エグゼブ

登録日:2016/10/02 (日) 17:14:09
更新日:2024/04/09 Tue 08:33:27
所要時間:約 8 分で読めます





※推奨BGM:嵐の勇者(ヒーロー)


勇者特急隊。
それは、正義を愛した父・旭の残した遺産だった。

亡き両親の命日に初めて語られる
勇者特急計画の全貌。

だが、この想像を絶するスケールは何なんだ?

教えてくれ父さん!巨大な悪とは一体…!?


次回、勇者特急マイトガイン!


うごめく巨大な悪の影


正義の力が嵐を呼ぶぜ!!




正義は勝つか?ではお前は正義なのか?

ならば正義が負ける事を教えてやろう。


エグゼブとは、アニメ『勇者特急マイトガイン』の登場人物。

CV:菅原正志


人物


世界的に有名な産業ロボット開発企業「TR社(トレジャーロボテック社)」の社長。
だがその裏では「数多くの軍事用ロボットや武器を開発して利益を得ている」など不穏な噂もあり、その経営体制は謎に包まれている。
黒のショートボブで、前髪を真ん中で分けている。この人の髪型を想像すると分かりやすいかもしれない。
肌は少々焼けており、額には赤いホクロがある。

今作におけるラスボス「ブラックノワール」の傀儡であり、ブラックノワールの世界侵略の野望を実現するために様々な凶悪犯罪を実行した。
その過程でウォルフガング雷張ジョーを脅迫まがいの手口を使って仲間に迎え入れ、前からいた部下のパープルと共に、旋風寺舞人率いる勇者特急隊の抹殺を図る。
なお、舞人が勇者特急隊の隊長である事は早くから気づいており、部下に彼の尾行を命じて勇者特急隊の秘密を探ろうとしていた。

利用価値がなくなったと見なした人物は容赦なく切り捨てる冷酷な性格。
その抹殺方法はかなり残虐で、彼の合図1つでその人物の身体は激しく燃え上がり、骨も残さず灰となってしまう(流石に子供向けアニメで流すには残虐すぎたのか、作中では2回しかその方法は行われなかった)。
身だしなみに気を遣っており、よくヤスリで自分の爪を磨いている。

その正体は、将来を嘱望されていた若手政治家の「ケン・エノモト」
記録では15年前に東南アジアで失踪し行方不明扱いとなっているが、その優れた頭脳をブラックノワールに狙われ、海外を訪れていた際に誘拐されていた。
最初はブラックノワールの仲間になる事を拒んだが、腕ずくで洗脳された事により、「エグゼブ」という別人に作り変えられてしまう。
ちなみにエグゼブとなる前は、犯罪とは無縁そうな冴えない姿をしていた。

エグゼブとなった後はTR社の社長となり、ジョーの父親である宍戸英二博士を脅迫し、最先端のマシン制御システムを開発させる。
これを足がかりにTR社は急成長し業界最大手に君臨するが、その栄光の裏で大量の兵器を製造して犯罪組織などに売りさばいていた。
そして宍戸の口からこの秘密が漏れるのを恐れ、ジョーの前で彼に銃弾を浴びせて殺害する。

その後はブラックノワールの野望を実現するため、期が熟すまで水面下で暗躍していたのだが、ある日その企てを舞人の父親の旭に知られてしまう。
秘密を知った旭が極秘で「勇者特急隊計画」を進めている事を知ると、それが自分たちの脅威となる前に彼を始末しようと考える。
そして3年前に列車の衝突事故に見せかけて、旭と彼の妻だったルリ子の命を奪った。

名前の由来は俳優「榎本健一」から。


劇中の活躍(ネタバレ注意)


第20話『うごめく巨大な悪の影』で顔見せ程度に初登場。
舞人とマイトガインの弱点を知るために、手始めとして部下に彼を尾行させ、秘密を探ろうとする。
だがその侵入は失敗に終わり、部下が舞人たちに自分の正体を明かそうとした瞬間に彼を見限り、舞人たちの目の前で抹殺した。

今度はウォルフガングの部下を人質に取り、彼を脅迫して勇者特急隊のデータを取らせ、彼の技術を見込んで強引に仲間に引き込む。
その後はそのデータを元に「アトラス(轟龍)」の開発を命じ、完成したその機体のパイロットにジョーを指名した。
なお、轟龍の設計図を見せられた時に「ただ、頭のドリルは外してもらおう。私の趣味ではない」と注文をつけており、その指示どおりに頭のドリルは外され轟龍は完成するのだが、他の形態に変形した際のドリルは残ったままとなっていた。
ジョーの力量を計るために彼をマイトガインと戦わせ、その対決に見事勝ったジョーの実力をいたく気に入り、是が非でも彼を仲間にしようとする。
そしてマイトカイザーに敗れて負傷したジョーの前に現れ、轟龍を授ける代わりに仲間になれと取り引きを持ちかけ彼を仲間に迎え入れる。
しかし、ジョーはこちらの思い通りには動いてくれず、グレートマイトガインと協力して小惑星を破壊した後にあっさり離反していった。
後にジョーに宍戸を殺した犯人だとばれてしまい、以降は彼に命を狙われる立場となる。

日本時間の12月25日午前0時に、かねてから計画していた「クリスマスオペレーション」を実行。
テレビ中継を通じて「全世界はブラックノワール様のもの」と宣言し、無数の洗礼ロボットを使って一気に世界各地を制圧した。
残すは日本だけとなり、世界侵略も間近かと思われたが、そこに勇者特急隊が立ちはだかる。
パープルに命じてバトルボンバーガードダイバーを撃破させるが、直後にイノセントウェーブの力で魔のオーラをかき消されてしまい、一気に逆転される。
弱点を見抜かれて後がなくなってしまうと、舞人とジョーに空中要塞に攻め込まれる前に自らも超巨大ロボ・インペリアルに乗って応戦する。

圧倒的なパワーでグレートマイトガインをおもちゃのように弄ぶが、止めを刺そうとした時にジョーが登場。
ジェット機形態となっていた轟龍の特攻を受ける。
咄嗟に剣を振り下ろすも轟龍は半壊状態のまま突っ込みインペリアルの胴体部分を貫かれ、自らもこの機首となっていたドリルに突き刺され、血塗れになってしまう。
この際に自分の要望が完全に通っていなかった事に不満を漏らすように…

だから…ドリルは取れと言ったのだ……

との言葉を遺して、インペリアルの大爆発に巻き込まれて死亡した。
数々の凶悪犯罪を実行したとはいえ、元はと言えばブラックノワールによって強引に人格を歪められ、本来の自分を取り戻すこともなく、操り人形のまま命を終えてしまった犠牲者でもある。

才能ある若手政治家だったことから、ブラックノワールに洗脳さえされていなければ今頃は大物政治家に登りつめ、舞人の味方になっていたかもしれない。


搭乗機


●インペリアル

追いつめられたエグゼブが操る、全高100m以上はある超巨大戦闘ロボで、ブラックノワール軍の切り札的な機体でもある。
武器は巨大な剣と胸部から放つビームで、特にビームはパーフェクトキャノンすら弾き返すほどに威力が高い。


部下・関係者・メカニック


パープル

エグゼブ直属の部下。表の顔は人気ロック歌手。
当初はホイ・コウ・ロウの配下として暗躍し、ある事件を期に彼が率いていたアジアマフィアを瞬く間に乗っ取った。
犯罪を行う自分の姿に酔いしれる危険人物。実はブラックノワールの洗脳を受けた1人でもある。

ウォルフガング

ドイツ人の天才科学者でロボット工学の権威。
その才能に目をつけられ、脅迫される形でエグゼブの部下となった。
洗脳は免れていたため、エグゼブの命令を聞くふりをしながら、彼とブラックノワールを倒すために裏で画策する。
エグゼブは、ウォルフガングの真意を察しながらも、利用価値のある間は生かし続けておくことにしたが、それが仇となる。

雷張ジョー

元正規軍のエースパイロット。通称「エースのジョー」。
轟龍を与えてマイトガインを倒そうとするが思惑通りにいかず、裏切られたうえに命を狙われるようになる。

・シックス

CV:鈴木勝美
舞人の尾行を命じていた部下。ちなみにエグゼブの率いる組織の下級構成員は全員黒服で、帽子とサングラスを着用している。襟の番号から、100人以上存在することがわかるが、全員英語で呼ぶのだろうか?
青戸工場に潜入し、勇者特急隊に関する資料を得ようとしたが、防犯装置に引っ掛かり舞人に取り押さえられてしまう。
そこでうっかり黒幕の名前を口に出そうとしたところ、エグゼブの制裁で火達磨になり灰となってしまった。

・セブン

CV:立木文彦
ウォルフガングを脅迫し、勇者特急隊のデータを収集させようとしていた部下。
取り引きのためにウォルフガングの部下を誘拐していたが、取り引きの後でリーベを取り逃がした責任を問われ、青白い炎を発して死亡する。
死亡した後は、某探偵漫画にて、似たような格好をした人物へと転生した。

・Z(ツェット)のパイロット

CV:石井康嗣
新たに作成された戦闘ロボのパイロットに選ばれた男だが、ブラックノワールの魔のオーラの洗礼を受けた事により、凶暴な性格となり体格もゴツくなった。
エグゼブの事を「ミスター・エグゼブ」などと呼んでいた。
ちなみに彼の着ていた服にプリントされていた顔マークも凶悪な顔つきになっていた。
洗礼を受けたと同時に洗脳され、ブラックノワールの野望達成のためだけに動くようになる。


●Z(ツェット)

ウォルフガングが作成した戦闘ロボ。
初めは全体的にカクカクしたデザインであったが、魔のオーラの洗礼を受けた事でより生物っぽいフォルムとなり、再生能力を持つ不死身のロボットとなる。
不死身というチート性能を誇るため、武器が剣一本しかないにもかかわらず相当手強い。
第43話に登場した機体は青だったが、クリスマスオペレーションで洗礼ロボット部隊の親玉として登場した機体は赤かった。
デザインは『太陽の勇者ファイバード』のドライアスを流用したもの。
通称ゾンビロボ。

●X(イクス)

洗礼ロボット部隊の歩兵ロボット。
第34話に登場したリッケンバッカーが魔のオーラの洗礼を受けて誕生した機体。
ゾンビロボその2。

●Y(イプシロン)

洗礼ロボット部隊の空戦ロボット。
第41話に登場したアトラスMk-Ⅱが魔のオーラの洗礼を受けて誕生した機体。
ゾンビロボその3。



余談


彼の部屋は非常に不思議な造りになっており、中に入ると宙に浮く踏み板でできた一本道の先にデスクと椅子が置かれた宙に浮く床があるというもの。
もしも踏み板を踏み外せば奈落の底へ真っ逆さまに落ちる。なんでこんな危ない場所でデスクワークができるのだろうか…。
更に彼の後ろの壁は巨大な隠し扉になっており、扉を開くとブラックノワールの部屋に繋がっている。
ちなみにブラックノワールの部屋は普通に部屋全面に床がある。

エグゼブの最期の台詞となった「だから…ドリルは取れと言ったのだ…」は、この作品を代表する台詞としてよく取り上げられており、中にはこの台詞を「無茶な注文*1をつけてきたスポンサーに対するメタ発言だったのではないか?」と噂する者もいたりした。
しかし、2013年の監督のツイッターによって「あれはダイアトラス*2の説明書に載っていた注意書きが元ネタで、あの台詞はその場の思いつきで入れた」と明かされたため、これは根も葉もないであったという事で決着した。

ちなみに、最終回でエグゼブは前述のドリルの台詞の他にも、グレートマイトガインを圧倒していた時に「まるで手の中のおもちゃだな。だがこのおもちゃもお払い箱だ」という台詞を言っている。
『マイトガイン』が最終回を迎え、これを機に子供の関心は次回作に向き、現実の街のおもちゃ屋からマイトガイン関連の玩具が徐々に消えていくと考えれば、この台詞もまたメタ発言の一種と言えるのかも知れない。

なお、エグゼブの最期のシーンは、同じサンライズ製作のアニメ『機動戦士Ζガンダム』の登場人物、パプテマス・シロッコ最期のオマージュである。

本人はギャグのひとつもやらない至ってシリアスな悪役なのに、脚本のお遊び要素のせいもあってネタキャラ扱いされがちなところがある。ある意味不憫と言えるかも。

さらに余談だが、本作から約20年後の『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』にて、エグゼブと同じくドリルで貫かれて戦死する者が現れる。ただこちらはパイロットの最期のセリフなどから、エグゼブのオマージュかどうかは定かではない。


ゲーム作品において

スーパーロボット大戦シリーズ』には『V』から参戦。
序盤から登場しており、「ミスターX」として『マイトガイン』の悪役達を集め、「デンジャラスゴールド同盟」を結成させて彼らのスポンサーとなった。
また火星の後継者の支援も行っていた。

本作では存在が許せないレベルでドリルを嫌っている事になっており、随所でドリルにまつわる台詞を聞く事となる。また太陽も嫌いであるらしい。
中断メッセージでも「ドリルを見つけ次第破壊しろ」と言っているため、この作品で『マイトガイン』を知ったプレイヤーにも「ドリル嫌い」を強烈に印象付ける事となった。
「ドリルが…!ドリルが迫ってくる!」*3

終盤ではエンブリヲレナード・テスタロッサと手を組んで時空融合を引き起こし、3つの地球を危機に陥れる。
そして惑星フェルディナで最後の決戦に望むが、舞人達に倒されると例の名台詞を言い残し、インペリアルと運命を共にした。

ちなみに彼の搭乗機であるインペリアルは、エグゼブ部下が乗る量産メカとしても登場。

X』では、ドアクダー軍団(『魔神英雄伝ワタル』)に取り入っており、ドン・ゴロからは味方ながら「異界人でありながら完全な闇の使徒」と評されていた。
また、ドリル嫌いは『天元突破グレンラガン』が参戦していることでより強調され「世界にすら穴を空ける力」と恐れている。

T』では原作終了後だがUNDに密かに救出されており登場。木星に特攻し、ザ・パワーの力でブラックノワールを復活させた。


だから…追記・修正はするなと言ったのだ……


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  • ※土曜夕方17時です。

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最終更新:2024年04月09日 08:33

*1 ドリルは子供受けするから、轟龍の玩具にも是非つけてほしい

*2 轟龍のモデルとなった別作品のロボット

*3 ジョーの攻撃で中破した時の特殊台詞。