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*TOKYO JUNGLE 【とうきょーじゃんぐる】 |ジャンル|サバイバルアクション|&amazon(B007CD8JH4)| |対応機種|プレイステーション3|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~| |開発元|クリスピーズ|~| |発売日|2012年6月7日|~| |定価|パッケージ版:4,980円(税込)&br()ダウンロード版:3,900円(税込)|~| |分類|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| #contents(fromhere) ---- **概要 SCEによる斬新なアイディアを持ったゲームクリエイターを発掘し、製作費をSCEがすべて負担するオーディション「PlayStation C.A.M.P.!」の企画から生まれた作品の一つ。~ 人類が消滅し崩壊した東京(渋谷周辺)を舞台に野生動物たちが種の生存を賭けて戦うサバイバルアクション。~ 動物を主体としたサバイバルゲームという斬新なコンセプトと極端に少ない開発人数などから話題になった。 **特徴 今までにありそうでなかった動物を主体としたサバイバルゲーム。人間が主人公のゲームは多くあるが、動物を主人公にしたゲームはあまり見られない。使用可能な動物は大型肉食獣からヒヨコ、挙句の果てには恐竜までと実に多彩。~ ゲーム内での一年は現実での1分に相当する。コツを掴むと長期間の生存も楽になるため1ゲームあたりのプレイ時間が長くなっていく。~ 3Dで形成されたマップを行き来し食料の調達や縄張り確保からの繁殖などをして行き、生存年数を伸ばすことが目標となる。~ また、渋谷周辺を舞台にしているとこのことで、多くの企業との店名などのタイアップ看板が存在する。 **システム PLAY MODEは「SURVIVAL MODE」と「STORY MODE」の2つ。~ 全体の流れとしては、サバイバルモードでマップ上に散らばった3つのログを集めるとストーリーモードが解放され、それをクリアするとまたサバイバルモードのマップ上に…というもの。~ -プレイヤーキャラのメータには「LIFE」「HUNGRY」「STAMINA」がある。 -時間経過とともにハングリーメータが減っていき、0になるとライフメータが減っていく。ライフが0になるとゲームオーバー。 -ハングリーメータを増やすには、草食動物の場合は、草などを食べる。肉食動物の場合は狩りをして肉を食べる。 -敵に攻撃されてもライフは減る。ハングリーメータが0でなければ、警戒状態が解けた段階でライフが回復していく。 --ライフやハングリーメータを回復するアイテムも存在する。 -スタミナメータは敵の攻撃の回避のたびに減り、一定期間で自動回復する。 ''サバイバルモード'' -50種類以上の動物の中からプレイする動物を選択し、とにかく生き延びていくモード。エンドレス。&br()オンラインでサバイバルポイントを競ったり、世代を進めていくことが目標となる。 -主な要素は「捕食」と「縄張り」「繁殖」のみである。 --ハングリーメータを維持するために捕食しつつ、エリアごとに設定された4つのポイントでマーキングすると縄張りの占領が完了。同エリア内のメスを引き連れて巣で繁殖、その子供数匹で同様の流れで繁殖となっている。 -メスには「アゲメス」「タダメス」「サゲメス」がおり、アゲメスは次代へもっとも多くのステータスが引き継がれる。 --アゲメスはランクが高くないと振り向いてくれず、捕食を繰り返し摂取カロリーを重ねてランクをあげる必要がある。 -サバイバルポイントは上記の行動のうちに加点されていくが、ほかにも「○○に迎え」「10年生き延びろ」などのチャレンジの達成でも加点される。 ''ストーリーモード'' -オムニバス形式の7匹の動物を主人公とした物語をクリアしていくモード。 --ポメラニアンによる「愛玩犬・サバイバルデビュー」や、敵に奇襲攻撃をかけるために敵に見つからずに目的地まで到達するステルスプレイステージやボスと対決するなど多岐にわたる。 **評価点 -''意外にも引き込まれるストーリー'' --主軸となる話は「なぜ人間がいなくなったのか?」という謎の核心に迫っていくものであるが、動物同士の命を懸けた戦いから''仁王立ちした熊''に修行を付けてもらう土佐犬といった笑えるものまで、多種多様なシナリオが揃っている。 --序盤は町を生き抜く動物の生活を扱うなどのシナリオ展開をし、後半になるとゲームの中の世界の行く末を決めるものになる。 --サバイバル中には「アーカイブ」といわれる人間の残した書物を入手できる。これには物語の裏事情、即ち人間サイドで何が起こったのかが描かれている。 ---ストーリー終盤の急展開からエンディングまでの流れは熱いものがある。特に最後のアーカイブが存在する場所やそれを見守る動物など、演出面は高く評価されている。 -''戦闘の爽快感'' --獲物に気付かれないよう仕留めると「FINE HUNT」となりスローモーションの演出が入る。体格がひとつ上の動物まではFINE HUNTを出せるので、例えば真っ向から戦うと大苦戦必至のゴールデンレトリバーでもライオンを一撃で倒すことが可能。気付かれるとこちらがピンチに陥る状況で格上の動物にそろそろと忍び寄り一撃必殺を決めるまでの緊張感と、実際に決めた際の爽快感はかなりのもの。 -''中毒性のあるテクノサウンド'' --嘗て[[beatmania IIDXシリーズ]]等に楽曲を提供していたTaQがミュージックプロデューサーを務めており、彼自身もこのゲームの楽曲を幾つか手掛けている。 --他にBMSや[[BEMANIシリーズ]]で大活躍中のサウンドクリエーター、onokenも楽曲制作に参加している。 ''サバイバルモード関連'' -''天候や餌の状況の変化'' --肉食獣の餌となる動物はそれぞれがマップを移動するし、草食獣の餌である草や花、果実は天候によって食用に適さなくなることがある。~ エサが少なくなった事でそのマップを狩場としていた動物が別の狩場に行ったり、雨で視界が悪くなった事でレーダーに動植物が映らないなど、天候や動植物の動向によって同じエリアでも変化がある。 --特にスモッグと雨が組み合わさった場合は視界が恐ろしく狭くなるため、たとえ肉食獣を操作していても自分より強い猛獣に「相手より先に見つかる」かもしれない恐怖がある。これによって、よりリアルなサバイバル感を演出する事に成功している。 -''遺伝という形で引き継がれるステータス'' --ミッションをこなしていくと動物の能力が上がっていくが、やがて動物は老衰で弱っていくため世代交代をしていく必要がある。~ この際質のいいメスと交尾した場合ほど能力の引き継ぎに優れ、兄弟も増えるため有利になる。このため最初は弱くても世代交代を繰り返すことによって確実に能力が向上していく。 --質が高いメスほどたくさんの食糧を得て自分のランクを上げておかないと振り向いてすらくれない。メスの名前も下から''サゲメス、タダメス、アゲメス''と思わず笑える分類になっている。~ また動物によってランクが上がるまでの食糧の必要値が異なる。ライオンやゾウなど強力な動物ほど必要値が高いためランクを上げにくく、ヒヨコやウサギなど弱い動物は必要値が低くすぐにランクを上げられるため弱い動物ほどランクの高いメスと交尾して育てやすい。 ---時間と手間はかかるものの”成長を続けていくと''ポメラニアンでシロクマを倒す''といった現実ではありえない下剋上だって可能。後述の装備によっては意外なほどあっさり倒せることも。~ またやり込み派のプレイヤーの中には、''ヒヨコで恐竜を殺す''など信じられないプレイをやってのける剛の者もいる。 -''繁殖時の兄弟を用いた残機システムと駆け引き'' --繁殖すると、メスのランクによって自分の兄弟が何頭か生まれる。死亡時に他の兄弟が生きていると、生き残った内の一頭を操作してゲームを続けられる。他ゲーでいう「残機」のような存在である。 --また兄弟生存時に△ボタンを押すと肉食獣は近くにいる動物に攻撃し、草食獣は一匹を囮にして肉食獣から逃げるといったアクションを行える。 --肉食獣ではうまく兄弟の攻撃を繋げは敵に一方的に攻撃し続ける「ずっと俺達のターン!」が可能。草食獣でも囮に敵が気をとられた瞬間後ろから蹴り飛ばし、相手がダウンしてもがいている間に囮を回収し全員無傷で逃走という頭脳プレイができる。 -''2Pによる協力プレイ'' --2Pコントローラを使用することで協力プレイが可能となる。''ヒヨコとライオンが協力し合っている''などシュール極まりない組み合わせも可能であり、友人と一緒にやると大いに盛り上がる。しかし後述する問題点も発生する。 --協力プレイ時のみ、片方が死んでも即座に蘇生させるアイテムをゲーム開始時から持っている。これは道中での入手は不可能。 **賛否両論点 -''装備品の収集の面倒くささ'' --オーソドックスなペット用服から''女子高生の服''や''ヒヨコ強化スーツ''などバラエティに富んでおり、装備した際のギャップから思わず笑いが出るなど装備品のシステム自体は評価されている。~ 中には装備することで「草食動物が逃げ出さなくなる」「ステータスが大幅に強化される」「一式揃えれば特殊効果が発動する」などといった特徴を持つものもあり、入手意欲を高めてくれる。 ---しかしこれらの装備品をショップで購入できるようにするには、サバイバルモードで発生するイベントをクリアし、一度でも入手しなければならない。~ 問題はこの入手イベントが''ランダムかつ唐突に発生する''という点。いつまでも欲しい装備が手に入らないどころか、そもそも装備品の入手イベントすら発生しないという事態もありうる。 ---例としてヒヨコ強化スーツはヒヨコの英雄を倒し、死骸を食べて入手しなければならない。肉食獣ならまだしも、草食動物でこのイベントが発生しても死骸を食べることができず、最悪他の肉食獣に食べてもらって回収するしかない。 ---また一部の超レア装備はショップ購入不可能。イベントをクリアしても気軽に再入手できないという事であり、正直ありがたみは薄い。 -''ステータス伸び代に対して成長率が悪い'' --一番ランクの高いアゲメスすらミッションをクリアして成長させたパラメータの1/2、タダメスは1/4、''サゲメスに至っては1/10''しか引き継げないため、十分なステータスまで育てるのにやたらと時間がかかる。 --後半の難易度の高いミッションになるとステータスの伸びが大きいため、効率よく育てるには後半の高難易度ミッションをこなしつつアゲメスを見つけるというプレイが必須。当然難易度は高いものになる。 -''動物をアンロックする際の順番が完全固定'' --オオカミでジャッカルをアンロックした後に、ジャッカルでリカオンをアンロック…といった具合に、アンロックした動物を使い別の動物をアンロックという作業を続けて行かなければならない。 --この仕様が原因で、ゾウはほぼ全ての草食獣を開放しないと使用できない。多様な動物で遊んで欲しいという意図かもしれないが、後述する問題点もあって、人によってはゾウにたどり着くまでに飽きてしまう。 **問題点 -''一人では単調な作業ゲーになる'' --やりこみ要素といっても、大部分は動物を世代交代させてパラメーターをあげる事に集約する為、最終的にはミッションをこなしつつひたすら生き残るだけになってしまう。正直、作業ゲー感は否定できない。 --生存年数が70年を過ぎた頃にはミッション自体が出なくなるため、ひたすらにパラメータを上げたいなら70年以降のプレイは無駄でしかない。 --その頃になると地上は恐竜やサーベルタイガーであふれ返り、まともに狩りや植物を探して生き抜いていくのは非常に難しい。更に100年を越えると動物はほとんどいなくなり北京原人だらけになってしまう。この北京原人はやたら強いうえに倒しても食べられない為、倒す旨みは全く無い。ここまで来ると地下に潜み水場を回る単調作業と化す。 -''運ゲー要素が大きい'' --配置される動物・植物、ゲーム内で起きるイベント、天候、発生するミッションなどは生存年数によって多少決まっているものの全てランダム。動物の配置によっては難易度が大きく変わる。 --サゲメス、タダメス、アゲメスの三種類もどれが配置されるかはランダムのため、せっかくランクを上げていいメスと交尾できる状態なのに、出現した二匹のメスが両方ともサゲメスという事も多々ある。 -''最初からロックされている要素の数が多すぎる'' --新たな動物を使用するためにはゲーム内の対応する動物のイベントをクリアし、ポイントを使って開放する必要がある。これだけなら何の問題も無い普通のシステムなのだが、問題はその数。ほぼ全ての動物がロックされているため、全解放までにやたらと時間がかかる。 ---猫やウサギなどは毛色が違うだけでも別個体として扱われ、アンロックにポイントを要求される。ライオンなど動物によっては決して安くないポイントを複数回に亘って要求されるため、多くのプレイヤーから問題視されている。 --ストーリーも初期状態ではロックされている。サバイバルでマップに落ちているアーカイブを入手し、死亡という作業を繰り返さなくてはならない。 --また、一部の動物はアンロックDLCの形でPSストアで販売されている。 -''動物の性能差はあるものの、個性が少ない'' --チーターならスピードに優れている、クロコダイルなら驚異的な防御力を誇るなど動物にはそれぞれの特徴を反映させたステータスが設定されている。~ しかし動物の基本アクションはひっかきと噛み付き、草食獣だと頭突きや蹴りに加えて2段ジャンプができるだけなので、初見以降はどの動物を使っても新鮮味に欠ける。 ---ヒヨコなど小動物しか通れない場所を増やす、雑食の動物は習得カロリーが少なくなる代わりに草も肉も食べられるなどいくらでも個性はつけられたはず。 ---NPCのライオンなどはチャージ攻撃やタックルなどが使えるのだが、プレイヤーの操作するライオンetcはこうした行動を使えない。 -''複雑・長大で面倒なマップ'' --マップ端から端までの移動距離が長く、ショートカット用マップとなっている地下も全長が長い。この為、ミッションやイベントで目指す地点が遠いと移動が果てしなく面倒。ミッションやイベントは期間が設定されており、場所によってはどう頑張っても間に合わないケースもある。 --エリアに点在する縄張りを確保→特定の場所に出現するメスを確保→特定の場所にある巣で交尾、が行動の基本になるため、プレイヤーは必然的に行ったり来たり駆けずり回る事になり、この問題点によるストレスを嫌でも感じることになってしまう。 --このゲームでは常にハングリーゲージ((時間経過で徐々に減っていき、ゼロになるとライフが減り始める))とポイズンゲージ((汚染されているステージでは徐々に増えていき、100になるとライフが減り始める。正常な餌や水を摂取すると減る))に注意を払わなければならないのだが、この仕様と「移動に多大な時間がかかる」という問題点の噛み合わせが最悪なのは容易に想像できるだろう。餌の少ないマップが連続しているとそれだけで追い詰められていく。 --環状のマップや分岐もなく、地下道に入れるいくつかのマップを除いては基本一本道。 ---一方でマップの高低差は多く複雑になっているが、ゲーム中の地図では平面で高低差も記されておらず細かい情報が分からない。慣れないうちはどこからどこへ行けるのか分からず、一本道なのに迷うという奇妙な事態に陥る事も。 -''マップ閲覧時、肉と草のうち片方の食糧ゲージしか映らない'' --肉食動物では各マップにどれだけ獲物となる動物がいるかを、草食動物では各マップにどれだけの植物が生えているかを示すゲージがある。 ---草食動物では肉ゲージが表示されず、どれだけの動物がそのマップにいるかは実際に行かないとわからない。~ そのため肉食動物を避けることが非常に困難となっており、草ゲージが多い場所に向かった結果凶暴な肉食動物ばかりいて食事どころではないという事態が発生しうる。マップから得られる情報については、草食動物は圧倒的に不利になってしまっている。~ -''世代交代時の起き攻め'' --年代が経った後に世代交代した際、操作可能となった子世代の目の前にいきなりワニ等の狂暴な肉食動物が待ち構えている事が多々ある。 ---ヒヨコ等の弱い動物では、仲間を犠牲にしないとまず生き残れない。この点についてもユーザーからは問題視されやすい。 -''後半はほぼ悪天候にしかならない'' -天候の変化により大雨や猛暑、スモッグが発生しその分ポイズンゲージがたまっていくという仕様があるのだが、50年経過ぐらいの中盤戦からどこのマップでもかなりの確率で何かの天候異常が発生している状況になる。 --更に食料を食べようにも、汚染されているものを食べるとポイズンゲージが増加する為食べられないという八方ふさがりの事態に陥る事も。[[世紀末>北斗の拳シリーズ]][[な状況>Falloutシリーズ]]に相応しい設定かもしれないが、ゲームバランスとしては厳しい。 ---なお猛暑やスモッグ状態だと、肉食獣では''獲物をしとめた瞬間腐敗''する事が良くある。いくら何でも食料の劣化が早すぎる。ポイズンゲージを下げようと連打して食料を食べたら、実は一気に劣化したものを食べてしまっていた為逆にゲージが上がってしまった、なんていう事態も。 ---一応とある装備を使用している間はポイズンゲージが徐々に上昇するものの、腐った餌や水を摂取してもその影響を受けない。ただし上記の通り入手できるかは運次第。一度入手できればショップで購入可能になるのがせめてもの救いか。 -''オンライン協力プレイ不可能'' --2Pでの協力プレイは可能だが、オンライン協力には対応していない。NPCだと思っていた肉食獣が実は他プレイヤーの動物だった、群れで行動する草食動物で複数のプレイヤーと協力し肉食獣を倒すということができればもっと楽しむことができただろうに、この点は惜しまれる。 ---但し、仮に現在の仕様でオンラインプレイが実装された場合、一部除く草食獣が圧倒的に不利という新たな問題が出かねない点には留意すべきか。 -''2Pプレイ時に出るメスが、どちらのプレイヤーの動物かランダム'' --2Pプレイで縄張りを占領した時に、どちらのプレイヤーの動物のメスが出てくるかは完全にランダム。 --一度出現したメスは「巣で眠る」「遠くのエリアに行く」といった行動をしない限りは切り替わることがない。老衰を迎えて世代交代を急がねばならない時に限って出てほしい動物のメスが出ない、所謂「物欲センサー」が発動してしまっている時などは非常にもどかしい。~ この点についても、ある意味においてはリアルと言えない事もないが…。 ''その他'' --ゲームのタイトルに"TOKYO"と入っているが、実際に出てくる舞台は渋谷・原宿・代々木とごくごく一部しかない。 -''サバイバルモード終了時のランキングがほぼ無意味'' --発売後の初期段階でスコアをカンストする方法が見つかってしまい、現在ランキングはあまり意味のないものとなってしまっている。 --本作ではサーバーに必ずスコアをアップロードするようになっており、リザルト画面でやたら時間がかかる。 ---その上ランキング画面はスキップ不可能。意味の無いランキング画面を延々と見せられる破目になる。 -''一部の動物で発生するバグ'' --ヒヨコや子ライオンは巣で寝ると大人の姿になるが、この時なぜか犬のビーグルになってしまうバグがある。~ こうなってしまうと草食獣の「草を○○個捕食しろ」系のミッションの遂行が不可能になるだけではなく、もともと使っていた動物のステータスがビーグルに引き継がれてしまうなど、プレイに致命的な支障が出てしまう。 -''動物のグラフィックがあまりよくない'' --基本的に同じ種類の動物であれば体格は同じものを使用しており、テクスチャを張り替えて対応している。 ---例えば、本作ではビーグルとゴールデンレトリバーの体格が全く同じ。動物好きのプレイヤーであれば違和感を禁じえないだろう。 --また、ムービーシーンでも同じ体格モデルとテクスチャを使っており、大写しのテクスチャの解像度は低い。~ 目の部分も体格モデルにそのままテクスチャで貼り付けており、ハイライトも無い。一見するとそれこそ死んだ魚の様な目にしか見えない。目のモデルは体格モデルと別にしたほうが良かったのではないだろうか。 --これまで述べてきた問題点は「小規模開発故の工数過多」という事情によるものと察することは可能ではあるが、もう少し何とかならなかったのだろうか。 **総評 発表当時はそのコンセプトの秀逸さで注目された一作。~ 一見するとアクションゲームかと思いきや、その実態はアクションパズルに近く、どういう行動をどうとるかを常に選択するゲームである。~ 開発環境が非常に小さいのもあって、コンセプトの秀逸さに対してどうしてもゲーム内の調整不足や貧相さが目立つ点は否定できない。~ とはいえ肝心要の部分は丁寧に作られており、バカゲーとして楽しむのであれば値段分はしっかり楽しめるだろう。~ **余談 -(当時の基準では)HDゲーム機用3Dソフトにあるまじき小規模開発であったことが話題になった。 --開発元のオフィスは普通のマンションの一室。更に開発スタッフも1桁人数である。%%そりゃ工数過多にもなる訳だ。%% ---現在は小規模開発会社を含む海外のインディーズゲームが台頭してきており、こうした少人数開発もそこまで珍しくなくなっている。 --開発環境の脆弱さ故にデータが飛んで一から作り直しになるなど、本作が非常に難産であった事を示すエピソードも残している。~ -後に、Playstation Mobile用ソフト(PS Vita / SONYスマホ)『TOKYO JUNGLE Mobile』が発売されている。内容は今作とは異なる。 -秋田書店の%%赤い核実験場こと%%「チャンピオンRED」2012年9月号にて、本作の読みきり漫画『TOKYO JUNGLE~小さき獅子心王(ライオンハート)~』が掲載された。作者は鞠花陸氏。 --ストーリーは漫画版独自の内容で、動物を食べるのではなく殺す為だけに殺している狂暴熊を、若きポメラニアンが母の仇として追い続けるという読みきりながらもヘビーなものとなっている。
*TOKYO JUNGLE 【とうきょーじゃんぐる】 |ジャンル|サバイバルアクション|&amazon(B007CD8JH4)| |対応機種|プレイステーション3|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~| |開発元|クリスピーズ|~| |発売日|2012年6月7日|~| |定価|パッケージ版:4,980円(税込)&br()ダウンロード版:3,900円(税込)|~| |分類|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| #contents(fromhere) ---- **概要 SCEによる斬新なアイディアを持ったゲームクリエイターを発掘し、製作費をSCEがすべて負担するオーディション「PlayStation C.A.M.P.!」の企画から生まれた作品の一つ。~ 人類が消滅し崩壊した東京(渋谷周辺)を舞台に野生動物たちが種の生存を賭けて戦うサバイバルアクション。~ 動物を主体としたサバイバルゲームという斬新なコンセプトと極端に少ない開発人数などから話題になった。 **特徴 今までにありそうでなかった動物を主体としたサバイバルゲーム。人間が主人公のゲームは多くあるが、動物を主人公にしたゲームはあまり見られない。使用可能な動物は大型肉食獣からヒヨコ、挙句の果てには恐竜までと実に多彩。~ ゲーム内での一年は現実での1分に相当する。コツを掴むと長期間の生存も楽になるため1ゲームあたりのプレイ時間が長くなっていく。~ 3Dで形成されたマップを行き来し食料の調達や縄張り確保からの繁殖などをして行き、生存年数を伸ばすことが目標となる。~ また、渋谷周辺を舞台にしているとこのことで、多くの企業との店名などのタイアップ看板が存在する。 **システム PLAY MODEは「SURVIVAL MODE」と「STORY MODE」の2つ。~ 全体の流れとしては、サバイバルモードでマップ上に散らばった3つのログを集めるとストーリーモードが解放され、それをクリアするとまたサバイバルモードのマップ上に…というもの。~ -プレイヤーキャラのメータには「LIFE」「HUNGRY」「STAMINA」がある。 -時間経過とともにハングリーメータが減っていき、0になるとライフメータが減っていく。ライフが0になるとゲームオーバー。 -ハングリーメータを増やすには、草食動物の場合は、草などを食べる。肉食動物の場合は狩りをして肉を食べる。 -敵に攻撃されてもライフは減る。ハングリーメータが0でなければ、警戒状態が解けた段階でライフが回復していく。 --ライフやハングリーメータを回復するアイテムも存在する。 -スタミナメータは敵の攻撃の回避のたびに減り、一定期間で自動回復する。 ''サバイバルモード'' -50種類以上の動物の中からプレイする動物を選択し、とにかく生き延びていくモード。エンドレス。&br()オンラインでサバイバルポイントを競ったり、世代を進めていくことが目標となる。 -主な要素は「捕食」と「縄張り」「繁殖」のみである。 --ハングリーメータを維持するために捕食しつつ、エリアごとに設定された4つのポイントでマーキングすると縄張りの占領が完了。同エリア内のメスを引き連れて巣で繁殖、その子供数匹で同様の流れで繁殖となっている。 -メスには「アゲメス」「タダメス」「サゲメス」がおり、アゲメスは次代へもっとも多くのステータスが引き継がれる。 --アゲメスはランクが高くないと振り向いてくれず、捕食を繰り返し摂取カロリーを重ねてランクをあげる必要がある。 -サバイバルポイントは上記の行動のうちに加点されていくが、ほかにも「○○に迎え」「10年生き延びろ」などのチャレンジの達成でも加点される。 ''ストーリーモード'' -オムニバス形式の7匹の動物を主人公とした物語をクリアしていくモード。 --ポメラニアンによる「愛玩犬・サバイバルデビュー」や、敵に奇襲攻撃をかけるために敵に見つからずに目的地まで到達するステルスプレイステージやボスと対決するなど多岐にわたる。 **評価点 -''意外にも引き込まれるストーリー'' --主軸となる話は「なぜ人間がいなくなったのか?」という謎の核心に迫っていくものであるが、動物同士の命を懸けた戦いから''仁王立ちした熊''に修行を付けてもらう土佐犬といった笑えるものまで、多種多様なシナリオが揃っている。 --序盤は町を生き抜く動物の生活を扱うなどのシナリオ展開をし、後半になるとゲームの中の世界の行く末を決めるものになる。 --サバイバル中には「アーカイブ」といわれる人間の残した書物を入手できる。これには物語の裏事情、即ち人間サイドで何が起こったのかが描かれている。 ---ストーリー終盤の急展開からエンディングまでの流れは熱いものがある。特に最後のアーカイブが存在する場所やそれを見守る動物など、演出面は高く評価されている。 -''戦闘の爽快感'' --獲物に気付かれないよう仕留めると「FINE HUNT」となりスローモーションの演出が入る。体格がひとつ上の動物まではFINE HUNTを出せるので、例えば真っ向から戦うと大苦戦必至のゴールデンレトリバーでもライオンを一撃で倒すことが可能。気付かれるとこちらがピンチに陥る状況で格上の動物にそろそろと忍び寄り一撃必殺を決めるまでの緊張感と、実際に決めた際の爽快感はかなりのもの。 -''中毒性のあるテクノサウンド'' --嘗て[[beatmania IIDXシリーズ]]等に楽曲を提供していたTaQがミュージックプロデューサーを務めており、彼自身もこのゲームの楽曲を幾つか手掛けている。 --他にBMSや[[BEMANIシリーズ]]で大活躍中のサウンドクリエーター、onokenも楽曲制作に参加している。 ''サバイバルモード関連'' -''天候や餌の状況の変化'' --肉食獣の餌となる動物はそれぞれがマップを移動するし、草食獣の餌である草や花、果実は天候によって食用に適さなくなることがある。~ エサが少なくなった事でそのマップを狩場としていた動物が別の狩場に行ったり、雨で視界が悪くなった事でレーダーに動植物が映らないなど、天候や動植物の動向によって同じエリアでも変化がある。 --特にスモッグと雨が組み合わさった場合は視界が恐ろしく狭くなるため、たとえ肉食獣を操作していても自分より強い猛獣に「相手より先に見つかる」かもしれない恐怖がある。これによって、よりリアルなサバイバル感を演出する事に成功している。 -''遺伝という形で引き継がれるステータス'' --ミッションをこなしていくと動物の能力が上がっていくが、やがて動物は老衰で弱っていくため世代交代をしていく必要がある。~ この際質のいいメスと交尾した場合ほど能力の引き継ぎに優れ、兄弟も増えるため有利になる。このため最初は弱くても世代交代を繰り返すことによって確実に能力が向上していく。 --質が高いメスほどたくさんの食糧を得て自分のランクを上げておかないと振り向いてすらくれない。メスの名前も下から''サゲメス、タダメス、アゲメス''と思わず笑える分類になっている。~ また動物によってランクが上がるまでの食糧の必要値が異なる。ライオンやゾウなど強力な動物ほど必要値が高いためランクを上げにくく、ヒヨコやウサギなど弱い動物は必要値が低くすぐにランクを上げられるため弱い動物ほどランクの高いメスと交尾して育てやすい。 ---時間と手間はかかるものの”成長を続けていくと''ポメラニアンでシロクマを倒す''といった現実ではありえない下剋上だって可能。後述の装備によっては意外なほどあっさり倒せることも。~ またやり込み派のプレイヤーの中には、''ヒヨコで恐竜を殺す''など信じられないプレイをやってのける剛の者もいる。 -''繁殖時の兄弟を用いた残機システムと駆け引き'' --繁殖すると、メスのランクによって自分の兄弟が何頭か生まれる。死亡時に他の兄弟が生きていると、生き残った内の一頭を操作してゲームを続けられる。他ゲーでいう「残機」のような存在である。 --また兄弟生存時に△ボタンを押すと肉食獣は近くにいる動物に攻撃し、草食獣は一匹を囮にして肉食獣から逃げるといったアクションを行える。 --肉食獣ではうまく兄弟の攻撃を繋げは敵に一方的に攻撃し続ける「ずっと俺達のターン!」が可能。草食獣でも囮に敵が気をとられた瞬間後ろから蹴り飛ばし、相手がダウンしてもがいている間に囮を回収し全員無傷で逃走という頭脳プレイができる。 -''2Pによる協力プレイ'' --2Pコントローラを使用することで協力プレイが可能となる。''ヒヨコとライオンが協力し合っている''などシュール極まりない組み合わせも可能であり、友人と一緒にやると大いに盛り上がる。しかし後述する問題点も発生する。 --協力プレイ時のみ、片方が死んでも即座に蘇生させるアイテムをゲーム開始時から持っている。これは道中での入手は不可能。 **賛否両論点 -''装備品の収集の面倒くささ'' --オーソドックスなペット用服から''女子高生の服''や''ヒヨコ強化スーツ''などバラエティに富んでおり、装備した際のギャップから思わず笑いが出るなど装備品のシステム自体は評価されている。~ 中には装備することで「草食動物が逃げ出さなくなる」「ステータスが大幅に強化される」「一式揃えれば特殊効果が発動する」などといった特徴を持つものもあり、入手意欲を高めてくれる。 ---しかしこれらの装備品をショップで購入できるようにするには、サバイバルモードで発生するイベントをクリアし、一度でも入手しなければならない。~ 問題はこの入手イベントが''ランダムかつ唐突に発生する''という点。いつまでも欲しい装備が手に入らないどころか、そもそも装備品の入手イベントすら発生しないという事態もありうる。 ---例としてヒヨコ強化スーツはヒヨコの英雄を倒し、死骸を食べて入手しなければならない。肉食獣ならまだしも、草食動物でこのイベントが発生しても死骸を食べることができず、最悪他の肉食獣に食べてもらって回収するしかない。 ---また一部の超レア装備はショップ購入不可能。イベントをクリアしても気軽に再入手できないという事であり、正直ありがたみは薄い。 -''ステータス伸び代に対して成長率が悪い'' --一番ランクの高いアゲメスすらミッションをクリアして成長させたパラメータの1/2、タダメスは1/4、''サゲメスに至っては1/10''しか引き継げないため、十分なステータスまで育てるのにやたらと時間がかかる。 --後半の難易度の高いミッションになるとステータスの伸びが大きいため、効率よく育てるには後半の高難易度ミッションをこなしつつアゲメスを見つけるというプレイが必須。当然難易度は高いものになる。 -''動物をアンロックする際の順番が完全固定'' --オオカミでジャッカルをアンロックした後に、ジャッカルでリカオンをアンロック…といった具合に、アンロックした動物を使い別の動物をアンロックという作業を続けて行かなければならない。 --この仕様が原因で、ゾウはほぼ全ての草食獣を開放しないと使用できない。多様な動物で遊んで欲しいという意図かもしれないが、後述する問題点もあって、人によってはゾウにたどり着くまでに飽きてしまう。 **問題点 -''一人では単調な作業ゲーになる'' --やりこみ要素といっても、大部分は動物を世代交代させてパラメーターをあげる事に集約する為、最終的にはミッションをこなしつつひたすら生き残るだけになってしまう。正直、作業ゲー感は否定できない。 --生存年数が70年を過ぎた頃にはミッション自体が出なくなるため、ひたすらにパラメータを上げたいなら70年以降のプレイは無駄でしかない。 --その頃になると地上は恐竜やサーベルタイガーであふれ返り、まともに狩りや植物を探して生き抜いていくのは非常に難しい。更に100年を越えると動物はほとんどいなくなり北京原人だらけになってしまう。この北京原人はやたら強いうえに倒しても食べられない為、倒す旨みは全く無い。ここまで来ると地下に潜み水場を回る単調作業と化す。 -''運ゲー要素が大きい'' --配置される動物・植物、ゲーム内で起きるイベント、天候、発生するミッションなどは生存年数によって多少決まっているものの全てランダム。動物の配置によっては難易度が大きく変わる。 --サゲメス、タダメス、アゲメスの三種類もどれが配置されるかはランダムのため、せっかくランクを上げていいメスと交尾できる状態なのに、出現した二匹のメスが両方ともサゲメスという事も多々ある。 -''最初からロックされている要素の数が多すぎる'' --新たな動物を使用するためにはゲーム内の対応する動物のイベントをクリアし、ポイントを使って開放する必要がある。これだけなら何の問題も無い普通のシステムなのだが、問題はその数。ほぼ全ての動物がロックされているため、全解放までにやたらと時間がかかる。 ---猫やウサギなどは毛色が違うだけでも別個体として扱われ、アンロックにポイントを要求される。ライオンなど動物によっては決して安くないポイントを複数回に亘って要求されるため、多くのプレイヤーから問題視されている。 --ストーリーも初期状態ではロックされている。サバイバルでマップに落ちているアーカイブを入手し、死亡という作業を繰り返さなくてはならない。 --また、一部の動物はアンロックDLCの形でPSストアで販売されている。 -''動物の性能差はあるものの、個性が少ない'' --チーターならスピードに優れている、クロコダイルなら驚異的な防御力を誇るなど動物にはそれぞれの特徴を反映させたステータスが設定されている。~ しかし動物の基本アクションはひっかきと噛み付き、草食獣だと頭突きや蹴りに加えて2段ジャンプができるだけなので、初見以降はどの動物を使っても新鮮味に欠ける。 ---ヒヨコなど小動物しか通れない場所を増やす、雑食の動物は習得カロリーが少なくなる代わりに草も肉も食べられるなどいくらでも個性はつけられたはず。 ---NPCのライオンなどはチャージ攻撃やタックルなどが使えるのだが、プレイヤーの操作するライオンetcはこうした行動を使えない。 -''複雑・長大で面倒なマップ'' --マップ端から端までの移動距離が長く、ショートカット用マップとなっている地下も全長が長い。この為、ミッションやイベントで目指す地点が遠いと移動が果てしなく面倒。ミッションやイベントは期間が設定されており、場所によってはどう頑張っても間に合わないケースもある。 --エリアに点在する縄張りを確保→特定の場所に出現するメスを確保→特定の場所にある巣で交尾、が行動の基本になるため、プレイヤーは必然的に行ったり来たり駆けずり回る事になり、この問題点によるストレスを嫌でも感じることになってしまう。 --このゲームでは常にハングリーゲージ((時間経過で徐々に減っていき、ゼロになるとライフが減り始める))とポイズンゲージ((汚染されているステージでは徐々に増えていき、100になるとライフが減り始める。正常な餌や水を摂取すると減る))に注意を払わなければならないのだが、この仕様と「移動に多大な時間がかかる」という問題点の噛み合わせが最悪なのは容易に想像できるだろう。餌の少ないマップが連続しているとそれだけで追い詰められていく。 --環状のマップや分岐もなく、地下道に入れるいくつかのマップを除いては基本一本道。 ---一方でマップの高低差は多く複雑になっているが、ゲーム中の地図では平面で高低差も記されておらず細かい情報が分からない。慣れないうちはどこからどこへ行けるのか分からず、一本道なのに迷うという奇妙な事態に陥る事も。 --これだけ長大なマップなのだから、"TOKYO"とタイトルに冠する通り東京都23区内を好きに探索できる…と思いきや、実際に出てくるマップは渋谷・原宿・代々木といった極々一部の地域しかない。 -''マップ閲覧時、肉と草のうち片方の食糧ゲージしか映らない'' --肉食動物では各マップにどれだけ獲物となる動物がいるかを、草食動物では各マップにどれだけの植物が生えているかを示すゲージがある。 ---草食動物では肉ゲージが表示されず、どれだけの動物がそのマップにいるかは実際に行かないとわからない。~ そのため肉食動物を避けることが非常に困難となっており、草ゲージが多い場所に向かった結果凶暴な肉食動物ばかりいて食事どころではないという事態が発生しうる。マップから得られる情報については、草食動物は圧倒的に不利になってしまっている。~ -''世代交代時の起き攻め'' --年代が経った後に世代交代した際、操作可能となった子世代の目の前にいきなりワニ等の狂暴な肉食動物が待ち構えている事が多々ある。 ---ヒヨコ等の弱い動物では、仲間を犠牲にしないとまず生き残れない。この点についてもユーザーからは問題視されやすい。 -''後半はほぼ悪天候にしかならない'' -天候の変化により大雨や猛暑、スモッグが発生しその分ポイズンゲージがたまっていくという仕様があるのだが、50年経過ぐらいの中盤戦からどこのマップでもかなりの確率で何かの天候異常が発生している状況になる。 --更に食料を食べようにも、汚染されているものを食べるとポイズンゲージが増加する為食べられないという八方ふさがりの事態に陥る事も。[[世紀末>北斗の拳シリーズ]][[な状況>Falloutシリーズ]]に相応しい設定かもしれないが、ゲームバランスとしては厳しい。 ---なお猛暑やスモッグ状態だと、肉食獣では''獲物をしとめた瞬間腐敗''する事が良くある。いくら何でも食料の劣化が早すぎる。ポイズンゲージを下げようと連打して食料を食べたら、実は一気に劣化したものを食べてしまっていた為逆にゲージが上がってしまった、なんていう事態も。 ---一応とある装備を使用している間はポイズンゲージが徐々に上昇するものの、腐った餌や水を摂取してもその影響を受けない。ただし上記の通り入手できるかは運次第。一度入手できればショップで購入可能になるのがせめてもの救いか。 -''オンライン協力プレイ不可能'' --2Pでの協力プレイは可能だが、オンライン協力には対応していない。NPCだと思っていた肉食獣が実は他プレイヤーの動物だった、群れで行動する草食動物で複数のプレイヤーと協力し肉食獣を倒すということができればもっと楽しむことができただろうに、この点は惜しまれる。 ---但し、仮に現在の仕様でオンラインプレイが実装された場合、一部除く草食獣が圧倒的に不利という新たな問題が出かねない点には留意すべきか。 -''2Pプレイ時に出るメスが、どちらのプレイヤーの動物かランダム'' --2Pプレイで縄張りを占領した時に、どちらのプレイヤーの動物のメスが出てくるかは完全にランダム。 --一度出現したメスは「巣で眠る」「遠くのエリアに行く」といった行動をしない限りは切り替わることがない。老衰を迎えて世代交代を急がねばならない時に限って出てほしい動物のメスが出ない、所謂「物欲センサー」が発動してしまっている時などは非常にもどかしい。~ この点についても、ある意味においてはリアルと言えない事もないが…。 -''サバイバルモード終了時のランキングがほぼ無意味'' --発売後の初期段階でスコアをカンストする方法が見つかってしまい、現在ランキングはあまり意味のないものとなってしまっている。 --本作ではサーバーに必ずスコアをアップロードするようになっており、リザルト画面でやたら時間がかかる。 ---その上ランキング画面はスキップ不可能。意味の無いランキング画面を延々と見せられる破目になる。 -''一部の動物で発生するバグ'' --ヒヨコや子ライオンは巣で寝ると大人の姿になるが、この時なぜか犬のビーグルになってしまうバグがある。~ こうなってしまうと草食獣の「草を○○個捕食しろ」系のミッションの遂行が不可能になるだけではなく、もともと使っていた動物のステータスがビーグルに引き継がれてしまうなど、プレイに致命的な支障が出てしまう。 -''動物のグラフィックがあまりよくない'' --基本的に同じ種類の動物であれば体格は同じものを使用しており、テクスチャを張り替えて対応している。 ---例えば、本作ではビーグルとゴールデンレトリバーの体格が全く同じ。動物好きのプレイヤーであれば違和感を禁じえないだろう。 --また、ムービーシーンでも同じ体格モデルとテクスチャを使っており、大写しのテクスチャの解像度は低い。~ 目の部分も体格モデルにそのままテクスチャで貼り付けており、ハイライトも無い。一見するとそれこそ死んだ魚の様な目にしか見えない。目のモデルは体格モデルと別にしたほうが良かったのではないだろうか。 -これまで述べてきた問題点は「小規模開発故の工数過多」という事情によるものと察することは可能ではあるが、もう少し何とかならなかったのだろうか。 **総評 発表当時はそのコンセプトの秀逸さで注目された一作。~ 一見するとアクションゲームかと思いきや、その実態はアクションパズルに近く、どういう行動をどうとるかを常に選択するゲームである。~ 開発環境が非常に小さいのもあって、コンセプトの秀逸さに対してどうしてもゲーム内の調整不足や貧相さが目立つ点は否定できない。~ とはいえ肝心要の部分は丁寧に作られており、バカゲーとして楽しむのであれば値段分はしっかり楽しめるだろう。~ **余談 -(当時の基準では)HDゲーム機用3Dソフトにあるまじき小規模開発であったことが話題になった。 --開発元のオフィスは普通のマンションの一室。更に開発スタッフも1桁人数である。%%そりゃ工数過多にもなる訳だ。%% ---現在は小規模開発会社を含む海外のインディーズゲームが台頭してきており、こうした少人数開発もそこまで珍しくなくなっている。 --開発環境の脆弱さ故にデータが飛んで一から作り直しになるなど、本作が非常に難産であった事を示すエピソードも残している。~ -後に、Playstation Mobile用ソフト(PS Vita / SONYスマホ)『TOKYO JUNGLE Mobile』が発売されている。内容は今作とは異なる。 -秋田書店の%%赤い核実験場こと%%「チャンピオンRED」2012年9月号にて、本作の読みきり漫画『TOKYO JUNGLE~小さき獅子心王(ライオンハート)~』が掲載された。作者は鞠花陸氏。 --ストーリーは漫画版独自の内容で、動物を食べるのではなく殺す為だけに殺している狂暴熊を、若きポメラニアンが母の仇として追い続けるという読みきりながらもヘビーなものとなっている。

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