ドラゴンボールZ(PS2ゲーム版シリーズ)

登録日:2011/04/09 Sat 21:13:26
更新日:2025/10/12 Sun 21:55:19
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この項目では、PS2で発売された『ドラゴンボール』のゲーム、『ドラゴンボールZ』〜『Z3』について解説する。



概要

2003年にシリーズ第1作が発売され、Sparkingシリーズが発売されるまで3作発売された。
漫画の完全版・アニメのDVDBOX・そしてこのゲームによって現在のリバイバルブームが始まったと言っても過言ではない。

操作は簡単なボタン入力のため超武闘伝シリーズ等と違い、初心者から上級者まで楽しめる内容となっている。
また、ヤムチャや17号など今までの格闘ゲームで使用できなかったキャラも使用可能となり、
2PカラーもZ戦士は各章の服装となっているためファンには嬉しい仕様となっている。
海外ではPS3でHD版も発売された… 出でよ!神龍!そして日本でも発売させたまえ!!

◆ドラゴンボールZ

記念すべき第1作。
格闘ゲームとしては97年に発売されたFINAL BOUTが最終作とされていたため*1
久しぶりにゲーム版制作が発表されたことで多くのファンが歓喜した。
ストーリーモードは人造人間編までだが、サイヤ人やボスクラスの敵しか居ない事も多かった当時のDBゲームを考えると、キャラクター数は多く、17号やヤムチャなどはこのシリーズからプレイアブルとして使用可能になった。
フルCGで再現されたOP「CHA-LA HEAD-CHA-LA」も印象に残る。
ストーリーを再現したCGの寸劇の出来が良く*2、時代が時代だけにまだポリゴンモデルが人形みたいな所もあったが、
今作のように再現度の高い劇を繰り広げるゲームは現在でも数が少ないため、発売から10年以上経つ今でもその部分が高い評価を受けている。
『ドラゴンボール超史集』に掲載されたインタビューによれば、開発中に一度全部のキャラクターモデリングを作り直したという。

余談だが、ドラゴンボールシリーズではTVでの本放送から各種ゲーム作品、リマスター版である改などで、同一のシーンのボイスを幾度となく録音し直しているのだが、
本作はキャスト陣にとっても本当に久しぶりに思い入れのキャラクターを演じる機会になったということもあってか、以降の作品と比べても特に演じ方に気合が入っており、その点でも評価が高い。
中でも作中の寸劇で悟空がフリーザに向かって放った、通称「バカヤローかめはめ波」のシャウトが凄まじく*3
「歴代でも至高のバカヤローかめはめ波」等とも評される事が多い。知らない?PS2かGC買ってプレイしよう。

その反面、格闘ゲーム部分はシステムやバランスがこなれておらず、地味な物であり、高い評価は受けられなかった。
特に必殺技はコンボの締めでしか使用できず、任意で放つことができなかった。
また、必殺技の種類が多いキャラもいれば少ないキャラもいるなど、演出面で露骨に差があるものもあった。
一方、モーションの種類がそこまで多くないため、キャラクターの動作の面で差が出ることは殆どない。

ストーリーモードは2周目からベジータやピッコロ目線でのプレイが可能。
特にベジータが主人公のシナリオで発する「ナッパのことかァァァァァ!!!」は必聴ものである。
......まぁ、原作でナッパを殺したのは他ならぬベジータなんだけど

〇使用可能キャラクター

(バリエーション違い含む)



フリーザは第一形態と最終形態、フルパワーとメカフリーザのみで第二、第三形態はない。
現在のDBゲームでは常識となっている「戦闘中の変身」を初めて取り入れたゲームである*5
セルは何故か復活後の形態がパーフェクトセル(超完全体)ではなく、パワー重視形態*6になっている(顔グラも悟飯に圧倒されて逆上した時のものになっている)。
また、青年トランクスの髪を結んでいない戦闘服を着た姿*7を動かせるのは現時点で本作のみ。

当時からif編はネタ要素が沢山ある。
セルがクリリンを吸収する話は若本氏の演技を含め爆笑ものである

ちなみに唯一GCでも発売された。

ちなみにフリーザの「デスビーム」の名前が初めて使われたゲーム。

◆ドラゴンボールZ2

前作で未収録だった魔人ブウ編の要素を追加。
グラフィックもトゥーンレンダリングによってますます原作のタッチに近づいた。
新規アニメOPムービーと影山ヒロノブ氏の新主題歌「くすぶるHeartに火をつけろ!」も人気。
メインのストーリーモードは「原作再現とIF要素を混ぜ込んだボードゲームのようなマップでコマを進める」という一風変わった物。
意外な台詞を楽しめたりするが*8、前作のようなCGでの寸劇要素はカットされたため、一長一短である。
更に前作でやらなかった魔人ブウ編に重点をおいた為、他のシナリオ再現が少なかったりと、ストーリーモードはPS2版Z3部作では最も薄い内容となった。
ステージは1から9(隠しステージで10がある)まで存在し、ステージ1がサイヤ人編、ステージ2~3がナメック星編、ステージ4が人造人間編、ステージ5~9がブウ編となっている*9。また、ステージ4は「Dr.ゲロを倒せ」→「16号、17号、18号を倒せ」→「セルを倒せ」とコロコロクリア条件が変わるため、非常に長い。

格ゲー部分は、ギミックが大幅に進化した。特に必殺技をコンボを挟まずに任意で放つことができるようになった。
新要素として一部キャラにフュージョンなど合体が可能になったがアイテム装備枠を全て使うためご利用は計画的に。

魔人ブウ編が収録されたことで2Pカラー等が魔人ブウ編仕様のコスチュームになったキャラもいる。


○追加キャラクター(Z2)

  • 孫悟空
    • 界王拳20倍(統一された)
    • 超サイヤ人2
    • 超サイヤ人3
  • ベジータ
  • トランクス
    • 超サイヤ人2
  • ドクター・ゲロ
  • 孫悟飯(青年期)
    • 超サイヤ人
    • 超サイヤ人2
    • 老界王神の潜在能力解放
  • 孫悟天
    • 超サイヤ人
  • トランクス(幼年期)
    • 超サイヤ人
  • ベジット
    • 超ベジット
  • ゴテンクス
    • 超サイヤ人
    • 超サイヤ人3
  • ビーデル
  • 界王神
    • キビト神
  • ダーブラ
    • 魔王の意地
  • 魔人ブウ(善)
  • 魔人ブウ(悪)
    • ゴテンクス吸収
    • 悟飯吸収
    • ベジータ吸収
    • フリーザ吸収
    • セル吸収
    • ヤムチャ&天津飯吸収
  • 魔人ブウ(純粋)
  • ゴタン
  • ヤム飯

前作からザーボンとドドリアと19号がリストラ。セルやフリーザは最終形態のみとなり、超ベジータと超トランクスの形態が消え、何故かトランクスが超サイヤ人2になれる*10
また、原作では空想の産物に終わったゴタンがまさかのプレイアブルで参戦。
後年フュージョンを主題にしたゲームが出るまで、ヤム飯等は今作だけに登場するキャラだった。
なお、細かい仕様だが、青年トランクスは究極技で「バーニングスラッシュ」をセットすると剣を装備するが、セットしないと剣を装備しない。

新要素として一部キャラにフュージョンなど合体が可能になったがアイテム装備枠を全て使うためご利用は計画的に。

魔人ブウ編が収録されたことで2Pカラー等が魔人ブウ編仕様のコスチュームになったキャラもいる。
  • 悟空
    • Z最終回の胴着
  • ベジータ
    • ブウ編のジャケットなしの服
  • クリリン
    • ハゲじゃない
  • 天津飯
    • ブウ編の青い胴着
  • ヤムチャ
    • ブウ編の私服
  • 18号
    • 後期OPのカメハウスのシーン

また隠し要素のフリーザの3Pカラーは鳥山先生の漫画「ネコマジンZ」に登場するフリーザのセルフパロディキャラ「クリーザ」(フリーザの息子)となっている。
更にVジャンプの懸賞でのみ手に入った限定版「ドラゴンボールZ2V」というのもあり、セーブができない代わりに最初から全ての隠し要素が解禁されている。
最大の要素はフリーザの4Pカラーがクウラになっていること(キャラ名も「クウラ」になる)。また、バビディに洗脳されたセルとフリーザも別のコスチュームで使える。


◆ドラゴンボールZ3

前作をベースに一部劇場版やテレビスペシャル、GT、無印のキャラや要素が追加された*11
戦闘システムもさらに進化し、必殺技のぶつけ合いや吹っ飛ばした相手の追い打ち、瞬間移動による背後の取り合いも可能に。
さらにグラフィックがまた綺麗に手直しされている。あまりに出来が良いためか、10年以上経った今でも『ドラゴンボールヒーローズ』でシェーディングやテクスチャに手を加えられながら使用されている。

今作のストーリーモードは悟空、悟飯、ピッコロ、クリリン、ヤムチャ、天津飯といったキャラが舞空術で地球やナメック星を飛び回り、
それぞれの目線でストーリーが構築されるというもの。そのせいで出番の少ないキャラは話が飛び飛びになるが。
会話や寸劇は全て紙芝居形式で進められる。
ストーリーモードでのMAPは鳥山先生監修の設定資料集をベースに作成されている。
また、R1ボタンを押すと気を探知することでイベントが起こる場面を自動で見つけてくれる。

栽培マンには原作でも使用した自爆攻撃があるのだが、ヤムチャに対してのみダメージがカンストし、問答無用で一撃KOになってしまうネタがある。
クリリン「ヤムチャさぁぁーーーん!!」

今作のPVは悟空が今作の新要素を紹介する度にベジータが驚くという漫才のような物になっており、ゲーム中でも隠し要素として見ることが出来る。
また「ドラゴンユニバース」と「ドラゴンアリーナ」モードではキャラクターの育成が可能になった。
スキルカスタマイズと組み合わせれば、自分だけのZ戦士も作れる

隠しキャラとしての出現条件を満たせばベジータ、ウーブブロリーのストーリーも追加される。

簡単に説明すると…
悟空
  • サイヤ人編〜魔人ブウ編まで。
  • 2周目から要素が増え超サイヤ人4も登場。2周目では純粋ブウの代わりにブロリーを倒すとゴジータのルートに行けて、純粋ブウを超元気玉で倒すとウーブとの戦いに進める。

ベジータ
  • サイヤ人編〜魔人ブウ編まで。
  • 珍しくサイヤ人編の敵だった頃が使用可能のためカカロットが倒せる。また、気を察知する技術がないため、このときのみR1を押すとスカウターを起動する。
  • 2周目は追加要素多数。条件を満たして最後まで進めると超サイヤ人4の悟空と戦える。

孫悟飯
  • サイヤ人編とナメック星編は幼年期、人造人間編は少年期、魔人ブウ編は青年期と分かれている。
  • 魔人ブウ編は2周目追加要素多数。

クリリン
  • 1周目はナメック星編で終わるが、2周目は人造人間編でセル(完全体)と戦える。

ピッコロ
  • サイヤ人編〜魔人ブウ編まで。
  • 原作通りで魔人ブウ(悪)戦がラストだが、2周目はif編になる。

天津飯
  • 界王の元にいたナメック星編のみない。
  • 原作同様セル(17号吸収)や魔人ブウ(ゴテンクス吸収)と戦える。

ヤムチャ
  • 天津飯同様ナメック星編がない。
  • 栽培マン、ドクターゲロ、天津飯orベジータ*12と3戦しかないのでネタとしか…。(なお3戦なのはヤムチャ以外はウーブだけ)

ウーブ編
  • 幼い頃のウーブの修行を描いたifストーリー。
  • 条件を満たすと何と超一星龍と戦える。

ブロリー編
  • 2回目の劇場版がベースとなっているが*13、2周目は全てのイベントをこなすことでカカロットを倒せる。
  • ストーリーモードでブロリーが操作できる数少ないゲームのためブロリスト必見。

今作も新規アニメOPムービーと影山ヒロノブ氏の新曲「俺はとことんとまらない!」が制作され、どちらも高評価。

○追加キャラクター(Z3)

  • 孫悟空
    • 超サイヤ人4(今回はGTの子供になった孫悟空が登場しない為、大人の悟空が変身する。)
  • 孫悟空(少年期)
  • ベジータ
    • 超サイヤ人4
  • ゴジータ
    • 超サイヤ人4
  • ウーブ(Z時代)
  • フリーザ
    • 第二形態
    • 第三形態
  • 魔人ブウ(悪)
    • ピッコロ吸収*14
  • クウラ
    • 最終形態
    • メタルクウラ
  • 超一星龍
  • ブロリー*15
    • 伝説の超サイヤ人
  • バーダック

他には栽培マンとセルJrもプレイヤーキャラに昇格し、フリーザとセルの変身前が復活した。
ただしゴタンとヤム飯と言ったフュージョン戦士及びブウのオリジナル形態はリストラとなった。
また、既にリストラされていたザーボンや19号も未登場。
3部作のラストを飾る作品なんだから出してやっても良かっただろうに......新規のグラフィックで作るのが面倒だったのだろうか?

なお隠しパスワードを入力すると隠しコスチューム扱いとして「天使の輪のついた悟空」「戦闘服を着た長髪トランクス*16」「ピッコロ大魔王(ピッコロの4Pカラー)」が使用可能になる。


なお、本シリーズの流れを受け継いだゲームとしてPS3/Xbox360のバーストリミット、PSPの真武道会シリーズ、PS2のインフィニットワールドがある。
またアーケードで展開されていた「データカードダス」や現在稼働中の「ドラゴンボールヒーローズ」も本シリーズがベースになっている。




悟飯「さてと、今日の分の編集は終わった…」)

ピッコロ「なんてこった…バカデカい気を持つやつがこっちに追記・修正をしようとしやがる」)

悟空「強ぇヤツが追記・修正?オラ、ワクワクすっぞ!」)

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最終更新:2025年10月12日 21:55

*1 DBのゲームとしてはこの1作目より前に、2002年にGBCで伝説の超戦士たちという、ブウ編までをほぼ完璧に網羅したカードゲーム風味の物が発売されており、なんと外国でも同時発売されたらしいが、日本での知名度は薄く、リバイバルブームの貢献者としてカウントされることは稀。

*2 べジータの台詞が原作よりであったりと細かい

*3 ただ単にフリーザを罵倒してるだけでなく、請われて助け、さらに見逃したにも拘らず、その行為を裏切って攻撃されたが故に反撃で倒さなくてはならなくなった、悟空の悲哀も混じったなんとも言えない感じの表現がすごい

*4 原作・アニメでは5倍を使うシーンはない

*5 それまでは最初から変身している状態が別枠として出ていた

*6 原作でも見せたが「パワーを気にしすぎてスピードがない」欠陥形態であり、悟飯にあっさりと返り討ちにあっている

*7 セルゲーム時の姿

*8 サイヤ人編のマップで青年トランクスを出し、べジータと戦わせると、悪人である父べジータに対し動揺しながら成敗しようとする等

*9 5は魔人ベジータやダーブラとの戦い、6は善ブウとの戦い、7は悪ブウとの戦い、8は吸収ブウとの戦い、9は純粋ブウとの戦い

*10 原作では2にはなっておらず、『超』にてようやく2になれた

*11 ただし、無印は少年悟空のみ(ピッコロの4Pカラーでピッコロ大魔王のコスチュームが使えるが新キャラではない)、映画はブロリー、クウラ、ゴジータの3体、GTは超サイヤ人4の悟空・ベジータ・ゴジータ、超一星龍の4体のみと少なめ

*12 ゲームオリジナル。通常は天津飯で条件を満たすとベジータになる

*13 そのため、終始「カカロット」しか言わない

*14 原作では道着ありと道着なしの2種類があったが、今作では道着ありの方。因みに近年のゲームでは道着はなしの方が多い

*15 黒髪状態は登場せず、最初から超サイヤ人の状態で登場。因みに2作目の制御装置がないコスチュームはない

*16 原作と異なり剣を背負っているため、人によっては違和感を感じられる