海王類(ONE PIECE)

登録日:2019/11/08 Fri 02:43:18
更新日:2024/01/16 Tue 23:01:25
所要時間:約 6 分で読めます




海王類とは、漫画『ONE PIECE』に登場する生物の種別のこと。

●目次

概要

ONE PIECEの世界における「大型海洋生物」の総称
魚類らしきものから爬虫類らしきものまで含まれているため、恐らくは生物学的な呼称ではない
しかし、後述するように「海王類であること=古代兵器ポセイドンと何らかのかかわりがあること」が示唆されているため、単なる俗称とも断言しづらい。
作中では巨大でも海王類とは呼ばれていない生物も数多く登場しており、どちらかと言えば竜のように細長い体を持っていたり、あるいは現実にはいない生物のような架空の外見をしている物が「海王類」と呼ばれる傾向にある。
ルフィが竜脚類を見て「海王類が陸にいる」と誤認したこともあるので、似たような生物が海にいたら海王類と分類されるだろう。
見た目からは想像もつかないが、超大型ともなると人間と変わらない非常に高度な知性を持っているようで、この世界の本当の歴史ともかかわりの深い存在である様子。
あるいは『風の谷のナウシカ』の「王蟲」みたいな存在なのだろうか。
まさに「海の王」たる種族と言える。

ちなみに勘違いされがちだが、海牛モームなどは海王類ではなく「海獣」。もちろんラブーンたち島クジラもこちらのカテゴリ。
海に住む哺乳類は皆「海獣」として海王類とは区別される旨はSBSで明言されており、他にも海ネコ、海兎、海獅子など、様々な“哺乳類の見た目に魚のようなヒレがついた生物”が存在する。


なお、「単なるデカい怪獣」というそのポジションもあってか、割と噛ませ犬扱いされやすいのだが、基本的にあっさりやられているのは小型~中型海王類に限られており、『凪の帯(カームベルト)』に生息しているような超大型海王類に関しては作中の最強クラスの登場人物でも基本的に手出しできないレベルに強い
現時点で作中の人物が倒しきれた大型の海王類もせいぜい大型船と同等のサイズのものしか倒されておらず、それすらおやつサイズにしか過ぎない超大型に関してはいまだ倒された描写はない。
辛うじて大量の海楼石を所有している海軍が「船の底に海楼石を敷き詰めて海王類の目をごまかす」というやり方でスルー出来ている程度であり、どんな強者でも無対策で超大型海王類の群れに突っ込むような愚行はしていない。
荒くれ者が多い海賊や海中において最強と称される魚人族ですら一部の強者を除けば海王類に襲われるということはすなわち死を意味しており、海における最大の脅威として海王類は君臨している。

魚類との会話が可能な人魚族でも、海王類と会話できる者は(下記の超特殊な人物を除いて)存在しない。
しかし「万物の声が聴ける」と言われた海賊王ロジャーおでん及びその力の片鱗を見せたルフィは、海王類の声をはっきりと知覚した事がある。
また、魚人族はブチ切れると激怒した海王類と同じような目になることがあるが、これが何を示唆しているのかは不明。

寿命も超大型となるとかなり長く、魚人島に登場した個体は先述のロジャーが魚人島周辺の海で海王類の声を聞いた25年前の出来事を「ついこの前ぐらい」と認識していた。


作中に登場した主な海王類

  • 近海の主
名前の通りフーシャ村近海のヌシのような存在の、ウツボに似た小型海王類。小型とは言っても10メートルほどはある。
非常に獰猛で、近づく者は全て食らい尽くす。実際に山賊のヒグマを船ごと捕食してしまった。
記念すべき第一話に登場した海王類であり、シャンクスの左腕を食らった因縁の相手。
つまりは主人公ルフィが麦わら帽子を託されて海賊王を目指して旅立つ遠因ともなった相手である。
かつてはシャンクスの犠牲の元命からがら助け出されるしかなかったこの海王類を鍛え上げた「ゴムゴムの(ピストル)」でノックアウトしたところから、ルフィの冒険の夜明けは始まるのであった。

後の四皇となる男の腕を食らっておきながら、冒険を始めたばかりのルフィに倒される辺り、コイツの強さがどの程度のラインなのかはよく考察対象になる。
まあ防御力については作中の強者でも、頭に舵輪刺さった人とかボロボロのところを鉄の硬度のナイフで刺された巨人とか銃弾は防いだり避けたりするゾロとか一部例外を除いてまともに喰らえば有効打となるので、食われる寸前だったルフィを助けることを優先した結果であろう。

なお、正史には含まれないと思われるが、アニメ版基準のゲーム『とびだせ海賊団!』では同作オリジナルの要素として子供を助けられた近海の主が改心するという特殊な展開を見ることも可能。

  • 凪の帯(カームベルト)の超大型海王類
ルフィですら「ヤバイ」と認識する超危険地帯。数百メートルクラスの海王類がウジャウジャ生息している。
一応刺激さえしなければゴーイングメリー号程度なら小さすぎてむしろ認識外なので攻撃はしてこないようだが。
偉大なる航路(グランドライン)は、この無風地帯にして海王類が棲息する「凪の帯(カームベルト)」という超危険地帯で挟まれているため、基本的に「リヴァース・マウンテン」以外からの入場が不可能。
逆に言えば、この超大型海王類達が存在するからこそ他の四つの海とグランドラインという場所の区切りが成り立っており、作品世界観においてはかなり重要な存在でもある。
例外は、大量の海楼石を船底に敷き詰めることで海王類の認識力を誤魔化せる海軍の軍艦*1と、海王類にも有効な猛毒を持つため接近されない遊蛇に船を引かせている九蛇海賊団ぐらい。
病に冒されたルンバー海賊団は、ここを通ってグランドラインからの脱出を図った。
もっとも、結果の明言こそされていないが、これらの対策をしていなかった以上は……。
余談だがレイリーはここを泳いでアマゾンリリーに辿り着いた。明らかに船より小さい人間故認識されなかったとはいえよく渡れたものである。

  • 島食い
偉大なる航路(グランドライン)の「リトルガーデン」近海に生息していた、小型の島ならば丸飲みにしてしまうほど巨大な金魚
リトルガーデンから出航しようとしたゴーイングメリー号を飲み込まんと襲い掛かって来たが、「ただ真っ直ぐ進め!」と告げたドリー&ブロギーの渾身の「覇国」により胴に大穴を開けられて仕留められた。
なお、コイツの糞はあまりに巨大な上に捕食した島の磁場を含んでいるため、それ自体が一つの島として永久指針(エターナル・ポース)の目的地になっている
何気にウソップの嘘が本当になった事例の一つである。

  • 魚人島周辺の超大型海王類
約束の船「ノア」をルフィが完全に破壊しようとしたその時、しらほしの呼びかけに応じてノアを救い出しに現れた海王類たち。
よく見ると前述の凪の帯で登場した奴らとほぼ同じ外見であり、同一個体か、少なくとも同種族なのではないかと考えられる。
ちなみに上記のカームベルトの個体は麦わらの一味がグランドラインに入ってすぐ、つまりリヴァースマウンテンが存在するレッドラインのすぐ近くに生息していた。一方で魚人島は、ワンピース世界においてちょうど真反対の位置のレッドラインの下に存在している。
仮に同一個体なら、超大型海王類は星を丸々一周往復できる事になる。
どうやらノアを守る事を使命としているようで、ノアを修復できる「あの一族」について言及しながらも、危機が去った魚人島から静かに姿を消していった。

その際、自分たちの声に気づいたルフィを見て、かつて同じく自分たちの声に気づいた男の事を思い出していた。
ちょうどその時の25年前のロジャー海賊団所属時の光月おでんにも登場したが、
この時海王類は彼らの王の誕生を予言し、クジラたちから「もう一人の王」が生まれ二人が会う事を将来的に確信している描写がある。


海王類かどうか不明な大型海洋生物

  • キングブル
ウォーターセブンで人を乗せて働く「ヤガラ」と呼ばれる魚の中でも特に巨大な一種。
作中ではフランキー一家の「ソドムとゴモラ」の2匹が登場している。
元々はフランキー一家が捕まえた海王類に食われていたのを非常食として飼っていたのがいつにか一家の一員になっていた物であり、言い回しからしても海王類とは明らかに区別されている模様。

  • クラーケン
北極に生息している巨大なタコの仲間。ONE PIECE界でも伝説上の生物とされている。
平然と船を握り潰す巨躯を持ち、「人間の敵」「殺戮に飽きる事を知らない悪魔」などとまで形容される。
本編に登場した「スルメ」はルフィ達に敗北して手懐けられている上、ホーディに兄弟を人質に取られていたなど、「ポセイドン以外には従わせることが不可能」とされる海王類としては異質な性質を持つが、「海獣」とも明らかに異なるため正確な分類については不明。

  • 闘魚
200年ほど前からグリーンビット周辺に住み付いている牛のような角を持った金魚。
非常に獰猛で、この周辺の船の往来を邪魔している一因となっている。
また、コリーダコロシアムではコロシアム外に落ちた闘士への罰としてリトル闘魚が飼育されている。


古代兵器「ポセイドン」

何百年かに一度現れる「海王類と会話できる人魚」の呼称。
作中で唯一海王類を従えられる可能性を持つ存在として示唆されており、三大古代兵器の中で初めて明確にその能力が描写された。

作中現在では「しらほし姫」がその能力の持ち主であり、後々に向けた大きな火種となることが予想されている。
またしらほし姫が生誕する10年前、現在時点から25年前の時点で生誕年を詳細に把握してることから海王類はポセイドンに関しては一種の予知能力のようなものを持ち合わせている描写がある。

海王類があまりにあっさりとやられている描写が多いため、「兵器として本当に役に立つの?」などと疑問視する意見も多いが、作中倒されている多くはせいぜい数十mサイズであったり、大きい個体でも単体のケースばかり。
現在作中で最も巨大な人型生物であるサンファン・ウルフですら130メートル程度であることを考えると、数百メートル級の大怪獣を無数に従える能力がどれだけヤバイのかは想像がつくだろう。

また、ONE PIECE世界は、基本全ての物流が海を介して行われていることも忘れてはいけない。
個人で海王類に勝てる実力者がいたとしても、あらゆる船を海王類から守ることは不可能。
その強者を支える物流から根本的に破壊することで間接的に勝利することだって可能なわけである。

更に、超大型海王類ともなれば、四皇の一人が使役した分身がやってみせたような津波をはるかに超える規模のものを幾度も起こし、船や島を沈めることは容易であろう。
「世界中、どんな場所にも、いくらでも、どんな海王類でも送り込める能力」は冗談抜きに「ポセイドン」の名の通り海を支配する能力であると言っても過言ではないだろう。
……否、もはや「古代兵器」の名の通り世界を滅ぼせる能力でもおかしくはない。

なお、「会話するだけ」ならアニメオリジナルエピソードにどんな動物とも話せる「ヒソヒソの実」という悪魔の実が登場しているが、この実が海王類を対象に取れるのかどうかは不明。
また、「従える」という意味ならお玉が動物相手ならほぼ最強の能力を持っているが、こちらも対象に取れるかは不明である。
昔「カゲカゲの実」の能力によって操られるオーズのゾンビに、ゾンビを浄化する塩玉を食わせたが「塩玉が小さすぎて利かない」という事例が確認されており、お玉と海王類の対格差を鑑みるに利かない可能性もある。




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最終更新:2024年01月16日 23:01

*1 ただし接近しすぎると視覚で発見される危険はあり、その場合は海軍本部中将クラスが自力で排除する必要がある。ちなみに無風地帯における軍艦の推進力は不明。