シャア専用ザク

登録日:2023/12/18 Mon 01:40:57
更新日:2025/03/21 Fri 20:56:03
所要時間:約 10 分で読めます





モビルスーツの性能の違いが

戦力の決定的差ではないことを教えてやる



シャア専用ザクとは、『機動戦士ガンダム』に登場する人型機動兵器。




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【緒元】

正式名称:MS-06S シャア専用ザクⅡ
所属:ジオン公国軍
搭乗者:シャア・アズナブル
武装:ザク・マシンガン、ザク・バズーカ、ヒート・ホーク、クラッカー
全長:17.5m
重量:56.2t
出力:976kW
推力:56,500kW
センサー:3,200m


【概要】

『機動戦士ガンダム』のライバルキャラクターである、「赤い彗星」ことシャア・アズナブルが搭乗するモビルスーツ。
シャア専用ザクはそのビジュアルと活躍からシャアの代名詞として扱われ、特徴的な赤いカラーリングは作品内外問わず赤い彗星の象徴とされている。
シャアの搭乗機の中でも飛び抜けた知名度を誇り、ガンダム、量産型ザク(ザクⅡ)と共にファースト、及びガンダムシリーズを牽引する存在。


【シャア専用ザク】

S型という指揮官機に分類される、シャア・アズナブル専用のザクⅡ。
中隊長機の証として付けられた角(ブレード・アンテナ)と、指揮官機に許された自由なカラーリングにより赤とピンクのパーソナルカラーに彩られた独特の機体色が特徴。
シャアはノーマルスーツを着ずに士官服で直接コクピットに乗り込むのを好んだが、これはエースパイロットとしての自信から来るものとされている。
自身は宇宙攻撃軍司令ドズル・ザビ傘下のムサイ級軽巡洋艦ファルメルの指揮官でありながらも、戦闘中は副官のドレンに指揮を任せ、当機を駆りMS隊を率いる。
ゲリラ掃討作戦の帰還中にサイド7で行われている連邦軍のMS開発計画・V作戦の存在を察知、ザクを破壊したMSガンダムを目の当たりにし、アムロ・レイとガンダムへの因縁に繋がっていく。

並外れた高機動と豊富な武装を組み合わせた戦い方が特徴で、肘鉄、シャアキック、左肩のスパイクアーマーを活かしたショルダータックル等、ククルス・ドアンに先んじてMSによる肉弾戦も行い、武装に捉われない柔軟な戦法を用いている。
多少MSを殴りつけようとマニピュレーターが破損する事はなく、その場に応じた戦闘が可能。
しかし、エースパイロットであるシャアの力量をもってしてもガンダムの基本性能の壁を超えられず、ザクマシンガンを複数回直撃させたにもかかわらずルナチタニウム合金を抜いてダメージを与える事は叶わなかった。
当機に搭乗していた時期は、操縦技術は完全に上回っていながら撃破には失敗。
とはいえガンダムをエネルギー、弾切れまで追い込む事は多く、自機の損傷無しで撤退には持ち込んでいる。

GUNDAM EVOLVE』では、『機動戦士Zガンダム』のクワトロ・バジーナが体感したシミュレーションデータとして登場。
言わば過去の自分との対決だが、リック・ディアスに乗っていたにもかかわらず尋常ならざるスピードに翻弄されヒートホーク一本で敗北。
スペック上はリック・ディアスに遠く及ばないと言いつつ、過去の自分に負けた現実に我慢し切れず周囲に当たり散らし実弾を発砲する結果となった。


性能

武装は一般機と変わらないものの、指揮官機であるS型に施された基本性能を上げる改造に加え、スラスター周りの変更により推力が1.3倍上昇。
操作に不慣れな新米兵や一般兵にはじゃじゃ馬で簡単に扱える代物ではないが、エースパイロット達にとっては実力を遺憾なく発揮できる念願の機体。
さらに、パイロットの安全のため組み込まれたリミッターがシャアの要望で解除され、通常の3倍と例えられた尋常ならざる高機動を発揮。
この3倍の理由は特に作中で説明されていないが、その後の映像作品を鑑みるにシャアがフルスピードで加速する事を恐れず、一般兵なら減速や回避を選択する場面でも後年のシナンジュが行ったようにデブリ、隕石といった障害物を足場に利用する等、卓越した技量により成し得た結果とされている。
ルウム戦役では主砲、機銃を避けながら縦横無尽に戦場を駆け戦艦5隻を撃墜。
赤いパーソナルカラーのザクが彗星の如く見えた事から、武勲を讃え「赤い彗星」の異名が付けられた。
なおリソースはあくまで通常のザクと同じであり、そのスピードを実現するためにスラスターに投入される推進剤の量を増やしている模様。結果、制御を誤ると瞬く間に推進剤を使い果たしてしまうという欠点を持つ。

その素早さたるやRX-78-2ガンダムに初めて乗って間もない頃のアムロでは目視で追えず、機体ごと真横に高速で移動し全く追いついていなかった。
当機に搭乗していた頃はアムロがニュータイプや操縦技術の向上途中でガンダムの性能に頼っていた期間であり、のちの超能力者染みた直感は冴え渡っていない。ガンダムを圧倒し致命的な被弾無しという輝かしい活躍もあってシャアの全盛期とも呼ばれている。

装甲に使用される超硬スチール合金は戦闘機や戦車の機関砲程度ではビクともせず、一年戦争開戦当初はMSの性能と共に圧倒的な優位性を誇ったが、地球連邦軍がMSを量産化するとその優位性は儚く崩れ、ガンダムのビームライフルやジムのビームスプレーガンで一撃、頭部バルカン砲で全身穴だらけにされてしまう装甲面の脆さが露呈。
シールドも強度こそ高いものの右肩固定のため運用に難があり、防御よりも格闘戦で使用したり身のこなしで被弾を抑えていた。
一年戦争中盤以降はグフドムゲルググといった高性能MSも増え、シャアも合わせるように次々機体を乗り換えていく。


武装


無印における武装

一般のザクⅡの基本武装と共通している。

詳細は項目参照。
MSの仮想敵とされていた戦車や戦闘機には十分だが、ガンダムの装甲には目立った効果を発揮できず、何発当てても衝撃のみで致命的なダメージは与えられらなかった。
ただガンダムと言えど同じ箇所に複数回当て続ける事で破壊できる可能性はある模様。
シャアはホワイトベースから放たれたミサイルを空中で降下しながら爆風すら利用して撃ち落とすという芸当も見せている。
『THE ORIGIN』では腰にベルト供給式マシンガンが追加装備。

  • ザク・バズーカ
対艦用の無反動砲。
ガンダムシールドを貫通し破壊する程の威力があるが、弾数が少なく長期戦には不向き。
弾速も遅く、MSに直撃させるのは難しい。アムロはガンダムハンマーを射出して貰い、撃たれた弾に直接ぶつけるという方法で防いで見せた。
『THE ORIGIN』では3発装填のマガジンが本体に一つ、右肩のシールドに2つ装備。
一般兵が使用しても戦艦を一撃で落とすだけの威力は無く、シャアは正確に急所を狙う事で実現している。
小説版では詳細に言及されており、うまく船腹にまで到達できても、装甲が分厚いのでここで撃っても通用しない。さらに突進してブリッジを狙い撃ち、続いてメイン・エンジンの磁束帯を狙うことで、バズーカ二弾の二発で撃沈させられる、としている。
しかし敵も当然対空射撃をしているので、腕前以上に「接近しても我慢し、さらに急所を探る」というシャアの精神力あっての仕事であることは間違いないだろう。

  • ヒート・ホーク
刃を赤熱させ対象を溶断する片手
リーチは短いもののガンダムシールドを斬り捨てる威力があり、ビームサーベルとも互角に斬り合っている。投擲する形でも使用。

それぞれ右肩・左肩の固定装備。
シールドは強度こそ高いものの固定式のため運用に難があり、防御よりも格闘戦で使用したり身のこなしで被弾を抑えていた。
スパイクアーマーはショルダータックルに活用している。
他にもガンダム目掛けて放ったシャアキック等、シャアはMS戦に格闘も取り入れている。
スピードを活かしガンダムに格闘戦を仕掛ける事も多いが、外壁を凹ませるも内部には衝撃を与えるに留まった。


他作品における武装

  • クラッカー
分裂式の投擲手榴弾。投擲後に6つの小型爆弾が分散して周囲を爆破する。
ザクのオプション装備だが、扱いが難しいのか使い勝手が悪いのか一部のザクのみが使用し、ゲーム作品では度々シャア専用ザクの武装に含まれている。

  • シュツルム・ファウスト
MS用の使い捨てロケットランチャー。
機動戦士ガンダム MS IGLOO』のルウム戦役で使用。

  • 対艦ライフル
『THE ORIGIN』での追加装備。
撃ち込んだ弾丸が内部で破裂し無数の弾が飛び散るライフル。

  • 胸部バルカン砲
『THE ORIGIN』での内蔵火器。
主にミサイルや戦闘機を撃ち落とすのに使用。


劇中での活躍

一年戦争においてガルマ・ザビ戦死まで約9ヶ月間、シャアの搭乗機として活躍。
ルウム戦役では5隻の戦艦を撃沈した「赤い彗星」シャア・アズナブルの名を連邦軍、ジオン軍問わず轟かせた。

劇中では連邦軍のMS開発を探る中、初めてMS戦を経験したアムロの駆るガンダムの前に現れる。
部下のスレンダーが操縦するザクと連携し優勢に攻めるが、ザクマシンガンでは致命傷とならず、逆にビームライフルの威力を目の当たりにし驚愕する結果に。
何度も宇宙で合間見え、ザクバズーカや肉弾戦を中心に徹底的に接近戦で攻撃を加えるが、堅牢な装甲を抜けず戦う度に部下を喪いながら撤退を繰り返した。
大気圏突入前のホワイトベースを襲撃し、撃沈に失敗しようと地球のジオン勢力圏内に誘導する二段構えで作戦を実行。

地球降下後は地球方面軍司令であり友人のガルマ率いる部隊に入り、共に木馬追撃を開始。
ホワイトベース隊の作戦を察知しながらも仇討ちのためガウ攻撃空母を誘導、結果ガルマは戦死しザビ家への復讐を企てるシャアの思惑通り事は進んだ。

その後、ガルマを守り切れなかった責任を問われ左遷。
キシリア・ザビの手を借りて前線に舞い戻った後は機体を乗り換え、シャア専用ズゴック、シャア専用ゲルググジオングと変遷しつつ再びアムロの駆るガンダムと死闘を繰り広げた。
当機はシャアとは非常に相性の良いMSだったが、性能面で劣るため乗り換えたのか、ガルマ戦死の責任を取り没収されたのかは定かではない。


機動戦士ガンダム(小説版)

「ニュータイプのパイロットでも、ガンダムがサイコミュを搭載しているとは思えんっ!」

こちらでもシャアの最初の愛機として上巻に登場。
しかし地球編を完全カットするなど、上巻の展開が極端に早かったため、シャアはテキサスコロニー戦までこのザクに乗り、ニュータイプに覚醒したアムロのガンダムと戦う羽目になる。
幸い、シャアも何とかニュータイプへと覚醒しつつあったが、アムロの側もパイロットとして訓練を積んでいたこともあり、ニュータイプ能力とパイロット技術でほぼ互角という状況だったため、却って機体性能の差が大きく出てしまう。
アムロが必殺と見たビームライフルを、足一本を持っていかれながらも間一髪回避し、しかもビームの爆発に乗って上昇、バズーカで反撃という、「通常のジャンプの四倍の速度」といわれるほどの猛反撃を繰り広げるも劣勢は挽回できず、
ついには抱き着いたところを指先からの作業用レーザー*1でガンダムのランドセルや顔面を焼くなどの悪あがきを続けるも、そこでビームサーベルを突き刺されて機能停止。
ララァ・スンエルメスが乱入しガンダムと交戦を開始したことで、なんとかシャアは脱出に成功するが、ザクはそのまま放棄された。


機動戦士ガンダム THE ORIGIN


これで歴史が変わる

私に跪け、神よ!

『THE ORIGIN』のシャア主人公化に伴い、めでたく主人公機に昇格。
ザクの量産化と共に黒い三連星の指揮官機と同時期に配備。
武装はMS用マシンガン、胸部バルカン砲、MS用バズーカA2型、MS用対艦ライフルASR-78、ヒート・ホーク。
従来のシャア専用ザクと比較してパーソナルカラーが濃く、武装は増加し右肩にはバズーカの追加弾倉、腰にはマシンガンの給弾用ベルトが装備され、継続戦闘能力が向上。
ルウム会戦とファルメル隊所属後では武装、基本性能は変わらないものの、白い線が入りデザイン面でマイナーチェンジされている。
角と特徴的な赤色はオルテガの気に障り、「あの小洒落た角、人より目立とうという意図がまる見えの赤い色」と貶されている。
シャアの要望で安全装置のリミッターが解除され、シャアを嫌う黒い三連星も認めざるを得ない通常の3倍のスピードを発揮。
初めての全開運転ではあのシャアもGによる苦痛を伴い、コクピット内には常時警告音が鳴り響いていた。
凄まじい機動力を活かして目標に接近し、急所にバズーカや対艦ライフルを撃ち込み即座に脱出する一撃離脱戦法を得意とする。
ルウム戦役では戦艦5隻を撃墜した戦果で赤い彗星の異名を我が物とし、中尉から少佐に昇格。

シャアと兄妹であるセイラ・マスは、ジオン軍の諜報部に所属するタチ・オハラからシャアが赤いMSに乗り「キャスバル・レム・ダイクンは生きている」と聞き、コロニーに立ち寄ったシャア専用ザクを目撃し兄と確信。

その後は概ね正史と同じだが、一度ズゴックに乗り換えた後もオデッサ作戦前夜に再登場。
ガンダムとの決着を着ける為にジブラルタルでスレッガー隊を含むジム部隊を壊滅させて誘き出して決闘を挑む。
激しい戦いの末、友軍機に気を取られた隙に頭部を破壊されて海に落下。
シャアは脱出したが機体はそのまま放棄された。


【類似機】

  • MS-05S シャア専用ザクⅠ
機動戦士ガンダム THE ORIGIN』に登場。
MSの導入によりシャアに配備された赤いカラーリングのザクⅠ
基本的に旧ザクを踏襲しているもののシールドが装備され、『THE ORIGIN』のシャア専用ザクの武装が一部先んじて搭載されている。
ミノフスキー博士逃亡の際にランバ・ラル、黒い三連星と共に出撃。

  • MS-06C シャア専用ザクⅡ(初期型)
ギレンの野望シリーズ』に登場。
開戦からブリティッシュ作戦までの時期に搭乗していたとされる初期型のザクⅡ。
見た目は角無しのシャア専用ザク。
通常機よりも性能は上がっているが、C型特有の鈍重さが足を引っ張っており、シャアが乗っていても無理はきかない。
ゲーム中のムービーにも角無しヘルメットのシャアと共に登場する上、ジオン公国篇でゲームを開始した場合、この機体がシャアの初期搭乗機となる。

  • シャア専用ザクⅡ改
スーパーロボット大戦シリーズ』に「シャア専用ザク」名義で登場する隠し機体。
ザクⅡ改をカスタムしたシャア専用機…と言われているが、レプリカだったり本人が実際に乗ったことがあるS型と認識していたりとよくわからない存在となっている。
実際のところはザクⅡ改のグラフィックを流用しただけで、スパロボシリーズの原作設定の引用にいい加減さが残っていた時代の産物。
運動性と移動力だけはそのまま通常の3倍となっており、並み居る主役ガンダムを押しのけてトップの性能を誇る。なお攻撃面はザクそのままなのでお察し。
もしくは極端に高い性能ではないが資金を投入すれば最後まで使っていける程度の性能になる事も。というか強いMS不足のIMPCACT第一部の貴重な戦力

  • シャア専用高機動型ザクⅡ
機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』に登場。
新規設定で用意されたシャア専用の高機動型ザクⅡ
TVアニメ版では登場しないシャアの存在が告知され、搭乗機は下記のジョニー・ライデン専用ザクと同じ高機動型という事でファンの話題を呼んだ。
特別ビジュアルが描き下ろされるなど気合の入った宣伝がなされたが、実際にはアムロの悪夢である大気圏突入シーンの一台詞だけの登場に留まった*2

機動戦士ガンダムUC』に登場。
シャアの再来と目される袖付きの首領フル・フロンタルの搭乗機。
姿こそサザビーギラ・ドーガに似ているが、製造過程や系譜は限りなくガンダムタイプ・モビルスーツに近い。
デブリ、隕石を足場として通常の3倍の速度で宇宙空間を駆け抜け、ユニコーンガンダムにはシャアキックを使用する等、パイロットと共にシャアの存在が強く意識されている。
一年戦争でシャアが最後に搭乗したジオングを模したMAであるネオ・ジオングにもコアユニットとして搭乗。

  • ジョニー・ライデン専用ザク
『モビルスーツバリエーション(MSV)』に登場。
ジオン公国軍の「真紅の稲妻」ジョニー・ライデンが搭乗するザク。
真紅のカラーリングでシャア専用ザクと間違えた者が存在したらしく、ゲーム作品ではシャアの偽物といった扱いを受ける事もあり、本人も意識している台詞が用意されている。

ガンダムビルドファイターズ』に登場。
高機動型ザクをベースにユウキ・タツヤが改造したガンプラ
カラーリングはシャア専用機を意識し、装甲の増設でよりマッシブな機体に。
『ガンダムビルドファイターズバトローグ』では、後継機のバリスティックザクも登場。
パイロットはシャア(声はTHE ORIGINで本物のシャアを演じた関俊彦)を模したAI、相手はリボンズ&アムロが操るリバーシブルガンダムという、AIによるアムロVSシャアの対決が行われた。


【立体化】

ガンプラを始め新しいプラモデル企画やフィギュアシリーズの発売が決定すると高確率でガンダム、ザクと共にラインナップされている。

その知名度によりガンダムと共に数多くのコラボレーションに選ばれ、特徴的なカラーリングを取り入れた商品が無数に存在する。
名探偵コナン 緋色の弾丸』×『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』公開記念の江戸川コナン(シャア専用ザクIIカラー)&HGシャア専用ザクII(赤井秀一カラー)のセット販売や、SDガンダムクロスシルエットでは赤いハローキティがシャア専用ザクを着た合体形態を取る事もできるプラモデル等。


【ゲームでの活躍】

連邦vsジオン

ガンダム関連の対戦格闘系ゲームの元祖の時点で既に登場済み。
通常のザクⅡと比べて機動性に優れるが耐久値と防御値が低いという独自の癖を持つ。
基本の格闘攻撃はヒートホークだが地上ダッシュ格闘でタックル、空中ダッシュ格闘は跳び蹴りが設定されており、近距離での突発的な行動性で一歩先を行くなど、強化点はそれなりに多い。
ちなみに通常格闘でも連打すると3発目に蹴りがある他、シャア専用ゲルググにも空中ダッシュ格闘に跳び蹴りが設定されている。
地上があるフィールドでシャアザクは跳び蹴り後に華麗な宙返りを決めるのに対し、シャアゲルググは宙返りせずスマートに着地する。

ガンダムvsガンダム

無印時代から参戦。コストは最低の1000。
ザクマシンガンが非常に優秀とはいえ、ビームにかき消される実弾系とクラッカーしか射撃武装がないため射撃戦ではやや頼りない。
しかし特殊格闘に時限強化武装である"通常の三倍"を持ち、発動中は専用エフェクトを身に纏い機動性が著しく向上するため、低コスト機体の中でも屈指の圧力の強さを誇る。
地上横格闘では謎のブレイクダンスを披露する奇抜さがあったが、BD格闘ではしっかりタックルからのシャアキックを決めてくれる。

機動戦士ガンダム Extreme vs.シリーズ

無印時代から出ていたのはゲルググの方で、シャアザクが出たのは三作品目のMAXI_BOOSTから。
機体コストが2000に上昇しており、なんとガンダムに並んだ。
お馴染のシャアキックは前格闘に設定されており、他にも百式サザビーなどとキック仲間は多い。
マシンガンの性能は落ちたものの、"通常の三倍"も重ね掛けする事ができるようになり、"通常の九倍"ともいうべき圧倒的な機動力を発揮するように。その代わり着地すると効果が切れるようになった。
同時に動作中のみシャア専用ズゴックに変化して攻撃を繰り出す「ズゴック乗換え攻撃」という個性的な技も追加され、これによってシャア専用機は一通りプレイアブル扱いとなった…かも。
一見珍妙な攻撃であるが、ズゴック乗換え中はスーパーアーマーが付加されることもあり、咄嗟のパワープレイにはかなり強みを見せるようになった。
しかし作品を重ねEXVS2XBになるとズゴックのコマンドが増え、どっちが本命なんだか分からなくなってきている。
ちなみにEXVS FORCEではコマンド数が減っているため、ほとんどの機体は何かしらのアクションが削除されることになるのだが、シャアザクはよりにもよってズゴック乗換え攻撃が削除されている。
もっとも、同作品において「何故そのコマンドを消した」と言いたくなるのはシャアザクに限らないのだが。

SDガンダムGジェネレーションシリーズ

『シャア専用ザク』が個別登録されている作品や、『ザクⅡにシャアを乗せるとシャアザクになる』作品とでマチマチ。
前者は誰を乗せてもシャアザクとなり、デフォルトで機動性が高めに設定されていたり武装コマンドにシャアキックが個別実装されてたりする。
後者はスペックが据え置きか機動性にバフが付くかでだいぶ異なるため、シャアを乗せる前提で育成をしないと性能が微妙なままだったりする。
ジェネシスではDLCとしてTHE ORIGIN版が存在する。スペックこそ通常のシャアザクと変わらないが、対艦ライフル装備で最大射程に優れる他、
リック・ディアス、ジオング、百式、サザビーとシャアが搭乗した機体への開発ルートを持つ。

GUNDAM EVOLUTION

ザクⅡ(射撃装備)のスキンバリエーションの一つで、シャア専用ザクⅡのものがあった。
スキンをこれに変えたところで性能が毛ほども変わるわけもなく、むしろこのスキンを手に入れるには結構な高額課金を強いられたため多くのプレイヤーから不興を買ってしまった。

スーパーロボット大戦シリーズ

主に隠しユニットとしての登場。
ザク改の見た目を使い回している場合もあるが、実際にシャアが使っていたのは更に旧型のザクなのでこの場合は色だけ真似た架空の専用機。図鑑で公式に説明されていることも。
しかし性能はその辺のザク改より遥かに強い。一種のゲン担ぎだろうか。

ギレンの野望

角が無いC型と、定番のS型が登場する。
系譜のムービーにも出演。ルウム戦役に挑むシャアと、C型が登場する。
シャア専用なだけあって、彼が搭乗すると限界値に補正がかかる。
ザクにシャアを乗せて「改造」することで、増産も可能。
クワトロやキャスバル、シャア(ネオ・ジオン)といった別verも改造に対応しており、図鑑埋めにも優しい機体。

アクシズの脅威にて、シャアザクにスポットが当たるのはギレン率いるジオン公国シナリオ。
他のシナリオでも生産できるが、その頃にはスペック的に厳しい。

シナリオ開始時点では、シャアは赤いザクC型に乗っている。
通常のC型と比べ、3倍の運動性を持つ優秀な機体。
シャアザクでは定番のザク・バズーカを持ち、高い火力を発揮する。
しかし、最初期の機体だけあって無双は難しい。
他のC型専用機が軒並み微妙な中、侮れないスペックを持つ。
序盤はC型で凌ぎ、S型ができ次第乗り換えるといいだろう。
シャア以外が乗っても、僻地防衛ぐらいならできる…かも。

ザクS型を改造することで、シャアザクを作成できる。
運動性は引き上げられているが、さすがにS型の3倍ではない。
移動力も増しており、地形適正も砂漠以外◯と良好。
赤い彗星の異名通り、破竹の勢いで進軍できる。
武装はC型と同様にザク・バズーカ。威力が向上している。
S型専用機でも最高峰の性能を持ち、作って損は無い。…のだが。

S型ザクが生産できる頃は、ジオン公国は指揮官機が不足気味。
特に地上は地形適正の問題で進軍が遅くなり、頭を悩ませる事になる。
そこで、シャアザクを量産。エースにあてがうと一気に解決するのだ。ジョニー・ライデンとか、黒い三連星なんかはめっちゃ嫌がりそうだが…。
見た目とやってる事がだいぶシュールだが、実際優秀なので…。
こうなると、シャアはペンキ職人もとい改造要員として世界を転々とする事になる。
シャアは第二部のグリプス戦役で絶対に裏切るので、前線に回して経験値を与えるよりか、シャアザク生産を手伝うかゼーゴックに乗せて砲撃*3で頑張ってもらおう。

戦士達の軌跡

本作ではルウム戦役時に使用していた角なしバージョンも登場。角ありはシャア編「ルナツー攻略指令」をクリアすることで入手でき、なしは予約特典にもなっているが正規の方法では入手できない*4
シャア搭乗時は一部の性能が微増し、さらにコマンド入力で原作さながらの「飛び蹴り」が発動可能。相手を転倒させることはできないが、優れた攻撃力とスタン時間を持つ。
角の有無に関わらず性能はほぼ同じだが、強いて言えば角ありは旋回速度が微増している。シャア編「ハードコア」では飛び蹴りでボールを蹴散らすというネタのようなミッションがあるが、本作ではユニット同士の衝突判定がないので2機まとめて撃墜することはできない。
また、ザクマシンガンの使用に制限があり、撃墜数以上を発射すると作戦失敗になるルールが設けられている。
その関係上、キャンペーン限定で制作された特別版『角川書店連合企画 特別編』では機体を変更しただけで作戦失敗になってしまう。
メインウェポン2は制限されないため、スキルで弾数を増やしたバズーカを持っていけば容易にクリアできるのは内緒。


【余談】

実際には赤色というよりピンク色に近い色合いの塗装であるが、実際ガンダムマーカーやガンダムカラーでは赤ザクの色名は「シャアピンク」である。

かつて有名な豆知識として「シャアのザクがピンク色なのはピンクの塗料が沢山余っていたから」とまことしやかに語られていたが、
現在では主要スタッフの一人である安彦良和を含む複数人の証言で明確に否定されている。
実際には、ガンダムの腹部やシャアの服と全く同じ赤色を使うと同化して見づらくなってしまうため、色の被りを避ける目的で赤以外が使われたとの事。
加えて安彦氏の証言によると、当時のアニメ制作の厳しい色数制限の中で特別に使用可能になったいくつかの色の中にあの特徴的なピンク色があったため、
「嬉しくなって」早速使ってみたというのが真相である。ちなみに量産型ザクの緑色も『ガンダム』で新たに使えるようになった色だった。

ちなみに、アムロのモデル説がある昭和のエースパイロット岩本徹三も派手なピンク(桜色)の撃墜マークで自機を塗装していた。
で、それが当然高空で目立ったので敵を引き寄せ……もっと撃墜数が伸びたそうな。ええいっ、帝国軍のリアルニュータイプは(ry
上述のエピソードや、ガンダムとの対比カラーリング的な見栄え良さが主因ではあるだろうが、モデルのエピソードを分け合った要素もあったかもしれない。

SDガンダム外伝シリーズでは、シーフザク、レッドザク、ザクスライムSと、いずれもモンスターとして登場している。
ちなみにシーフザクはゴブリンザクの同族で、HPは150と、HP50のゴブリンザクの3倍を誇る。


バンダイの発売した「アルカディア」や「RX-78」(本当にこういう名前のコンピュータである)のガンダムゲームでは容量の都合もあって敵がザクとムサイくらいしか出せない。
その為、強い色違い敵ということで赤いザクが大量に出現。酷い時には敵全員が赤いザクなステージもあったりする。
ちなみに少なくともアルカディアの方は「シャ専用ザク」らしいので、シャアが増殖したわけではなさそうだ。



見せてもらおうか

連邦軍の追記、修正の性能とやらを

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最終更新:2025年03月21日 20:56

*1 小説版のみの装備。シャッターを開けるぐらいの用途に使うもので、射程は短く威力も小さく、ビームライフルのように使う代物ではない。

*2 これに関して監督の安彦良和は「シャアを出しておけばいいでんしょ」という程度のファンサービスであるように明言している。

*3 砲撃では経験値が加算されない。

*4 ただし、サンライズの公式設定においては「角のないシャア専用ザクは存在しない」とのことである。