サイコフレーム

登録日:2025/03/04 Tue 23:59:27
更新日:2025/04/06 Sun 13:26:46
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――しかし、この暖かさを持った人間が地球さえ破壊するんだ!

それをわかるんだよ、アムロッ!

わかってるよ!

だから、世界に人の心の光を見せなけりゃならないんだろ!?



サイコフレームとは、ガンダムシリーズにおける世界観の一つ・宇宙世紀に登場する機動兵器の構成素材。



概要


初登場は『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』。媒体によっては「サイコ・フレーム」とも表記される。
劇中では人が持ち歩けるサイズのT字型サイコフレームが物語の鍵を握り、ラストには現代文明を超えた奇跡の現象を引き起こした。
本来は機動兵器に搭載するサイコミュシステムの一種で、開発当初のU.C.0090年代にはサイコフレームを施した試作機が一定数製造されていたが、以降は数十年に数機見られる程度に激減。
小説家の福井晴敏氏が原作を務める『機動戦士ガンダムUC』に連なる作品では、如何にして宇宙世紀の歴史から消えていったのか、その経緯が描かれている。


製造・開発


アナハイム・エレクトロニクス社の材料開発部がサイコミュに使用するコンピューターチップを金属粒子並みの大きさで封じ込めた新型フレーム。
当初はニュータイプであるアムロ・レイのアイデアから着想を得たと語られていたが、アナハイムのνガンダム開発担当者オクトバー・サランも詳細な経緯を把握しておらず、
実際にはニュータイプ研究に長けたジオン公国軍の流れを汲む新生ネオ・ジオンが開発したものである。
自身の宿命のライバルであるアムロとの対等な決戦を望んだ、新生ネオ・ジオンの総帥であるシャア・アズナブルが、
アムロ自身が設計にも携わった、彼搭乗予定の新型ガンダムを完成させるべく、敢えてサイコフレームの情報を流した事が『逆襲のシャア』で語られている。
漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』では、シャア自らサイコフレーム搭載機を試験運用する姿が描かれた。
『機動戦士ムーンガンダム』では、ミスター・エンキドゥの偽名で旧ティターンズ残党を利用し、
研究段階で大型化した外付けサイコフレーム兵装「サイコプレート」の実証実験を行なっている。


性能


主にサイコミュシステムを用いたニュータイプ専用機に搭載。
コクピット周辺や駆動系に組み込み、脳波を機体へダイレクトに反映して操縦性・反応速度を向上。
また、フレームへの内蔵により、従来はサイコミュに使用していたスペースの大幅な削減に成功し、サイコミュ兵器の小型化・機動兵器の軽量化により拡張性を高めている。
サイコミュが拾う脳波を増幅して本来ファンネルを扱えないレベルのニュータイプや強化人間であっても実戦で運用可能なほどに引き上げた。

νガンダムにおいては他者の思念を察知する精度を向上させ、ニュータイプが持つ先読み能力を高い次元で実現する事を望まれていた。
また、本来νガンダムのコックピットに使用されていた材質より重量は軽く強度も上がったという。
反面、パイロットの意思よりも人間の本能に過敏に反応してしまい、戦闘中にサイコミュ兵器が暴発する危険性が露呈して再調整を要している。
アムロが基礎設計を担当したνガンダムにアナハイム側が急遽取り入れた新技術だったが、新型ガンダムに求めていた性能を遺憾なく発揮し、
『逆襲のシャア』におけるアムロとシャアの最終決戦では、サイコフレーム搭載機のササビーと互角の死闘を繰り広げるに至った。

これら本来のスペック上の性能なら、サイコミュの革新的技術で収まっていたが……


特徴


思念との共鳴

最大の特徴は、ニュータイプを始めとした人間の思念と感応波(サイコウェーブ)に共鳴し、
フレームがオーロラのような発光現象を起こすと共に、人智を超えた超常現象を引き起こす事。
サイコミュとサイコフレームの共鳴は、時に未知数の機能が引き出し、それは製造元のアナハイムにも何が起きるか見当もつかない未解明な部分を抱えている。
劇中のオクトバーも懸念して手紙に添えていたものの、アムロは真に受けていなかったが、第二次ネオ・ジオン抗争を通して様々な現象が発生し、結果的に裏付ける形となった。
宇宙世紀では度々人間の強力な思念が機動兵器に作用する現象が見られ、バイオセンサー搭載のΖガンダムΖΖガンダム搭乗したパイロットが極限状態でニュータイプ能力を研ぎ澄ました結果、
戦争の中で死んでいった人々が姿を現し、その力を取り込んで性能を遥かに凌駕するもはやオカルトじみたパワーを発揮していた。

また、サイコフレームは共鳴により人の意志を集積した光に換えて物理的エネルギー「サイコ・フィールド」を形作る。
これは、一部サイコミュ搭載機が起こしたハイパー化やオーラを纏ったバリアフィールドの拡大版で、
一説には「サイコミュによるミノフスキー粒子のコントロール」とも言われ、半壊したリ・ガズィがパイロットの意思に関係なくビーム兵器を弾くバリアを展開した。
人が身に付けているだけでも何らかの影響を与え、試料を持ち歩いていたチェーン・アギは、
発光と共にレズン・シュナイダーが駆るギラ・ドーガの挙動を手に取るように把握し、ラー・カイラムの機銃で撃墜している*1


不可思議な現象

サイコフレームの光は人の心の光とも呼ばれ、生者や死者を問わず思念の流入現象を起こした他、
その光を見たロンド・ベルに非協力的だった地球連邦軍のみならず、アクシズ落としを行ったネオ・ジオン兵までもが、
自機が爆発する事も厭わず、アムロの制止も振り切ってアクシズの落下阻止に協力するなど、
見た者の心に何らかの情動を湧き起こし、アクシズを自分達の機体で押し返そうとする、無謀な行為に地球を救うある種の希望を見出させた。
これを見たシャアも、アクシズや自機を包むサイコフレームの光を「恐怖は感じない」「暖かくて安心を感じる」と表現したが、
一方でこのような暖かな光を生み出す心を持ちながら、地球を顧みない人々の姿勢に強い憤りを示した。
小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』では、地球に住む人々の意思をも光に変えてνガンダムに集積されていき、
この時ベルトーチカ・イルマのお腹に宿っていた赤ちゃんの声を、その子の父親であるアムロに伝えている。
作中の台詞通りの意味なら人間の命をも吸い上げる力を持つが、詳細は不明*2


『機動戦士ガンダムUC』における設定




人の心を、哀しみを感じる心を知るものなら……

ガンダム! 俺に力を貸せ!


機動戦士ガンダムUC』に連なる作品では踏み込んだ解釈が為され、人の意志に感応する金属とも解説されている。
サイコフレームが引き起こす現象について、『機動戦士ガンダムNT』では
  • 「サイコミュは魂から発するエネルギーを物理的な力に変換する」
  • 「ニュータイプは魂のエネルギーを操り、現実に働きかけられる者」
  • 「ニュータイプとサイコフレームの感応が進めば高位の次元(死後の世界)と繋がり、時間さえも操ってしまう」
という、これまで断片的な描写だったニュータイプ、サイコミュ、サイコフレームの関係性がミシェル・ルオの視点で言語化された*3
サイコフレームはニュータイプを媒介としてあの世と繋がり、無限に等しい未知のエネルギーと人智を超えた知識をもたらす、ガンダムシリーズでも屈指のオカルト技術と化した。
『UC』におけるサイコフレームは、『機動戦士ガンダム』から『逆襲のシャア』と比較してもオカルトパワー感が一段と増しており、
『機動戦士ガンダムNT』公開記念の『ゾルタン様の3分でわかる宇宙世紀!』ではおいおい、これ別のアニメじゃないの!?と壮大にツッコまれている。

第二次ネオ・ジオン抗争後、製造設備はアナハイムの月のグラナダ工場で一括管理。
全身のムーバブルフレームをサイコフレームで構成した「フル・サイコフレーム」のMSや、
一説には「設計者がこの世ならざる知識をもって作り上げた」と語られるサイコ・フィールドを操る機動兵器が登場。
搭載機は「人の心を増幅するマシーン」「サイコマシン」とも呼ばれ、パイロットの意志に呼応して限界を超えた機体性能を発揮するが、
サイコミュとの強い繋がりにより負の感情を増幅したパイロットの暴走や、マシーンに呑まれて機体を掌握される危険性を秘めている。
ラプラス事変を経て現代のテクノロジーを超えたスペックが多くの人々の目に留まり、この世に存在してはならない技術として解体・封印措置を受けたが……


特徴

サイコフレームは人間の思念などに反応した際、発光現象を引き起こす。
これは開発元であるアナハイムや、設計に携わったエンジニアでさえ、発光するメカニズムを解明できておらず、
そもそも材質的にはサイコフレームは発光自体するはずがないとされる。

『UC』においては、「NT-D」を搭載したMSのサイコフレームがシステムの発動と共に露出したそれが機体によって異なる色で発光しており、
ユニコーンガンダム1号機2号機バンシィ3号機フェネクスとペルフェクティビリティはナラティブガンダムに発光した。
色の違いによる差異は不明だが、後年の関係者インタビューで赤は通電状態とも語られている*4

この「NT-D」とは、ユニコーン等に搭載された特殊なシステムであり、起動すると機体に掛けられたリミッターが解除され、
同時に機体も(ユニコーンは)「デストロイモード」と呼ばれる形態に「変身」し、一部スライドした装甲の下のサイコフレームが露出。
デストロイモード時は、機体の制御は「インテンション・オートマチック・システム」に移行し、
サイコフレーム(サイコミュ)を通してパイロットのイメージを機体の動きに直接反映させられるようになり、
このシステムもあって、ニュータイプや強化人間ですら反応しきれないほどに常軌を逸した機動力を発揮できる他、
発動したサイコフレームはお互いに引かれ合う性質を持ち、共振によりサイコ・フィールドが発生。
なお、サイコ・フィールドの色はサイコフレームの発光色に準じている模様。
このサイコ・フィールドが起こした不可思議な現象の代表格として、『UC』では『逆襲のシャア』でのアクシズ落下阻止(アクシズ・ショック)が挙げられているが、
これに関するフル・フロンタルの考察によると、地球圏の全人類の無意識に働きかけて小惑星アクシズを押し返すほどの力場を生み出したという。


真のニュータイプとの共鳴

人の意思が集中してオーバーロードを起こしたサイコフレームは虹色に発光し、あの世の扉が開きかけた状態に入り、未知数の機能が解放。
感応波の限界を超えた真のニュータイプによってサイコフレームの力を解放した機動兵器は、人智を超えた性能を発揮する。
パイロットの感情の昂りに応じて、リミッターを解除して限界を超えたビーム兵器の出力を発揮させたり、説明のつかない念動力といった人の意志を集積した未知のエネルギーに変換するという。

小説版『UC』においては、サイコ・フィールドを身に纏ったシナンジュが半壊状態ながら常軌を逸した戦闘力を発揮したり、
バナージ・リンクスがありったけの思念をユニコーンのビームトンファーに注ぎ込み、ハイパービームトンファーとしてそのシナンジュを撃破したりしている。
OVA版『UC』ではさらに常軌を逸した性能を発揮し、共振によって輝いたサイコフレームは硬度の限界を超え、
ユニコーン1号機は非常に堅牢なネオ・ジオングビスト神拳マニピュレーターで抉り取るように破壊したり、
推進装置のないシールドが説明文で「シールド・ファンネル」と呼称される(敵機のセンサーでも「ファンネル」と識別されている)ほど自由自在に飛翔している。


サイコシャード

覚醒したニュータイプと最大共振したサイコフレームが作り出す光の結晶体。
周辺空間にサイコフレームの粒子を散布、力場を展開して空間内に擬似的なサイコ・フィールドを発生する。
サイコシャード発生器ではサイコフレームの力場を利用し、人為的にサイコ・フィールドに限りなく近い現象を再現。
ユニコーンとネオ・ジオングは優れたニュータイプ能力を持つパイロットも相俟って、いずれも作中の科学レベルでは説明のつかない現象を引き起こした
例えば、サイコシャード発生器を展開したネオ・ジオングはパイロットのイメージを具現化させて思念を送ることで、
敵機のビームマグナム、ビームサーベルバルカンといった武装をピンポイントに爆散させた他、
『NT』に登場したⅡネオ・ジオングは、怒りと絶望に憑りつかれたパイロットのゾルタンの意思を受け、
ミノフスキー粒子を掌握した念動力によりヘリウム3を破壊し、一年戦争のコロニー落としをも上回る大災害を引き起こそうとした。

その他、『UC』の最終盤にて、パイロットのバナージと最大共振した結果、全身からサイコシャードが溢れ出たユニコーン1号機は、
手を振り翳しただけで一定範囲に存在する機動兵器の機能停止*5を引き起こしたり、
推進剤が切れているにもかかわらず自由自在に宇宙を駆け、さらに自身が触れた機体も引っ張るように動かすなど、
もはや人間やMSといった枠を超えた、“神”とでも言うべき万物を超越した力を発揮した。
ちなみにこの状態のユニコーン1号機は、「光の結晶体」という呼称が付けられている。

ただし、サイコフレームと最大共振した反動で、パイロットのバナージは自機のサイコフレームに魂を吸われて一体化し、
バナージでもユニコーンガンダムでもない、人間やMSといった次元を超越した高次の領域に足を踏み込んだ「新たな生命体」に至ってしまった。
この状態のユニコーン(バナージ)は近くにいたリディにテレパシーのようなもので語り掛けているが、
リディは「声色はバナージのものだが、以前とは決定的に違っている」「バナージはもう“そこ”にいない」と感じており、
後のモノローグを見るに、実際この時のユニコーン(バナージ)は人間でもMSでもない、「新たな生命体」としての自我を宿していたと推測される。
しかし、「バナージ」に呼びかけ続けるリディと“バンシィ”の声を受けると共に、オードリー・バーンの存在を感じ取ったことで、
バナージは再度人間としての意識を取り戻し、「光の結晶体」となっていた1号機も、バナージが意識を取り戻すと共に元の姿に戻っている。


魂の器

サイコフレームは時に魂や残留思念をも取り込む「器」として機能する。
『NT』で行方を眩ませたフェネクスはテストパイロットを務めていたリタ・ベルナルの肉体が消滅してコクピット内に存在せず、「命ではない意識のようなもの」として宿っている。

死して真のニュータイプに覚醒したリタが駆るフェネクスは青いサイコ・フィールドを纏い、
  • 「光の速度」とも称されるゲッター軌道超高速軌道で宇宙を駆け巡る
  • 補給やメンテナンスを必要としない永久機関を獲得
  • 両腕から放たれる虹色の光波によって武装を分解する
といった具合にサイコシャードと同様の現象を起こした。
原作小説の『不死鳥狩り』では、リタがフェネクスに宿った「“全体”」と称される死後の世界の集合意識の一部と化している。


劇中での動向


機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

U.C.0093。
新生ネオ・ジオンが開発に成功し、ヤクト・ドーガ、サザビーといったニュータイプ専用機に採用。
アムロとの最終決戦に向けてシャアが意図的にアナハイムを通してνガンダムへの搭載を促した。

第二次ネオ・ジオン抗争ではチェーンが試料のT字型サイコフレームを携え、クェス・パラヤを喪い錯乱したハサウェイ・ノアによって命を散らし、機体の爆散と共に激しく発光。
戦闘空間を漂いながら周囲の思念を集積・拡散、アムロの決死の行動とサイコフレームの光に心を揺さぶられた地球連邦軍と新生ネオ・ジオン兵がアクシズの地球落下を阻止すべく機体による押し返しに協力。
アムロの意志に呼応してνガンダムから溢れ出した光がジェガンとギラ・ドーガを退避させ、アクシズを包み込んだ人の心の光は軌道をも逸らし地球を救った。
『UC』では奇跡の現象がアクシズ・ショックとも呼称され、目撃した多くの人々に影響を与えている。
だが、その目撃者達の中に盛大に勘違いしまくった奴がいたせいで後に色々と面倒臭い事が起こってしまうのだが、それはまた別のお話。


機動戦士ガンダムUC

U.C.0096。
第二次ネオ・ジオン抗争後は不可解な現象が多く表向き開発を中止しているが、アナハイムはUC計画に伴って秘密裡に開発を続けており、
この計画によってユニコーンガンダム*6と、その試作機であるシナンジュ・スタインが製造された。
ユニコーンガンダム1号機と2号機はビスト財団、3号機は地球連邦軍の手に渡っている他、
シナンジュ・スタインは新生ネオ・ジオン残党軍の袖付きに(表向き)強奪され、カスタムを施されて同陣営のフラッグシップ機になった。
また、「袖付き」に所属するクシャトリヤも、機体の一部にサイコフレームが取り付けられている他、ユニコーンの改修用として、予備のサイコフレームも生産されている。

このうちユニコーンガンダム1号機は、パイロットのバナージ・リンクスがラプラスの箱を巡る戦いを通してニュータイプ能力を開花させた事で、
従来は紅かったサイコフレームの光が「アクシズ・ショック」で見られた虹色に変化し、機体の限界を超えた膂力を見せた他、
「サイコ・ジャマー」によってパイロットの感応波が遮断された環境下でも、恩人マリーダ・クルスの死を感じたバナージが感情を爆発させた事で、
それまで封じられていた「NT-D」がその感応波に反応・発動し、「サイコ・ジャマー」を打破するなど、カタログスペックを超えた超常的な性能を発揮するように。

小説版の最終決戦ではシナンジュと決着を付けた後、コロニーレーザーが自分達のいる「インダストリアル7」を狙っているという情報を受けたバナージが、
ネェル・アーガマに放出してもらった自機の予備パーツであるサイコフレームや、“バンシィ”に乗るリディの協力も得て、
最大限に意識をユニコーンやバンシィ、それに周囲のサイコフレームと共振させる事で強大なサイコ・フィールドを発生させ、コロニーレーザーを防ぎ切るが、
その奇跡の代償に機体(ユニコーン)に魂を吸われ、機体と一体化した「新たな生命体」へと進化してしまう。
しかし、一時は「バナージはもう“そこ”にいない」と諦めかけるも、彼を生還させるべく呼びかけを続けたリディ・マーセナスの努力もあってか、
バナージは再び「バナージ・リンクス」という人間の肉体を取り戻し、ユニコーン1号機も元の機体へと戻るのであった。

一方のOVA・TVアニメ版の最終決戦では、フロンタルが操るネオ・ジオングによってバナージは刻を見届け、この世の果ての虚無に辿り着く未知の領域に突入。
交戦後にはグリプス2から大切な人を守るため、リディが駆る2号機バンシィと共にサイコ・フィールドを張り、バナージと極限まで共振した1号機が限界を超えて「光の結晶体」へと進化。
発射されたコロニーレーザーからメガラニカを救い、サイコ・フィールドの共鳴によってミネバ・ラオ・ザビの演説を全世界に中継した。


『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』

U.C.0096。
ラプラス事変集結から数ヶ月後が舞台の物語。
ユニコーンシリーズに超常的戦闘能力をもたらした「サイコフレーム」を危険視した地球連邦はアクシズへ調査部隊マスティマを派遣する。
しかし同様にサイコフレームの情報を求めていた施設武装集団バーナムと会敵してしまい……

漫画版独自設定ではあるが、ここでバーナムとサナリィ社がサイコフレームの情報について取引していたという描写があり、後のF90Nタイプ及びF91に活かされたものと思われる。


機動戦士ガンダムNT



まだ人は そのマシーンの力に触れる準備ができていない


U.C.0097。
ラプラス事変終結後、人智を超えた力を発揮したユニコーン1号機は技術的特異点(シンギュラリティ・ワン)と呼称され、
地球連邦とジオン共和国はサイコフレームの解体・封印を定めた禁止条約を締結。
搭載機は監査人立会いの下で各種措置を施されたが、ミネバ管理下の1号機は封印状態で現存している他、
ジオン共和国の大臣モナハン・バハロの影響下にある共和国軍の一派がシナンジュ・スタインとⅡネオ・ジオングを保有している。

フェネクスは実験中の暴走事故により、強化人間のリタの魂を宿し、追跡を全て振り切った末に消息を断つ。
ラプラス事変終結後から再び地球圏に舞い戻り、ルオ商会のミシェル・ルオは義父の夢とリタとの再会を目的にサイコフレームを利用した魂の永久保存・死の克服を画策。
元サイコフレーム試験機・ナラティブと幼なじみのヨナ・バシュタを用いたフェネクス捕獲作戦不死鳥狩りを決行する。

一連の事件でフェネクスは世界の崩壊を招きかねないⅡネオ・ジオングを破壊すべく死後の世界から遣わされた存在と推測され、
不死鳥狩りを見届けたミネバは再度サイコフレームが現在の人間に御しきれるものではなく、世界から封印する決意を固めている。



サイコフレーム…やはり人の手には余る代物か

人はその扉を開いてしまった

これを封じるのが私達の一生の仕事になるのでしょうね…バナージ


機動戦士ガンダムF91

U.C.0123。
劇中では特に語られていないが、ガンダムF91にサイコフレームからスピンアウトした技術であるMCA構造が採用されているとの設定がある。
それだけなら別に『UC』や『NT』の設定とも矛盾はないのだが、サイコフレームそのものも採用されているという情報が一部資料や作品で見られている為、解釈が難しい状態が発生した*7


ガイア・ギア

U.C.200年代?
F91と同じく作中では触れられていないものの、主人公機であるMM・ガイア・ギアαには「サイコフレーム方式のサイコミュが採用されている」と『ホビージャパン』に記載がある。


ガンダム Gのレコンギスタ

R.C.1014。
宇宙世紀から1000年以上の長い時間を経たリギルド・センチュリーでは製造技術が失われている。
サイコフレームが偶然漂着して回収できるまで、ヘルメスの薔薇の設計図にあったフェネクスのデータからG-フェネクスを再現製造する事はできなかった。


関係者の見解


長らくガンダムシリーズの総監督を務めた富野由悠季監督は、2021年のDolby Cinema版『逆襲のシャア』再上映に合わせたアニメイトのインタビューにて、終盤の急展開に関して、
「例えばサイコフレームの扱い方。本当はもっと上手くやらなければいけなかったのに、ああいう形にしかできなかったのは無様だと思っています」
「あれについてはアイディアが未だに出てこないの。今回見た時も、これ以上のものが思い付かなかったから仕方ない」
と語っている。

また『F91』や『ガイア・ギア』といった後年の作品でも「サイコフレーム」に焦点を当てて話を作ることはしなかったが、これは御大自身のニュータイプ論に由来している。
派生作品である『UC』『NT』などではこのニュータイプとサイコフレームが引き起こす超常現象を描いているが、
御大にしてみれば「アクシズ・ショック」というのも「人類の革新の中の枝葉末節その一部に過ぎない。あの能力でニュータイプを描こうとは思っていない」と公言している。
つまり、映画を気持ちよく幕引きするためのドラマツルギーとして使ったのであって、主題としては捉えられないという事だ。

『UC』原作者の福井氏は『F91』を見ていた時の感想として、「アクシズ落としすら防ぐサイコフレームがその後軍事転用されず何もなかった事になっているのが納得できなかった」と語っており、
このアイデアが後の『UC』を始めとした福井氏のガンダム作品に強い影響を与えている。
さらには伝説巨神イデオン』に登場するイデオンやソロシップの構成素材「イデオナイト」とサイコフレームは同種という見解を示しているどうしてそんな物が宇宙世紀に
実際、OVA及びTVアニメ版『UC』ではユニコーンとネオ・ジオングの最終決戦、『NT』では暴走状態のナラティブとⅡネオ・ジオングがイデオンソード発動時と同様の効果音を発するなど、
福井氏のこの見解に沿ってか、演出面でも『イデオン』のそれに寄せている部分が散見される。

ちなみに、宇宙世紀にイデオンの要素が登場する事は初めてではなく、例えば1990年に連載された『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』は、
後の『機動戦士クロスボーン・ガンダム』の作者長谷川裕一氏による、ガンダムシリーズと『イデオン』のクロスオーバー漫画である。
この作品は、アムロとジュドー・アーシタだけでなく、最終盤にはシャアまでもが力を合わせて戦ったり、ミネバがヒロインとして扱われていたり、
『イデオン』とは別作品ながらイデオンと「無限力」が物語の根幹を為しているなど、後の『UC』や『スーパーロボット大戦シリーズ』に通じる部分を先取りしている。


採用機体




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最終更新:2025年04月06日 13:26

*1 パイロットのレズンは撃墜される直前、何らかの力が働いていた事を示唆していた。

*2 『ガンダムNT』のゾルタン・アッカネンは自らの生命力や命をも捧げて膨大なサイコ・フィールドの生成とコントロールに注ぎ込んでいる。

*3 あくまでミシェル個人の主観で、ニュータイプ論は人によって異なる事には注意。

*4 REAL EXPERIENCE MODEL RX-0 ユニコーンガンダム AUTO-TRANS edition 予約開始記念対談より。

*5 『ガンダムNT』による分析ではジェネレーターの時間を戻した分解。

*6 ただし、小説版においては「ガンダム」の部分は『NT-D』発動時のユニコーンの姿が「RX-78-2 ガンダム」を思わせるシルエットになる事からスタッフ等に付けられたあだ名であるとされ、正式名称は「RX-0 ユニコーン」であると説明されている。

*7 『月刊モビルマシーン』ではサナリィが木星船団からサイコフレーム技術を獲得した旨が解説されており、アナハイム社とは別の出自という事で矛盾を一応解消している。