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//スパム投稿をやめてください。 「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「全体的な内容の修正」です。 ---- *四八(仮) 【しじゅうはち かっこかり】 |ジャンル|47都道府県ミステリー|CENTER:&amazon(B000G73FVS,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41ok4Y2KjtL._SL160_.jpg)[[高解像度で見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/2721/2986/48Kari_A.jpg]] [[裏を見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/2721/2987/48Kari_B.jpg]]| //amazonプラグインのテスト。詳細は→ https://w.atwiki.jp/guide/pages/267.html#id_b3da42f5 |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|アルカディア・プロジェクト&br;シャノン|~| |発売日|2007年11月22日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:C(15才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|CENTER:&image(48bug.JPG,https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=2721&file=48bug.JPG,width=160,title=何も見えん…)白枠バグ。| |ポイント|COLOR(red){''2007年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門大賞''}&br;「完」で強引に〆る手抜きシナリオまみれ&br;ホラー無関係のショボいミニゲーム&br;好きに読ませてくれない邪魔なシステム&br;''セーブデータに残る致命的なバグ''&br;''アドベンチャーとして当たり前な機能も未搭載''&br;ゲストシナリオ''だけ''は好評&br;方針大転換を促進したKOTYの革命児|~| |>|>|CENTER:''[[KOTYゲーム一覧]]''| //「ポイント」の行数が多すぎるので削減及び一部差し戻し ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''全国47都道府県の"究極の恐怖"がここに集結!!''} }} ~ ---- **概要 「47都道府県で語られている実際の都市伝説をモチーフにしたADV」がテーマ。~ SFC/PS時代の名作である『[[学校であった怖い話]]』の後継企画でもある。~ ゲーム開始時にオブザーバーに読み上げられるように、「''(仮)''」までが正式タイトル。~ 主な通称は『ヨンパチ』。作中でもそう呼称するキャラクターが複数人いるため、半公式の呼称と言える。 ゲームデザイナーの飯島多紀哉氏は、『学怖』『[[BURAI>ブライII 闇皇帝の逆襲]]』『[[ラストハルマゲドン]]』などの数々の名作を生み出した飯島健男氏の新PNである。~ 氏は[[PANDORA MAXシリーズ]]の失敗により、代表を務める会社「パンドラボックス」と共に自身も活動を休止していた。~ それが2005年にゲームの専門学校の講師として再び表舞台に姿を現しており、~ 続いて翌年1月、都市伝説をテーマとした新作ソフトとして『四八(仮)』の公式サイトが公開され、一般から都市伝説の募集を始めた。~ 当初は謎のシナリオライター「T.I」として名を連ねていたがやがて飯島健男氏と同一人物である事を明かした。~ その後、パンドラボックス改め新会社「シャノン」を立ち上げたことにより、本作は氏の復帰作としても注目を集めた。 公式サイト公開から約2年が経過した2007年11月、遂に本作は発売された。~ しかし、その実態はCOLOR(red){''想像を絶するクソゲー''}であった。 ---- **ゲームシステム 本作では日本地図型のメニュー画面から読みたい県のシナリオを選び、ADV形式で読み進めていく。シナリオは自由に選べるわけではなく、右上に表示される「''契力''」というポイントが必要で、シナリオによって必要数が異なる。契力はシナリオクリアによって獲得できるため、必要数と獲得数から契力切れにならないよう進めていく必要がある。~ シナリオによっては選択肢によるルート分岐があり、登場人物の顛末やシナリオの内容が変化する。これによりキャラクターが離脱した場合、そのキャラクターが登場するシナリオは利用できなくなってしまう。離脱したキャラクターはメニュー画面から契力を消費することで復活させることができるが、バッドエンドが続くと契力が切れてしまうので、なるべくグッドエンドに進むことができるよう選択していく必要がある。また、県をまたいで登場するキャラクターも存在し、メニュー画面から「''住民移動''」させて対応するシナリオを解放させる場合もある。~ 一部シナリオではミニゲームが含まれ、こちらもシナリオ内容と契力獲得に影響する。~ 都道府県シナリオとは別に、冒頭からプレイヤー自身の身に起こる「''あなたシナリオ''」が発生する。都道府県シナリオを一定数進めるごとに物語が進んでいき、最後まで進めることでゲームクリアとなる。 ---- **特徴及び問題点 ***都道府県別シナリオ 発売前にはイベントが行われ、「ネットで何でも調べられる現代だからこそ、地元を徹底取材しての"土着の話"に拘った」と語られた。またパッケージ裏には「四七都道府県の究極の恐怖が集結!」「実際に取材を敢行!」と謳われている。~ しかしその実態は、「''地元とは無関係の話''」や「''都市伝説ですらない、ただの観光案内''」だけで片付けられている県ばかりである。 ***ただの観光案内になっているもの その話も施設の公式サイトや観光パンフレットに載っている程度の内容。 -佐賀はとある酒造家が所有する「カッパのミイラ」にまつわる話なのだが、「拝観料は取らない」「お茶も出してくれる」などと妙に酒造家を持ち上げている。そして、まったく怖くないにもかかわらずBGMだけはおどろおどろしい。 -静岡は県内にある岩石の博物館「奇石博物館」の紹介。ごく普通の観光案内を長々として、最後に「展示されてない収蔵品の中に、呪われた石があるんだって」と言って終わり。 --当然だが博物館にそんな噂はなく、''風評被害を与える営業妨害''とも取られかねない。女郎蜘蛛の伝説など、他に題材にできるネタもあっただろうに。 -熊本は初っ端から下ネタの連呼であるし、語り部の話し方がはっきり言ってウザい((語り部は『学怖』キャラの風間であり、その変人ぶりを再現した結果とも取れる。))。内容も油すましや河童の話や、永国寺やトンカラリンといった場所の話をするだけ。 -愛知は桃太郎神社の話をするだけ。こちらも語り部の話し方が妙に遅い猫撫で声なのでイライラさせられる。 -三重は愛洲の里の牛鬼の話をするだけ。そして、映像はなぜかアニメ絵である。 ***県と無関係なもの このようなシナリオが1県でもあったら、そもそも県ごとにシナリオを分けた意味が無い。 -沖縄・高知・愛媛は「''私個人が○○したら幽霊が出ました、終わり''」というだけのいわゆる心霊体験の話。 --沖縄は語り部の少女がなぜか琉球方言ではなく、「ブロッサムをシーイング」「ガールがストップしてたのさ」等いわゆる「ルー語」を話す((「暇をマッシュ(「暇をつぶす」と言いたいらしい。なお、英語で「暇をつぶす」は「pass the time」という。)」などの無理矢理すぎる表現も。))。 #region(補足) 好意的に解釈すれば、戦後以降の琉球方言(ウチナーヤマトゥグチ)でみられる「ネイティブ英語と日本語と琉球語が入り混じった独特の表現」を誇張したものとも考えられるが、こんなやり方では沖縄県民への侮辱と取られても仕方ない。~ 単純にボケとして見てもセンスが悪く、「地元の取材どころか琉球方言の研究もしていないのでは?」との疑惑も持たれた。そもそも、沖縄以外のシナリオでは語り手が標準語で話しているため、沖縄だけを変える必要など全くない。 #endregion --愛媛で聞ける3本の話の内2本は、''登場する幽霊が違うだけであとはほぼ同じ話''である。 --後に飯島氏が同人誌で語ったところによると、この3県は''ゲームに出演する予定だったジュニアアイドル(小学生)が書いたシナリオをそのまま使ったらしい。''「ゲストシナリオ以外は全て自分で書いた」と豪語していたはずだが? -四国に至っては4県とも県無関係。地方別に直しても分ける意味がない。 --香川は衛生系の下ネタ話なので不快になりやすく、『学怖』キャラの細田を起用したためにキャラレイプという二次被害まで生じている。しかもランダム分岐で4つ話があるため、乱数が悪ければ何度も同じ話を見ることになる。 -宮城シナリオは''分岐が9つもあるが展開も結末もほぼ同じ''((「自分の名前で送られてきた(またはゴミ捨て場で見つけた)謎のダンボールに何かが潜んでいました、終わり」。もちろん宮城との関連性は一切無い。))で意味不明のまま終わる。こちらも選択肢なしのランダム分岐なので、乱数が悪ければ何度も同じ話を見ることになる。 -秋田のシナリオは始め心霊写真を題材にした話かと思いきや水関係の怪談に急に転換し、写真も話の結末も何一つ噛み合っていない。 -岩手・神奈川・徳島は''県とは無関係のミニゲーム''でお茶を濁しているだけ。 --岩手は「生き埋めになった洞窟から脱出する」というものだが、なんと''脱出成功時のグラフィックしか用意されていない。''%%付いたあだ名は「[[土のリグレット>リアルサウンド ~風のリグレット~]]」である。%%スタッフロールの取材先には遠野伝承園がクレジットされているが、''作中にはまったく出てこない。'' --神奈川は「格安のマンションを借りたら、夜中に幽霊たちが言葉の並び替えゲームを仕掛けてきた」という形の意味不明なミニゲームである。幽霊たちは棒読みボイスで喋る上、''正解すると「オオー」という声と拍手で喜ぶ''ためシュール極まりない。 ---回答の中に「伊藤博文(いとうひろぶみ)」があるが、読み方を間違えているせいで「いとうひろ''ふ''み」と入力しないと正解にならない。問題すらまともに作れていない有様。 --徳島では隣県高知の話(おそらく[[介良事件>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%8B%E8%89%AF%E4%BA%8B%E4%BB%B6]]の事)が出ているのに、''肝心の徳島の話がない。'' -茨城はなぜか雛祭りにまつわる呪いの人形の話。雛祭り人形の生産地としては埼玉県の方が有名だが、どちらにせよ呪いの人形の所縁はない。内容自体はまともな部類だが、4つの分岐すべてが似たような展開なので水増し感がある。 -宮崎は''殆ど鹿児島の話。''福島に至っては静岡と同様に名所の営業妨害である。 --しかし悲しいことに、その福島のシナリオは完成度としてはまだマシな部類だったりする。逆にタチが悪い。 -鹿児島シナリオの主な舞台である、実在する営業中のホテルも作中の設定として「幽霊が出る」というあらぬ噂を立てられ営業妨害を受けている。シナリオもマシな部類に属する点まで共通している。 -山形は人面動物に関する世間話をするだけ。京都は社会学者ブルンヴァンのベストセラーでも有名になった「タクシーの中で消える幽霊」の話をするだけ。そして山口は平家蟹の紹介で終わる。''群馬に至ってはブンブク茶釜の昔話''である。わざわざゲームを買ってまで聞く話ではない。 --なお、山形シナリオでは宮崎にある神社の話も聞けるのだが、その神社は宮崎ではなく福岡にある。観光案内すらもまともにできていない。 -栃木は「九尾の狐が死んで出来た石が那須にあります」という観光案内。それだけならまだしも、観光名所の説明もそこそこに九尾の狐が中国にいた頃や陰陽師との戦いに話がジャンプする。''やはり県自体はほぼ無関係。'' --平家蟹やカッパのミイラもそうだが、妖怪や伝奇、民俗学に興味のある人なら誰でも知っているような話である。 --その中国の話も、殷周期の話をしているのに「''皇帝''((秦の始皇帝が最初に言い出した言葉であり、殷や周では「王」とのみ称していた。))」「戦国乱世((中国戦国時代は周が完全に支配権を失った末期も末期の話。キュウビの狐=妲己は殷→周の交代期の話であり、周代、春秋時代と時代が2つも飛んでいる。))」などという言葉が出てくる。中国史の基礎的な知識すら不足している。 -山梨シナリオは「ゲストである筒井康隆氏の所に原稿を貰いに行ったら、原稿に書かれたものと酷似した怪奇現象が起きる」という話。しかし、筒井氏は山梨ではなく兵庫在住である。 --このシナリオでは「私も従業員も''ご覧になっていないのです''」という、テキストメインのゲームにあるまじき文法ミスが含まれた台詞がある((「ご覧になる」は尊敬語なので一人称では使わない。また、場面からして謙譲語「拝見する」も不自然であり、この場合は普通に「見ていない」とするのが正しい。))。 ***話自体に問題があるもの -青森は分岐した先の話がすべて肩透かしとなっており、''最も酷いシナリオの1つとして悪名高い。'' #region(内容折りたたみ) --冒頭は、「東京からキリストの墓について取材に来たオカルト記者が、墓を管理する職員の男から資料館にまつわる怪談を聞くが、『本題よりも面白い話がある』としてその周辺で起こっている超常現象の話を聞かされ、思いがけない収穫から現地に調査に向かう」というもの。~ この後、男から聞いた超常現象が見られる場所のうち、取材前日に車で奇妙な焼身自殺を遂げた人物がいたという「水芭蕉群生地」、その先の迷ヶ平にある、特殊な能力を持つ仙人が住んでいるとされる「エデンの花園」のいずれかを目的に移動することになる。ここまでは期待できそうな導入なのだが…。 ---前者の場合、「焼け焦げた車は見つかったものの、事件があった様子もなく錆だらけで放置されていた。騙されたと思い男を問い詰めようとしたが、アポ取り時にはつながった電話番号は使われておらず、名刺に書かれた管理事務所に向かうと無関係の墓地に辿り着いたため、不審に思いながら東京に引き返す。後日、改めて調べたキリストの墓の管理事務所の電話番号・所在地は全く別物で、男の名を尋ねても同名の職員は存在しないことが判明。結局、記事はお蔵入りになった」という話。エピソード中には男の正体や事件との関連性を匂わせる描写も一切なく、使い古されたオチを取ってつけただけの結末と化している。 ---後者の場合、「迷ヶ平に着いてもエデンの花園なる場所は見当たらず、立ち寄った飲食店でその場所や焼身自殺について尋ねてみても情報が掴めるどころか訝しまれる一方だったため、''それらが全てデタラメであったことを察し、意気消沈してきのこ鍋定食を食べて終わる''」というもの。ホラーを気取るつもりすら感じられない、くだらない起承転結オチである。 ---なお、行き先決定後さらに移動方向の選択肢が出るが、選択を間違えると「どこまで行っても目的地に辿り着かないので現地の人に聞いたところ、''目的地から真逆の方向に進んでいたことが分かり、編集者が悔しがって終わり''」である。分岐展開としての存在意義すらも疑わしい薄っぺらさである。キリストの墓や焼身自殺・仙人以外の男の話など、通常のオチと重複しない題材は山ほどあったのだが。 #endregion -新潟シナリオでは、箕澄という男性と2人で怪奇スポットを訪れた女子高生が「(寂れた場所なので)もし殺されたら、死体はなかなか発見されないかもしれない。想像したら、ぞくぞくしてきた。正直言うと、箕澄さんは私のタイプかもしれない。」と、''まったく前後の繋がりがない謎の独白をする。'' --この女子高生は(本作には珍しいほど)善良な真面目キャラである。親友の不可解な自殺について知っているとはいえ、初対面の男にこんな感想を持つのは不自然。途中のテキストが削られたのだろうか? -長崎シナリオの「真愛」はそこそこ評価が高いのだが、そういうシナリオに限って''盗作疑惑がある始末。'' --パクり元と思われるのは[[楳図かずお氏の『楳図かずおこわい本 怨念』>https://www.amazon.co.jp/dp/4257720093]]に収録されている『谷間のユリ』。 --因みに結末の1つで地元のデートスポットが出てくる以外は、やはりこの県である必然性が無い話でもある。 -''手抜き・意味不明の極みが広島シナリオ「ヒバゴン」である。''少女に心霊写真を見せられ、その後少女が「みんなに自慢しちゃおう」と言って終わるだけの話であり、なんと''1分で終了''する((テキストは少女の台詞(ボイス付)のみ。黙読のしようがないため、誰がプレイしても1分。))。タイトルのヒバゴンは全く関わっておらず、もはや広島県民に訴えられてもおかしくないレベル。 --「ヒバゴン」というUMA(未確認生物)のタイトルなのだが、この写真に浮かび上がる像はランダムなので、''ヒバゴンとまったく関係ない写真になることもある。''この程度の話ですらコンセプトが崩壊している。 ---山姥や蛇、場合によっては少女の知人が写るにもかかわらず、シナリオは一切変化なし(知人であることは他のシナリオで解る)。 --ボタンを連打していると写真に何も写らないという、真面目に見ろと強制するような仕様がある。こんなところ以外にも力を入れるべき所はたくさんあるのに、力の入れ方を完全に間違えている。 --このシナリオ唯一の登場人物である少女は「心霊写真」と呼ぶが、そもそも''ヒバゴンはUMAであって心霊ではない。'' ---また、現れるヒバゴン(?)は細身のゴリラのような姿だが、実際にはそれに加えて逆三角形の顔を持つのが通説とされる。どこまでも手抜き感の漂うシナリオである。 -北海道は語り手の少女が関東(東京もしくは埼玉だが、語り手は把握していない様子)から遊びに来た従姉妹とその友人2人で、実在する心霊スポット舞台をめぐる物語となっている。一見ホラーものとして本格的だが、妙に楽観的な語り手が雰囲気をぶち壊している。 #region(内容折りたたみ) --最初に訪れるのは過去に自殺者が続出し、その霊が彷徨っているとされる「平和の滝」である。 ---ここを訪れた際に「もう生きていても仕方ない」と低い男性の声が聞こえるが、語り手は''全員がその声を聞いたにもかかわらず''「空耳だった」と断言して片づける。その声の話題もそこで終わっており、怖さが全くない。 --次に訪れるのは切ろうとすると祟られるとされる「恵庭のご神木」であり、道路もこの樹を避けるようにして広げられている。 ---木には過去に切り倒そうとした傷跡が残っており、語り手がその傷跡をほじくると、中から血のような赤い液体が出てくる事態に見舞われる。が、語り手は驚くこともなければ、''誰かがご神木にトマトジュースを入れたんだろう''と解釈して片づけてしまう。恐怖心を誤魔化すために冗談でやり過ごしたという様子もなく、本当にサラッとそう述べて終わりである。そもそもホラースポットめぐりで来ているのに、そのコメディ的発想はどこから湧いて出てくるというのか。%%ある意味彼女の思考のほうがホラーである。%% --メインとして訪れるのが「藻岩山百段階段」であり、登る度に段数が変わり、段数を数えると突然子どもが「いくつあった?」と訊いてくると言われている。ここで段数を答えると不幸に見舞われるとされ、作中では段数を正確に答えないと階段を降りるときに突き落とされてしまうと紹介している。 ---真夜中にそれを試してみようと階段を登るが、実際に「今何段?」と聞こえてくるのは不気味な低い声であり、しかもわずか2段目のところで聞こえてくる。それ自体は演出ミスではなく語り手も驚いている展開なのだが、問題はそれに対する従姉妹の友人の答えである。 ---語り手たちは正しく「二段です」と答えたが、なぜかその友人は段数を間違えたなどではなく唐突に「''今川焼きです!''」と答える。 当然ながら今川焼き自体もシナリオには一切関係しないものである。一応、そう答える友人はやたらお腹を空かせているぽっちゃり女子という個性を事前に描写されているので「"今"何段?と訊かれた結果"今川焼き"を連想してしまった」「つい今食べたいものを答えてしまった」という流れにも見えるが、ホラーを名乗るゲームにはあるまじきネタであろう。 ---登り始めたばかりだから突き落とされずに済んだとのことだが、その友人が東京に戻った後のことについて語り手は「''あれから連絡ないから無事だろう''」という。%%「便りがないのは良い便り」ということわざもあるが、%%どう考えても連絡がないことを心配すべきでは…? --と、このように北海道は一見まともそうで、理解に苦しむつまらないギャグが挿入されるばかりで怖さを全く感じさせない奇妙なシナリオとなっている。ホラーの皮を被ったギャグを狙ったにしても滑っており、何より本作のコンセプトにそぐわない。 #endregion -大阪シナリオの語り手は地元の人の雰囲気を演じようとしているのか、無駄にハイテンションな口調で語る。''大阪弁をまるで使わないにもかかわらず''である。 --一応一人称だけは「うち」だが、訛りは全くない。また他のシナリオに出演した際には「私」と言う。 --そして肝心の内容は食べ物とトンネルの話のみ。 ---幽霊が出るとされる「犬鳴トンネル」が紹介されるが、肝心の中身には触れず、トンネルがまっすぐではなくカーブがかかっていることに不気味さを感じていると語っている。当たり前のことだが、カーブのかかったトンネル自体は高速道路などに幾らでも存在しており、不気味でも何でもない。 ---「旧石切トンネル」なるトンネルでは火災事故で多くの死者が出たことを語っているが、前述したようにハイテンションな口調で語るため、内容の暗さとまったく噛み合っていない。それどころか事故で亡くなった人の話を「死んじゃったんだって!」と声高らかに語るのは不謹慎である。ここは実際に訪れたらしいが、心霊体験らしい体験は一切なく、ただのホラースポットの観光で終わっている。 ---なお、作中では石切トンネルと紹介されているが、実際は「生駒トンネル」である。 -福岡、富山でも同様にトンネルのホラースポットが出るが、こちらは実際に探索可能。ただし、出来栄えはお世辞にも良いとは言えない。 --福岡の犬鳴トンネルは懐中電灯を持って探索するという本格的なホラーを味わえる…のだが、途中から急にノベルものに変わり、探索ものとしてのホラー感は味わえなくなる。 --富山の肝試しも同様で、イベント自体に対したホラーがなく、肩透かしを食らうことになる。オチが存在している分だけマシなのかもしれないが、それも「夏休みの行事で会ったはずの友人が、実は同じ日の病院で亡くなっていた」という使い古されたオチ。 -大分のシナリオは「観光地の取材中に心霊写真を見せ、10年ほど前に事故死した女子高生について尋ねたら取材拒否された」''だけ。''起承転結の「起」で終わってしまい、写真や事故に関する追加情報は一切無し。 -千葉には『学怖』で人気の高かった「逆さ女((「自分を見たことは誰にも話すな」という約束を取り付け、それを破るように仕向けた上で殺す存在。))」を下敷きにしたシナリオがあるのだが、話に違和感を感じるものとなっている。 #region(内容折りたたみ) --坂上修一がメールで全国の怖い話を募ったところ、荒井昭二から「逆さ女」について返信が来た。「あなたが怖い話が好きだからこそ話した。壁新聞には載せないでくれ」という頼みを無視して載せると、帰り際の正門で''他県からわざわざやってきた''荒井に約束破りを咎められた後、自室に逆さ女が現れ殺されてしまう…というもの。 --頼みを無視された荒井はともかく、''初対面の逆さ女に「約束を破ったね」と咎められる理由が謎。'' ---『学怖』の荒井曰く「彼女は、正当化する理由がないと殺人をおかすことができないんです。約束を破ることが、殺人の理由になるかというと、ちょっと……とは思いますけれどね。」「それで((逆さ女の母妖怪が父妖怪を殺した際、「約束を破ったから殺したんだ、だから悪いのは父妖怪なんだ」と言い張った事。))、逆さ女の心には、約束を破った人を殺さなければならないという考えが定着してしまったということなんですよ。」とのこと。~ しかしながら、わざわざ新聞記事のネタ募集に怪談を送っておきながら「載せないでくれ」「約束を破ったから身をもって知れ」という態度の荒井や、他者間の約束破りで殺人を正当化する逆さ女は、どうにも違和感がある。 ---ちなみに、本作の逆さ女は異様な寄り目になっており、人によってはギャグに見えることも。 ---また、中古対策のようなシナリオ解放条件に[[攻略スレ民の怒りを買った>https://w.atwiki.jp/shiju_hachi/pages/23.html]] --細田友晴は時勢を反映したつもりなのか、メールで2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)風スラングを多用するオタクキャラとして描かれている。しかしあくまで2ちゃんねる「風」でありまともになりきれてすらいない支離滅裂かつ不快な口調であり、オタクキャラすらまともに再現できていない。 ---当時の2ちゃんねるではこの表現に対し「こんな口調の奴どこのネットコミュニティにもいねえよ」「よほど2chで叩かれたのが嫌だったんだな」「これがネットの評価が憎い飯島が悪意を込めて描いた俺らか」等と嘲笑された。 --観光案内だらけになった結果、[[正統派ネタキャラ風間望>https://w.atwiki.jp/storyteller/pages/219.html]]が輝けない事態になった。''語り部が風間しかいない学校であった怖い話''と言ったら分かりやすいだろうか。 #endregion -長野シナリオはホラーというより''気分の悪くなる下ネタ''。 --しかも話のタイトルが「信州信濃の名物は」。なんの嫌味だろうか? --もっともこのシナリオは過激なブラックユーモアで知られる筒井康隆氏のコラボシナリオであるため、狙って不快な話を書いた可能性は高い。 --が、やはり長野県民からの心証がよくないのは火を見るより明らか。ここでもシナリオの都道府県制が足を引っ張っている。 -奈良は人面の土蜘蛛について説明した後、蜘蛛退治のミニゲームでお茶を濁すだけ。 --肝心の人面蜘蛛も俗にいう「雑コラ」レベルの出来栄えである。 -ファミ通編集部が舞台となる東京シナリオ「犯人は誰だ!」は、推理ものかと思わせつつ実際は推理要素皆無。オチも単なる内輪ネタ。 --そして、''そもそも怪談でも都市伝説でもない。''そのくせ、全シナリオの中で最も長大かつ複雑に作られている。 ***全体を通して -上記の例以外にも、話のフリだけで終わったり、オチが唐突かつ意味不明だったりするシナリオが多く、何も味わえずじまいとなる。 --「暗転して舞台が変わるのかと思ったらそこで終わりだった」というような話が多発するせいで、暗転する度に「完」の文字が出ないか怯えなければならない。そんな部分で怖がらせてどうする。 --一部のシナリオはボイス付きだが、残念ながらヒバゴンや観光案内、伝承といったハズレ枠ばかり。「中身のなさをボイスで誤魔化しているのか?」と勘繰ってしまうほどである。 -この有様に加えて、''最初に自分の出身として選んだ県から始まる''ことから、早々に不快な気分を抱えたままゲームを始めることが多発することになる。 -登場人物は全体的に「自惚れが過ぎる」「内心で頻繁に悪態をつく」「自分さえ良ければいいと考える」「人の話を聞かない」といった不愉快なキャラが多い。彼らが酷い目に遭ってもあまり感情移入できず、単なる因果応報に見えてしまう。 -話の数はかなり多く、ついでにゲストシナリオは面白いものが多い。加えてゲーム自体の難易度は高くない。それ故に「クソシナリオだらけでも何かおもしろいシナリオがあるのでは?」「たくさん見たら隠し要素の1つや2つぐらいはあるだろう」と、ついつい進めてしまう謎の中毒性がある。~ ''そして結局何もなく絶望する''事になる。 ***あなたシナリオ 都道府県別シナリオの他に、プレイヤー自身を主人公とした、全12話からなるシナリオ。 -ストーリーは「主人公が発売前の謎のゲームソフト『四八』をめぐる怪現象に巻き込まれる…」という一種のメタフィクション的内容。本作のタイトルに&bold(){(仮)}が入っているのはこのため。 -選択肢はあるものの、基本的に一本道。ある話では「ゲームをやめるか?」という選択肢が出るが、それを選ぶと''セーブできず本当にゲームオーバー''となる。普通は選ばないように思えるが、一部のシナリオは一見どうでもいい選択肢にもちゃんと分岐があるため、そのノリで選んでしまいがち。 -12話全てを読み終えるとエンディングになる「あなたシナリオ」は都道府県シナリオで一定回数の結末を見るごとに自動的に発生するのだが、既に見た結末にまた辿り着いても1回とカウントされる。つまり、たとえヒバゴンや観光案内であっても、''何回も同じ話を繰り返し見るだけでエンディングに辿り着けてしまう。'' --大抵のプレイヤーは、都道府県シナリオを大して見ない段階でエンディングを迎えてしまう。エンディング後もそのまま各都道府県シナリオを続けられるのだが、その所々に「あなたシナリオを予言」するネタが挟まっており、既に見たものを予言されることになる。 #region(ストーリーネタバレ) -展開は''夢オチ''に始まり''精神病オチ''に終わるという、期待の割にはあまり独創的とはいえないもの。肝心の物語は、「''自身を含め、四八に魅入られたプレイヤーたちが四八の世界を生み出し、伝染させている''」というものだと考えられるが、明確な説明はない。上記のように都道府県シナリオも読み切れず、伏線が回収できないまま早い段階でエンディングが発生してしまうため、あまり馴染めない。 ---後述するオブザーバーのうち、着ぐるみの女性を選んでいた場合、結末の最中に「ますますわけわかめ!」というくだらないギャグを挟むため、余計に萎える。 #endregion -シナリオ内ではやたらと『四八』が持ち上げられる。ゲーム内のキャラクターが絶賛するのは序の口で、''発売前に続編の製作が決定''、さらに''映画化のオファーが複数寄せられる''など失笑ものの展開も。なんと発売元のバンプレストまで持ち上げられている。 --主人公もどんどんハマっていくのだが、現実のプレイヤーは全くハマれない。主人公と現実のプレイヤーをダブらせて没入感を出す目的があるのだろうが、作品自体のクオリティが低いために失敗しているのは言うまでもない。そもそも、たとえ本当に良作だったとしても[[このような自画自賛>ゴーストバスターズ (FC)]]は不適切だろう。 --プレイしてきた『四八』が発売前のゲームだと知った主人公が、本来の『四八』制作者たちを訪ねるシーンがあるが、なぜかソフトの現物を持って行かない(しかも2回続けて)。更に''手ぶらで「うちにそのソフトがあるんです、パッケージまであるんです、なぜ信じてくれないんですか」と主張しだす''という正気を疑うような言動をとる。「なら見せてみろ」と言われてようやく持っていく有様。 -都道府県シナリオでも指摘されているが、「○○ちゃんが話していた話」「自分で自画自賛」など重複表現が目立つ。 --また「いただく」という言い方の使い方を何度も間違えている。この言葉は本来自分自身がへりくだって言う「謙譲語」のはずなのだが…。~ 例:「お兄さん、まだプレゼントいただいてないですよね?」「このお兄さん、まだいただいてないんですけど」 ---尊敬語と謙譲語の取り違えは改まった場の会話としてはかなりまずい間違いなのだが、それを何度も繰り返しているあたりにユーザーに対する開発スタッフの態度がにじみ出ているともとれる。 -エンディングBGMは「オンラインゲームの悪夢」というシナリオのBGMをジャズ調にアレンジしたものである。 --仮にもホラーゲームのエンディングとしては全く相応しくない曲調で、曲全体として終始マヌケな雰囲気が漂う。「''プァ~''」「''パプゥ~''」という脱力物の音が鳴り続けるため、「''飯島の屁を録音しているのではないか''」とネタにされた。 --前述のようにゲーム中盤でいきなりエンディングが始まり、進行中のホラーシナリオを残したままこの曲を聞かされるため、多くのプレイヤーはどう世界観を捉えていいのかわからず混乱してしまう。一方で、すべてのシナリオをクリアして脱力しながら聞くには丁度いいとの評価もある。 -エンディングのあと、このままプレイを続けるか、2周目に挑むか選択できるのだが…。 --前者を選ぶと、再び好きな都道府県シナリオをプレイできるようになるが、全シナリオの結末をコンプしても''何も起こらない''という恐ろしいバグがある(東京シナリオの1つがクリア扱いにならない)。後者を選ぶと、契力のみを引き継いだ上で読んだシナリオや主人公の設定が初期化される(詳細は後述)。 ---追加要素などは一切無く、再びあなたシナリオも発生する。これを12話まで読み終えると再びエンディングとなり「2周目を遊びますか?」と聞かれる(3周目は存在しない)。ここで「このままプレイを続ける」を選ぶと、セーブデータの「2周目」という表示が消える。つまり''2周目を選んでも何の特典も無い。'' ***システム面 -2007年当時のADVなら既に標準装備と言っても過言ではない''オートモード・バックログ閲覧・ムービースキップなどの機能が未搭載。''更にメーカーロゴも飛ばせない。文章スキップは一応あるが遅く、既読・未読の判定もできない。そのうえ「''ランダム分岐''」というシステムのせいで、シナリオを読むのに非常に手間が掛かる。 --一応、ランダム分岐は一度見たものが出にくくなり、全部見たシナリオでは自由に選べるようになる。とはいえ、ランダム分岐のあるシナリオ自体が大抵ろくでもない話やパターン違いの水増しばかりなので、何度も読もうとする人がいるかどうか…。 --飯島氏曰く「バックログが見られないのはミニゲームにおいてカンニングされるのを防ぐ為、''あえてそうした''」との事。しかし、それならミニゲーム中だけ使えなくすれば済む話である。SFCの『[[かまいたちの夜]]』でさえ出来ていた技術なので、工数的な問題からオミットされた説がある。 -おまけに「''選択肢が表示されている間はセーブ不可''」な始末。PS2のADVでありながら「既読部分をスキップし、選択肢が出たらセーブする」ができないとは…。 -解説役となる「''オブザーバー''」を5人(執事風の老人・スキンヘッドの軍曹・ホスト風の男性・メイド・トナカイの着ぐるみを着た女性)の中から選択する。選んだキャラは操作方法の説明((キャラ別に説明文章を用意しているなど、無駄に凝っている。))と、「あなたシナリオ」の後半に登場するだけ。台詞回しが違うだけで展開は同じ。 --着ぐるみの女性はアニメ声のはしゃいだボイスで喋るのだが、肝心の役者が不景気な表情をしておりビジュアルと台詞が合っていない。 --メイドは台詞には問題ないが、役者があっていないのか画質が悪いのか、若干むくんだ顔に映っておりメイド好きからもそっぽを向かれた。 --軍曹はよくあるスパルタ軍人キャラかと思いきや実際はミリオタにもなりきれていない、ただの痛いオッサンである。 -プレイ開始時、主人公の性別と家族構成を入力する。人数に関しては親や配偶者は1人ずつまで、祖父母は2人ずつまで等常識的にしか入力できないが、''自分の性別に関係なく妻や夫がいる事にできてしまう''。たとえば、自分が男でも夫がいる事にできたり、妻と夫の両方がいる事にできたり…など。 --ここで入力した情報はオブザーバーのセリフと「あなたシナリオ」の登場人物にちょっと影響するだけでゲーム内容自体に変化は無いため、適当に入力しても構わない。 //--[[LGBTの人に配慮した>ファイアーエムブレムif 白夜王国/暗夜王国]]と解釈すれば、時代を先取りしたセンシティブな感性を持つ作品と見ることもできなくもない。もっとも、飯島作品では''ゲイキャラ=周囲から気持ち悪がられるギャグキャラのレイパー''で本作でも''男子高校生をレイプする芸人HGのコスプレをしたファミ通社員''が出てくるぐらいなので、そこまで想定していたとは考えにくいが。 -このゲームの特徴として「住民移動システム」というものがある。これは話を見ることで増える住民情報を移動させることによって、移動先の話の展開が変わるというものなのだが…。 --実際はあまり活かされておらず、移動を必要とするのは大抵ストーリーの開始条件となっているときだけである。数個のシナリオ開放に使うだけで、それ以外のメリットが一切無い。それ故、面白みがなく非常にめんどくさいだけのシステムとなってしまっている。 ---例えば各地の心霊スポットを巡っている記者がいるのだが、青森でこの記者の情報を登録した場合、福島の話を見るためにはこの住民を福島へ移動させなければならず、更に青森の話を再び見たい場合は青森に戻さなければならない。 --このシステムがまともに活かされている話は長崎と新潟で、特定の人物が存在しない場合にその話の裏側を見られる。きちんと作り込めば良いシステムになっただろうに…。 -住民には「生存」「死亡」「錯乱」「行方不明」のステータスがあり、「生存」以外の場合は契力を消費する事で回復・蘇生ができる。 --しかし、このシステムもあまり活かされておらず、契力を払って「生存」に戻さないとシナリオが読めなくなるだけの場合が多い。どのみちコンプリートのためには間違った選択肢を選ばざるを得ないため、こまめに契力を払って復活させるだけのつまらないシステムとなっている。このシステムが活かされているのは前述の長崎と新潟であり、特定の人物が死亡しているとシナリオが出現する。その人物を死なせていること自体に意味がある良演出と言える。~ また、宮城シナリオでは人物を死なせたままにしておくとランダム分岐が減る。 ---なぜか住民情報画面においてL2R2で「状態」にカーソルを合わせて方向キーを上下させると、「呪い」「憑依」というゲーム内では発生しないステータスを確認できる。 ---また、年齢00歳と表記されたキャラが数人いる((該当キャラは本物の魔女(年齢不詳)であるという設定。何故かつのだじろうも00歳))。初見では設定ミスにしか見えない。「--」や「??」でよかったのでは…?。 --シナリオ選択画面ではその県にいる住民の人数が表示されているように見えるが、実際は初期状態での人数に過ぎず、住民移動しても人数表示は変化しない。バグなのか、単純に作り込んでいないのか…。 -「契力」はシナリオを読んだり、ミニゲームをすることで増やせるが、シナリオの開放や住民状態の回復など何かと消費しやすく、特に序盤でのやりくりに苦労する。 --契力はこのゲームの重要な要素の1つと説明書にあるが、はっきり言って読みたい話が自由に読めないだけの邪魔な存在。通常プレイではすぐに枯渇するため選択肢が減り、契力のせいで自分の思うようにシナリオを開放したり、住民の状態を回復したりできない。 --大半のシナリオは終了時の獲得契力が少なく、読む度に消費する分を差し引いた黒字はわずか。また、分岐次第で赤字になってしまうシナリオがある上、都道府県の開放時にも消費する。通常プレイでは減る一方なので、ヒバゴンなどの黒字かつ短いシナリオを連打したり、特定のミニゲームで稼ぐ必要がある。 ---契力が5以下になるとゲームオーバーだが、収支が黒字になるシナリオを1つでも知っていれば回避可能。~ ちなみに、ゲームオーバーは「四八(仮)の世界を維持するためのエネルギーである契力がなくなり、世界が消滅する」というもの。''このゲームの惨状を考えればある意味唯一のハッピーエンド''である…かもしれない。 ---救済措置なのか、とある県のミニゲームをクリアすると''最大9000''もの契力を一気に入手できてしまうため、これだけでEDまで余裕で到達できてしまう。というか、このミニゲームの存在を知らないとシナリオコンプは難しい。 //---ちなみにこの契力、ゲーム中で「このゲームにおける最重要に匹敵する」と言われる。「匹敵する」という事は「最重要なものが他にもある」という意味になるが、それらしき物は特に無い。さらに上記の稼げるミニゲームがあるせいで、存在そのものに疑問を抱かざるを得ない。 -通常プレイの場合、エンディングに到達した時点での契力はゲームスタート時より少ないことが多いため、「契力だけを引き継いでプレイし直す2周目」は実質''弱くてニューゲーム''である。 -本作では、あえてグラフィックの画質が粗めにされている。これはかつて『学校であった怖い話S』に対して、「グラフィックが綺麗であるため怖さが削がれる」という指摘があったためと思われる。 --だが、おかげでせっかく萌えを狙ったツインテールや眼鏡の女性キャラがかなり映えないイメージに…。 --実写でなくアニメ絵(画質はクリア)を使った「オンラインゲームの悪夢」は、イラストの少女(グラフィック)''だけ''は評価された。粗めにした他のシナリオが失敗だった証左とも言える。 --ちなみに、伝承が語られる幾つかのシナリオでもアニメ絵を採用しているが、伝承の雰囲気作りに貢献しているとは言い難い。 -大半の出演者は驚き顔が下手。逼迫したホラーシーンでも違和感のある驚き顔が表示されるため、もはや''顔芸にしか見えない。''ここまで皆下手だとそういう演技指導が入っているとしか思えず、ただの社員だったSFC版の方が演技が上手いと当時よくネタにされていた。 -いくつか前述されているが、サウンドや写真といった素材がテキストと噛み合っていない部分が多い。 --東京のシナリオでは、冒頭で主人公がケータイで電話をするシーンがあるが、手に持っているのは''コードレスフォンの受話器。''~ また、主人公が「生首が俺を睨んでいるように見えやがる」「生首が俺を見ている」と独白するシーンがあるが、画像の''生首は両目を閉じている。'' --石川のシナリオでは「今は夏の終わりなのに、あの人はコートを着ている」「まだまだ暑い。半袖で十分だ」というテキストが出るが、''背景に写っているモブ達は長袖を着ている。'' --千葉のシナリオでは、画像の''男子生徒は皆冬服、女子生徒は夏服を着ている。'' --新潟のシナリオは女子高が舞台なのだが、男女の声が混ざったガヤ声が使われている((ちなみに本作発売の時点で、新潟県内に女子高は二校しかない。))。またテキストでは「あの写真は今もアルバムにしまわれている」と出るのに、画面には''写真立てに入った写真''が表示されている。 --沖縄は「花見」をテーマにした話だが、背景写真の桜は沖縄の咲き方と違う((沖縄の桜は殆どが「寒緋桜」という真冬に咲く桜である。県外で主流の「染井吉野」は、沖縄では気候の都合で花を咲かせることが難しい。また花見のスタイルも、他地域とは大きく異なる。))。沖縄の人物がルー語を喋ることもそうだが、ここのスタッフは他県の季節など基本的な情報すら理解していない。 --秋田シナリオでは話の途中で効果音が鳴るのだが、主人公は「ジャンジャンジャンという耳障りな鐘の音」と言うが、実際の効果音はどう聞いても「カランコロン」である。 --他にも年齢どころか性別すら合わない呻き声を使い回す、刃物で肉を切り裂く音・拳で鳩尾を殴る音・拳銃を撃つ音・本を天井に投げつける音が同一であるなど、効果音の不自然さが目立つ。 -あるシナリオでは平凡な霊体験を怖がる少女キャラクターが、別のシナリオでは「齢千年を超える本物の魔女」であったりする。「魔女が記憶を失っていた」「少女が後に魔女になった」等の間を補完する描写は一切なく、設定の伝達ミス疑惑が指摘されている。 -幽霊などが現れるシーンは文章による説明が少なく、ただSEと一枚絵でワッと驚かせるものばかり。「自分の名前で食える」ライターなら表現の1つも入れたらどうだろうか? --しかもショッキングなSEが鳴った後に間を置いて画像が表示されるため、怖がろうにも怖がりづらい。 -テキストメインのゲームでありながら「出たら出たで→''出たら出た出''」「もの→''のも''」「先→''左記''」「パーテーション→''パテーション''」等、''一目で気付くような誤字''が散見される。 -登場人物はバストアップのグラフィックで表示されるのだが、1人ずつしか表示されないことが多い。 --そのため複数の人物が会話しているシーンではキャラが互い違いに表示されたり消えたりして、妙に時間がかかる。『PANDORA MAX』シリーズでさえ3人同時に表示できたのだが… -サウンドテストはBGMが70曲以上あるかの様に見せかけておきながら、実際は20曲程度しかなく、''あとは全て笑い声や風の音のバリエーション。'' -「ヒント館」というコマンドもあるが、''説明書に載っている文章をそのまま収録しただけ''であり、あまりありがたみを感じない。シナリオよりこちらを削るという発想は無かったらしい。 **バグ・不具合 -''セーブデータのロード後、画面に謎の真っ白な長方形(白枠)が現れ、画面の一部を覆ってしまうことがある。''県選択画面で常に一部分を隠し続けるのも厄介だが、何より怖いのは出現したが最後、''ロードし直しても二度と消えない(当該データがオシャカになる)''こと。回避方法は不明((メーカーのサイトに載っている発生理由は不正確。つまりメーカー側でも原因が特定できていないと思われる。))なので、複数のセーブスロットを使い分けるしかない。問題の白枠は本ページの上部に掲載されている画像を参照のこと。 --白枠の位置・大きさは出現する都度ランダムであり、COLOR(red){''画面が全て埋まることもある''。} --おそらく、コマンドのメッセージを表示するための枠が、何らかのコマンドエラーで消えずそのまま残るという、同人・パソコンゲームでもよくある症状。アップデートで直せるものだが当時のPS2作品にアップデート機能は無い為、直接会社に連絡して改善版と交換してもらえなければ泣き寝入りするしかない。%%泣き寝入りするほどの価値が本作にあるのかはまた別の話だが((むしろ悔やむべきは本作を買うために出したお金だろう。))。%% --メモリ管理周りのプログラムに不具合があった時にもこのような現象が起こることがある((メモリに書き込むデータが何らかの理由で破損した、前に使っていたデータが消去許可を出されずにメモリ上に残ったままで新しいデータを書き込もうとしたなど。後者の場合はメモリ使用量が100%になるのでフリーズする可能性がある。))。 -セーブ後、「セーブを終了しますか?」という問いに対し×ボタンを押すと''高確率でフリーズする。'' --これに対するメーカーサポートの返答は、「''メモリーカードを抜き差しすれば直る''」というもの。仮にもゲームの仕様に詳しいはずのメーカーが、子供向けのゲームでさえ警告がなされるほどのタブーな取扱いをアドバイスとして提示したという事実が当時波乱を生んだ。 --ムービーやエンディングでもフリーズする事がある。原因は不明。よって回避も不可能。 --これらのバグはその仕様ゆえ、「''シナリオのホラー要素よりもバグの方が遙かに怖い''」とまで言われるほどである。 -山梨のシナリオで、筒井康隆氏と旅館の女将の会話中に''突然画面がブラックアウトし、その状態が数十秒も続いてから唐突に筒井氏原作のシナリオに移行する。''終了後の2人の会話はブラックアウト前の会話と繋がっておらず、テキストがいくつか飛ばされたかの様な印象を受ける。 -群馬は2本のシナリオのどちらかがランダムで始まるのだが、なぜか最初に「シナリオ1」「シナリオ2」という一文が表示される。 --ランダム開始のシナリオは他にもあるが、この現象はこのシナリオのみ。''デバッグ用のテキストだろうか?'' -PS2の時計を設定しないと絶対にランダム分岐しない県が五つ(北海道、東京、大阪、愛媛、鹿児島)ある。 --他のランダム分岐シナリオは未読ルートに分岐しやすくなる仕様なので気付きにくい。 -シナリオの全ての結末を見るとその県が緑色で表示されるが、''東京だけは緑にならない。''攻略本によると「アルバイト男の事情」というシナリオのみ結末が存在しないための仕様との事だが、あえてそのような仕様にする意図が%%せいぜいシナリオコンプリートの特典が用意できなかったことをごまかす苦肉の策程度しか%%見出せず、ただの不具合であると思われる。しかも、その不具合を公式にはアナウンスしないと宣言。 **ゲスト関係 -多彩なゲストが参加しており、こちらは概ね評価は高いが、やはり問題もある。 --稲川淳二氏の怪談ムービーが収録されている。怪談の内容自体は高評価だが、ムービースキップが無い事とランダム分岐、さらにはフリーズバグのせいで非常に読み辛く、グラフィックもゲームに取り込んでいるわけでもテキストを表示するなどの補佐があるわけでもはなく、稲川氏が喋る光景をただ録画しているだけなので、ゲームに慣れたプレイヤーからするとやや不満。 --[[水木しげる>ゲゲゲの鬼太郎シリーズ]]氏の「ノツゴ」と筒井康隆氏の「本陣の怪異」のグラフィックは、ただ真っ白な原稿用紙が表示されるだけ。 ---ちなみに、鳥取にある「水木しげる記念館」もゲーム中に登場するが、入口近くがちょっと映るだけである。 //いずれも本人登場話なのだが、筒井氏はともかく漫画家である水木氏のシナリオで原稿用紙を表示する意味が分からない((厳密に言うと、この「ノツゴ」は1983年に発表された水木氏の数少ない小説作品であり、2005年に文庫化(現在は絶版)されるまでファンの間では幻の作品と呼ばれていた。現在は『水木しげる漫画大全集103 水木しげる人生絵巻/わたしの日々他』(講談社)や『文豪ノ怪談 ジュニア・セレクション 霊』(汐文社)で読む事が可能。))。 --つのだじろう氏の東京シナリオでは、冒頭で無意味なランダム分岐が立ちはだかる。他のランダム分岐シナリオは未読ルートに分岐しやすくなる仕様なのだが、''なぜかこのシナリオだけは変わらない。'' ---- **評価点 -前述の通りゲストシナリオだけは割と好評。だがそれはあくまでもゲストが「''書いた''」シナリオ限定で、「イラスト提供のみ」や「出演のみ」のシナリオはやはり残念な出来である。 --タイアップゆえにレビューで出来に見合わない点数を付けざるをえなかったファミ通編集部らを始めとしたゲスト((SF御三家の筒井康隆氏・妖怪研究家の水木しげる氏・ホラー漫画の巨匠である伊藤潤二氏・怪異蒐集家の木原浩勝氏・心霊研究家のつのだじろう氏の5人。))については、「''飯島の罠にかかった被害者''」とも言われる。 --特にファミ通社員に関しては「[[ファミ通のシナリオに関しては、僕やほかの編集者が断片的にシナリオ原稿を書きましたが、それを飯島さんがうまくまとめてくださいました>https://web.archive.org/web/20081202174150/https://famitsu.com/game/news/1212038_1124.html]]」比較的好評なシナリオを提出したにも関わらずほぼ全員人格破綻者か犯罪者にされている。 -通常のシナリオでも話によってはかなり面白いと感じるシナリオはいくつかある。 --もっとも、非常に多いシナリオ数をはじめ、前述のバグや契力システムのややこしさもあり、面白いシナリオに辿り着く前に辞めてしまう可能性は高いが…。 -「オンラインゲームの悪夢」に登場する2Dキャラ「忍」はとても可愛いと評判。絵師は芳ゐ氏。 //「芳井波」から発売当時のPNに変更しました --…なのだがこの話の最後には''本作の現物が送られてくる''というある意味1番恐ろしいオチへの分岐が仕込まれていたりする。このゲームがKOTY大賞であるというネタを知っている人にとっては、かなり意外性のあるネタ的結末として語り継がれた。 -近年ではFFシリーズの作曲も担当している鈴木克崇氏のBGMも%%クソゲーのお約束と言うべきか%%概ね好評。メインテーマのアレンジばかりで曲数が少ないのが残念だが…。サウンドテスト内にある未使用曲が一番不気味だったりする。 また声優も、シナリオ内で登場キャラを演じる野川さくら氏や井ノ上奈々氏、ナレーションを務める麦人氏等、%%こちらもクソゲーらしく%%名の知れた顔ぶれが見える。 --しかしこちらも残念な事に女性声優の声は実写のイメージと合っていないとの指摘が多い。またギャルゲーホラーの「オンラインゲームの悪夢」には声が使われていないなど、首を傾げざるを得ない部分もある。ちなみにボイス付きのシナリオはすぐ終わる観光案内ばかりなので地雷発見器になっていると同時に声優の無駄遣いともいわれている。 //-''[[パッケージ裏のデザイン>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/2721/2987/48Kari_B.jpg]]だけは怖い''。更にゲスト作家全員の顔写真付き宣伝もありパッケージだけだと面白そうに見える。 //ゲーム自体の評価点ではないので余談に移動。 -オープニングの映像はそこそこ怖い。後述の''パッケージを除いた作中で一番怖い所''とまで言われている。 ---- **総評 いろんな意味で触れ込みと違う・あからさまに手抜き&コンプ不可能のシナリオ・不親切なシステム・致命的なバグ・盗作疑惑・杜撰なメーカー対応…。~ 全方位に隙の無いクソッぷりは、まさしく''史上最強のクソゲー''の名を冠するに相応しいもの。『[[たけしの挑戦状]](1986)』『[[デスクリムゾン]](1996)』に次ぐCOLOR(red){''10年に一度のクソゲー''}である。~ 本作が2作と異なるのは、『たけ挑』のような斬新なアイデアを以て既存のゲームの概念を破壊しようとしたチャレンジ精神、『デス様』のような制作者の作品愛・責任意識・前のめりの情熱といったポジティブな姿勢をいずれも持ち合わせていない点であろう。~ 今もなお歴戦のクソゲーハンターをして''「このゲームを買ってプレイすること自体がホラー」''と言わしめる、ひたすら陰湿な部分に満ちた''「負」のクソゲー''の一つの到達点とも言うべき作品。~ 後述するようにクソゲーハンターの入門作品としては最適だが、だからといって安易な覚悟で手に取るのは絶対にオススメしない。 ---- **余談 -''[[パッケージ裏のデザイン>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/2721/2987/48Kari_B.jpg]]だけは怖い。'' --さらにゲスト作家全員の顔写真付き宣伝もありパッケージだけだと面白そうに見える。 -スタッフロールの最後では「原作:飯島多紀哉」の文字が表示された後に崩れ落ちて「原作:(プレイヤー名) ((ちなみに「あなたシナリオ」プレイ開始時のデフォルトネームは「佐藤隆明」である。))」と表示される。 --ストーリー上の演出によるものなのだが、発売当時は「責任を逃れるために原作者の座をプレイヤーへ押し付けたようにしか見えない」とネタにされた。 -飯島氏がゲーム中に実写で登場するのだが、その中で「捏造や誹謗中傷でひどい迷惑を受けている」「匿名掲示板なんて自作自演」などと、どうもネットコミュニティに対してのバッシングと思われるような発言をしている。かつて自身の作品を批判された腹いせなのだろうか?((氏は誹謗中傷に極めて厳しい姿勢で知られ、現在でも公式サイトで「誹謗中傷を見かけたら報告して欲しい」と「然るべき対応をさせていただく」と釘を刺していたり、誹謗中傷に関するニュースにTwitterで逐一反応していたりと、見ようによっては目くじらを立てているという見方も出来るほどである。))。 --作中でその種の嫌味な人物を演じる上でなら、そういったテキストを混ぜる手もあるだろう。しかし、不満を感じながら遊んでいるプレイヤーにとっては、やはり神経を逆撫でする要素に他ならない。 -ファミ通ではなくゲーマガから発売された『[[四八(仮) 完全ガイド>https://www.amazon.co.jp/dp/479734640X]]』の帯には「シナリオの全てが完になる!?」とあるが、実際にはならず厳密には「ゲーム内で埋められる全てのシナリオが~」である。 --「完になる!"?"」と一応''疑問符を付ける''というおふざけをしてしまったので、本当はならないことを示唆しているのかもしれないが…。 ---ちなみに、この攻略本には「蕎麦屋の怪」というゲーム未収録シナリオが載っているが、これは本来没になった高知のシナリオへのブリッジ的存在なので、このシナリオだけ載っていても全くの無意味であった。 -後に飯島氏は、同人誌で「非常に不本意な出来だった」「プレイヤーはどう思っただろうか」と、''本作の出来の悪さを認めている''((ただし、「全てバンプレストに弄られたせいだ」とも言っているが。))。 --氏曰く、バグについて「僕は、開発作業はおろか、デバッグにも参加していない」「頑張ってくれた開発会社さんに迷惑をかけるわけにもいかないので、(自分への批判の声に)あえて何も言わないように努めました」らしい。 --発売から何年も経った後ではブログで開発会社もろともかなり辛辣に批判したり(シャノン公式ブログへの移転に伴い削除)、シャノン公式サイトで『[[戦国乱世百花繚乱>ONI零 ~戦国乱世百花繚乱~]]』『[[鳴神学園都市伝説探偵局>アパシー ~鳴神学園都市伝説探偵局~]]』と共に「''殆ど開発に携わっていない''」とアピールしていたりと、過去の汚点を葬り去りたがっているような動きも見える。 -今は亡き公式サイトに掲載されていたムービーの映像は、実際のゲームには全く出てこない。 --同サイトのシステム紹介のページには当初「シナリオを読破し、住民を150人見つけると、隠しシナリオが出現します…。」と書かれていたが、キャラは150人もいないし、揃えても隠しシナリオなど無いので全くの嘘である。 ---後に人数などを修正し「シナリオを読破し、全住民137人から、ある人物を、ある条件で集めると、隠しシナリオが出現します…。」と表記が変更されたが、隠しシナリオ自体が無いのでどのみち嘘である。 -ファミ通クロスレビューの採点は「7/6/7/6」の''26点''である。 --タイアップ関係の都合上率直な評価がしにくかったと思われるが、当時のファミ通において26点と言う点数は平均以下で、''むしろタイアップした事を考えるとかなり辛い採点''といっても過言ではない。 --一方の競合誌『電撃プレイステーション』では最低ランクの「''D評価''」が与えられていた。 -発売当時、年間のクソゲー日本一を競い合う場所として盛り上がり始めた「クソゲーオブザイヤー(以下KOTY)」スレにてあっさり''[[2007年度KOTY据置部門大賞を受賞>https://koty.wiki/2007GP]]''した。 --全方位に隙の無い出来の悪さから本スレでも「クソゲーというジャンル」として扱われるほど。 --そのあまりにも衝撃的な内容で''KOTYの評価基準そのものを一新せしめ''、いわゆるCOLOR(red){''四八ショック''}を引き起こした。 ---[[前年>ファンタシースターユニバース]]までは多くの話題作がKOTY候補として騒ぎ立てられることが日常茶飯事だったが、翌年の2008年以降は「ガッカリ」程度の選評では有無を言わさず門前払いされるようになり、また前年以前のクソゲーもKOTY動画でネタにされることはほとんどなくなった。 ---しかし、翌年以降もこのボーダーラインすら[[超えていく>ジャンライン]][[クソゲー>MAJORDREAM メジャーWii パーフェクトクローザー]]が続々と登場していくのである。 -''[[学術論文>https://paperzz.com/doc/5700333/digra-japan%E5%9F%B7%E7%AD%86%E8%A6%81%E9%A0%85]]の題材''に用いられた。 --ゲームを学術的に研究するという国内でも珍しい学会「日本デジタルゲーム学会」の2012年夏季研究発表大会にて、吉永大祐氏(当時山形大学助教)により『「四八ショック」とは何だったのか-インターネット上のゲームユーザーコミュニティにおける「クソゲー」概念とその変容-』という題目で発表された。なお同研究は''2013年度学会賞を受賞している。'' -本作のRTAにおいては「全都道府県の中でも最速レベルで終了させられ、契力の獲得量が消費量よりも多い広島シナリオを48回連続で見てクリアする」のが最適解とされた。 --このゲームのRTAを行う人がいるというのも驚きだが、同じシナリオをひたすら見続けるだけでクリアができてしまうというのもこのゲームの薄さを物語っていると言えよう。 -FC『マイライフ マイラブ』という本作の原点?と言えるゲームが過去に同社バンプレストから出ている。企画者は名義を変えているが同一人物である。 --非常に薄味の人生を100年間も生き続けなければならない(自分以外の人物はバタバタと死んでいく)という苦行ゲーであり、ぶっ飛んだヤバさはないが全方面にわたってナチュラルにヤバい出来となっている。 ---こんな内容だが、キャラクターデザインは「少年アシベ」で有名な森下裕美氏である。 -千葉県等で『学校であった怖い話』のキャラが登場するが、同時期に発売された公式同人のアパシー・シリーズに比べて言動がSFC版やPS版に近い((アパシー・シリーズ第一弾『アパシー 学校であった怖い話~Visual Novel Version~』は原作で没になった危険なネタを集めた小説版『学怖』をゲーム化したものであり、語り手達は勿論、主人公までもが負の側面が強調されていた。基本的にアパシー・シリーズのキャラは小説版の性格がベースになっている。))。[[このゲームの救い>https://w.atwiki.jp/48kari/pages/33.html]]との声も。 --特に飯島氏自身が「PS版はノータッチだったから」と同人で暴走の極みにされているPS版追加主人公の倉田恵美が原作ベースになっており、尚且つその設定で元祖主人公の坂上と共演しているのは貴重である。役者の髪がおさげなので外見上はかなり印象が変わっているが(原作や同人では全てショートカットで統一)。 --とは言えシリーズネタ/内輪ネタが多く、学怖シリーズの前知識が無いと何が起きているのかわからない話もある。 #region(全シナリオをコンプリートした実況者の動画) &youtube(https://www.youtube.com/watch?v=erK3EBdE4gc&list=PLunyMOp9gGlk3HDWletJGekjhYfjMoDsD&index=1) #endregion //的外れだらけの擁護意見の項目は、クリエイターでもなんでもない一般人が暴れただけという判断のため、削除しました。 //↑話し合いのログ https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/51440/1511091351/551-562 //的外れだらけの擁護意見の項目が復元・追記されていましたが、稚拙な編集であったため削除しました。話し合い等で復元が認められたゆえでの行為であれば、折り畳み化なども用いた再編集をお願いします。
//スパム投稿をやめてください。 「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「全体的な内容の修正」です。 ---- *四八(仮) 【しじゅうはち かっこかり】 |ジャンル|47都道府県ミステリー|CENTER:&amazon(B000G73FVS,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41ok4Y2KjtL._SL160_.jpg)[[高解像度で見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/2721/2986/48Kari_A.jpg]] [[裏を見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/2721/2987/48Kari_B.jpg]]| //amazonプラグインのテスト。詳細は→ https://w.atwiki.jp/guide/pages/267.html#id_b3da42f5 |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|アルカディア・プロジェクト&br;シャノン|~| |発売日|2007年11月22日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:C(15才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|CENTER:&image(48bug.JPG,https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=2721&file=48bug.JPG,width=160,title=何も見えん…)白枠バグ。| |ポイント|COLOR(red){''2007年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門大賞''}&br;「完」で強引に〆る手抜きシナリオまみれ&br;ホラー無関係のショボいミニゲーム&br;好きに読ませてくれない邪魔なシステム&br;''セーブデータに残る致命的なバグ''&br;''アドベンチャーとして当たり前な機能も未搭載''&br;ゲストシナリオ''だけ''は好評&br;方針大転換を促進したKOTYの革命児|~| |>|>|CENTER:''[[KOTYゲーム一覧]]''| //「ポイント」の行数が多すぎるので削減及び一部差し戻し ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''全国47都道府県の"究極の恐怖"がここに集結!!''} }} ~ ---- **概要 「47都道府県で語られている実際の都市伝説をモチーフにしたADV」がテーマ。~ SFC/PS時代の名作である『[[学校であった怖い話]]』の後継企画でもある。~ ゲーム開始時にオブザーバーに読み上げられるように、「''(仮)''」までが正式タイトル。~ 主な通称は『ヨンパチ』。作中でもそう呼称するキャラクターが複数人いるため、半公式の呼称と言える。 ゲームデザイナーの飯島多紀哉氏は、『学怖』『[[BURAI>ブライII 闇皇帝の逆襲]]』『[[ラストハルマゲドン]]』などの数々の名作を生み出した飯島健男氏の新PNである。~ 氏は[[PANDORA MAXシリーズ]]の失敗により、代表を務める会社「パンドラボックス」と共に自身も活動を休止していた。~ それが2005年にゲームの専門学校の講師として再び表舞台に姿を現しており、~ 続いて翌年1月、都市伝説をテーマとした新作ソフトとして『四八(仮)』の公式サイトが公開され、一般から都市伝説の募集を始めた。~ 当初は謎のシナリオライター「T.I」として名を連ねていたがやがて飯島健男氏と同一人物である事を明かした。~ その後、パンドラボックス改め新会社「シャノン」を立ち上げたことにより、本作は氏の復帰作としても注目を集めた。 公式サイト公開から約2年が経過した2007年11月、遂に本作は発売された。~ しかし、その実態はCOLOR(red){''想像を絶するクソゲー''}であった。 ---- **ゲームシステム 本作では日本地図型のメニュー画面から読みたい県のシナリオを選び、ADV形式で読み進めていく。シナリオは自由に選べるわけではなく、右上に表示される「''契力''」というポイントが必要で、シナリオによって必要数が異なる。契力はシナリオクリアによって獲得できるため、必要数と獲得数から契力切れにならないよう進めていく必要がある。~ シナリオによっては選択肢によるルート分岐があり、登場人物の顛末やシナリオの内容が変化する。これによりキャラクターが離脱した場合、そのキャラクターが登場するシナリオは利用できなくなってしまう。離脱したキャラクターはメニュー画面から契力を消費することで復活させることができるが、バッドエンドが続くと契力が切れてしまうので、なるべくグッドエンドに進むことができるよう選択していく必要がある。また、県をまたいで登場するキャラクターも存在し、メニュー画面から「''住民移動''」させて対応するシナリオを解放させる場合もある。~ 一部シナリオではミニゲームが含まれ、こちらもシナリオ内容と契力獲得に影響する。~ 都道府県シナリオとは別に、冒頭からプレイヤー自身の身に起こる「''あなたシナリオ''」が発生する。都道府県シナリオを一定数進めるごとに物語が進んでいき、最後まで進めることでゲームクリアとなる。 ---- **特徴及び問題点 ***都道府県別シナリオ 発売前にはイベントが行われ、「ネットで何でも調べられる現代だからこそ、地元を徹底取材しての"土着の話"に拘った」と語られた。またパッケージ裏には「四七都道府県の究極の恐怖が集結!」「実際に取材を敢行!」と謳われている。~ しかしその実態は、「''地元とは無関係の話''」や「''都市伝説ですらない、ただの観光案内''」だけで片付けられている県ばかりである。 ***ただの観光案内になっているもの その話も施設の公式サイトや観光パンフレットに載っている程度の内容。 -佐賀はとある酒造家が所有する「カッパのミイラ」にまつわる話なのだが、「拝観料は取らない」「お茶も出してくれる」などと妙に酒造家を持ち上げている。そして、まったく怖くないにもかかわらずBGMだけはおどろおどろしい。 -静岡は県内にある岩石の博物館「奇石博物館」の紹介。ごく普通の観光案内を長々として、最後に「展示されてない収蔵品の中に、呪われた石があるんだって」と言って終わり。 --当然だが博物館にそんな噂はなく、''風評被害を与える営業妨害''とも取られかねない。女郎蜘蛛の伝説など、他に題材にできるネタもあっただろうに。 -熊本は初っ端から下ネタの連呼であるし、語り部の話し方がはっきり言ってウザい((語り部は『学怖』キャラの風間であり、その変人ぶりを再現した結果とも取れる。))。内容も油すましや河童の話や、永国寺やトンカラリンといった場所の話をするだけ。 -愛知は桃太郎神社の話をするだけ。こちらも語り部の話し方が妙に遅い猫撫で声なのでイライラさせられる。 -三重は愛洲の里の牛鬼の話をするだけ。そして、映像はなぜかアニメ絵である。 ***県と無関係なもの このようなシナリオが1県でもあったら、そもそも県ごとにシナリオを分けた意味が無い。 -沖縄・高知・愛媛は「''私個人が○○したら幽霊が出ました、終わり''」というだけのいわゆる心霊体験の話。 --沖縄は語り部の少女がなぜか琉球方言ではなく、「ブロッサムをシーイング」「ガールがストップしてたのさ」等いわゆる「ルー語」を話す((「暇をマッシュ(「暇をつぶす」と言いたいらしい。なお、英語で「暇をつぶす」は「pass the time」という。)」などの無理矢理すぎる表現も。))。 #region(補足) 好意的に解釈すれば、戦後以降の琉球方言(ウチナーヤマトゥグチ)でみられる「ネイティブ英語と日本語と琉球語が入り混じった独特の表現」を誇張したものとも考えられるが、こんなやり方では沖縄県民への侮辱と取られても仕方ない。~ 単純にボケとして見てもセンスが悪く、「地元の取材どころか琉球方言の研究もしていないのでは?」との疑惑も持たれた。そもそも、沖縄以外のシナリオでは語り手が標準語で話しているため、沖縄だけを変える必要など全くない。 #endregion --愛媛で聞ける3本の話の内2本は、''登場する幽霊が違うだけであとはほぼ同じ話''である。 --後に飯島氏が同人誌で語ったところによると、この3県は''ゲームに出演する予定だったジュニアアイドル(小学生)が書いたシナリオをそのまま使ったらしい。''「ゲストシナリオ以外は全て自分で書いた」と豪語していたはずだが? -四国に至っては4県とも県無関係。地方別に直しても分ける意味がない。 --香川は衛生系の下ネタ話なので不快になりやすく、『学怖』キャラの細田を起用したためにキャラレイプという二次被害まで生じている。しかもランダム分岐で4つ話があるため、乱数が悪ければ何度も同じ話を見ることになる。 -宮城シナリオは''分岐が9つもあるが展開も結末もほぼ同じ''((「自分の名前で送られてきた(またはゴミ捨て場で見つけた)謎のダンボールに何かが潜んでいました、終わり」。もちろん宮城との関連性は一切無い。))で意味不明のまま終わる。こちらも選択肢なしのランダム分岐なので、乱数が悪ければ何度も同じ話を見ることになる。 -秋田のシナリオは始め心霊写真を題材にした話かと思いきや水関係の怪談に急に転換し、写真も話の結末も何一つ噛み合っていない。 -岩手・神奈川・徳島は''県とは無関係のミニゲーム''でお茶を濁しているだけ。 --岩手は「生き埋めになった洞窟から脱出する」というものだが、なんと''脱出成功時のグラフィックしか用意されていない。''%%付いたあだ名は「[[土のリグレット>リアルサウンド ~風のリグレット~]]」である。%%スタッフロールの取材先には遠野伝承園がクレジットされているが、''作中にはまったく出てこない。'' --神奈川は「格安のマンションを借りたら、夜中に幽霊たちが言葉の並び替えゲームを仕掛けてきた」という形の意味不明なミニゲームである。幽霊たちは棒読みボイスで喋る上、''正解すると「オオー」という声と拍手で喜ぶ''ためシュール極まりない。 ---回答の中に「伊藤博文(いとうひろぶみ)」があるが、読み方を間違えているせいで「いとうひろ''ふ''み」と入力しないと正解にならない。問題すらまともに作れていない有様。 --徳島では隣県高知の話(おそらく[[介良事件>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%8B%E8%89%AF%E4%BA%8B%E4%BB%B6]]の事)が出ているのに、''肝心の徳島の話がない。'' -茨城はなぜか雛祭りにまつわる呪いの人形の話。雛祭り人形の生産地としては埼玉県の方が有名だが、どちらにせよ呪いの人形の所縁はない。内容自体はまともな部類だが、4つの分岐すべてが似たような展開なので水増し感がある。 -宮崎は''殆ど鹿児島の話。''福島に至っては静岡と同様に名所の営業妨害である。 --しかし悲しいことに、その福島のシナリオは完成度としてはまだマシな部類だったりする。逆にタチが悪い。 -鹿児島シナリオの主な舞台である、実在する営業中のホテルも作中の設定として「幽霊が出る」というあらぬ噂を立てられ営業妨害を受けている。シナリオもマシな部類に属する点まで共通している。 -山形は人面動物に関する世間話をするだけ。京都は社会学者ブルンヴァンのベストセラーでも有名になった「タクシーの中で消える幽霊」の話をするだけ。そして山口は平家蟹の紹介で終わる。''群馬に至ってはブンブク茶釜の昔話''である。わざわざゲームを買ってまで聞く話ではない。 --なお、山形シナリオでは宮崎にある神社の話も聞けるのだが、その神社は宮崎ではなく福岡にある。観光案内すらもまともにできていない。 -栃木は「九尾の狐が死んで出来た石が那須にあります」という観光案内。それだけならまだしも、観光名所の説明もそこそこに九尾の狐が中国にいた頃や陰陽師との戦いに話がジャンプする。''やはり県自体はほぼ無関係。'' --平家蟹やカッパのミイラもそうだが、妖怪や伝奇、民俗学に興味のある人なら誰でも知っているような話である。 --その中国の話も、殷周期の話をしているのに「''皇帝''((秦の始皇帝が最初に言い出した言葉であり、殷や周では「王」とのみ称していた。))」「戦国乱世((中国戦国時代は周が完全に支配権を失った末期も末期の話。キュウビの狐=妲己は殷→周の交代期の話であり、周代、春秋時代と時代が2つも飛んでいる。))」などという言葉が出てくる。中国史の基礎的な知識すら不足している。 -山梨シナリオは「ゲストである筒井康隆氏の所に原稿を貰いに行ったら、原稿に書かれたものと酷似した怪奇現象が起きる」という話。しかし、筒井氏は山梨ではなく兵庫在住である。 --このシナリオでは「私も従業員も''ご覧になっていないのです''」という、テキストメインのゲームにあるまじき文法ミスが含まれた台詞がある((「ご覧になる」は尊敬語なので一人称では使わない。また、場面からして謙譲語「拝見する」も不自然であり、この場合は普通に「見ていない」とするのが正しい。))。 ***話自体に問題があるもの -青森は分岐した先の話がすべて肩透かしとなっており、''最も酷いシナリオの1つとして悪名高い。'' #region(内容折りたたみ) --冒頭は、「東京からキリストの墓について取材に来たオカルト記者が、墓を管理する職員の男から資料館にまつわる怪談を聞くが、『本題よりも面白い話がある』としてその周辺で起こっている超常現象の話を聞かされ、思いがけない収穫から現地に調査に向かう」というもの。~ この後、男から聞いた超常現象が見られる場所のうち、取材前日に車で奇妙な焼身自殺を遂げた人物がいたという「水芭蕉群生地」、その先の迷ヶ平にある、特殊な能力を持つ仙人が住んでいるとされる「エデンの花園」のいずれかを目的に移動することになる。ここまでは期待できそうな導入なのだが…。 ---前者の場合、「焼け焦げた車は見つかったものの、事件があった様子もなく錆だらけで放置されていた。騙されたと思い男を問い詰めようとしたが、アポ取り時にはつながった電話番号は使われておらず、名刺に書かれた管理事務所に向かうと無関係の墓地に辿り着いたため、不審に思いながら東京に引き返す。後日、改めて調べたキリストの墓の管理事務所の電話番号・所在地は全く別物で、男の名を尋ねても同名の職員は存在しないことが判明。結局、記事はお蔵入りになった」という話。エピソード中には男の正体や事件との関連性を匂わせる描写も一切なく、使い古されたオチを取ってつけただけの結末と化している。 ---後者の場合、「迷ヶ平に着いてもエデンの花園なる場所は見当たらず、立ち寄った飲食店でその場所や焼身自殺について尋ねてみても情報が掴めるどころか訝しまれる一方だったため、''それらが全てデタラメであったことを察し、意気消沈してきのこ鍋定食を食べて終わる''」というもの。ホラーを気取るつもりすら感じられない、くだらない起承転結オチである。 ---なお、行き先決定後さらに移動方向の選択肢が出るが、選択を間違えると「どこまで行っても目的地に辿り着かないので現地の人に聞いたところ、''目的地から真逆の方向に進んでいたことが分かり、編集者が悔しがって終わり''」である。分岐展開としての存在意義すらも疑わしい薄っぺらさである。キリストの墓や焼身自殺・仙人以外の男の話など、通常のオチと重複しない題材は山ほどあったのだが。 #endregion -新潟シナリオでは、箕澄という男性と2人で怪奇スポットを訪れた女子高生が「(寂れた場所なので)もし殺されたら、死体はなかなか発見されないかもしれない。想像したら、ぞくぞくしてきた。正直言うと、箕澄さんは私のタイプかもしれない。」と、''まったく前後の繋がりがない謎の独白をする。'' --この女子高生は(本作には珍しいほど)善良な真面目キャラである。親友の不可解な自殺について知っているとはいえ、初対面の男にこんな感想を持つのは不自然。途中のテキストが削られたのだろうか? -長崎シナリオの「真愛」はそこそこ評価が高いのだが、そういうシナリオに限って''盗作疑惑がある始末。'' --パクり元と思われるのは[[楳図かずお氏の『楳図かずおこわい本 怨念』>https://www.amazon.co.jp/dp/4257720093]]に収録されている『谷間のユリ』。 --因みに結末の1つで地元のデートスポットが出てくる以外は、やはりこの県である必然性が無い話でもある。 -''手抜き・意味不明の極みが広島シナリオ「ヒバゴン」である。''少女に心霊写真を見せられ、その後少女が「みんなに自慢しちゃおう」と言って終わるだけの話であり、なんと''1分で終了''する((テキストは少女の台詞(ボイス付)のみ。黙読のしようがないため、誰がプレイしても1分。))。タイトルのヒバゴンは全く関わっておらず、もはや広島県民に訴えられてもおかしくないレベル。 --「ヒバゴン」というUMA(未確認生物)のタイトルなのだが、この写真に浮かび上がる像はランダムなので、''ヒバゴンとまったく関係ない写真になることもある。''この程度の話ですらコンセプトが崩壊している。 ---山姥や蛇、場合によっては少女の知人が写るにもかかわらず、シナリオは一切変化なし(知人であることは他のシナリオで解る)。 --ボタンを連打していると写真に何も写らないという、真面目に見ろと強制するような仕様がある。こんなところ以外にも力を入れるべき所はたくさんあるのに、力の入れ方を完全に間違えている。 --このシナリオ唯一の登場人物である少女は「心霊写真」と呼ぶが、そもそも''ヒバゴンはUMAであって心霊ではない。'' ---また、現れるヒバゴン(?)は細身のゴリラのような姿だが、実際にはそれに加えて逆三角形の顔を持つのが通説とされる。どこまでも手抜き感の漂うシナリオである。 -北海道は語り手の少女が関東(東京もしくは埼玉だが、語り手は把握していない様子)から遊びに来た従姉妹とその友人2人で、実在する心霊スポット舞台をめぐる物語となっている。一見ホラーものとして本格的だが、妙に楽観的な語り手が雰囲気をぶち壊している。 #region(内容折りたたみ) --最初に訪れるのは過去に自殺者が続出し、その霊が彷徨っているとされる「平和の滝」である。 ---ここを訪れた際に「もう生きていても仕方ない」と低い男性の声が聞こえるが、語り手は''全員がその声を聞いたにもかかわらず''「空耳だった」と断言して片づける。その声の話題もそこで終わっており、怖さが全くない。 --次に訪れるのは切ろうとすると祟られるとされる「恵庭のご神木」であり、道路もこの樹を避けるようにして広げられている。 ---木には過去に切り倒そうとした傷跡が残っており、語り手がその傷跡をほじくると、中から血のような赤い液体が出てくる事態に見舞われる。が、語り手は驚くこともなければ、''誰かがご神木にトマトジュースを入れたんだろう''と解釈して片づけてしまう。恐怖心を誤魔化すために冗談でやり過ごしたという様子もなく、本当にサラッとそう述べて終わりである。そもそもホラースポットめぐりで来ているのに、そのコメディ的発想はどこから湧いて出てくるというのか。%%ある意味彼女の思考のほうがホラーである。%% --メインとして訪れるのが「藻岩山百段階段」であり、登る度に段数が変わり、段数を数えると突然子どもが「いくつあった?」と訊いてくると言われている。ここで段数を答えると不幸に見舞われるとされ、作中では段数を正確に答えないと階段を降りるときに突き落とされてしまうと紹介している。 ---真夜中にそれを試してみようと階段を登るが、実際に「今何段?」と聞こえてくるのは不気味な低い声であり、しかもわずか2段目のところで聞こえてくる。それ自体は演出ミスではなく語り手も驚いている展開なのだが、問題はそれに対する従姉妹の友人の答えである。 ---語り手たちは正しく「二段です」と答えたが、なぜかその友人は段数を間違えたなどではなく唐突に「''今川焼きです!''」と答える。 当然ながら今川焼き自体もシナリオには一切関係しないものである。一応、そう答える友人はやたらお腹を空かせているぽっちゃり女子という個性を事前に描写されているので「"今"何段?と訊かれた結果"今川焼き"を連想してしまった」「つい今食べたいものを答えてしまった」という流れにも見えるが、ホラーを名乗るゲームにはあるまじきネタであろう。 ---登り始めたばかりだから突き落とされずに済んだとのことだが、その友人が東京に戻った後のことについて語り手は「''あれから連絡ないから無事だろう''」という。%%「便りがないのは良い便り」ということわざもあるが、%%どう考えても連絡がないことを心配すべきでは…? --と、このように北海道は一見まともそうで、理解に苦しむつまらないギャグが挿入されるばかりで怖さを全く感じさせない奇妙なシナリオとなっている。ホラーの皮を被ったギャグを狙ったにしても滑っており、何より本作のコンセプトにそぐわない。 #endregion -大阪シナリオの語り手は地元の人の雰囲気を演じようとしているのか、無駄にハイテンションな口調で語る。''大阪弁をまるで使わないにもかかわらず''である。 --一応一人称だけは「うち」だが、訛りは全くない。また他のシナリオに出演した際には「私」と言う。 --そして肝心の内容は食べ物とトンネルの話のみ。 ---幽霊が出るとされる「犬鳴トンネル」が紹介されるが、肝心の中身には触れず、トンネルがまっすぐではなくカーブがかかっていることに不気味さを感じていると語っている。当たり前のことだが、カーブのかかったトンネル自体は高速道路などに幾らでも存在しており、不気味でも何でもない。 ---「旧石切トンネル」なるトンネルでは火災事故で多くの死者が出たことを語っているが、前述したようにハイテンションな口調で語るため、内容の暗さとまったく噛み合っていない。それどころか事故で亡くなった人の話を「死んじゃったんだって!」と声高らかに語るのは不謹慎である。ここは実際に訪れたらしいが、心霊体験らしい体験は一切なく、ただのホラースポットの観光で終わっている。 ---なお、作中では石切トンネルと紹介されているが、実際は「生駒トンネル」である。 -福岡、富山でも同様にトンネルのホラースポットが出るが、こちらは実際に探索可能。ただし、出来栄えはお世辞にも良いとは言えない。 --福岡の犬鳴トンネルは懐中電灯を持って探索するという本格的なホラーを味わえる…のだが、途中から急にノベルものに変わり、探索ものとしてのホラー感は味わえなくなる。 --富山の肝試しも同様で、イベント自体に対したホラーがなく、肩透かしを食らうことになる。オチが存在している分だけマシなのかもしれないが、それも「夏休みの行事で会ったはずの友人が、実は同じ日の病院で亡くなっていた」という使い古されたオチ。 -大分のシナリオは「観光地の取材中に心霊写真を見せ、10年ほど前に事故死した女子高生について尋ねたら取材拒否された」''だけ。''起承転結の「起」で終わってしまい、写真や事故に関する追加情報は一切無し。 -千葉には『学怖』で人気の高かった「逆さ女((「自分を見たことは誰にも話すな」という約束を取り付け、それを破るように仕向けた上で殺す存在。))」を下敷きにしたシナリオがあるのだが、話に違和感を感じるものとなっている。 #region(内容折りたたみ) --坂上修一がメールで全国の怖い話を募ったところ、荒井昭二から「逆さ女」について返信が来た。「あなたが怖い話が好きだからこそ話した。壁新聞には載せないでくれ」という頼みを無視して載せると、帰り際の正門で''他県からわざわざやってきた''荒井に約束破りを咎められた後、自室に逆さ女が現れ殺されてしまう…というもの。 --頼みを無視された荒井はともかく、''初対面の逆さ女に「約束を破ったね」と咎められる理由が謎。'' ---『学怖』の荒井曰く「彼女は、正当化する理由がないと殺人をおかすことができないんです。約束を破ることが、殺人の理由になるかというと、ちょっと……とは思いますけれどね。」「それで((逆さ女の母妖怪が父妖怪を殺した際、「約束を破ったから殺したんだ、だから悪いのは父妖怪なんだ」と言い張った事。))、逆さ女の心には、約束を破った人を殺さなければならないという考えが定着してしまったということなんですよ。」とのこと。~ しかしながら、わざわざ新聞記事のネタ募集に怪談を送っておきながら「載せないでくれ」「約束を破ったから身をもって知れ」という態度の荒井や、他者間の約束破りで殺人を正当化する逆さ女は、どうにも違和感がある。 ---ちなみに、本作の逆さ女は異様な寄り目になっており、人によってはギャグに見えることも。 ---また、中古対策のようなシナリオ解放条件に[[攻略スレ民の怒りを買った>https://w.atwiki.jp/shiju_hachi/pages/23.html]] --細田友晴は時勢を反映したつもりなのか、メールで2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)風スラングを多用するオタクキャラとして描かれている。しかしあくまで2ちゃんねる「風」でありまともになりきれてすらいない支離滅裂かつ不快な口調であり、オタクキャラすらまともに再現できていない。 ---当時の2ちゃんねるではこの表現に対し「こんな口調の奴どこのネットコミュニティにもいねえよ」「よほど2chで叩かれたのが嫌だったんだな」「これがネットの評価が憎い飯島が悪意を込めて描いた俺らか」等と嘲笑された。 --観光案内だらけになった結果、[[正統派ネタキャラ風間望>https://w.atwiki.jp/storyteller/pages/219.html]]が輝けない事態になった。''語り部が風間しかいない学校であった怖い話''と言ったら分かりやすいだろうか。 #endregion -長野シナリオはホラーというより''気分の悪くなる下ネタ''。 --しかも話のタイトルが「信州信濃の名物は」。なんの嫌味だろうか? --もっともこのシナリオは過激なブラックユーモアで知られる筒井康隆氏のコラボシナリオであるため、狙って不快な話を書いた可能性は高い。 --が、やはり長野県民からの心証がよくないのは火を見るより明らか。ここでもシナリオの都道府県制が足を引っ張っている。 -奈良は人面の土蜘蛛について説明した後、蜘蛛退治のミニゲームでお茶を濁すだけ。 --肝心の人面蜘蛛も俗にいう「雑コラ」レベルの出来栄えである。 -ファミ通編集部が舞台となる東京シナリオ「犯人は誰だ!」は、推理ものかと思わせつつ実際は推理要素皆無。オチも単なる内輪ネタ。 --そして、''そもそも怪談でも都市伝説でもない。''そのくせ、全シナリオの中で最も長大かつ複雑に作られている。 ***全体を通して -上記の例以外にも、話のフリだけで終わったり、オチが唐突かつ意味不明だったりするシナリオが多く、何も味わえずじまいとなる。 --「暗転して舞台が変わるのかと思ったらそこで終わりだった」というような話が多発するせいで、暗転する度に「完」の文字が出ないか怯えなければならない。そんな部分で怖がらせてどうする。 --一部のシナリオはボイス付きだが、残念ながらヒバゴンや観光案内、伝承といったハズレ枠ばかり。「中身のなさをボイスで誤魔化しているのか?」と勘繰ってしまうほどである。 -この有様に加えて、''最初に自分の出身として選んだ県から始まる''ことから、早々に不快な気分を抱えたままゲームを始めることが多発することになる。 -登場人物は全体的に「自惚れが過ぎる」「内心で頻繁に悪態をつく」「自分さえ良ければいいと考える」「人の話を聞かない」といった不愉快なキャラが多い。彼らが酷い目に遭ってもあまり感情移入できず、単なる因果応報に見えてしまう。 -話の数はかなり多く、ついでにゲストシナリオは面白いものが多い。加えてゲーム自体の難易度は高くない。それ故に「クソシナリオだらけでも何かおもしろいシナリオがあるのでは?」「たくさん見たら隠し要素の1つや2つぐらいはあるだろう」と、ついつい進めてしまう謎の中毒性がある。~ ''そして結局何もなく絶望する''事になる。 ***あなたシナリオ 都道府県別シナリオの他に、プレイヤー自身を主人公とした、全12話からなるシナリオ。 -ストーリーは「主人公が発売前の謎のゲームソフト『四八』をめぐる怪現象に巻き込まれる…」という一種のメタフィクション的内容。本作のタイトルに&bold(){(仮)}が入っているのはこのため。 -選択肢はあるものの、基本的に一本道。ある話では「ゲームをやめるか?」という選択肢が出るが、それを選ぶと''セーブできず本当にゲームオーバー''となる。普通は選ばないように思えるが、一部のシナリオは一見どうでもいい選択肢にもちゃんと分岐があるため、そのノリで選んでしまいがち。 -12話全てを読み終えるとエンディングになる「あなたシナリオ」は都道府県シナリオで一定回数の結末を見るごとに自動的に発生するのだが、既に見た結末にまた辿り着いても1回とカウントされる。つまり、たとえヒバゴンや観光案内であっても、''何回も同じ話を繰り返し見るだけでエンディングに辿り着けてしまう。'' --大抵のプレイヤーは、都道府県シナリオを大して見ない段階でエンディングを迎えてしまう。エンディング後もそのまま各都道府県シナリオを続けられるのだが、その所々に「あなたシナリオを予言」するネタが挟まっており、既に見たものを予言されることになる。 #region(ストーリーネタバレ) -展開は''夢オチ''に始まり''精神病オチ''に終わるという、期待の割にはあまり独創的とはいえないもの。肝心の物語は、「''自身を含め、四八に魅入られたプレイヤーたちが四八の世界を生み出し、伝染させている''」というものだと考えられるが、明確な説明はない。上記のように都道府県シナリオも読み切れず、伏線が回収できないまま早い段階でエンディングが発生してしまうため、あまり馴染めない。 ---後述するオブザーバーのうち、着ぐるみの女性を選んでいた場合、結末の最中に「ますますわけわかめ!」というくだらないギャグを挟むため、余計に萎える。 #endregion -シナリオ内ではやたらと『四八』が持ち上げられる。ゲーム内のキャラクターが絶賛するのは序の口で、''発売前に続編の製作が決定''、さらに''映画化のオファーが複数寄せられる''など失笑ものの展開も。なんと発売元のバンプレストまで持ち上げられている。 --主人公もどんどんハマっていくのだが、現実のプレイヤーは全くハマれない。主人公と現実のプレイヤーをダブらせて没入感を出す目的があるのだろうが、作品自体のクオリティが低いために失敗しているのは言うまでもない。そもそも、たとえ本当に良作だったとしても[[このような自画自賛>ゴーストバスターズ (FC)]]は不適切だろう。 --プレイしてきた『四八』が発売前のゲームだと知った主人公が、本来の『四八』制作者たちを訪ねるシーンがあるが、なぜかソフトの現物を持って行かない(しかも2回続けて)。更に''手ぶらで「うちにそのソフトがあるんです、パッケージまであるんです、なぜ信じてくれないんですか」と主張しだす''という正気を疑うような言動をとる。「なら見せてみろ」と言われてようやく持っていく有様。 -都道府県シナリオでも指摘されているが、「○○ちゃんが話していた話」「自分で自画自賛」など重複表現が目立つ。 --また「いただく」という言い方の使い方を何度も間違えている。この言葉は本来自分自身がへりくだって言う「謙譲語」のはずなのだが…。~ 例:「お兄さん、まだプレゼントいただいてないですよね?」「このお兄さん、まだいただいてないんですけど」 ---尊敬語と謙譲語の取り違えは改まった場の会話としてはかなりまずい間違いなのだが、それを何度も繰り返しているあたりにユーザーに対する開発スタッフの態度がにじみ出ているともとれる。 -エンディングBGMは「オンラインゲームの悪夢」というシナリオのBGMをジャズ調にアレンジしたものである。 --仮にもホラーゲームのエンディングとしては全く相応しくない曲調で、曲全体として終始マヌケな雰囲気が漂う。「''プァ~''」「''パプゥ~''」という脱力物の音が鳴り続けるため、「''飯島の屁を録音しているのではないか''」とネタにされた。 --前述のようにゲーム中盤でいきなりエンディングが始まり、進行中のホラーシナリオを残したままこの曲を聞かされるため、多くのプレイヤーはどう世界観を捉えていいのかわからず混乱してしまう。一方で、すべてのシナリオをクリアして脱力しながら聞くには丁度いいとの評価もある。 -エンディングのあと、このままプレイを続けるか、2周目に挑むか選択できるのだが…。 --前者を選ぶと、再び好きな都道府県シナリオをプレイできるようになるが、全シナリオの結末をコンプしても''何も起こらない''という恐ろしいバグがある(東京シナリオの1つがクリア扱いにならない)。後者を選ぶと、契力のみを引き継いだ上で読んだシナリオや主人公の設定が初期化される(詳細は後述)。 ---追加要素などは一切無く、再びあなたシナリオも発生する。これを12話まで読み終えると再びエンディングとなり「2周目を遊びますか?」と聞かれる(3周目は存在しない)。ここで「このままプレイを続ける」を選ぶと、セーブデータの「2周目」という表示が消える。つまり''2周目を選んでも何の特典も無い。'' ***システム面 -2007年当時のADVなら既に標準装備と言っても過言ではない''オートモード・バックログ閲覧・ムービースキップなどの機能が未搭載。''更にメーカーロゴも飛ばせない。文章スキップは一応あるが遅く、既読・未読の判定もできない。そのうえ「''ランダム分岐''」というシステムのせいで、シナリオを読むのに非常に手間が掛かる。 --一応、ランダム分岐は一度見たものが出にくくなり、全部見たシナリオでは自由に選べるようになる。とはいえ、ランダム分岐のあるシナリオ自体が大抵ろくでもない話やパターン違いの水増しばかりなので、何度も読もうとする人がいるかどうか…。 --飯島氏曰く「バックログが見られないのはミニゲームにおいてカンニングされるのを防ぐ為、''あえてそうした''」との事。しかし、それならミニゲーム中だけ使えなくすれば済む話である。SFCの『[[かまいたちの夜]]』でさえ出来ていた技術なので、工数的な問題からオミットされた説がある。 -おまけに「''選択肢が表示されている間はセーブ不可''」な始末。PS2のADVでありながら「既読部分をスキップし、選択肢が出たらセーブする」ができないとは…。 -解説役となる「''オブザーバー''」を5人(執事風の老人・スキンヘッドの軍曹・ホスト風の男性・メイド・トナカイの着ぐるみを着た女性)の中から選択する。選んだキャラは操作方法の説明((キャラ別に説明文章を用意しているなど、無駄に凝っている。))と、「あなたシナリオ」の後半に登場するだけ。台詞回しが違うだけで展開は同じ。 --着ぐるみの女性はアニメ声のはしゃいだボイスで喋るのだが、肝心の役者が不景気な表情をしておりビジュアルと台詞が合っていない。 --メイドは台詞には問題ないが、役者があっていないのか画質が悪いのか、若干むくんだ顔に映っておりメイド好きからもそっぽを向かれた。 --軍曹はよくあるスパルタ軍人キャラかと思いきや実際はミリオタにもなりきれていない、ただの痛いオッサンである。 -プレイ開始時、主人公の性別と家族構成を入力する。人数に関しては親や配偶者は1人ずつまで、祖父母は2人ずつまで等常識的にしか入力できないが、''自分の性別に関係なく妻や夫がいる事にできてしまう''。たとえば、自分が男でも夫がいる事にできたり、妻と夫の両方がいる事にできたり…など。 --ここで入力した情報はオブザーバーのセリフと「あなたシナリオ」の登場人物にちょっと影響するだけでゲーム内容自体に変化は無いため、適当に入力しても構わない。 //--[[LGBTの人に配慮した>ファイアーエムブレムif 白夜王国/暗夜王国]]と解釈すれば、時代を先取りしたセンシティブな感性を持つ作品と見ることもできなくもない。もっとも、飯島作品では''ゲイキャラ=周囲から気持ち悪がられるギャグキャラのレイパー''で本作でも''男子高校生をレイプする芸人HGのコスプレをしたファミ通社員''が出てくるぐらいなので、そこまで想定していたとは考えにくいが。 -このゲームの特徴として「住民移動システム」というものがある。これは話を見ることで増える住民情報を移動させることによって、移動先の話の展開が変わるというものなのだが…。 --実際はあまり活かされておらず、移動を必要とするのは大抵ストーリーの開始条件となっているときだけである。数個のシナリオ開放に使うだけで、それ以外のメリットが一切無い。それ故、面白みがなく非常にめんどくさいだけのシステムとなってしまっている。 ---例えば各地の心霊スポットを巡っている記者がいるのだが、青森でこの記者の情報を登録した場合、福島の話を見るためにはこの住民を福島へ移動させなければならず、更に青森の話を再び見たい場合は青森に戻さなければならない。 --このシステムがまともに活かされている話は長崎と新潟で、特定の人物が存在しない場合にその話の裏側を見られる。きちんと作り込めば良いシステムになっただろうに…。 -住民には「生存」「死亡」「錯乱」「行方不明」のステータスがあり、「生存」以外の場合は契力を消費する事で回復・蘇生ができる。 --しかし、このシステムもあまり活かされておらず、契力を払って「生存」に戻さないとシナリオが読めなくなるだけの場合が多い。どのみちコンプリートのためには間違った選択肢を選ばざるを得ないため、こまめに契力を払って復活させるだけのつまらないシステムとなっている。このシステムが活かされているのは前述の長崎と新潟であり、特定の人物が死亡しているとシナリオが出現する。その人物を死なせていること自体に意味がある良演出と言える。~ また、宮城シナリオでは人物を死なせたままにしておくとランダム分岐が減る。 ---なぜか住民情報画面においてL2R2で「状態」にカーソルを合わせて方向キーを上下させると、「呪い」「憑依」というゲーム内では発生しないステータスを確認できる。 ---また、年齢00歳と表記されたキャラが数人いる((該当キャラは本物の魔女(年齢不詳)であるという設定。何故かつのだじろうも00歳))。初見では設定ミスにしか見えない。「--」や「??」でよかったのでは…?。 --シナリオ選択画面ではその県にいる住民の人数が表示されているように見えるが、実際は初期状態での人数に過ぎず、住民移動しても人数表示は変化しない。バグなのか、単純に作り込んでいないのか…。 -「契力」はシナリオを読んだり、ミニゲームをすることで増やせるが、シナリオの開放や住民状態の回復など何かと消費しやすく、特に序盤でのやりくりに苦労する。 --契力はこのゲームの重要な要素の1つと説明書にあるが、はっきり言って読みたい話が自由に読めないだけの邪魔な存在。通常プレイではすぐに枯渇するため選択肢が減り、契力のせいで自分の思うようにシナリオを開放したり、住民の状態を回復したりできない。 --大半のシナリオは終了時の獲得契力が少なく、読む度に消費する分を差し引いた黒字はわずか。また、分岐次第で赤字になってしまうシナリオがある上、都道府県の開放時にも消費する。通常プレイでは減る一方なので、ヒバゴンなどの黒字かつ短いシナリオを連打したり、特定のミニゲームで稼ぐ必要がある。 ---契力が5以下になるとゲームオーバーだが、収支が黒字になるシナリオを1つでも知っていれば回避可能。~ ちなみに、ゲームオーバーは「四八(仮)の世界を維持するためのエネルギーである契力がなくなり、世界が消滅する」というもの。''このゲームの惨状を考えればある意味唯一のハッピーエンド''である…かもしれない。 ---救済措置なのか、とある県のミニゲームをクリアすると''最大9000''もの契力を一気に入手できてしまうため、これだけでEDまで余裕で到達できてしまう。というか、このミニゲームの存在を知らないとシナリオコンプは難しい。 //---ちなみにこの契力、ゲーム中で「このゲームにおける最重要に匹敵する」と言われる。「匹敵する」という事は「最重要なものが他にもある」という意味になるが、それらしき物は特に無い。さらに上記の稼げるミニゲームがあるせいで、存在そのものに疑問を抱かざるを得ない。 -通常プレイの場合、エンディングに到達した時点での契力はゲームスタート時より少ないことが多いため、「契力だけを引き継いでプレイし直す2周目」は実質''弱くてニューゲーム''である。 -本作では、あえてグラフィックの画質が粗めにされている。これはかつて『学校であった怖い話S』に対して、「グラフィックが綺麗であるため怖さが削がれる」という指摘があったためと思われる。 --だが、おかげでせっかく萌えを狙ったツインテールや眼鏡の女性キャラがかなり映えないイメージに…。 --実写でなくアニメ絵(画質はクリア)を使った「オンラインゲームの悪夢」は、イラストの少女(グラフィック)''だけ''は評価された。粗めにした他のシナリオが失敗だった証左とも言える。 --ちなみに、伝承が語られる幾つかのシナリオでもアニメ絵を採用しているが、伝承の雰囲気作りに貢献しているとは言い難い。 -大半の出演者は驚き顔が下手。逼迫したホラーシーンでも違和感のある驚き顔が表示されるため、もはや''顔芸にしか見えない。''ここまで皆下手だとそういう演技指導が入っているとしか思えず、ただの社員だったSFC版の方が演技が上手いと当時よくネタにされていた。 -いくつか前述されているが、サウンドや写真といった素材がテキストと噛み合っていない部分が多い。 --東京のシナリオでは、冒頭で主人公がケータイで電話をするシーンがあるが、手に持っているのは''コードレスフォンの受話器。''~ また、主人公が「生首が俺を睨んでいるように見えやがる」「生首が俺を見ている」と独白するシーンがあるが、画像の''生首は両目を閉じている。'' --石川のシナリオでは「今は夏の終わりなのに、あの人はコートを着ている」「まだまだ暑い。半袖で十分だ」というテキストが出るが、''背景に写っているモブ達は長袖を着ている。'' --千葉のシナリオでは、画像の''男子生徒は皆冬服、女子生徒は夏服を着ている。'' --新潟のシナリオは女子高が舞台なのだが、男女の声が混ざったガヤ声が使われている((ちなみに本作発売の時点で、新潟県内に女子高は二校しかない。))。またテキストでは「あの写真は今もアルバムにしまわれている」と出るのに、画面には''写真立てに入った写真''が表示されている。 --沖縄は「花見」をテーマにした話だが、背景写真の桜は沖縄の咲き方と違う((沖縄の桜は殆どが「寒緋桜」という真冬に咲く桜である。県外で主流の「染井吉野」は、沖縄では気候の都合で花を咲かせることが難しい。また花見のスタイルも、他地域とは大きく異なる。))。沖縄の人物がルー語を喋ることもそうだが、ここのスタッフは他県の季節など基本的な情報すら理解していない。 --秋田シナリオでは話の途中で効果音が鳴るのだが、主人公は「ジャンジャンジャンという耳障りな鐘の音」と言うが、実際の効果音はどう聞いても「カランコロン」である。 --他にも年齢どころか性別すら合わない呻き声を使い回す、刃物で肉を切り裂く音・拳で鳩尾を殴る音・拳銃を撃つ音・本を天井に投げつける音が同一であるなど、効果音の不自然さが目立つ。 -あるシナリオでは平凡な霊体験を怖がる少女キャラクターが、別のシナリオでは「齢千年を超える本物の魔女」であったりする。「魔女が記憶を失っていた」「少女が後に魔女になった」等の間を補完する描写は一切なく、設定の伝達ミス疑惑が指摘されている。 -幽霊などが現れるシーンは文章による説明が少なく、ただSEと一枚絵でワッと驚かせるものばかり。「自分の名前で食える」ライターなら表現の1つも入れたらどうだろうか? --しかもショッキングなSEが鳴った後に間を置いて画像が表示されるため、怖がろうにも怖がりづらい。 -テキストメインのゲームでありながら「出たら出たで→''出たら出た出''」「もの→''のも''」「先→''左記''」「パーテーション→''パテーション''」等、''一目で気付くような誤字''が散見される。 -登場人物はバストアップのグラフィックで表示されるのだが、1人ずつしか表示されないことが多い。 --そのため複数の人物が会話しているシーンではキャラが互い違いに表示されたり消えたりして、妙に時間がかかる。『PANDORA MAX』シリーズでさえ3人同時に表示できたのだが… -サウンドテストはBGMが70曲以上あるかの様に見せかけておきながら、実際は20曲程度しかなく、''あとは全て笑い声や風の音のバリエーション。'' -「ヒント館」というコマンドもあるが、''説明書に載っている文章をそのまま収録しただけ''であり、あまりありがたみを感じない。シナリオよりこちらを削るという発想は無かったらしい。 **バグ・不具合 -''セーブデータのロード後、画面に謎の真っ白な長方形(白枠)が現れ、画面の一部を覆ってしまうことがある。''県選択画面で常に一部分を隠し続けるのも厄介だが、何より怖いのは出現したが最後、''ロードし直しても二度と消えない(当該データがオシャカになる)''こと。回避方法は不明((メーカーのサイトに載っている発生理由は不正確。つまりメーカー側でも原因が特定できていないと思われる。))なので、複数のセーブスロットを使い分けるしかない。問題の白枠は本ページの上部に掲載されている画像を参照のこと。 --白枠の位置・大きさは出現する都度ランダムであり、COLOR(red){''画面が全て埋まることもある''。} --おそらく、コマンドのメッセージを表示するための枠が、何らかのコマンドエラーで消えずそのまま残るという、同人・パソコンゲームでもよくある症状。アップデートで直せるものだが当時のPS2作品にアップデート機能は無い為、直接会社に連絡して改善版と交換してもらえなければ泣き寝入りするしかない。%%泣き寝入りするほどの価値が本作にあるのかはまた別の話だが((むしろ悔やむべきは本作を買うために出したお金だろう。))。%% --メモリ管理周りのプログラムに不具合があった時にもこのような現象が起こることがある((メモリに書き込むデータが何らかの理由で破損した、前に使っていたデータが消去許可を出されずにメモリ上に残ったままで新しいデータを書き込もうとしたなど。後者の場合はメモリ使用量が100%になるのでフリーズする可能性がある。))。 -セーブ後、「セーブを終了しますか?」という問いに対し×ボタンを押すと''高確率でフリーズする。'' --これに対するメーカーサポートの返答は、「''メモリーカードを抜き差しすれば直る''」というもの。仮にもゲームの仕様に詳しいはずのメーカーが、子供向けのゲームでさえ警告がなされるほどのタブーな取扱いをアドバイスとして提示したという事実が当時波乱を生んだ。 --ムービーやエンディングでもフリーズする事がある。原因は不明。よって回避も不可能。 --これらのバグはその仕様ゆえ、「''シナリオのホラー要素よりもバグの方が遙かに怖い''」とまで言われるほどである。 -山梨のシナリオで、筒井康隆氏と旅館の女将の会話中に''突然画面がブラックアウトし、その状態が数十秒も続いてから唐突に筒井氏原作のシナリオに移行する。''終了後の2人の会話はブラックアウト前の会話と繋がっておらず、テキストがいくつか飛ばされたかの様な印象を受ける。 -群馬は2本のシナリオのどちらかがランダムで始まるのだが、なぜか最初に「シナリオ1」「シナリオ2」という一文が表示される。 --ランダム開始のシナリオは他にもあるが、この現象はこのシナリオのみ。''デバッグ用のテキストだろうか?'' -PS2の時計を設定しないと絶対にランダム分岐しない県が五つ(北海道、東京、大阪、愛媛、鹿児島)ある。 --他のランダム分岐シナリオは未読ルートに分岐しやすくなる仕様なので気付きにくい。 -シナリオの全ての結末を見るとその県が緑色で表示されるが、''東京だけは緑にならない。''攻略本によると「アルバイト男の事情」というシナリオのみ結末が存在しないための仕様との事だが、あえてそのような仕様にする意図が%%せいぜいシナリオコンプリートの特典が用意できなかったことをごまかす苦肉の策程度しか%%見出せず、ただの不具合であると思われる。しかも、その不具合を公式にはアナウンスしないと宣言。 **ゲスト関係 -多彩なゲストが参加しており、こちらは概ね評価は高いが、やはり問題もある。 --稲川淳二氏の怪談ムービーが収録されている。怪談の内容自体は高評価だが、ムービースキップが無い事とランダム分岐、さらにはフリーズバグのせいで非常に読み辛く、グラフィックもゲームに取り込んでいるわけでもテキストを表示するなどの補佐があるわけでもはなく、稲川氏が喋る光景をただ録画しているだけなので、ゲームに慣れたプレイヤーからするとやや不満。 --[[水木しげる>ゲゲゲの鬼太郎シリーズ]]氏の「ノツゴ」と筒井康隆氏の「本陣の怪異」のグラフィックは、ただ真っ白な原稿用紙が表示されるだけ。 ---ちなみに、鳥取にある「水木しげる記念館」もゲーム中に登場するが、入口近くがちょっと映るだけである。 //いずれも本人登場話なのだが、筒井氏はともかく漫画家である水木氏のシナリオで原稿用紙を表示する意味が分からない((厳密に言うと、この「ノツゴ」は1983年に発表された水木氏の数少ない小説作品であり、2005年に文庫化(現在は絶版)されるまでファンの間では幻の作品と呼ばれていた。現在は『水木しげる漫画大全集103 水木しげる人生絵巻/わたしの日々他』(講談社)や『文豪ノ怪談 ジュニア・セレクション 霊』(汐文社)で読む事が可能。))。 --つのだじろう氏の東京シナリオでは、冒頭で無意味なランダム分岐が立ちはだかる。他のランダム分岐シナリオは未読ルートに分岐しやすくなる仕様なのだが、''なぜかこのシナリオだけは変わらない。'' ---- **評価点 -前述の通りゲストシナリオだけは割と好評。だがそれはあくまでもゲストが「''書いた''」シナリオ限定で、「イラスト提供のみ」や「出演のみ」のシナリオはやはり残念な出来である。 --タイアップゆえにレビューで出来に見合わない点数を付けざるをえなかったファミ通編集部らを始めとしたゲスト((SF御三家の筒井康隆氏・妖怪研究家の水木しげる氏・ホラー漫画の巨匠である伊藤潤二氏・怪異蒐集家の木原浩勝氏・心霊研究家のつのだじろう氏の5人。))については、「''飯島の罠にかかった被害者''」とも言われる。 --特にファミ通社員に関しては「[[ファミ通のシナリオに関しては、僕やほかの編集者が断片的にシナリオ原稿を書きましたが、それを飯島さんがうまくまとめてくださいました>https://web.archive.org/web/20081202174150/https://famitsu.com/game/news/1212038_1124.html]]」比較的好評なシナリオを提出したにも関わらずほぼ全員人格破綻者か犯罪者にされている。 -通常のシナリオでも話によってはかなり面白いと感じるシナリオはいくつかある。 --もっとも、非常に多いシナリオ数をはじめ、前述のバグや契力システムのややこしさもあり、面白いシナリオに辿り着く前に辞めてしまう可能性は高いが…。 -「オンラインゲームの悪夢」に登場する2Dキャラ「忍」はとても可愛いと評判。絵師は芳ゐ氏。 //「芳井波」から発売当時のPNに変更しました --…なのだがこの話の最後には''本作の現物が送られてくる''というある意味1番恐ろしいオチへの分岐が仕込まれていたりする。このゲームがKOTY大賞であるというネタを知っている人にとっては、かなり意外性のあるネタ的結末として語り継がれた。 -近年ではFFシリーズの作曲も担当している鈴木克崇氏のBGMも%%クソゲーのお約束と言うべきか%%概ね好評。メインテーマのアレンジばかりで曲数が少ないのが残念だが…。サウンドテスト内にある未使用曲が一番不気味だったりする。 また声優も、シナリオ内で登場キャラを演じる野川さくら氏や井ノ上奈々氏、ナレーションを務める麦人氏等、%%こちらもクソゲーらしく%%名の知れた顔ぶれが見える。 --しかしこちらも残念な事に女性声優の声は実写のイメージと合っていないとの指摘が多い。またギャルゲーホラーの「オンラインゲームの悪夢」には声が使われていないなど、首を傾げざるを得ない部分もある。ちなみにボイス付きのシナリオはすぐ終わる観光案内ばかりなので地雷発見器になっていると同時に声優の無駄遣いともいわれている。 //-''[[パッケージ裏のデザイン>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/2721/2987/48Kari_B.jpg]]だけは怖い''。更にゲスト作家全員の顔写真付き宣伝もありパッケージだけだと面白そうに見える。 //ゲーム自体の評価点ではないので余談に移動。 -オープニングの映像はそこそこ怖い。後述の''パッケージを除いた作中で一番怖い所''とまで言われている。 ---- **総評 いろんな意味で触れ込みと違う・あからさまに手抜き&コンプ不可能のシナリオ・不親切なシステム・致命的なバグ・盗作疑惑・杜撰なメーカー対応…。~ 全方位に隙の無いクソッぷりは、まさしく''史上最強のクソゲー''の名を冠するに相応しいもの。『[[たけしの挑戦状]](1986)』『[[デスクリムゾン]](1996)』に次ぐCOLOR(red){''10年に一度のクソゲー''}である。~ 本作が2作と異なるのは、『たけ挑』のような斬新なアイデアを以て既存のゲームの概念を破壊しようとしたチャレンジ精神、『デス様』のような制作者の作品愛・責任意識・前のめりの情熱といったポジティブな姿勢をいずれも持ち合わせていない点であろう。~ 今もなお歴戦のクソゲーハンターをして''「このゲームを買ってプレイすること自体がホラー」''と言わしめる、ひたすら陰湿な部分に満ちた''「負」のクソゲー''の一つの到達点とも言うべき作品。~ 後述するようにクソゲーハンターの入門作品としては最適だが、だからといって安易な覚悟で手に取るのは絶対にオススメしない。 ---- **余談 -''[[パッケージ裏のデザイン>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/2721/2987/48Kari_B.jpg]]だけは怖い。'' --さらにゲスト作家全員の顔写真付き宣伝もありパッケージだけだと面白そうに見える。 -スタッフロールの最後では「原作:飯島多紀哉」の文字が表示された後に崩れ落ちて「原作:(プレイヤー名) ((ちなみに「あなたシナリオ」プレイ開始時のデフォルトネームは「佐藤隆明」である。))」と表示される。 --ストーリー上の演出によるものなのだが、発売当時は「責任を逃れるために原作者の座をプレイヤーへ押し付けたようにしか見えない」とネタにされた。 -飯島氏がゲーム中に実写で登場するのだが、その中で「捏造や誹謗中傷でひどい迷惑を受けている」「匿名掲示板なんて自作自演」などと、どうもネットコミュニティに対してのバッシングと思われるような発言をしている。かつて自身の作品を批判された腹いせなのだろうか?((氏は誹謗中傷に極めて厳しい姿勢で知られ、現在でも公式サイトで「誹謗中傷を見かけたら報告して欲しい」と「然るべき対応をさせていただく」と釘を刺していたり、誹謗中傷に関するニュースにTwitterで逐一反応していたりと、見ようによっては目くじらを立てているという見方も出来るほどである。))。 --作中でその種の嫌味な人物を演じる上でなら、そういったテキストを混ぜる手もあるだろう。しかし、不満を感じながら遊んでいるプレイヤーにとっては、やはり神経を逆撫でする要素に他ならない。 -ファミ通ではなくゲーマガから発売された『[[四八(仮) 完全ガイド>https://www.amazon.co.jp/dp/479734640X]]』の帯には「シナリオの全てが完になる!?」とあるが、実際にはならず厳密には「ゲーム内で埋められる全てのシナリオが~」である。 --「完になる!"?"」と一応''疑問符を付ける''というおふざけをしてしまったので、本当はならないことを示唆しているのかもしれないが…。 ---ちなみに、この攻略本には「蕎麦屋の怪」というゲーム未収録シナリオが載っているが、これは本来没になった高知のシナリオへのブリッジ的存在なので、このシナリオだけ載っていても全くの無意味であった。 -後に飯島氏は、同人誌で「非常に不本意な出来だった」「プレイヤーはどう思っただろうか」と、''本作の出来の悪さを認めている''((ただし、「全てバンプレストに弄られたせいだ」とも言っているが。))。 --氏曰く、バグについて「僕は、開発作業はおろか、デバッグにも参加していない」「頑張ってくれた開発会社さんに迷惑をかけるわけにもいかないので、(自分への批判の声に)あえて何も言わないように努めました」らしい。 --発売から何年も経った後ではブログで開発会社もろともかなり辛辣に批判したり(シャノン公式ブログへの移転に伴い削除)、シャノン公式サイトで『[[戦国乱世百花繚乱>ONI零 ~戦国乱世百花繚乱~]]』『[[鳴神学園都市伝説探偵局>アパシー ~鳴神学園都市伝説探偵局~]]』と共に「''殆ど開発に携わっていない''」とアピールしていたりと、過去の汚点を葬り去りたがっているような動きも見える。 -今は亡き公式サイトに掲載されていたムービーの映像は、実際のゲームには全く出てこない。 --同サイトのシステム紹介のページには当初「シナリオを読破し、住民を150人見つけると、隠しシナリオが出現します…。」と書かれていたが、キャラは150人もいないし、揃えても隠しシナリオなど無いので全くの嘘である。 ---後に人数などを修正し「シナリオを読破し、全住民137人から、ある人物を、ある条件で集めると、隠しシナリオが出現します…。」と表記が変更されたが、隠しシナリオ自体が無いのでどのみち嘘である。 -ファミ通クロスレビューの採点は「7/6/7/6」の''26点''である。 --タイアップ関係の都合上率直な評価がしにくかったと思われるが、当時のファミ通において26点と言う点数は平均以下で、''むしろタイアップした事を考えるとかなり辛い採点''といっても過言ではない。 --一方の競合誌『電撃プレイステーション』では最低ランクの「''D評価''」が与えられていた。 -発売当時、年間のクソゲー日本一を競い合う場所として盛り上がり始めた「クソゲーオブザイヤー(以下KOTY)」スレにてあっさり''[[2007年度KOTY据置部門大賞を受賞>https://koty.wiki/2007GP]]''した。 --全方位に隙の無い出来の悪さから本スレでも「クソゲーというジャンル」として扱われるほど。 --そのあまりにも衝撃的な内容で''KOTYの評価基準そのものを一新せしめ''、いわゆるCOLOR(red){''四八ショック''}を引き起こした。 ---[[前年>ファンタシースターユニバース]]までは多くの話題作がKOTY候補として騒ぎ立てられることが日常茶飯事だったが、翌年の2008年以降は「ガッカリ」程度の選評では有無を言わさず門前払いされるようになり、また前年以前のクソゲーもKOTY動画でネタにされることはほとんどなくなった。 ---しかし、翌年以降もこのボーダーラインすら[[超えていく>ジャンライン]][[クソゲー>MAJORDREAM メジャーWii パーフェクトクローザー]]が続々と登場していくのである。 -''[[学術論文>https://paperzz.com/doc/5700333/digra-japan%E5%9F%B7%E7%AD%86%E8%A6%81%E9%A0%85]]の題材''に用いられた。 --ゲームを学術的に研究するという国内でも珍しい学会「日本デジタルゲーム学会」の2012年夏季研究発表大会にて、吉永大祐氏(当時山形大学助教)により『「四八ショック」とは何だったのか-インターネット上のゲームユーザーコミュニティにおける「クソゲー」概念とその変容-』という題目で発表された。なお同研究は''2013年度学会賞を受賞している。'' -本作のRTAにおいては「全都道府県の中でも最速レベルで終了させられ、契力の獲得量が消費量よりも多い広島シナリオを48回連続で見てクリアする」のが最適解とされた。 --このゲームのRTAを行う人がいるというのも驚きだが、同じシナリオをひたすら見続けるだけでクリアができてしまうというのもこのゲームの薄さを物語っていると言えよう。 -FC『マイライフ マイラブ』という本作の原点?と言えるゲームが過去に同社バンプレストから出ている。企画者は名義を変えているが同一人物である。 --非常に薄味の人生を100年間も生き続けなければならない(自分以外の人物はバタバタと死んでいく)という苦行ゲーであり、ぶっ飛んだヤバさはないが全方面にわたってナチュラルにヤバい出来となっている。 ---こんな内容だが、キャラクターデザインは「少年アシベ」で有名な森下裕美氏である。 -千葉県等で『学校であった怖い話』のキャラが登場するが、同時期に発売された公式同人のアパシー・シリーズに比べて言動がSFC版やPS版に近い((アパシー・シリーズ第一弾『アパシー 学校であった怖い話~Visual Novel Version~』は原作で没になった危険なネタを集めた小説版『学怖』をゲーム化したものであり、語り手達は勿論、主人公までもが負の側面が強調されていた。基本的にアパシー・シリーズのキャラは小説版の性格がベースになっている。))。[[このゲームの救い>https://w.atwiki.jp/48kari/pages/33.html]]との声も。 --特に飯島氏自身が「PS版はノータッチだったから」と同人で暴走の極みにされているPS版追加主人公の倉田恵美が原作ベースになっており、尚且つその設定で元祖主人公の坂上と共演しているのは貴重である。役者の髪がおさげなので外見上はかなり印象が変わっているが(原作や同人では全てショートカットで統一)。 --とは言えシリーズネタ/内輪ネタが多く、学怖シリーズの前知識が無いと何が起きているのかわからない話もある。 #region(全シナリオをコンプリートした実況者の動画) &youtube(https://www.youtube.com/watch?v=erK3EBdE4gc&list=PLunyMOp9gGlk3HDWletJGekjhYfjMoDsD&index=1) #endregion //的外れだらけの擁護意見の項目は、クリエイターでもなんでもない一般人が暴れただけという判断のため、削除しました。 //↑話し合いのログ https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/51440/1511091351/551-562 //的外れだらけの擁護意見の項目が復元・追記されていましたが、稚拙な編集であったため削除しました。話し合い等で復元が認められたゆえでの行為であれば、折り畳み化なども用いた再編集をお願いします。

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