばどの方向にも連装砲塔を三基、六門以上のメガ粒子砲を向けられる驚異の攻撃範囲を誇る*1
しかもこれは最低でもということ。後部砲塔を回頭させることで、斜めなどほとんどの場所にメガ粒子砲を四基・八門を向けることができ、その攻撃範囲の広さは他の追随を許さない。
そして正面に向けての最大火力は脅威の連装メガ粒子砲十門であり、グワジン級大型戦艦をも仕留めることができる。

ジオン軍の宇宙艦艇はMS運用能力を優先させすぎて砲撃戦には劣る面も多かったため、総力を結集する大規模会戦ではマゼラン級の大火力や長射程は大いに威力を発揮した。
また、ブリティッシュ作戦時にもジオン軍によるジャブローへのコロニー落としを阻止したりしている。(結果ジャブロー以外のところに落ちたが……)
更に、この一連の戦いでジオン公国軍にも多大な損害を強い、ことに多数のベテランパイロットを喪失せしめたことはもっと評価されていいと思う(どれぐらいダメージを与えたかといえば、その後の公国軍がルナツーの連邦艦隊にとどめを刺せなかったほど)。
現に劇中では、レナウンがジオンのチベ級重巡洋艦を圧倒して撃沈する場面もあったくらいである。
特に正面における砲撃戦で当時マゼラン級に勝てる戦闘艦はいなかったと言える*2
また、ソロモン攻略戦ではタイタンを中心とする艦隊が、MSに頼ることなくグワラン艦隊を殲滅している。

そもそも初戦で大敗したのはマゼランの時代になかった技術を使った+核弾頭乱舞の猛威+もともと連邦軍の空母*3が開発中のため航空戦力が整っていなかったからであって*4
傾向がわかり対策が出来れば本来の能力も生かせるのである。


上述した通り戦争後期ではMS運用能力を獲得したため、ジオン側への質的劣勢もほぼなくなっている。
しかも本来想定外のはずのMS搭載機能を詰め込んだにもかかわらず、その自慢の砲撃能力は全く落ちていなかった。
こうしたマゼラン・サラミスの長距離砲撃能力とMSの近接戦闘力の組み合わせは戦争終盤ではけっこう活躍している。

一度はミノフスキー粒子で失われた電子能力も、のちにはレーザー(光学)センサーに換装してある程度は復活させた。
実際作中ではけっこう普通に長距離通信をしている場面がある。

決して単なるやられ役ではないのだ。覚えておこう。


防御力はなんか低いが、もともとガンダムシリーズの戦艦は主人公が乗っているもの以外はものすごい簡単に沈むので何とも言えない。
ドロスやドゴス・ギア、ラビアンローズなんて圧倒的だったのがいきなり沈むし、何よりアレキサンドリアやレウルーラという何度も主人公と交戦した旗艦ですら、コロニーレーザーであっけなく消滅したりする。
そもそも、猛烈な対空機銃や砲台の雨をかいくぐって急所を確実に狙い、一撃で沈めるなんて芸当ができるのはアムロ・レイシャア・アズナブルのような一部の連中だけである。
サラミスの項目にてやや詳しく記入しているが、砲撃戦が強いマゼランは一般兵士には攻撃どころか近づくことすら困難で、そんな簡単に落とせる相手ではない。
なにせもっとも小口径の対空機銃ですら76mmの口径がある。それが複数の銃座から連射してくるわけである。


一年戦争後は、相方のサラミス同様にMS運用能力を持たせる方向で改良が進んでいく(マゼラン改級戦艦)。
前方の主砲上下を外して、大きなカタパルトを上下に備えた本格的な空母タイプもある。少なくともU.C.0088あたりまでは確認されている。
しかしマゼランは根本的に艦隊戦に特化された設計のためか、改良を重ねて80年以上現役を続けたサラミスと比べるとかなり早期に姿を消している。

但しマゼラン級の砲塔・機銃の配置はラー・カイラム級機動戦艦にも引き継がれており、
二段階のブリッジも更に発展してバーミンガム級戦艦ドゴス・ギア級大型戦艦、そしてカイラム級に引き継がれている。
エゥーゴアイリッシュ級戦艦にも影響を与えているらしい。

姿は消えても、その遺伝子はしっかり継がれているのだ。


また、最近は連邦の軍備予算不足などから兵器の更新がなかなか進まず、ジムⅡなどの旧式兵器が使いまわされている様子が描かれており、
カイラム級やクラップ級の配備が進まなかったというのは昔から知られている設定でもあるので、映像に移らないところでもマゼラン改は相棒のサラミス改と共にそれなりの数が活躍していたのかもしれない。
実際、『機動戦士Vガンダム』第41話のハイランドに集結した連邦軍の中にやや緑がかった灰色のマゼランらしき艦艇が1隻だけ混じっている。
もっとも、遠方に描かれた簡単作画なので潰れた作画の別艦という可能性はあるが……
ただ、隣にいるクラップや近くのサラミス改とは明らかに別種として描かれているのは確か。



【マゼラン、及び同系艦の活躍】


・マゼラン

「……『マゼラン』を出撃させる!!」

ネームシップである。
ルナツー司令官のワッケイン少佐が座乗し出撃。しかしノーマルスーツのシャア達が仕掛けた機雷を喰らい出入り口に引っ掛かってしまう。
非常にまぬけ……いや、哀れな姿である。
とはいえ船体そのものの損傷は少なく、その気になればサルベージも無理ではなかったろうが、ワッケイン司令の決断によりホワイトベースの主砲で熱核ロケットを撃ち抜かれ爆発した。


・レナウン

「艦隊、横一文字体形に移動! 戦法は正攻法。突撃艦パブリクによるビーム攪乱幕を形成する。各艦正面より進行する!!」

「ホワイトベースか……逞しくなったものだ」

ソロモン攻略戦にて登場。大佐に昇進したワッケイン司令が座乗し、ホワイトベース隊を加えた第三艦隊の旗艦を務めた。
連邦によるソーラ・システム展開の時間稼ぎを行い、見事ソロモンを突破。
更にその後の掃討戦でチベ級1隻を発見し先制攻撃に成功。初弾でMS格納庫を一撃貫通し、そのまま見事に沈める。
さすが主力艦、やるときはやる。
しかしその後シャアの乗るザンジバルと交戦、撃沈された。ワッケイン司令……。
名前についてはゴルテウスだったとも。

ちなみにネームシップのマゼランとこのレナウンだけは緑一色で塗装されている。

劇場版ではなぜか緑のシーンと青のシーンが混ざっている。
ゲルググのビームナギナタなんかは「新規作画は黄色、流用作画は青色」と明確に分かれているが、レナウンの場合は「新規作画の中にも緑と青がある」。なぜこのようになったのかは一切不明。

「まだだあっ!! まだ沈んじゃあならん! ミサイルを撃ち尽くすまではッ!!!」

劇場版では「ソロモン攻略戦」と「テキサスコロニー編」が入れ替わったために展開が異なり、
レナウンはソロモン攻略戦のさなか、敵艦隊の猛烈な集中攻撃を浴びるが一歩も引かず、ミサイルの全弾発射を敢行してムサイ一隻やチベ二隻を沈めつつも壮絶な轟沈を遂げた。


・マゼラン(MS IGLOO)

第一話「大蛇はルウムに消えた」
第四話「ジャブロー上空に海原を見た」
第六話「雷鳴に魂は還る」に登場

第一話の舞台となったルウム戦役では、手負いとなった一隻が同話の主役機ヨルムンガンドに突撃、同機のプラズマ砲で艦を真正面から貫かれ撃沈された。
この時のマゼランはその見た目から通称「ちくわ」と呼ばれ親しまれている。

第四話では、ジャブローにてサラミス四隻と宇宙に打ち上げられている所を同話の主役機ゼーゴックに強襲される、同機の拡散ビーム砲で船体を貫かれ爆散した。

第六話では、ア・バオア・クー防衛戦に参加した一隻が同話の主役機ビグ・ラングに突撃、同機のメガ粒子砲で艦の横腹を削り取られ撃沈された。


・アナンケ

ルウム戦役に登場する連邦軍第一連合艦隊総旗艦
レビル中将(当時)が座乗し、コロニー落としを阻止すべくティベ級重巡洋艦、ムサイ級巡洋艦各一隻を撃破し奮戦するも、ジオン公国突撃機動軍の黒い三連星により撃沈。レビル中将は捕虜となる。
この戦いで連邦軍艦隊はジオンのMSの前に惨敗する。


・ネレイド

ルウム戦役における勇将、ロドニー・カニンガン准将の乗艦。
ルウム戦役においてはレビル将軍の副官として参加し、第二艦隊旗艦となり、カニンガン准将指揮の下奮戦。
ムサイ級巡洋艦一隻を撃沈。グワジン級戦艦一隻を大破させる。

レビル将軍の座乗艦アナンケが撃沈されると、これにより連邦艦隊は統制を失い、徐々に壊走を始めた。この絶望的な状況を救ったのが次席司令官のロドニー・カニンガン准将である。
カニンガン准将は旗艦及び指揮権を受け継ぎ、統制を失っていた多くの艦に適切な指示を与えて奮迅した。
連邦艦隊の撤退においてネレイドは味方艦艇の盾となるべく反転し奮闘の末、大多数の艦を脱出させ自身は轟沈する。
准将は、その行為について傍らの幕僚に、「レビル将軍が生きていたならばこうしたとは思わんかね?」と呟き(この時点ではレビル将軍はアナンケとともに戦死したと考えられていた)、その発言を聞いたネレイドの乗員は最後まで彼に従ったという。


・タイタン

「本艦・各艦からも、MS隊を出す!」
「了解! 『タイタン』より各艦へ、MSジムおよびボールの突入隊を発進させろ!」

ソロモン攻略戦に登場。同作戦の最高司令官ティアンム中将が座乗。
ソーラ・システムのコントロール艦でもあり、一度目の全力照射でソロモン要塞に大打撃を与える。
迎撃に来ていたグワラン艦隊もMSすら展開させず砲撃戦のみで撃破。
更に破損したミラーを再編成して第二射までやってのけ、ソロモンに残っていた艦隊にとどめを刺した。
が、その後ドズル・ザビの操るビグ・ザムの大メガ粒子砲によりティアンム中将とともに宇宙へと消えた


・フェーベ

「辛いのだな……ジオンも……」

ア・バオア・クー攻略作戦に登場。第一連合艦隊の総旗艦。
他の艦と違い後端の塗装が藍色から赤色になっている。
作戦指揮をとるためにレビル中将が座乗していたが、和平交渉を行おうとデギン・ソド・ザビの乗るグワジン級戦艦が接舷。その瞬間ギレン・ザビが発射したソーラ・レイによりレビルもろとも蒸発した。


・ルザル

「我々は『ルザル』を旗艦として残存艦艇をまとめてSポイントから進みます」

ア・バオア・クー攻略作戦に登場。ソーラ・レイで蒸発したフェーベに代わり第一艦隊をまとめ上げ、そのままSフィールドに進攻する艦隊の旗艦となった。
残念ながら突撃して間もなくシャアのジオングに攻められ沈んでしまうが、ルザルが束ねた艦隊はひるみもせず敵陣に突撃。ついにア・バオア・クーを抜く。


・トラファルガー級空母

開戦前から存在した、マゼラン級をベースとした改装空母。主にセイバーフィッシュを艦載機として運用していたようだ。
本来はペガサス級が空母となるはずだったが開発が遅れたために先にこういうのが開発されていた。
ちなみに本来セイバーフィッシュは一般のマゼランでも運用される予定だったが、いろいろ考えてやめたそうである。
このタイプはなんかいろいろキツそうなので、やっぱり戦艦で戦闘機を運用するのは無理があるのだろう。

小説版では「トラファルガ」「ガリバルディ」が登場。宇宙戦闘機が60機ぐらいは運用できるらしい。

余談になるが、連邦はコロンブス級輸送艦を改装した「アンティータム級補助空母」も開発しており、
連邦宇宙艦隊も航空戦力の開発を決して軽視してはいなかった。ただジオンが連邦よりも力を入れていたというだけである。

・ハーレムノクターン

漫画「宇宙戦艦ハーレムノクターン」及び「実録ジオン体育大学」に登場。
艦そのものに目立った活躍はないが、艦長のマドロック大佐の容姿(キャプテンハーロックが連邦軍の制服を上着だけ着て後年のストパン風にパンツ丸出し)が最大の特徴。
ア・バオア・クーの攻防戦では所属機のジムが無数のD・Dザク(目測で300機前後)が搭載されたムサイを沈める宇宙世紀史上最大級の戦果を挙げるも、あまりに荒唐無稽な数字だったため艦長以下誰にも信じられなかった。

・タイコンデロガ

漫画「魔法の少尉ブラスターマリ」に登場。
マリコ達が暮らすコロニーに威力偵察及び破壊工作を繰り返していた連邦軍特務隊の旗艦。
ジムコマンドのみょうちきりんなバリエーション機ばかり所属していたが、切札として南極条約無視の核ミサイルまで複数配備されており、あわや血のバレンタインになりかねないところであった。
核ミサイルはザクZに向けて発射されるも、ザクZの振り下ろした魔法のハエたたきによって艦隊ごとまとめてお仕置きされ事なきを得た。
要するに0080のグラーフ・ツェッペリンを連邦軍に置き換えた艦である


【最後に】


旧型戦艦のために作品中ではやられ役として描かれることが多いマゼラン艦。しかし総合的な性能ではジオンの艦を上回っている事が多い。
地球連邦の主力戦艦の名に恥じぬ性能を持ちそして数々の重要作戦で中核を担う存在……かもしれない。

なによりもマゼランのいかにも、戦艦らしいフォルムに魅了される人は少なくないはずである。

大規模な艦隊で広く宏大な宇宙を進むマゼランやサラミスの姿を想像して、アドレナリンエンドルヒィンといった興奮物質がドボドボと脳に溢れることだろう。

無骨でいかにも正統派な姿……これこそがマゼランの魅力。まさに様式美だと思う。




【立体化】

ガンプラでは、まず1/1200が発売。後にEXモデル 1/1700でサラミスとセットで発売されている。



ゲームでのマゼラン】

MSを搭載して移動する艦船ユニットとしてサラミス共々、一年戦争が参戦しているゲームには大体居るが、オールスター系のゲームだと省かれたりする事もある。
サラミスより一回り強いのだが、少し資金をためて万能なホワイトベースを買おうというのが大体のゲームの定石であるため、初期配置の物を援護射撃で使うのが精々である。
地上の方のビッグ・トレーが一部のアクションゲームで恐ろしい火力を持ってプレイヤーを撃沈するのが度々話題になるが、マゼランはそういうのがあまりない…。


・「Gジェネレーションシリーズ

ゲームの仕様上流石にMS搭載機能無しではお話にならないので、5機のMSが搭載できるようになっている(オプションで拡張できる作品もある)。
火力自体は高く、HPもサラミスに比べれば高い。それでもジオンのグワジン級に比べるとステータスも武装も一回り二回り弱い。
それどころか最大射程が4しかなく、ムサイザクⅡにもアウトレンジされてしまう始末で、前述の強さなんてどこにもない。
その分初期から作れてコストはお安いのだが、「宇宙専用」であるのが最大のネックである。
ステージは地上や空中等もあるため、上記のように少し金をためて地形適応が万能なホワイトベースやザンジバルを買うユーザーが圧倒的だと思われる。
そのため初期のシリーズだと完全に趣味である。


サイズの概念が入った昨今のシリーズでも基本は変わりないが、射程に関しては改善した。またマゼランとサラミス、バーミンガムはなぜか横幅が一列しかない細い判定となっており、MS展開能力こそ若干犠牲にしつつも小回りが利く利点は大きい。
他の艦艇が死角にしやすい背後への射程もあるので、「増設ハンガー」で搭載数を増やしてやれば意外と使い勝手が良かったりする。
特にOVERWORLDでは万能艦が極めて高額な設定をされており、宇宙専用と地上専用を別々に買う方が断然安上がりなのもあって序盤は選択肢に上がる。


・「ギレンの野望シリーズ

 強い(確信)

MS搭載能力がないのは大きな痛手だが、その分投射火力が凄まじく、シナリオ序盤では驚異的な間接攻撃力を発揮する。
連邦軍シナリオでは初期戦力として大量配備されている上、優秀な艦長候補も多数そろっているため、MS開発が進むまでは宇宙戦闘の主力として十分戦線を支えることができる。また、連邦序盤では貴重な索敵Aの船なため、敵の正体を判別するのにも役に立つ。
レビルやブライトといった一級の艦長なら、1回の砲撃戦で2部隊(6機)ぐらいのザクを落としちゃうことも珍しくない。ミノフスキー粒子とは何だったのか。ミノフスキー粒子薄いよ!!何やってんの!!

とは言え敵の主力がリック・ドムなどに変わってくると、流石についていけなくなるため、索敵や支援に徹するのがいいだろう。多数搭載可能で。貴重な補給能力のあるコロンブスなどと比べると活躍出来る期間は短め。開発出来次第、ペガサスやホワイトベースに順次切り替えていく必要があるだろう。
一応後継で開発されるK型には、搭載能力が付加されるものの、更に後で開発出来るマゼラン改では再び搭載能力を無くしてしまう。
「運用次第ではとても強いけど、追加生産する必要はあまりない」というのがジオンの系譜までの立ち位置になっていた。

…が、アクシズの脅威からは改になっても搭載能力を喪わなくなった。これによりMSを運搬しつつ、敵の射程外から索敵や支援攻撃を行えるようになった。
また脅威では改造で同系統の後発機にアップグレードできる為、ある程度作ったマゼランKをマゼラン改に改修することが可能となり無駄が減少。
間接攻撃の主力として活躍した後に、支援母艦としてMSをサポートできる息の長いユニットとしてEDまで通用するようになった。
とくに連邦系の第三勢力系でのプレイ時では、使ってくださいと言わんばかりに後期型が初期配備されており、有用性も高い。
エゥーゴ系では索敵能力あるユニットに恵まれない&ティターンズアレキサンドリアがしょっぱすぎる、とそれぞれの理由でマゼラン改に出番が回ってくることも多いだろう。


・『戦士達の軌跡

ジオン編では多くの宇宙戦で登場。ホワイトベースに次ぐ耐久力に加え、主砲の2連メガ粒子砲は高威力な上に長時間のスタン効果も併せ持ち、レベルの低い序盤では一撃で撃墜されかねない。接近すると迎撃してくるミサイルも地味に厄介で、本体を撃沈した後もしばらく残り続ける。
一方で連邦編においてはほとんど出番がなく、強いて挙げるとすればアムロ編「恐怖!機動ビグ・ザム」のタイタン程度(それもムービーシーンのみ)である。

また、黒い三連星編「ルウム戦役」ではレビルの座乗するアナンケも登場。あくまで「マゼラン」名義だが、固有名が出てくることやオリジナルとは別物のグラフィック、緑色の塗装など差別化されている。内部的にも通常のマゼランとは別個体になっており、各性能が少々アップしている。
このミッションでは攻撃目標として登場し、撃沈すればクリアになる。この時の捕虜にするシーンはシャア編の同ミッションクリア時にも見ることが可能。
これとは別に、「恐怖!機動ビグ・ザム」でワッケインが座乗するレナウンもアナンケと同じグラフィックが流用されている。修理・補給コマンドが使用可能。
原作通りホワイトベースやサラミスとともに第三艦隊を形成し、ソロモン攻略戦の時間稼ぎを担う。本作は劇場版準拠の作品だが、「テキサスの攻防」クリア時のナレーションによればTV版と同じくシャアのザンジバルとの交戦の末に撃沈した模様。



追記・修正は、マゼラン艦隊でコロニー落としを阻止してからお願い致します。

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最終更新:2025年04月01日 11:18

*1 真後ろにも二基四門は向く。

*2 後に就航したザンジバル級には砲撃戦で一方的に撃ち負ける様子も見られた

*3 後のペガサス級の事。実はマゼランやコロンブスなどを元にした改装空母は少数ながら戦前からあった。

*4 事実戦闘機は割と多く開発されており、運用するペガサス級空母も建造中だった。つまり「航空戦力を軽視した」というより「航空戦力の開発・配備が遅れていた」が正しい。