設名新(ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー)

登録日:2025/09/07 Sun 00:00:22
更新日:2025/09/07 Sun 02:05:50NEW!
所要時間:約 13 分で読めます





社長は、一週間フィラデルフィアにて開催される「AI国際会議」に出席されます。

代わりに、クオンAIコンツェルン・ナンバー2である私、設名がご案内します。



設名(せつな)(あらた)とは、スーパー戦隊シリーズ第49作『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』の登場人物である。

演:水石亜飛夢


◎概要◎

ブライダンの幹部であるクオンが社長を務める超大手企業「クオンAIコンツェルン」の開発セクション総括を務める社員で、本人曰く会社のナンバー2。

また、とある願いの為、巨神テガソードと契約して銀のテガソードとセンタイリングを授けられたユニバース戦士でもあり、バトルジャパンに変身する。

どうやら彼自身も一端の技術者らしく、会社の重役を任されるだけあってAIや機械工学にはそれなりに精通している模様。

◎人物像◎


勘違いは困る…。私はクオンを超え、この会社のナンバーワンになる!

……その為に、あなた方をここに呼んだのです。


スーツに眼鏡姿が特徴的な、一見すると理知的で冷静沈着な人物だが、その実態はやがてクオンを超え、会社の新たな社長......即ちナンバーワンになることを目論む野心家。
加えて、自身の目的達成のためなら手段を選ばず、罠を張っての騙し討ちは勿論、時には拉致監禁や洗脳といった過激な手段も一切の躊躇もなしに実行する強欲さも持っている。

普段の落ち着いた態度も全て表向きのものでしかなく、内心では自分以外のあらゆる人物を見下し、踏み台や捨て駒としか思っていない強烈な傲慢さも備えており、特にAI等機械的な存在が人間的な感情や肩書を有し、独立することが我慢ならず、彼らを自分の支配下に置くためならば罵詈雑言を浴びせたり、大切な物を目の前で台無しにする等の狼藉を働く等、最早本来の敵役であるブライダンの所業が可愛く見えるレベルの悪行も繰り返す。

"市井の一般人から変身者が無作為に選ばれる"というユニバース戦士の性質上、その全員が必ずしも強い正義感を持っているわけではないが、(レギュラーの悪役であるファイヤキャンドルがかなり特殊な経緯で変身したシンケンレッドを除いて)それでも明らかな悪事に走る者は居なかった中で、「悪辣さ」という点で言えば間違いなくナンバーワンと言っても差し支えない、正式にテガソードに選ばれたユニバース戦士の中では初の「明確な悪役」といえる異質なキャラクターである。

◎劇中での動向◎

■第27話「バトルで勝ち取れ!一攫千金!」

ゴジュウジャーが持つセンタイリングを手に入れるべく、熊手真白を除いた5人に対し、当の本人の留守を良いことにクオンの名前を勝手に使って「会社見学」という形でクオンAIコンツェルンのオフィスに招き入れ、後述するジェネボットを始めとした自社製品をひとしきり紹介した後で本性を現して変身。
まだ社内に大勢社員が残っているにも拘わらず彼らを歯牙にもかけずに戦闘を始め、5対1という圧倒的な人数差の前にしてもほぼ互角に立ち回り、更には強化アーマーで自身をキラーバトルジャパンへ強化変身させると、今度は彼らをいとも簡単に一蹴した後、自身の能力「休止」で眠らせて行動不能にしてしまう。

だが、それでも飽き足らないと言わんばかりに、今度はクオンの資料を通じて知ったブライダンの一員であるブーケの身柄を狙い、紆余曲折合あって記憶喪失に陥り、熊手と行動を共にしていた彼女を隙をついて誘拐し、自身の計画に利用しようと画策する。

■第28話「愛に踊る!これが私のthe・AI」



凄い……見たことのないプロンプトで構成されてはいるが、確かにこいつは、AIで生成された生命体だ。

クオンめ……こんな逸材を隠していたとは……こいつがいれば、私はこの会社の……いや、全世界のAI研究者・ナンバーワンだ……!


早速捕らえたブーケを自身の発明品「ウィッシュジェネレーター」で眠らせている間に解析し、その高度な仕組みに感銘を受けるとともに、最早自社だけでなく全世界のAI研究者のナンバーワンになろうと目論むほどに欲望を肥大化させる。
途中同じくウィッシュジェネレーターで眠らせていたゴジュウジャーの内、遠野吠が機械の支配から逃れて目覚めるも、クオンからその性質を知っていたためか最初から織り込み済みだったらしく特に焦った様子も見せず、寧ろ自分を倒して仲間達を解放しようとする吠を迎え撃とうとする。


楽しみにしていろ、クオン……お前が帰ってくる時には、

馬鹿な弟の死体と、最強となった私が出迎えてやる……。


そんな中、吠の他にも、ブーケを取り返しにきた熊手とファイヤキャンドルの3人が合流すると、彼らをまとめて排除すべく、ゴジュウウルフとゴジュウポーラー以外のゴジュウジャーの外見と能力をコピーさせた偽物のロボット戦士・ジェネボットゴジュウジャーを差し向けるが、吠と熊手がその相手になっている間に急行したファイヤキャンドルに自室にまで迫られる。

当然、見たことのないテクノロジーを宿したブーケを返すつもりは毛頭なく、ウィッシュジェネレーターの効果で彼女を洗脳し、同じ仲間故に下手に手出しができないファイヤキャンドルを甚振らせ、その様を見て高笑いする。
そんな戦いの中、ファイヤキャンドルの必死の呼びかけや、懐から落ちた百夜陸王のブロマイドを見せつけられたことで洗脳が揺らぎ始め、ブーケの消えていた自我が蘇り始めると、設名はファイヤキャンドルからブロマイドを取り上げる。


そうだ……その、名前だ。データを調べていて、一つだけ気に入らない所があった……お前の、名前だ!

"慈愛の"ブーケ?……何が慈愛だ。被造物に過ぎないAI生命の分際で、しかも、"アイドルが好き"?

……笑わせるな。


自身の傲慢さに物を言わせた設名は、そのブロマイドをブーケの前で破り捨て、更に文字通り踏み躙るという非道さを見せつけて彼女の全てを否定するが、皮肉にもそれによって呼び起こされた怒りの力でブーケの記憶と自我が復活。
激怒した彼女に殴り飛ばされた挙句、ウィッシュジェネレーターの制御装置である自身のパソコンを破壊されたことで眠らされていたゴジュウジャーも復活してしまう。

理論や理屈を突破したブーケに驚きこそしたが、それでもまだ余裕は失っておらず、ジェネボットゴジュウジャーと共に直々ゴジュウジャーを倒すべく再び変身するが、そのジェネボットゴジュウジャーは全て本物達に倒され、自身もワイルドゴジュウルフとゴジュウポーラーをまとめて相手取るも、本調子を取り戻した彼らの敵ではなく、攻撃を全て無効化され、ワイルドゴジュウウルフのオルカブーステッドノヴァを食らって敗北。
指輪争奪戦から脱落となった。

だが、実は設名はブーケの記憶を基にアイアイザーを生成しており、生身のままそれに乗り込んで戦いを再開する。
それに対し、自分のせいで事を大きくしてしまった事に責任を感じたブーケが、カレンデウスを駆って出陣し、巨大戦に突入する。


くたばれカス共ォ……!

待ちなさい!貴方のような人、陸王様が住む世界に相応しくない!
力を貸して……カレンデウス!


そして、なんとそのまま恒例の応援団パートに入ってしまう。


違います!*1

思い出した、これが私の真の愛!

ブライダンテクニカル隊長、慈愛のブーケ!推しの為なら、何でもできる!


……"推し"だァ?そんな物の何が愛だ!下らない!

下らなくても、自分の気持ちに嘘はつきたくない!


この期に及んでブーケの慈愛を認めない設名だが、そもそも何の改造もされていない量産機と高性能なワンオフ機、巨大なロボット等まともに操ったことのない初心者と乗り慣れた熟練者等、ありとあらゆる分野で負けており、その上怒りに燃えるブーケを制する術などあるわけもなく、その銃裁きに翻弄された上に、乱入したグーデバーンの「俺様鉄拳!ブリザードクラッシャー」とカレンデウスの「慈愛必殺アフェクションダンス」を立て続けに喰らってアイアイザーは大破し、いよいよ自分の戦力の全てを失ってしまう。

だが、この設名新という男はどこまでも往生際が悪かった。
ボロボロの虫の息になりながらも、ブーケから採取したデータを真の切り札にして成り上がりを目論み、自室に戻る設名。
だが……


あ~……そのデータなら消しておいたよ。


そこには、外国へ飛んだ筈のクオンが居た。


人の願いって凄いよね?
でもお前は分不相応に欲張った……ちょっと"餌"を与えてみたら、やっぱり本性を現したね?


全てはクオンが設名の本性を暴くためにお膳立てした舞台であり、設名は最初からクオンの掌の上で踊っていたに過ぎなかったのだ。

最早ナンバーワンへの成り上がりどころか今の地位すら危うくなったことを悟った設名は、それまでの悠然とした態度はどこへやら、ブルブルと震えて頭を垂れ、許しを乞い始めるが、当然自分への翻意を知ったクオンが見逃すわけはなかった。


許して下さい!これからは、社長の忠実な……

お前に罰を下す。消え失せろ。
二度と俺の前に現れるな。

アア……アア……!


その後、設名はどうなってしまったのか……知る者は誰もいない。
たった一人を除いて……。


◎バトルジャパン(ユニバース戦士)◎



では、謝礼として、貴方達の指輪をいただきます。

指輪持ち、やはり罠だったか。

エンゲージ……。


センタイリング!

♪♪♪(ヘイ! ヘイ!) ♪♪♪(ヘイ! ヘイ!)


バトルフィーバー!!


指輪:センタイリング バトルフィーバーJ
契約者:設名新
職業:クオンAIコンツェルン・ナンバー2
願い:クオンを超えた世界のトップAI研究者になりたい
固有能力:休止(スリープ)

設名新が銀のテガソードと「センタイリング バトルフィーバーJ」で変身した姿。
全体的な姿は原典『バトルフィーバーJ』における本来の変身者である伝正夫が変身したものとほぼ同じだが、右手には原典にない銀のテガソードが装着されている他、腰に巻かれたベルトはユニバース戦士共通の「ツメガバックル」になっている。

固有能力は休止(スリープ)
テガソードを起点に紫色のガス状のフィールドを展開し、その中にいる相手を眠らせることができる。
劇中ではユニバース戦士本来の強さで戦うシーンは少なく、基本的には後述するキラーバトルジャパンの姿や、自社製品、設名の発明品を用いての盤外戦術が主だったため、詳しい実力はよく分かっていないが、ゴジュウジャー5人を相手に互角に渡り合えるだけの技量はある模様。

◎キラーバトルジャパン◎



私が開発した強化アーマーです。

搭載されたAIブレインにより、戦闘能力も飛躍的に向上する……!


設名が開発した強化アーマーを装着し、バトルジャパンがパワーアップした姿。
左手首に装着している変身アイテム・バトルシーバーを操作することでアーマーを呼び出す。
シルエットこそ変わっていないものの、アーマーによって黒の面積が増えて機械的なディティールも追加され、両目部分はスリット状のモノアイ型のゴーグルも追加されており、全体的にゴツゴツとしていて厳めしい印象が強い。
武器は左腕に出現させたミサイルポッドと、胸部から展開するビーム砲。
ゴジュウジャーをまとめて相手取って今度は圧倒し、自身の能力を発動する余裕を稼ぐ等、パワーアップは伊達ではないが、流石にワイルドゴジュウルフとゴジュウポーラーというゴジュウジャーサイドの最強タッグには敵わなかった。


◎ジェネボット◎

クオンAIコンツェルンの製品の1つであるAIロボット。
人間の見た目は勿論、知識や動作も完璧にラーニングさせることで、その技量を限りなく忠実に再現する他、そっくりそのまま量産することも可能という万能仕様であり、医療現場等に投入されて既に一定の成果を出し続けている模様。
設名はこのジェネボットを悪用し、自身の能力で捕らえ、眠らせた4人のゴジュウジャーを学習させることで、「ジェネボットゴジュウジャー」というロボット戦士を生み出した。
見た目は本物と殆ど変わらないが、首に白いマフラーを巻き、胸部に会社のエンブレムである赤い×印が描かれている。
劇中では終始テガソードのみを使っていたが、それぞれの固有武器も使用できたのかは不明。

◎ウィッシュジェネレーター◎

設名の開発した洗脳装置。
設名の能力で眠らせた対象の頭に装着して使用し、その人物の夢を自在に操ることが可能。
例えば、その人物にとって最も幸せな夢を見せて幸福感に浸らせることも、逆にその幸福を否定して心を折る悪夢を見せることもできる*2
また、そうして悪夢を見せてできた心の隙間を利用してその人物を洗脳することもできる他、権限を持つ設名の適切な操作も無しに無理矢理外そうとすれば、対象の脳が破壊されてしまう
だが、その効果を発揮するのは何かしら執着心を持つほどの夢や目標がある人物だけであり、吠のような「夢のない」人間を洗脳することができない。




◎余談◎

◆演じる水石氏は『魔進戦隊キラメイジャー』にてキラメイブルー/押切時雨を演じた前歴があり、ユニバース戦士では堤なつめ役の井内悠陽氏、鳥飼翔役の鈴木浩文氏に続く過去の戦隊シリーズ作品のレギュラーを演じたキャストとなった。なお、原典の『バトルフィーバーJ』においてバトルジャパンに変身する際のターンする動きが織り交ぜられているが、東映公式サイト及び水石氏の公式Xによると、
バトルジャパンの変身ポーズがターンだけと非常に簡素な事から、キラメイチェンジの際のポージングや剣士の抜刀を思わせるアクションといったキラメイブルーオマージュのポーズがメインになったとの事*3

◆キラーバトルジャパンの各種装甲は、『機界戦隊ゼンカイジャー』に登場したステイシーザーの一部パーツの流用(頭部は新造)。
元々ステイシーザー自体、バトルジャパンがモチーフとなっている為、ある意味では先祖返りとも言える。
また、強化アーマーを装着する際に使われたアイテムは原典における変身アイテム兼連絡手段の「バトルシーバー」*4
こちらは当時のプロップが流石に現存していなかった為、小道具担当のスタッフの手で新造された。

◆ 水石氏の名前の由来は「亜細亜を飛ぶ夢」からであり、日本の名を冠するヒーローに相応しいと言える。しかし、作中では踊りを駆使して戦うバトルフィーバーJの力を得た戦士でありながら、作中ではクオンの手の上で踊らされたまま終わるという皮肉な役柄となっている。



勘違いは困る…。私は冥殿を超え、このwikiのナンバーワンになる!

……その為に、ここを追記修正するのです。



この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年09月07日 02:05

*1 応援団をシーンごと押しのける

*2 劇中では、陸王:アイドルとして大歓声を浴び恩人である玲からも認められる→その玲に「お前は二度とアイドルにはなれない」と夢を否定される、竜儀:テガソードを膝枕して耳掃除をする→そのテガソードが突然消滅する、角乃:町のお巡りさんとなり妹・緒乙の持ってきた手料理を食べる日常→その緒乙に「ウザい」と拒絶される、禽次郎:今は亡き妻・房子とお互いに若返った姿で再会する→房子から「家族を捨てて自分だけが楽しんでいる」と指摘される……といった風になっている。一つだけ明らかにおかしいものが混ざっているが気にしてはいけない。

*3 その関係なのか、銀のテガソードによる拍手はファイヤキャンドルと同じく、手の甲側で裏拍手する形になる。

*4 前述した通りバトルフィーバーの変身は簡素である関係であまり変身アイテムとしてクローズアップされる事はなく(第24話で汀マリアが新たにミスアメリカに変身した時ぐらい)、連絡手段としての出番の方が多かった。