チャンドラー(ウルトラ怪獣)

登録日:2022/12/24 Sat 10:38:58
更新日:2024/02/12 Mon 19:09:35
所要時間:約 7 分で読めます





有翼怪獣 チャンドラーは、ウルトラシリーズに登場する怪獣である。初登場は『ウルトラマン』。


概要

身長:36m
体重:1万5000t
出身地:多々良島

怪獣無法地帯・多々良島に生息する怪獣の一体。
両腕の翼で空は飛べないものの、風速60メートルの強風を起こせる。
鋭く長い牙や手の爪も武器であり、レッドキングとの戦いではこれらを利用して攻撃していた。


ウルトラマンでの活躍

第8話「怪獣無法地帯」に登場。

科学特捜隊が多々良島へ向かう以前にレッドキングと激突。
既に右腹から右足にかけて出血していたが、強風を巻き起こしてレッドキングをダウンさせる。
そのまま追い詰めるように前進するが、反撃の蹴りを受けてチャンドラーがのけぞったところを、立ち上がったレッドキングが巨岩を投げつけ、間髪入れず肉弾戦に持ち込み、やがてチャンドラーの右腕にかぶりつく。
チャンドラーはそれでも反撃として右腕に噛みつき流血させるが、レッドキングが離れた時にはチャンドラーの右腕は怪力で潰されていた。
弱ったチャンドラーにレッドキングは容赦なく追い打ちをかけ、最後は右腕をもぎ取られたことで戦意喪失してしまう。
チャンドラーは背を向けて逃亡し、ダメ押しと言わんばかりに岩も投げられたことでフェードアウトした。

その後科特隊の前に姿を現すことはなかったが、事件解決後に気象観測員の松井が「恐ろしい怪獣たちも怪奇植物も、皆んなこの人たちが退治してくれた」と言うシーンがあり、画面外でチャンドラーも倒された(もしくはレッドキング戦の傷から立ち直れずに死亡した)と思われる。

一峰大二によるコミカライズ版『ウルトラマン』ではレッドキングとマグラー共々、多々良島から日本本土の市街地に上陸、街中で暴れまわる
家畜や民間人を貪り食うなどの悪行の限りを尽くし、ウルトラマン相手に3対1で攻めるも、最終的には八つ裂き光輪の一撃で3頭まとめて撃破された。


ウルトラマンパワードでの活躍

第3話「怪獣魔境へ飛べ!」に登場。

身長:50m
体重:1万8000t
出身地:南米ギアナ高地

ロストワールドとも言われるギアナ高地に生息する怪獣の一体。
ドキュメンタリー撮影に訪れたテレビ局クルーたちからは「怪獣じゃなくて、有史以前の生命体の生き残り」と言われている が、正直違いはよくわからない
初代マンに登場した個体とはスペックが大きく変化、体色が緑のドラゴンやワイバーンを思わせるかのような外見となった。
造形イメージは「鳥の先祖」「恐竜と鳥の過程」というものらしく、クチバシらしき器官を備える(ただし牙はある)。

テレビ局クルーたちの前でおとなしく生活していたが、そこにレッドキング(雌)が現れ縄張り争いを繰り広げる。
尻尾の一撃で倒れたところを、喉あたりを執拗に蹴りつけられるなどして苦戦するが、
仁王立ちするように大きく腕を広げて威嚇し、レッドキングが自分の喉元に向けて殴りかかってくると待ち構えたようにカウンターのパンチを叩き込み、レッドキングをすぐ横の崖に叩きつけて撃退、初代の個体とは打って変わってレッドキングへの勝利を成し遂げる。
その後は洞穴へ隠れていたテレビ局クルーを襲おうとしていた。

だが再びレッドキングが現れ、二度目の縄張り争い、いやレッドキングにすれば「復讐戦」が始まってしまう。
またも尻尾で殴りつけてくる相手に、尻尾の先に噛み付いて攻撃するも、もう一度放たれた尻尾の攻撃で崖に叩きつけられてダウン。
その後も抵抗していたが、レッドキングは壁に押し付けるように殴り続け、やがてチャンドラーは動かなくなった。
ただ、崖に叩きつけられてから絶命するまでに「この戦いの振動で崖から落ちた撮影班のガイド役が、ピグモンに救助されて気絶から目覚めるまで」の時間が経過しており、生命力はかなりのものだった模様。

なお、初代のリメイクの側面もある本作だが、原作ではウルトラマンと戦う前に激突したアボラスに敗北したことでウルトラマンとの戦いは叶わなかったものの、同作ではアボラスとタッグでパワードと戦ったバニラ
レッドキングの被害者仲間からバルタン星人の配下となりレッドキングへのリベンジを果たしたどころかラスボスであるゼットンの前座にもかかわらずパワードへ重傷を負わせる強さを見せつけたドラコとは扱いが雲泥の差である……
まあ一度はレッドキングを撃退できたから、多少は面目を施せたかもしれない。そのあともっと強い雄が出てくるけど。
また出演さえできなかったマグラー等に比べれば、出番があっただけ不遇ではないという声も。


ウルトラマンデッカーでの活躍



最大の障害はここで取り除かせてもらう……。

行けぇ!!有翼怪獣チャンドラーッ!!

第22話「衰亡のバズド」に登場。

バズド星人アガムスが、自身のアジトを包囲したGUTS-SELECTへ差し向けた個体。
脳には脳波コントロールシステムが埋め込まれており、ペンダント型の制御装置を介してアガムスの脳波によって操られている。
これは、かつてシゲナガ・マキがネオメガスをコントロールした技術を模倣したもの。
また、これまでの個体は見せなかった、口から火炎を吐く能力や、翼で飛行する能力を身につけている。

劇中ではGUTS-SELECTのGUTSグリフォンと交戦するが、最後はグリフォンタロンビームを受けて爆散した。
なお、アガムスはチャンドラーが追い詰められた様子を見て「馬鹿な、チャンドラーが…!」と大いに動揺していた。どんだけ期待してたんだ…
今作でも残念ながらウルトラヒーローとは戦えなかったが、初めて防衛チームと戦ったチャンドラーとなった。


余談

  • 名前の由来は当時のスタッフ知人のインド人のチャンドラ氏と言われている。

  • 初代の着ぐるみは言わずもがな前作ペギラ改造。「怪獣を四体出そう」という発案が出た際に「そんなに作れる予算があるか!」と反対されたのを、「Qの着ぐるみを流用すればできるさ」と返されてこのチャンドラーたちが生まれた。
    これを踏まえてか、2003年にウルトラマンフェスティバル限定で発売されたソフビは一般流通で販売されていたぺギラの首から下の色を変更し、頭部を新造のチャンドラーに差し替えたものが発売されていた。
    大元のペギラのデザインを担当した成田亨氏は、『成田亨画集』においてチャンドラーのデザイン画は描かず口頭で改造の指示を出したとコメントしている。
    • もちろんだが、『パワード』のチャンドラーは新規造形。しかしレッドキング・ピグモン・チャンドラーで予算を使い切った結果、四体目のマグラーが作れなくなったという逸話がある(その埋め合わせとして、金型等をほとんど流用できて安く作れる「レッドキング夫婦」という発想に至った)。予算の大きさというものが改めてうかがえるエピソード。
    • 『デッカー』版のものは近年の作品に登場したペギラの改造であることが辻本監督のツイートで判明している。
      そしてペギラを差し置いて現行サイズでのソフビ化を果たしており、後に『ウルトラマン ニュージェネレーションスターズ』の放送に合わせてペギラもソフビ化を果たしたのだが、ペギラがチャンドラーのリデコ商品という形での発売になった。

  • 着ぐるみの改造元であるペギラとの関係は怪獣図鑑や児童誌などでは独自に見解が出されており、大伴昌司監修の『ウルトラ怪獣入門』では「他人の空似」と記述されている他、『帰ってきたウルトラマン』放送当時の「小学二年生」誌ではペギラはチャンドラーの兄であるとも解説されている。


  • 2003年に発売された食玩「プレイヒーロー ウルトラマン対決セット」ではウルトラマン(Aタイプ)とまさかのチャンドラーのセットが発売された*1*2
    おまけに、箱の裏面には「チャンドラー大あばれ!急げ!ウルトラマン!!」という文まで記載されている。
    ???「お前の運命を変えたくはないか?」


追記・修正はチャンドラーのシリーズでの大活躍を望む方がお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ウルトラマン
  • チャンドラー
  • レッドキング
  • ウルトラマンパワード
  • ウルトラマンデッカー
  • ペギラ
  • 有翼怪獣
  • 不遇
  • レッドキング被害者の会
  • かませ犬
  • 多々良島
  • 初代ウルトラマン
  • 怪獣無法地帯
  • ウルトラ怪獣
  • 他人の空似
  • そっくりさん

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月12日 19:09

*1 対決セットでは原作を無視した組み合わせも存在していて、例としてはウルトラマンVSバニラ、ウルトラマンルーブVSウルトラマンオーブダークといった組み合わせが挙げられる。

*2 ウルトラマンとレッドキングのセットも後に発売されている。