ドラえもん のび太と空の理想郷

登録日:2023/04/03 Mon 16:17:36
更新日:2024/03/29 Fri 14:24:13
所要時間:約 15 分で読めます







冒険は、空へ。

僕らの「らしさ」が世界を救う。


監督:堂山卓見
脚本:古沢良太
主題歌:NiziU『Paradise』

『ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』とは、2023年3月3日に公開された映画ドラえもんシリーズ第42作目の作品でありわさドラ映画としては17作目。


●目次



【概要】

前作のおまけ映像で仄めかされていた(空に浮かぶ白い雲→プロペラ飛行機→飛行船に「2023年公開決定!」)通りドラえもん のび太と雲の王国以来となる空に浮かぶ楽園を舞台とする作品で、内容は完全オリジナル。トマス・モアの『ユートピア』や世界各地に残る伝説が元になっている。


脚本の古沢氏は当初、のび太の家の近所だけで完結し、「この町が素晴らしいと再認識する話」を考えていたらしいが、スタッフからの「やはり冒険へ行ってほしい」との提案で空を舞台にしたという。
ただし、映画本編においてものび太の町が重要な役割を担っており、「それぞれの持つ個性の素晴らしさ、そんなみんながいるから世界は楽しい」という話になっている。
また、わざドラ映画作品ではのび太とゲストキャラの友情をメインとする事が多かったが、今作でゲストキャラと友情を結ぶのはドラえもんの役割になっており、のび太はいつものメンバーとの友情を象徴する役割となった。

映画公開を記念し、かつてのソーラーカー「ソラえもん号」や帆船「キャプテンドラえもん号」に続くラッピング飛行船「飛行船ドラそら号」が企画された。


【ストーリー】

22世紀、北極海。
タイムパトロールの大部隊がとある島を包囲するが、突如島の反応が消失。跡には三日月型のクレーターが残されていた…。

現在、のび太は出木杉から聞いた誰もが幸せになれるというユートピア伝説に憧れていた。
しかし、現実は0点の答案や野球でミスをしてジャイアンに殴られるいつもの日々でしょんぼり。
裏山で落ち込みながら昼寝していると、空から降って来た青い虫にまとわりつかれて目を覚まし、空に出木杉の話に出てきた三日月型の浮遊物体が浮かんでいるのを発見する。

すぐに消えてしまった浮遊物体こそ本物のユートピアと考えたのび太はドラえもんにせがんでいつものメンバーで飛行船型タイムマシン「タイムツェッペリン」でユートピア探しに出発することに。
お天気雨が降る中、ドラえもんのタイム新聞でのび太が見たのと同じような三日月型の物体の目撃情報を頼りに様々な時間を調査していくが、
そう簡単に見つけることは出来ず、結局一日泊まって翌朝帰宅することになってしまう。
のび太がタイムツェッペリンの展望室で落ち込んでいると、慰めに来たドラえもんがついにあの三日月型の浮遊物体を発見する。

タイムツェッペリンで浮遊物体へ向かうが、突如謎の敵からの攻撃を受け、タイムツェッペリンは墜落してしまう。
のび太が次に目を覚ましたのは、あの浮遊物体の中にある施設のひとつだった。
タイムツェッペリンが攻撃された際に目撃したネコ型ロボット・ソーニャから悪者と間違って攻撃してしまったと謝罪された一同。
ソーニャによれば、そこは誰もが住むだけでパーフェクトな人間になれるという空に浮かぶ楽園「パラダピア」だという。

タイムツェッペリンの修理が終わるまでパラダピアで過ごすことになったのび太は、パーフェクト小学生を目指して学園に通い始める。
なかなかパーフェクトに近づけないのび太だったが、一方でしずか、ジャイアン、スネ夫は礼儀正しい性格になっていき、その変化に戸惑いを感じることに。

そしてパラダピアに来て2日目の夜中、トイレに起きたのび太は怪しい人影を目撃する。
パラダピアを作った三賢人を襲ったその人物をソーニャと共に撃退したドラえもんとのび太。
ところが、居住区に戻った二人を出迎えた学級委員のハンナから、悪者は三賢人の方だと言われ…。



【登場人物】


【メインキャラクター】


ご存知ネコ型ロボット。
故障したひみつ道具をリサイクルしていたため、主要な道具がほとんど使用不可能になってしまう。
パラダピアで出会ったソーニャと仲良くなり、彼と共にパトロールを手伝う。


今回の冒険の発端。返って来た0点の答案を四次元ゴミ袋に棄てたためドラえもんに怒られる。
パーフェクト小学生になるためタイムツェッペリンの修理が終わるまでパラダピアの学園に通うことに。
他の三人と違ってなかなかパーフェクトになれずにいたが、一方で変わっていく三人に違和感を感じていく。


お馴染みヒロイン。テストの復習をしようとしていたが、のび太に冒険に連れ出される。
少し頑固な性格と判断されるが、学園では早くもパーフェクト小学生になっていく。


お馴染みガキ大将。
自分で野球に誘っておいてミスしたのび太をボコボコにするも、しずかを誘いに来たのび太に強引に付いていく。
学園で過ごすうちに大人しく礼儀正しい性格に変わっていく。


パラダピアの検査では意地悪な性格と診断される。
ジャイアン同様、学園で過ごすうちに意地悪をしなくなり、なかなか問題が解けないのび太を応援するようになる。


今回は冒頭のみの出番。
トマス・モアの「ユートピア」の話を聞かせてのび太の興味を誘った。


【ゲストキャラクター】


パラダピアを護るパーフェクトネコ型ロボット。ネコ型ロボットではあるが、ドラえもんと違い人間に近い頭身をしている。
悪者と勘違いしたドラえもん達を攻撃してしまい、救出後に謝罪した。

かつてはドジで邪険にされていたが、三賢人に改造してもらったことでパーフェクトになったらしい。
スモールライトや物体浮遊、電撃攻撃の機能がある杖型の道具を使用する。
同じネコ型ロボットのドラえもんと仲良くなり、一緒に人々の悩みを解決したり悪者からパラダピアを護るためにパトロールをする。


パラダピアの学園の学級委員を務める少女。礼儀正しく、のび太たちを受け入れる。
部屋にマリンバを匿っており、秘密を隠しているようだが…。


22世紀の賞金稼ぎで三賢人を襲撃した怪しい女性。
人や物を動物に変身させる銃を使うが、のび太に銃を奪われて逆にテントウムシに変えられてしまう。
ハンナの懇願を受けた二人に元に戻る光線を浴びせてもらうが、テントウムシの羽根を背負ったちびっこの姿になってしまう。
名前の由来は打楽器の「マリンバ」から。


パラダピアを作った三人の天才科学者。三賢人と呼ばれる。
それぞれ担当分野が異なり、科学担当の女性サイ、政治担当の男性ポーリー、文化芸術担当の女性カルチとなっている。
余談だが、カルチ役の村瀬氏は何と男性であるが、女性のカルチを見事に演じている。



【用語】

  • パラダピア
三賢人が作り出した空に浮かぶ楽園。
ここで暮らすだけでパーフェクトな人間になれるという。ただし、ロボットは改造を受けないとダメ。

三日月型の物体の中央に居住ユニットが存在し、昼間はお皿のような浮遊物体に乗った住居や自然区などが分離して浮かび上がり、他の区画への移動は水で出来たトンネルを通っていく。
居住ユニットの下には周囲から生成していると思われる水を溜めた半球状の湖が存在する。
また、パラダピアの人々の健康管理や最適な環境を作り出すための人工太陽「パラダピアン・ライト」が周囲を回っており、快適に過ごすことが出来る。

周囲には浮遊装置を兼ねたバリア発生リングが浮かんでおり、水のような透明なバリアで覆われている。
このバリアにはパラダピアを隠す透明化やレーダー波などを吸収するステルス機能、防御機能、触れた物を瞬時に凍り付かせる機能まで備える。

さらにはタイムワープ機能まで備えており、緊急時には他の時代へタイムワープする上、本体の形状を変形させることで海中などでも活動できる。

夜間にはパラダピアン・ライトを消し、居住ユニットを収納後、宇宙線を取り入れてエネルギーに変換する充電モードになる。


  • バッジ
パラダピアの住人の証である月と太陽をかたどったバッジ。
当初は三日月型の光が灯っているが、パーフェクトに近づくにつれて光が広がっていき太陽に変化する。
のび太達もソーニャから渡され、過ごす内にのび太以外の三人のバッジも光が大きくなっていく。


  • クリオネラ
パラダピアの人々の生活をサポートするクリオネ型ロボット。
飛行形態の「クリオネラ飛行機」になることで人を乗せて飛ぶ事も可能で、農場の肥料散布や警備などにも利用されている。



※以下ネタバレが含まれますので、未鑑賞の方はご注意ください。
※ここから先は物語の核心に迫る内容のため、あえて隠しております。鑑賞後か自己責任で開いてお読みください。



【ひみつ道具】




余談

恒例の過去作アイテムはパピのロケット。また、タイム新聞に22世紀でピリカ星との交流が本格化した記事が掲載されている他、新恐竜に関する記事やパオパオダンスの広告がさりげなく載っている。

わさドラ映画では恒例のエンドロール後の予告映像は指揮者姿のドラえもんがロボッターで人形達をロボット化し、楽器を演奏させようとするが犬型の人形だけいびきをかいており、ドラえもんが鼻提灯を割るとドラえもんの指揮でオーケストラの演奏が始まるというもので、後に次回作は「ドラえもん のび太の地球交響楽」と発表された。

レイ博士の声を演じた中尾隆聖氏は、過去にザ☆ドラえもんズのエル・マタドーラ役、2012年誕生日スペシャル「アリガトデスからの大脱走」のマジメー役を担当している。






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最終更新:2024年03月29日 14:24