登録日:2026/01/02 Fri 22:59:00
更新日:2026/07/31 Fri 10:56:46
所要時間:※約 10 分で読まれました。
【概要ペポ】
「64のカービィはいつ発売するんじゃーっ!!!」とは、
漫画『
星のカービィ デデデでプププなものがたり』にて
カービィが発したセリフ。
この発言が飛び出たのは、月刊コロコロコミック97年8月号(7月15日発売)に掲載された「デデデ大王、ストレス解消に悪戦苦闘する!!」。
通算74話で、単行本では第7巻第8話として収録されている。
なんとも踏み込んだ
メタ発言ゆえ、今作の迷言として何かと取り上げられている。
また、当時の
任天堂・カービィ事情を映し出した貴重な時事ネタでもあったりする。
「『デデププ』は読んだことがないけれどセリフは知っている」というカービィファンも多いのではないだろうか。
【背景だデ】
まず本編の解説に入る前に、当時のカービィシリーズが置かれていた状況に触れておこう。
星のカービィシリーズと言えば、当時から任天堂のホットなタイトルとして大きな存在感を放っていた。
92年4月に発売された
1作目が何百万本も売れるほどの大ヒットを遂げ、その後の本編も安定した売り上げを記録する…などの実績がそれを裏付けている。
当然、64でも何かが出るのは当たり前…と誰もが思っていただろう。
NINTENDO64発売前年の95年には新作ゲームの見本市で『
カービィボウル64』が発表(のちに発売中止)。
そして1996年の見本市では『カービィのエアライド』の開発中画面が公表され、同年夏のうちに雑誌にもスクリーンショットが掲載。当初は96年冬を発売予定としていた。
この漫画の作者であるひかわ氏も、件のセリフが登場したコロコロの10日後に発売された単行本6巻の裏表紙にて「青いキャップを被ってワープスターをスノーボードのように乗りこなす」という今作のPVに準拠したアートワークを描き下ろしており、本作へ期待を寄せていたことが窺える。
……しかし、1年経っても正確な発売日が決まる気配すら無く、64版エアライドは音沙汰のない状況となっていた。
【経緯ペポ】
というわけでここからが本題。
話を戻し、本編でこのセリフが飛び出した経緯を解説する。
この回の
デデデ大王は、理由こそわからないものの元気が無く、「食欲がなくて1日1食・ご飯半分しか食べられない」「夜もぐっすり寝られない」という症状に悩まされていた。
一連の様子を見た
クーはストレスが原因であると判断。
よくある大声大会のような設備を用意し、大声を出してストレスを発散するよう提案する。
発した声は82ホーンというそこそこの音量を叩き出し、デデデ本人も「ちょっとスッキリしたかな」と、ご満悦の様子であった。
ちなみに言うまでもなくデデデは「ボーナスをもらう側」ではなく「ボーナスを支払う側」である。
直前のページで
「ストレス――ってな〜〜に?」という能天気さを見せつけ、クーにも
「お前にゃ一生、関係ないもんだ……」と言わしめた、
なやみのないやつことカービィ。
ストレスとは無縁だったが、側から見て面白そうだったようでこの企画に便乗し、叫んだ。
おなじみ
マイク能力のように勢いよく、ページの半分以上を埋め尽くす大ゴマとともに大音量で発信。
気合いが入りすぎて
眉毛も濃くなっている。
一同からは
「それは大声で言ったらあかんーー!!」と総ツッコミ。
この時の声は
186ホーンという凄まじい記録を出したが、
この漫画の存続が危ぶまれる発言を聞いたデデデは
「こっちは、よけいにストレスたまったわ…」とボヤく羽目に。
当然、先ほど吹き飛んだストレスも元通りになってしまうのであった。
【解説だデ】
というわけで、当時の状況を如実に表した発言が「64のカービィはいつ発売するんじゃーっ!!!」である。
この漫画は版権元の許諾を得て描かれているタイアップ作品であり、その恥部に思い切りツッコミを入れた発言というのは相当なブラックジョーク。
この項目が立った2026年風にするなら、
スーパーマリオくんで
マリオが
「Switchのマリルイはいつ発売するんじゃーっ!!!」とか、
穴久保版ポケットモンスターで
ピッピが
「Switch2のポケモンはいつ発売するんじゃーっ!!!」と言っているようなものである。
とはいえ単行本にも無事収録されているので、任天堂や
HAL研は快く許してくれたのだろう(後述の対処からすると若干お叱りが入った可能性はあるが)。
後年、元HAL研社長の岩田聡氏は「社長が訊く」の中で当時の社内の状況に軽く触れている。
97年頃は、ハル研もすごく迷走してた時期なんです。
理由は明快で、当時N64と同時にいきなり『マリオ64』が出たことで、「マリオの横に並べて売られる商品がこれでいいのか」って悩んでなかなか出口から出られなかったんですよ。
それでハル研は『スマブラ』を出すまでにかなり時間がかかったんですけど、
というわけで、『
スーパーマリオ64』の完成度があまりにも高かったために、ゲームのマスターアップは及び腰になっていたのである。
つまりカービィボウル64や64版エアライドも『マリオ64』と並べられる完成度には至らず、没になったようである。
結果、唯一にして初の64カービィ『
星のカービィ64』が発売されたのは2000年春。
カービィの発言から
約3年経てようやく実現することとなった。よかったね、カービィ…
星のカービィ64のパッケージの説明にも「みんなおまたせ!」と書かれているので、公式としても長い時間が掛かったことは気にしていたようである。
その間、カービィシリーズはSFCの『
カービィ3』、GBやSFCの『きらきらきっず』、そして『
スマブラ』への参戦でかろうじて繋ぐ状況となっていた。
既に子供達の注目は64に集まっていたにもかかわらず、SFCで新作を2本出して食いつなぐという割と大変な局面に立たされていたようである。
なお、色々
大人の事情があったのか、『星のカービィ64』発売以降に増刷されたコミックス(単行本以外の再録、電子書籍含む)の該当シーンでは、セリフの先頭に※が付き、本ののど側の空白にて
『※「星のカービィ64」が、2000年3月に発売されました。』
という注釈が追加されている。
【余談ペポ】
上述の通り、このセリフによってカービィが出した音量は186ホーン。
ステカセキングの有名な考察に基づいて1ホーン=1デシベルに換算した場合、
人間の鼓膜が破れる150デシベルをゆうに超える。
もはや当時のカービィ関係者にとっては「耳が痛い」という話では済まされない。
自然に出る音としてはロケットの発射音に相当。
一般的な産業用警報器の最大音量は180デシベルで、万が一近くに人がいる状況でうっかり再生しようものなら現場猫案件として語り継がれること間違いなしの代物なのだが、カービィの声はそれすらも超えている。
画面内の全敵キャラを破壊するだけの攻撃力として、まさに納得のいく数値である。
こんな音量に耐えたデデデ達の不死身っぷりはなんなんだろうか。
【その後の展開だデ】
このセリフの発端とも言えるエアライドはその後
企画をリニューアルして奇跡的に発売された。
だが、いざ発売されたら発売されたで
「エアライドの新作/リメイクはいつ発売するんじゃーっ!!!」と長年にわたり
ニンダイ放送時のSNSトレンドを侵食する事態となった。
NINTENDO64の次世代のハードでは、
「GCのカービィはいつ発売するんじゃーっ!!!」という状況に陥り、またしてもファンをやきもきさせる事態に。
これはいつのまにか
「Wiiのカービィはいつ発売するんじゃーっ!!!」に置き換わりつつ足掛け7年にも…。
こちらの停滞はシリーズ作品を盛り下げる遠因となり、(ゼネラル)ディレクターとして長年活躍することになる
熊崎信也氏が後に「カービィが忘れられているような気がした」「終わらせないつもりで(『Wii』を)作った」と振り返るという、いっそう危機的な状況であった。
というか『
夢の泉の物語』からして既にSFCが出て結構経った頃の発売、不朽の名作『
スーパーデラックス』はCMの通りSFCが4000円安くなるクーポン券付きだったりで、据え置きカービィはハード末期に出る傾向なのは結構有名な話。ファンの間では半ばジンクスじみたものとして扱われてもいる。
WiiUくらいまではこの傾向が強く、「○○のカービィはいつ発売するんじゃーっ!!!」が起きる前に発売されたタイトルは『
スターアライズ』(ハード発売1年、世代交代まで7年)や『
スターリーワールド』『エアライダー』(共にハード発売半年以内)と、Switchに入ってからはこのジンクスは打ち破っている。
ゲーム以外でも
「アニメの円盤はいつ発売するんじゃーっ!!!」 も割と言われていた。
アニカビの第二期はいつ放送するんじゃーっ!!!
この項目が面白かったなら……\※投票されました。/
- 多数決の結果としてコメント欄のリセットを行いました -- 名無しさん (2026-01-25 18:15:22)
- 所要時間や投票ボタンの所まで天丼芸にするのは少しクドくないか?このネタは注釈でこそ活きると思うし -- 名無しさん (2026-01-29 23:14:23)
- シャア専用ヅダといい、この記事といい、本編では特に重要でもなんでもないちょっとしたネタで記事立てする行動力はどこから来るのか -- 名無しさん (2026-01-29 23:20:04)
- 他に当てはめると…と言ってるけどこれの場合は発売予定のゲームの情報があってそれがいつまで経っても発売されないから「いつ発売するんじゃー!」ってなるのであって、そもそも開発中とも発売予定とも言われてないゲームに対して「作って欲しいから作れよ!」と催促するセリフではないよなぁ -- 名無しさん (2026-01-29 23:41:41)
- なんか面白いことしようとして滑ってる項目というか… -- 名無しさん (2026-02-11 17:18:05)
- ↑3 むしろそれこそがアニヲタらしい項目なんだよなぁ -- 名無しさん (2026-02-11 17:42:18)
- ↑それな -- 名無しさん (2026-02-11 18:28:24)
- ↑4 「メトロイドプライム4はいつ発売されるんじゃー!」が近代任天堂では一番近い案件だと思うんだけど(あるいは初稿のアレスの天秤が秀逸だったと思うんだけど)、目立った漫画の連載がなくて例には使いづらいだろうか -- 名無しさん (2026-02-11 20:40:08)
- というかドラクエで例えるなら12だろうが。何年開発中でーすって言ってると思ってんだあれ -- 名無しさん (2026-02-11 22:52:17)
- おっ、セリフ部分の色が元に戻ってる。こっちの方がしっくりくるね。なんでデデデの色が青なんだよバカヤローってこっちが大声で言いたかったんだわ -- 名無しさん (2026-05-20 18:19:43)
- 「ワンダースワンカラー版『FINAL FANTASY Ⅲ』はいつ発売されるんじゃ~っ!」……このネタ結構恨まれてるのね。そりゃ「ファミコンの時代からDS版まで16年近く正規の移植・リメイク版がなかった」「移植シリーズに期待したからこそワンダースワンカラーを買って待ってた」などがピクセルリマスター版が発売されてすら今なお恨みが消えないファンが多い根の深い事情みたいだけど -- 名無しさん (2026-05-21 12:46:43)
- 64版エアライド→開発中止 スマブラ64発売→カービィ参戦しかし新作は… 64のカービィはいつ発売するんじゃーっ!!! 作者の不満爆発 -- 名無しさん (2026-07-04 09:19:48)
- ↑失礼…カービィボウル64版抜けてた… -- 名無しさん (2026-07-04 09:24:28)
最終更新:2026年07月31日 10:56