堤なつめ(ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー)


登録日:2025/02/23 Sun 00:00:06
更新日:2025/04/24 Thu 21:37:32
所要時間:約 6 分で読めます






いや、大切でしょ? “夢”とか“願い”とか……

そういうのがあるから、人は生きていけるんですよ。

で、遠野さんは? 目指してるものとか、夢とか願いとか。



(つつみ)なつめとは、スーパー戦隊シリーズ第49作『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』の登場人物。

演:井内悠陽



◎概要◎

遠野吠が第1話までアルバイトしていたコンビニ「フィフティーマート」で同じくアルバイトをしている青年。
吠との上下関係は不明だが、彼に対して「遠野さん」と呼んで敬語で接していた辺り、恐らく後輩にあたると思われる。


◎人物像◎

一人称は「俺」
眼鏡が特徴的な柔和な雰囲気の持ち主で、無愛想で接客態度のよくない吠を優しく窘めたり、その吠がフィフティーマートをクビになった後も気にかけるなど、面倒見が良く他人を思いやれる人物である。
だが同時に荒事は苦手としており、吠の不気味すぎる作り笑顔に思わず腰が引けたり、勤務先に強盗がやってきた際には終始怯えきっていた*1

バンドマンの卵でもあり、普段からギターケースを持ち歩いている他、アルバイトの目的もライブを開く資金を稼ぐ為である。
ゆくゆくは「『バンド界ナンバー1』を目指すんだ」と豪語するなど、夢にかける情熱や思い入れは非常に大きいのだが、その一方ではそうした夢や目標を持たずにただ生きる事のみを考えている吠に対して「つまんないな……」と零すなど、
自分と違う考えの人物への理解に欠けているとも取れる態度がところどころで垣間見える。


◎劇中での動向◎

■第1話「救世主ナンバーワン!」

いつものように吠と共にアルバイトに勤しんでいたところ、コンビニ強盗が襲来。
自身はほぼ何もできず、さらにはとばっちりで強盗に襲われかけるも、吠に助けられた事で何とか事なきを得るが、この一件で周囲の被害も考えず無茶をした上に「特別手当」と称してちゃっかり売り物のジャンボフランクを食べてしまった吠はその場でクビを言い渡されてしまう。

その後、助けられた礼を言いに吠を探していたところ、チンピラ達からリンチを受けた直後の彼を発見し介抱。
そのまま事前に用意していたハンバーガーを与え、少しの間会話していると、そこへ巨大ロボット・キングキャンデラーを駆るファイヤキャンドル率いるブライダンが現れ、大規模な破壊活動を開始する。

その異様な光景に当初は吠共々困惑するばかりだったが、襲われている人々を見ているうちに何か覚悟を決めたらしく、ギターケースから不思議な金色の指輪と銀色の右手のようなガントレットを取り出し、


この指輪を使う時が来たのか……


なんとその2つのアイテムを使い、クワガタオージャーへと変身を果たす。
実は堤は巨神テガソードと契約し、センタイリングとテガソードの力が込められたガントレットソードで変身して戦う「ユニバース戦士」だったのである。

そうして変身を果たした堤───もといクワガタオージャーは、人々を救いながらアーイー相手に勇猛果敢に立ち向かい、これらを蹴散らしていく。
その行為に怒るファイヤキャンドルのキングキャンデラーには流石に簡単には太刀打ちできず苦戦を強いられるが、そこへ自身もユニバース戦士となった吠がテガソードレッドを操り参戦。
激しい戦いの末にキングキャンデラーを破壊する事に成功し、残ったアーイー達もその吠が変身したゴジュウウルフに全て倒され、戦いはひとまず終わった。

戦いの後、吠からハンバーガーの代金250円を返され、同時に彼もまた自分と同じユニバース戦士となった事を改めて知った堤。
「願いはまだねえけどな」「だが決めた。俺はナンバー1になる。その先に見つけられる気がするんだ」という決意表明を聞いた堤だったが、


……願いもないくせに……

そんな奴に、指輪を持つ資格はない!


突然怒り始めると再度クワガタオージャーに変身し、今度は吠に襲い掛かった……!


■第2話「ブン捕れお宝!俺の獲物だ」


テガソードに聞かなかったのか? “指輪を全て集めれば願いが叶う”…
つまり! 指輪を持つ者同士は、奪い合い、戦い合うライバル!!

俺は自分の願いを、譲るわけにはいかない……!


そのまま前話に引き続き、ゴジュウウルフと激突。
センタイリングを奪おうとするが、そんな自分達から漁夫の利を狙って放たれた百夜陸王のレオンバスター50(ゴー)の狙撃をギリギリでかわすと、邪魔が入ったと悟り、戦いを諦めて撤退した。

同話ラストではバイト探しに奔走する吠を遠巻きに眺め、決着を誓っていた。


遠野さん。いずれまた、時が来れば戦おう……


その手には紐で通され、まるでお守りや六文銭のようにされた、250円分の50円玉が握られていた。


◎クワガタオージャー(ユニバース戦士)◎



エンゲージ!


センタイリング!

♪♪♪(ヘイ! ヘイ!) ♪♪♪(ヘイ! ヘイ!)


キングオージャー!

クワガタオージャー!


クワガタオージャー!


指輪:センタイリング キングオージャー
契約者:堤なつめ
職業:コンビニバイト(吠の同僚)
願い:バンド界ナンバーワン
固有能力:硬化(ソリッド)
スーツアクター:塚越靖誠

堤なつめが銀のテガソードと「センタイリング キングオージャー」で変身した姿。
全体的な姿は原典『王様戦隊キングオージャー』における本来の変身者であるギラ・ハスティーが変身したものとほぼ同じだが、右手には原典にない銀のテガソードが装着されている他、腰に巻かれたベルトはユニバース戦士共通の「ツメガバックル」になっている。

固有能力は硬化(ソリッド)
戦闘スタイルは身軽かつアクロバティックな動きによる接近戦がメインだが、左肩から伸びるオーサマントを操って敵を拘束したり、オーサマントを甲虫の如く硬化させて盾代わりにする事ができる。


◎余談◎

  • 演じる井内悠陽氏はシリーズ前作『爆上戦隊ブンブンジャー』にてブンレッド/範道大也を演じており、まさかの主演作が最終回を迎えた直後に引き続き出演するという奇想天外過ぎる事態になった。始末屋「カオスなことになってんな!」←大也「ああ」*2
    一応似たようなパターンは『秘密戦隊ゴレンジャー』『ジャッカー電撃隊』の宮内洋氏や『バトルフィーバーJ』『電子戦隊デンジマン』の大葉健二氏、『大戦隊ゴーグルファイブ』『科学戦隊ダイナマン』の春田純一氏、『機界戦隊ゼンカイジャー』『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の駒木根葵汰氏という前例があったものの、あちらがいずれもレギュラーキャラとしての登場だったのに対し、今回は数話限りのゲストキャラクターとしてその事実はほぼ完全に隠されていた為、各種SNSでは多くの驚愕や反響の声で溢れることとなった。
    また、この事実は製作側でも知っていたのはごく一部だったらしく、第1話の放送当時『ブンブンジャー』での共演メンバーも各々で驚きの声を上げていたという。
    しかも、変身するのがブンレッドではなくクワガタオージャーというややこしい事になっていたため、そのチグハグさが余計に話題性を呼ぶことになった。
    だが、豪放磊落な大也と控えめな堤とでしっかり演じ分けがなされていた事や、変身までは眼鏡をかけていた事もあり、キャストクレジットを見るまで気付かなかったという視聴者も多く*3、井内氏の1年間かけて培われた演技力を評価する方向での声も多く出る結果となった。
    • キャスティング的には、恐らく話題性と当時まだ予告が公開されたばかりだったVシネクスト『爆上戦隊ブンブンジャーVSキングオージャー』の宣伝以上の意味合いはないと思われるが、(歌を)届けたい人がいるという共通点こそあるものの、一見飄々としていて腹の内が読めない不敵さこそありながらも、自分で考え決意した末の行動は基本的に認めて背中を押す事できる懐の深さを持ち、若くして巨万の富を築き上げ、人々の悲鳴を聞き逃さない大也に対し、
      表面上は穏やかで誰かに優しさを向ける事こそできるものの、内心では自分の思い描く夢や生き方にこだわってそれ以外の振る舞いを認められない狭量さがあり、経済的にも決して恵まれておらず、「悲鳴をあげろ!」が決め台詞のクワガタオージャーに変身する堤とで、「どこか対照的にも描かれている」という意見も散見される。

  • 実は初期シナリオの段階では堤は変身しないただの一般人キャラだったのだが、紆余曲折を経てこの形に納まった。
    当初の堤は主人公達の騒動に巻き込まれる&切っ掛けになる非変身部外者……いわば『Go!プリンセスプリキュア』の七瀬ゆいや『仮面ライダーガッチャード』の加治木涼のような立ち位置になるはずだったが、「それでは(50周年記念作品の初回なのに)あまりにも普通すぎる」との意見が企画段階で挙げられ、であれば変身させてしまおう&変身者も意外性のある存在を起用しようとなった結果、キャラクター設定を変更した上で井内氏の起用が決定した。
    ちなみに『ゴジュウジャー』チーフプロデューサーの松浦大悟Pによると、この第1・2話は『ブンブンジャー』のバクアゲ44と同時並行で撮影したらしく、吠とバチバチの対決をさせた次の日にブンドリオ・ブンデラスの機能停止シーンの収録だったため、「井内氏の情緒を乱高下させてしまって申し訳ない」と述懐していた。

  • オリジナルのクワガタオージャーが登場する『キングオージャー』は、世界観や登場人物設定含めて戦隊シリーズの王道から大きく外れた異色作であり、戦隊ではおなじみの名乗りも変身後の名前がアイテムからのアナウンスを除くと一切言及されなかったが、
    それに対して今回堤が変身したクワガタオージャーはハッキリと変身後の名前を名乗り、オリジナルが全然披露しなかったマントを使った戦闘スタイルという、原典とかけ離れながらもある意味原典以上にスーパー戦隊らしい振る舞いの数々から、「エアプクワガタオージャー」として妙な人気も博している。
    一方で「原典の方でもそのマント攻撃があれば宇蟲王一味との戦いも少しは楽だったのでは…」との声もあったり

  • そのあまりにも語る事や二次創作の余地となる要素が多すぎる事から、ゲストキャラにもかかわらず既に吠と同等かそれ以上の人気も博しており、pixivなどの各種イラスト投稿サイトでは既にファンアートが上げられている。
    中には仮面ライダーシリーズやプリキュアシリーズ、果てはガンダムシリーズ(アナザー/オルタナティブ)などの他作品に置き換えた人も……



……書き足すネタもないくせに……

そんな奴に、追記・修正をする資格はない!


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最終更新:2025年04月24日 21:37

*1 といっても、一般人としてはこうした反応の方が普通であり、むしろ凶器を持った相手に一切物怖じしない吠の方がおかしいと言える。

*2 アバンの直後に入ったGロッソのCM。奇跡的な噛み合いといえる。

*3 第1話はOPがなく、EDでクレジットが流れたため、事前に判断できなかった。