ドラゴンクエストⅦ エデンの戦士たち(小説版)

登録日:2012/01/17(火) 12:09:29
更新日:2024/04/12 Fri 00:57:02
所要時間:約 6 分で読めます





ちなみにドラクエのノベライズ版はこれが最後となっており、Ⅷ以降はこうした紙媒体での派生展開を殆ど行わない傾向が続いている。

発売は原作のゲームが発売されてから4年後の2004年。
作者は土門弘幸、絵は鳥居大介。

1 少年、世界を開き
2 英雄、希望を拡げ
3 勇者、楽園に至る


の3巻構成。
ストーリーは

1巻 ウッドパルナ〜キーファ離脱
2巻 ダーマ〜アイラ加入
3巻 現代マーディラス〜ダークパレス

となっている。

元々のゲームのシナリオが非常に長い為、全てを小説化するわけにもいかず、


と、かなり端折られている。しかし、完成度は高い。

名前だけならクレージュプロビナルーメンも登場している。


作者の土門弘幸氏は元々はライトノベル系で、電撃文庫レーベルにおける小説大賞「電撃ゲーム小説大賞(現:電撃小説大賞)」第1回大賞受賞者なのだが、
「始まりの電撃系作家」の座は実質的に金賞の高畑京一郎が手にし(選考委員経験、作品の電子書籍化と新装版発売)、単純な作品総数では他社他ジャンルでも活躍した銀賞の中里融司に上を行かれ…と同期の中では一番影が薄く、初の非電撃文庫作品な本作が結果的に最後の作品となり、2023年現在の消息は不明。
そのため本作は、今となっては貴重な土門氏の作品に触れる機会ともなっている。




口絵は登場人物紹介となっている(登場人物の少ない1巻のみイラストが1枚描かれている)。

1巻
アルス、マリベル、キーファ・グラン、ガボ

2巻
アルス、マリベル、リーサ・グラン、フォズ、ガボ、メルビン

3巻
アルス、マリベル、ガボ、メルビン、アイラ、シャークアイ

地味に巻を跨いで登場するアルス、マリベル、ガボ、メルビンの絵は巻毎に僅かだが違いがある。



文体は、優美で多少複雑な表現も使われており、たまに辞書が必要になるかもしれない。
その一方で、地味に「命を大事に」と指示していたり、2巻の表紙の舞台がダーマ神殿という事で、
背景にどこかで見た事のある方々がステンドグラスとして登場していたり、DQM2のギガクロスブレイクらしきものがあったりと、芸が細かい。



この先、ずっとネタバレの塊
小説版をちゃんと楽しみたい人は読まない事をお勧めします。







■登場人物
瞳に僅かな紫がかかっているという設定。
性格は非常に温和であり、なにかと一人で悩みがち。
最強装備はオチェアーノの剣、最強技はギガスラッシュ
職歴は船乗り→盗賊→海賊→魔法使い→僧侶→賢者→戦士→魔法戦士→勇者

極限まで引っ張っての自然なデレは健在。ウッドパルナからダークパレスまで終始鞭を使う。
最強装備はグリンガムの鞭、最強技はジゴスパーク。
職歴は魔法使い→僧侶→賢者→天地雷鳴士

火炎斬りで炎の巨人を倒したりフォロッドに着いて早々に、
鉄の斧を絡繰兵から強奪したりそこそこフリーダム。でもそれなりに悩みもある。
ゲームのイラストより、主に顎とかが端正になっている。
旅から抜けた後も、アルスの最大のピンチを救う事になる。

ゲームと違い、過去のデス・アミーゴ戦直後から喋れる。一度アルスと仲違いする。
最強装備はオリハルコンの牙、最強技はビッグバン(ハードカバー版ではジゴスパーク)。
職歴はドラゴスライム→サンダーラット→爆弾岩→バーサーカ、
→ゴーレム→プロトキラー→デスマシーン→ゲリュオン→アンドレアル→エビルエスターク→プラチナキング
(ハードカバー版ではエビルエスタークで打ち止め)

神と魔王の時代を知る者として、時々その知識を見せる。また、若いアルスやガボを導く年長者。
ただ、神に仕える聖騎士という事で、職業をパラディンから変更する事が出来ない戒律がある。
そしてエロジジィでもあった。しかも魔王戦直前に。
最強装備は英雄の杖、最強技はアルテマソード。
職歴はパラディン→ゴッドハンド

先祖同様、ゲームのイラストより美しさが上がっている。
プリンセスローブを着る時の挿絵が良い意味でなんかエロい。
最強装備は王者の剣、最強技は剣の舞。
職歴は踊り子→戦士→吟遊詩人→武闘家→バトルマスター→笑わせ師→スーパースター

盲目という設定になっており他人を正確な姿として見る事は出来ないが、魔力で捉える事が出来る。

  • ザジ
シスコン。だが、ゲームと違い旅立つ時にちゃんとネリスに別れを告げている。

  • バーンズ
より悩む父親としての姿が書かれている。

  • リーサ
残念な事に影が薄い。

やはりアホンダラだが、オルゴ・デミーラに商談を持ちかけようとしたりと、行動力が半端ない。

  • シャークアイ
素晴らしいまでの豪快っぷり。そしてイケメン。
アルスとアイラの窮地を救い、アルスと共に炎の山に向かう。

  • ギガミュータント
トカゲ。アルスが子供の頃に餌を与えたらなついた。
アルス達にとっては殆ど何の意味もないが、終始冒険に同行する。だがクライマックスでは……。

  • ボトク
ゲームでは単なる1ステージのボスだが、小説版では魔王の腹心。
マーディラスで姿を見せた後は色々と暗躍し、ダークパレスにて魔王の前座として5人を相手する。

オカマ要素等は一切無く威厳の塊。
初戦は木偶人形言うが最終決戦では言わない。


■この小説特有の設定や展開

  • 呪文は叫ぶのでは無く、集中して放つ。むしろ呪文名を言うのは集中を妨げて逆効果
  • 木こり、フーラル、ブルジオ等、本来ならそこで登場する人物が省かれている事も
  • 移民の町はクレモニアと名付けられ、アルス達もたまに移民をクレモニアに勧誘している。最終的にグレイトファームに発展する
  • フォズ全般の設定が深い
  • カシムが魔法戦士に就いている
  • ガボは元が狼である為人間職には就けず、代わりに魂がどちらかというと魔物寄りな為、モンスター職に就ける
  • 世界一高い塔ではブルジオの代わりにホンダラが同行
  • 綺麗なホンダラ
  • 魔法の絨毯や飛空石は登場していない
  • 大神官ではなくディノがマジャスティスを研究している
  • クリスタルパレスに向かう時も船、同行はアイラとアルスだけ
  • 魔王戦直前でも、まだいくつかの石板は埋まっていない。
  • コスタールのメルビンの一人旅に駆け付けるガボ
  • 砂漠聖風の谷が登場していない関係上、謎の神殿の旅の扉は直接地底ピラミッドや風の塔に繋がっている
  • 精霊を探す旅は三手に分かれる
  • スーパースターは自身の職歴を他人に共有する事が出来る。
    具体的には、他人が職歴が足りなくてある上級職に転職出来ない場合でも、
    スーパースターとなった者が過去にその足りない職歴を経験していれば、その職歴を借りてその他人が上級職へと転職出来る。
    マリベルが天地雷鳴士になったりできたのはこれが原因
  • アルスとアイラが最終的に恋仲



  • アルスがザオリクが反応しないレベルで完全に死んだ時に、キーファが自身の魂と引き換えにメガザルでアルスを復活させる



総合して、DQⅦを楽しめたなら一読の価値はある。
レブレサックとかグリンフレークとかのドロドロは一切出てこないし。









いつも
いつでも
いつまでも


人は、誰かになれる


もちろん、追記・修正者にもなれる

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最終更新:2024年04月12日 00:57