ジゲン(BORUTO)

登録日:2021/06/13 (日曜日) 23:22:02
更新日:2025/04/21 Mon 19:40:25
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私が君の父親だ

カワキ



ジゲンとは、漫画アニメBORUTO‐ボルト‐』の登場人物。



◆概要

作中で暗躍する謎の組織「」のリーダー。
辮髪が特徴的な修行僧のような出で立ちの男で、その顎にはボルトカワキらと同様に「楔」の印が浮かんでいる。
一見紳士的な物腰だが、酷薄な言動が度々目立つ。


◆性格

表面上は紳士的な人物であり、父親に虐待されていたカワキを引き取り、冒頭の台詞と共に笑顔で迎え入れている。

しかし、その本性は残虐かつ暴力的で無慈悲
大金で買い占めた子供達を実験体として楔の適合実験「洗礼」を行い、大勢の子供達をに追いやっている。
そこから生き延びたカワキに対しても、改造手術を施した上で日々苛烈な戦闘訓練を強いており、自分の目的のための道具としか思っていない。
また、有能であったり忠誠心が強い部下に関しては重宝するが無能な人材には容赦なく、登場早々に『器』脱走事故の要因であったヴィクタ*1を抹殺させている。

ナルト宅に侵入した際には土足で踏み入った事に関して素直に謝罪するなど、何処となく生真面目な一面も。


◆能力

その戦闘力はすさまじく高く、『NARUTO‐ナルト‐』まで含めても上位に入る。
サスケ完成体須佐能乎をただの一蹴りで軽々貫通しナルトとサスケを肉弾戦で圧倒する体術、天手力による瞬間移動での奇襲にも易々と対応する反応速度等、そもそもの基礎能力が極めて高い。
九喇嘛ですら「今勝つのは不可能」「無駄な消耗を避けるために大人しく負けておいた方がいい」とナルトに助言する程。

この他にも、内陣(インナー)の一人デルタがテーブルを蹴り倒した際にはそのテーブルと置かれていた料理を即座に元通り再現する、という念動力のような術を披露していた。


◆使用術

あらゆる忍術を吸収する事ができる刻印。
力を解放する毎に模様が全身に広がり、最終的には頭部が変形して角を形成する。
作中では大玉螺旋丸天照などの強力な忍術吸収無効化してみせた。
吸収能力は自身が縮小化した状態でも使用可能だが、その間は本体のスピードが鈍る欠点もある。
また、吸収できるのはあくまでチャクラ由来の忍術であり、その性質から自然現象としての水やなどは取り込めない。

  • 少名毘古那(スクナヒコナ)
ジゲンの固有術。
自身や非生物の物質のサイズを小さく出来るだけのシンプルなものだが、その変化の速度と可変サイズは、ナノサイズでさえ見切るサスケの写輪眼でも完全に補足するのが困難な程であり、六道仙術に通ずるナルトやサスケでも術の発動の予兆を全く感知出来ない。
術の効果が及ぶ生物はジゲン自身に限られるものの、生物以外であれば忍術だろうと自然界の永遠に燃え盛る炎だろうとあらゆる物質を問答無用で極小化出来る…が、この姿では自身と武器である黒棒の縮小に留まっており、その他の物質に対しては殆ど使用していない。

作中ではこの能力を活用して
  • 自身の肉体を極小化して時空間忍術で空間転移したと見せかけて翻弄する
  • 単純に攻撃を回避する
  • 極小化した黒棒を体術の応酬の中で敵の体表に仕込み元に戻すことによって、相手からすれば体内から突然杭が生えて刺し貫かれたと錯覚するような奇襲をかける*2
など存分に使いこなしている。

  • 黒棒
正式名称は不明。
刺された対象はチャクラを強制的に吸い出される。
上述の通り少名毘古那と組み合わせる事で致命傷を負わせることが出来る他、体表から自由に生やせるため首などへの一撃をガードでき、更には地面から生やして対象を串刺しにする事も可能。
相手に突き刺す杭としても殴り付ける棍棒としても使用でき、非常に汎用性が高い武器となっている。
外道の棒と見た目も効果も酷似しているが、ジゲンは輪廻眼を所持していないので厳密には別物と思われる。

  • 時空間忍術
異空間に繋がる門を発生させ、サスケの輪廻眼と似たような時空間忍術も使う事ができる。
戦闘においてはとっさの回避手段として使った他、時空間忍術が使えない者を異世界に置き去りにするという合理的かつ恐るべき活用方法も披露した。*3


◆作中の活躍

「殻」の悲願達成に必要な「器」の完成を進めており、移送中の飛行船の墜落により「器」が失われたため、その回収を内陣の果心居士に命じる。

その後はしばらくアジトに鎮座していたが、部下のデルタからうずまきボルトにも楔が刻まれている事を聞くと活動を開始。
異空間に拘束していた十尾*4からチャクラをある程度吸収すると、カワキの楔を通して木ノ葉隠れの里のうずまき家に突如として来襲。
カワキを連れ戻そうとするも居合わせたナルトと交戦になり、手っ取り早く片を付けるため彼を異空間へと連れ去ってしまう。
そこへナルトのチャクラを追っていたサスケが駆け付け、「殻」のリーダーと火影・うちはの戦闘が始まる。

周囲への被害もないため全力で戦える二人に対し、同時に相手取って一方的に圧倒するというデタラメな戦闘力を発揮。
二人を追い詰めたものの、ジゲンの方も猛攻によってチャクラの九割以上を消耗してしまい、活動限界を迎えたためトドメを刺そうとする。
しかしサスケには時空間忍術で離脱され、ナルトも消耗した状態では殺せそうもないため巨大な椀の中に一時封印
戦闘による痛みからか、涙を流しながら「殻」のアジトへと撤退した。

不穏な言葉を残して…



何だ……体が痛むのか?ジゲン……
涙を流すとは情けない奴…

それでもこの「大筒木イッシキ」の器か……
出来損ないめ……



アジトへの帰還後は消耗し切った体力の回復に専念していたが、そこに果心居士が任務より久々に戻ってくる。
ジゲンがカワキの楔より出現する場面を見ていた居士は「カワキをいつでも取り戻せる力がありながら、何故「器」の回収任務など命じたのか」とその真意を問いただすが、ジゲンは「そんなにおかしいか?いつでも取りに行ける郵便物を代わりに取りに行かせることが」と逆に問い返す。
更に、事の発端であった「飛行船の墜落事故」はそもそも事故などではなく何者かが意図的に墜落させたものであり、その墜落させた張本人こそ果心居士及びそれに共謀するアマドであると看破していた。

ジゲンはカワキを逃がした事に関しては追及せず、「何故裏切ったのか?」とその動機を知りたがる。
それに対して居士はジゲンの息が荒い事を指摘し、手裏剣を放った上で「ジゲンを殺すために作られた」事を明かし、本格的に離反を開始する。


同時刻、アマドが木ノ葉への亡命のために「殻」の内情をナルト達にリークしており、その中でジゲンの正体について触れられる。
ジゲンとは楔を刻まれ後天的に大筒木一族となった元人間であり、しかしその意思はジゲン本人によるものではなく、体内に巣食う大筒木イッシキによって操作された操り人形であった。

元のジゲンは六道仙人より前の時代を生きるただの修行僧だった。
ある日、ジゲンは不幸にも瀕死のイッシキと出くわしてしまい、脳内に侵入され精神を乗っ取られてしまう
以後その肉体はイッシキが支配し、楔を刻まれ完全なる復活のための「器」として利用される事に。
ところがジゲンの身体は楔に適合しておらず、イッシキとして転生しても数日で死を迎えてしまう。
このため、イッシキの転生に堪えうる新たな「器」を用意する必要が生じ、候補として選び出され楔に適合したのがカワキであった。


ジゲンと果心居士の戦闘は継続して繰り広げられていた。
消耗していると言ってもジゲンの実力は圧倒的で、火遁を中心として攻め立てる居士の攻撃を全て楔で吸い尽くしてしまう。
土遁・黄泉沼で身体を拘束されるも自身の縮小で脱出し、続け様に攻撃を仕掛けるが、この時床には土遁で呪法円が描かれており、居士によって口寄せされる。
「この期に及んで炎だと…?」と呆れながらも楔で取り込もうとするが、何故か吸収できない。
炎の正体は火焔山より口寄せされた自然現象としての炎であり、楔で吸収する事は不可能だったのだ。

それならばと今度は少名毘古那で炎自体を縮小して突破しようとするが、直後にジゲンとしての身体が限界を迎え、縮小の効力が弱まってしまう。
それと同時に火焔山の真火も再度燃え上がり、炎に飲み込まれてしまう。
そうして体内のイッシキごと焼き尽くされ、ジゲンとしては焼死した



◆余談

  • 担当声優の津田健次郎氏は、NARUTOシリーズで山城アオバ(第四次忍界大戦直前に雲隠れにある楽園の孤島にマイト・ガイとともにナルトに同行した人)役で出演している。

  • 本来のジゲンはたまたまイッシキに出くわしてしまったがために利用された完全なる被害者であり、1000年に亘って寄生され続けやりたくもない悪事に荷担させられた挙げ句、最期は業火に焼き尽くされて死ぬという『BORUTO』1…『NARUTO』1と言っても過言でない悲惨な人物である。
    身体のみを利用される存在としては、他にも大蛇丸に不屍転生で乗っ取られた人達とペイン六道が挙げられるが、前者は元の精神を封じた上で大蛇丸が乗っ取っており、後者に関してはそもそも死体である。
    その点、ジゲンは痛みに涙を流すなどジゲン本来の意識が残っている状態で操作されており、イッシキの悪辣さが際立つ。

  • あのナルトとサスケを同時に相手取って圧倒するという最強クラスの強さを発揮したジゲンだが、後発のキャラには能力や戦闘力で結構超されている。
    本体に当たる大筒木イッシキを始めとして、ジゲン以上の能力を盛り込まれた改造人間のエイダにデイモン、白き楔で本来はジゲン以上に強い部下のコード等々、以降は「ジゲン以上の強さ」がある種の指標となって作品のインフレを加速させている。
    一方で反論として、ナルトとサスケを圧倒できたのは戦闘の直前に十尾のチャクラを吸収した事によるバフが大きく、強さの指標にされている平常時のジゲンはあそこまで強くない=然程インフレしていない、とする考察も挙がっている。



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最終更新:2025年04月21日 19:40

*1 アニメではジゲンに対する造反の意志も描かれている

*2 余談だが、カグヤの『共殺の灰骨』と相性が抜群

*3 「対象を異空間に閉じ込める」という戦法自体は『NARUTO』本編でもオビト神威の吸い込み能力で見せていた他、大筒木カグヤもサスケを砂の空間に放り込む事で無力化している。

*4 ナルト達が封じた十尾とは別の個体