ウルトラマン(PS2)

登録日:2020/12/03 Thu 00:43:47
更新日:2023/12/11 Mon 08:54:59
所要時間:約 10 分で読めます






ウルトラを知る全ての人へ。



『ウルトラマン(PS2)』とは2004年5月20日にバンダイにより発売されたゲーム。開発はKAZe。
区別の為、通称は『KAZeトラマン』とも呼ばれる。



【概要】


ウルトラマン、もといウルトラシリーズのゲーム化はかなりの数が存在。
特によく比較されるのは同じPS系統かつ同時期で『Fighting Evolution(以下FEと表記)』シリーズがある。
それらとこのゲームの最大の違いは『FE』が「光の戦士としてのウルトラマンとその後輩たちと侵略者の戦いを追体験する格闘ゲーム」に対してこちらは「特撮ドラマ番組ウルトラマンを徹底的に再現したシミュレーションゲーム」と言える。

このゲームは兎に角ウルトラマンへの再現性とリスペクトが極めて高い。中でも全体に広がるミニチュア感と着ぐるみ感は素晴らしい。
開発がバンダイではない関係か『FE』シリーズや後の大怪獣バトルなどで使われる3Dモデルをほとんど使用していない。その出来はいい意味で着ぐるみに近く存在感がある。特にネロンガなどの四つん這いになる造形の怪獣は体の揺れ方などでわかりやすい気がする。
動作もその雰囲気を損なわないよう滑らかだがやや鈍重。普通の格闘ゲームなどと比べると爽快感に欠けるかもしれないが、その分ゲームとは異なる一風変わった空気感に。また、建物などの壊れ方も絶妙で、派手な発破と音で崩れる。特に顕著な例は出撃時微妙に左右に揺れるジェットビートルだろう。

勿論造形以外にも小ネタ多数。
のちに詳しく記述するが、ストーリモードでは大半のエピソードに個別の演出が存在する。
これらの要素が集まることで、さながら凄まじくリアルなウルトラマンごっこを体感できる。
操作についても、格闘ゲームと比べるとかなり独特で、どちらかと言えばアクション寄り。
中でも〇ボタンが「つかみ」「ガード」と共有されており、割と誤爆が起きる。

しかしこの投げ技、バリエーションが異様に充実しており、
  • 尻尾をつかんでジャイアントスイング
  • (相手ダウン中に)マウントポジションで殴打
  • (相手突進時)勢いを利用しての巴投げ
  • 四つに組みあう
  • 一本背負い(一部怪獣)
  • 岩石落とし(よろけ中につかむ)
  • 相手を両手で持ち上げそのまま飛翔→叩き落とす(カラータイマーが赤早点滅時)
  • 部位破壊(後述)

一部挙げただけでもこれだけのバリエーションが〇ボタン一つで繰り出せる。
『FE』と違い掴んだ時の相手との位置関係で自動選択されるのできっちり狙わなければ任意の技は出せないものの、いずれもかなり強力。
他のボタンでパンチキックが打てるが、基本的には投げ技を主軸にした方がダメージ効率が良く初代らしいファイトスタイルに自ずとなるように設計されている。そしてその分誤爆が深刻化する。

 勿論投げ打撃だけでなく必殺技も存在。威力が低い順に


と並ぶ。
だがこれも少々問題がある。こちらの行動に応じてゲージが溜まり、ゲージの多さでより強い必殺技がうてるのだが基本的に必殺技使用で消費する以外にゲージを減らす方法が存在しない。
例えば八つ裂き光輪でフィニッシュと思っていると溜まり過ぎてスペシウム光線しか撃てなくなるなんてことも。


【ストーリーモード】

ウルトラマンを操作して各エピソードごとの怪獣退治を追体験するモード。
原作全39話の内、以下の11+4エピソードがピックアップされている。

それぞれのステージは1話から放送順に展開される。各エピソードごとに

①タイトルと登場怪獣の表示(OP前後のあれ)。
②劇中写真と共にナレーション(CV宮林康)が流れ、ストーリー開始~怪獣出現までの説明が入る。
ハヤタがベータカプセルを掲げるカットインからの変身バンク(本編からの流用)が挿入。
④ウルトラマンを操作して怪獣と戦う。
⑤勝利!次のエピソードへ。

という流れで進行する。
さらにステージによっては②と③の間にハヤタを操作してビートル、スーパーガンで怪獣と戦うことができる。
倒すことはできないものの、頑張って当てれば割と敵の体力は減る。
因みにこのスーパーガンのパート、単に撃ってればいいのではなく途中で隙を見て変身する必要がある。
それだけでなくイデ、アラシ達他の隊員が近くで援護してくれており、彼らの近くだと変身できない。
彼らの近くで変身しようとする=△ボタンを押すとキャップかフジ隊員に通信するという行動になる。
怪獣の前で隙だらけになるのでなるだけ距離に注意するように(変身可能時には画面に表示が出るのでそれで判別)あと距離のみで判定するのでどう見ても視認できるとか突っ込まないように

以下各エピソードを列挙。ストーリーなどの内容は基本的に個別項目に任せ、ここではこのゲームの演出について記述していく。ゲーム性故か意外な敵が強敵になっている。


記念すべき第一話。ベムラーが球体化した直後にスペシウム光線を放つことで原作通り球体時にとどめをさせる。
ただし少しでも遅れると体当たりで攻撃されるうえ使用頻度自体も決して高くないとそれなりにシビア。


バルタン1戦目。登場時はきっちりビルを崩しながら巨大化する。返し投げかロックアップ成功で地面にたたきつけると鋏が折れる。原作再現というだけでなく一部攻撃の射程が大幅に短くなるのでかなり有利に戦える。
また白色破壊光線が地上と空中の2パターン存在し、空中にいる時にスペシウム光線を当てれば原作通りそのまま墜落死させられる。


よろけ中につかむことで角を折ることが可能。こちらは特に有利にはならないが。余談だがこいつのような四足の怪獣にキャッチリングを使うとなかなかシュールなことになる。


ネロンガと同じ条件で鋏を折ることができる。またスペシウム光線が通る。


ビートル、スーパーガンパートがある最初のエピソード。八つ裂き光輪でとどめを刺すとなぜか三つに切られる*1


  • 科特隊宇宙へ/宇宙忍者バルタン星人2代目登場
バルタン2戦目。このエピソード以降ウルトラマンの顔がBタイプに。
ハヤタ→変身バンクではなくテレポーテーションで登場。相手の直立中に八つ裂き光輪、スペシウム光線を撃つときっちり防いでくる難敵。
ダウン中や浮いているときなどに当てよう。特に空中にいるときに八つ裂き光輪でとどめを刺せれば完璧と言えるだろう。


スーパーガンパートが存在し、バニラと戦うことに。なおスーパーガンパートの中で今回のみイデ隊員がパートナーのためか、攻撃エフェクトがマルス133のものとなっており、ダメージも多い。
そして変身前にアボラスが登場してバニラと戦う……と思いきや、なんと二体同時に相手をすることになる。
その変更のおかげでこちらが片方を攻撃中もう片方が容赦なくその隙を突いてくる今作屈指の難所と化しているエピソードである。


  • 海底科学基地/深海怪獣グビラ登場
相手の突進攻撃や地中強襲をタイミングよく2回ガードするとドリルの角をたたき折る。
これはかなり弱体化するうえ突進の頻度も高いのでぜひ狙おう。


ビートル、スーパーガンパートが存在。
仰向けマウントからの叩きつけで左の角が、ジャイアントスウィングを7回転以上で尻尾がそれぞれ破壊できる。
残念ながら正面の角は抜けない。


このエピソード以降はウルトラマンの顔がCタイプに。
ピグモンが倒されるのだが、ドラコではなくジェロニモンが倒す。
わざわざドラコのモデルを用意するのは面倒だったのかもしれない。
うつ伏せからマウントをとると頭の羽をむしることができる。


ご存じ最終回。勿論スラッシュ光線以外の各必殺技はそれぞれの演出で無効化してくる。
二代目バルタンと違いダウン中に使ってもすぐ起き上がってガードしてくる。それに加えて怪獣側では珍しくつかみ攻撃を使用。首絞めは勿論、こちらがダウンすると追撃でカラータイマー周りを執拗につかもうとしてくる。
そして、スペシウム光線の使用で強制敗北。
直後無重力弾を撃ち込むミニゲームが挿入され成功するとそのままエンディングになる。
エンディング前の演出もまたゾフィーとの会話パートやナレーションなど細かく作りこんであるため必見である。因みにミスしてもミニゲームからリトライできるので安心。




以下は二周目以降の隠しエピソード。「ウルトラ作戦第一号」「さらばウルトラマン」以外のエピソードとランダムで入れ替わり登場する。

  • 大爆発五秒前/海底原人ラゴン登場
ゼットンと同じくつかみ攻撃を行う珍しい敵で、背後からの首絞めが再現されている。
また、動きが妙に早く前述のつかみ技を食らうとスタン(厳密にはウルトラマンが首をさすり操作不能に。こんなとこまで再現しなくても……)するのもあり二周目屈指の強敵と化している。


ペスターが放火前にウルトラマンが登場するシナリオに書き換えられている。イデ隊員涙目。
放火前なので当然コンビナートが燃えていない。ウルトラ水流涙目。
またこちらの投げ技が特殊なものになっており、正面からだと頭部を掴んで殴りつけ、後ろからだと引き倒すようにダウンさせる。


こいつにもスペシウム光線が通る。アントラーと言い今作のスペシウム光線は本編より強力なのかもしれない。
技の動作が大きめだが、毒ガスはクリーンヒットすると多段ヒットで大ダメージになるので注意。


スプーンで変身しようとするハヤタが再現されている。
さらに他のエピソードでは勝利時「(怪獣名)撃破!」と表示されるのだがこのエピソードのみ「スカイドン爆睡!」と表示される。SFCセブンのギエロン星獣みたいな扱い。
尚二周目はこのエピソードからCタイプになる。





【怪獣大乱闘/怪獣天下】

格闘ゲームでいうところの所謂VSモードとアーケードモード。
それぞれ上記ストーリーモードで戦った怪獣達に加えてピグモンとツインテールを操作できる。ツインテールはともかくピグモンは『FE3』のエースロボットを遥かにしのぐ接待キャラである。
というかピグモンあんな跳躍できたのか……。
怪獣天下は3連戦の勝ち抜き勝負を行なった後に控える最強の敵との戦いになる。



【岩投げ】




【ウルトラ総進撃】

ウルトラマン版アーケードモード。
怪獣天下と異なりこちらは3分間の時間制。この時間制の言い訳のためにジャック兄さん出したんじゃねぇだろうな。
一部アクションが使えない代わりに必殺技ケージが時間経過で溜まる仕様。本編とはまた違った爽快感を味わえる。
ウルトラマンは顔のタイプごとに選べる豪華仕様。当然性能差はないが。



怪獣墓場

キャラクター図鑑的なモードなのだが、宇宙ビートルで怪獣墓場を飛び回り探索しつつ怪獣の詳細を閲覧するというこれまた凝ったシステム。
正直閲覧機能としてはやや手間がかかるものの、本編ではほぼ一瞬しか操作できないビートルで自由に飛んだり、怪獣墓場の独特な雰囲気を再現していたりとかなり面白い。
また、探索を続けるとシーボーズが本モード限定で出現する。ビートルなのになぜかジャックの怪獣たちも墓場にいる。あとモデルが存在するはずのマグラーはいない。



【余談】

  • このゲームのオプションは難易度やサウンドの切り替えなど定番のものに混じって「ゲージ」という項があり、OFFにするとなんと敵怪獣のHPやこちらの必殺技などのゲージが消える。普通のゲームではまず考えられない仕様だが、これを使うことでますます番組チックになるのは言うまでもない。どの必殺技が出るか使うまでわからないのはご愛敬。

  • ゲームソフトを買ったらまずついてくる取扱説明書。だいたいゲームのパッケージイラストがそのまま表紙になっていることが多いが、このゲームでは黒い本革風のプリントに一言科学特捜隊隊員手帳」とさらに右下にバンダイのロゴ、左下に円谷プロとだけ書いてある。なかなかおしゃれなデザインであると同時に愛を感じる。






追記修正はピグモンで怪獣天下をクリアした方にお願いします。

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最終更新:2023年12月11日 08:54

*1 三つに切られるのは二代目の方である

*2 難易度イージー以上でゼットンをウルトラマンで倒す、岩投げモードでベスト5入り、プレイ時間400分以上のいずれか。なおゼットン撃退の場合はタイトル画面に戻った際にそのまま新マンの変身デモが入る。