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餓狼伝説2 新たなる闘い - (2022/07/31 (日) 20:52:37) のソース

//1同様、文章量的に問題ないので統合

ここでは「餓狼伝説2 新たなる闘い」(判定なし)及び、その移植版であるSFC版(判定なし)、MD版(判定なし)について紹介する。
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#contents(fromhere)
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*餓狼伝説2 新たなる闘い
【がろうでんせつつー あらたなるたたかい】
|ジャンル|対戦格闘アクション|~|
|対応機種|アーケード(MVS/業務用ネオジオ)|~|
|発売・開発元|SNK|~|
|稼動開始日|1992年12月10日|~|
|プレイ人数|1~2人(同時プレイ)|~|
|レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~|
|配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2008年5月20日/926ポイント&br;アーケードアーカイブス&br;【One】2017年4月20日/823円(税8%込)&br;【PS4/Switch】2017年6月22日/823円(税8%込) |~|
|判定|なし|~|
|ポイント|前作から大幅ボリュームUP&br()連続技の概念が存在しない最後のネオジオ格ゲー|~|
|>|>|CENTER:''[[餓狼伝説シリーズ]]''|

**概要
本作の前年に登場し、ネオジオ普及に一躍買った『[[餓狼伝説 宿命の闘い]]』の続編。~
『[[龍虎の拳]]』に次ぐ100メガショック第二弾として大々的に宣伝された。

**特徴
-主な操作方法(ガードや投げといった基本的な操作は割愛)。
--Aボタン/Cボタンで弱/強パンチ、Bボタン/Dボタンで弱/強キック。
--A+Bボタン同時押しにて「ライン移動」、相手と別のラインにいる状態でA~Dボタンの何かを押すと「ライン攻撃」。
--C+Dボタン同時押しにて相手を別ラインに吹き飛ばす、「ライン飛ばし攻撃」。
--敵が攻撃している最中(正確には自キャラのガードポーズへの移行モーション中)に''→''+Aボタンで「避け攻撃」。ほとんどのキャラは上半身無敵になりつつ攻撃を繰り出す((アンディの避け攻撃のみ、一瞬だが全身無敵になる時間がある。))。
--レバーを斜め前方に入力する事で、しゃがみながら前進(しゃがみ移動)する事が可能。これにより「下溜めを維持したまま進む」事が出来るようになり、「溜めキャラ=待ち戦法」と言う図式に一石を投じた。
--ライフが減って赤に点滅している状態で複雑なコマンドを入力することで、必殺技よりも更に強力な超必殺技が出せる。

-使用可能キャラクターは8人。CPU戦ではプレイヤーキャラ8人(使用しているキャラと同キャラも含む)に勝った後、CPU専用のボスキャラ4人全員を倒せばゲーム終了。対戦では同キャラ対戦も可能である。
--プレイヤーキャラは前作の主人公3人であるテリー・ボガード、アンディ・ボガード、東丈(ジョー・ヒガシ)に、新キャラとしてビッグ・ベア((前作に登場した悪役覆面レスラー・ライデンが改心して覆面を脱いだ姿))、キム・カッファン、不知火舞、山田十平衛、チン・シンザンの5人が加わっている。
--ボスキャラは登場順にビリー・カーン、アクセル・ホーク、ローレンス・ブラッド、ヴォルフガング・クラウザー。『ストII』のボスキャラ4人が「四天王」と呼ばれていたのに影響されてなのか、ビリー、アクセル、ローレンスの3人は公式に「三闘士」と呼ばれている。
--『ストII』に影響された要素として各キャラは各国の代表となっており、キャラのステージもその国のものとなっている(アメリカ出身で日本に渡り骨法を身につけたアンディが''イタリア代表''になっているという無理も見られるが)。

-二人協力でCPUと対戦するバトルは削除された。
//特に何も言われなかったようなものなので、特徴に説明だけを移植

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**評価点
-ネオジオの性能を生かした『ストII』を凌駕したグラフィックやBGMなどの美術面。
--ラウンドごとにステージに変化がある演出、劇団俳優による多彩なキャラクターボイスなどは『ストII』にはない特徴だった。なお、本作でテリー、アンディ、ジョーを演じたのはそれぞれ橋本さとし氏((キム・カッファンも担当。後の作品でも長らくの間テリー、キムの声優を担当している。))、橋本じゅん氏((チン・シンザンも担当。アンディは本作と『餓狼SP』限りだが、『月華の剣士』『武力』『餓狼MOW』などの後のSNK作品にも出演。))、生瀬勝久氏((ビリー・カーン、ローレンス・ブラッド、『餓狼SP』でギース・ハワードも担当。))と現在でも知名度の高い俳優である。
--特に最終ボス・クラウザー戦ではBGMにクラシック(レクイエム)が使われるという壮大な演出となっており、多くのプレイヤーを驚かせた。

-前作からかなりの操作が追加され、操作性でも対戦に奥深さが増した。
--自分からラインを使った操作ができなかった前作から、本作では自分で別ラインに移動したり相手を別ラインに吹き飛ばすなどラインを使ったアクションに幅が生まれている。龍虎の拳から導入された超必殺技も本作に受け継がれた。
--これにより、対人戦がほとんど盛り上がらなかった前作と比べ、対人戦もメインとなり得る遊び方が確立された。

-対戦バランスの調整
--前作のあまりにも派手で強力だった必殺技は大人しめな表現になり、出しているだけで勝てるような豪快さは薄れた。
---その分派手さは超必殺技に受け継がれている。
--本作ではチンを除き飛び道具に射程は存在しないが、ライン移動で逃れられるので、いわゆる鳥カゴハメもない。
---起こりうるのは奥のラインが存在しない三闘士ステージぐらいか。もっとも、本作では三闘士はCPU専用キャラなので、対戦で三闘士ステージで戦うことは無いが。
//対戦要素が強くなったんだし、いくら派手でも対戦に向かないゲームバランスを調整したのは基本評価点だろう

**賛否両論点
-不知火舞の存在
--肌の露出面積が非常に多い衣装と勝利ポーズの乳揺れで世の格ゲーマーを虜にした魅惑のくの一。当時から現在でも格ゲー屈指の人気キャラクターではあるが、前作の硬派な世界観が彼女の存在により崩れてしまったという批判もなかった訳ではない。
--元々は硬派な男忍者として登場する予定だったが、スタッフが「餓狼には華がない、女の子のファイターもいてもいいのでは?」という意見を出し、男忍者を急遽変更して彼女が生まれたという逸話がある。
---この没になってしまった男忍者は『餓狼伝説スペシャル』に背景として登場している。

-『ストII』のライバルシリーズとしての立場を確立したといってもいいが、その反面前作に比べあまりにわかりやすい『ストII』オマージュっぷり。
--登場キャラクターの数。プレイアブルキャラクターが8人、中ボスが3人とラストボスの計12人。彼らは各国の格闘家代表であるのも共通している。
---しかも、紅一点は東洋系・中ボス3人はアメリカのプロボクサー、スペインの武器使い、前作の因縁の敵キャラクターで構成……等。
//---尤も、キャラクターデザインにおいては前作同様革新的な部分も少なからずある。~
//その一番の例が山田十平衛。当時投げキャラと言われればレスリングを主体とした筋骨隆々の大男だった中で、敢えて小柄な老人を採用したのだが、柔道という格闘スタイルを組み合わせる事でイメージ的にもゲーム的にも違和感が無くなっている。素早く踏み込む動作を再現する事で新たにスピードタイプとしての側面を持たせられ、そこへ飛び道具の煎餅投げや茶目っ気ある性格や仕草をも盛り込み、投げキャラというイメージそのものを全く変えてしまった。
//↑だいぶ苦しいフォローだと感じる。十兵衛が『YAWARA!』の滋悟郎を大したヒネリもなくモデルにしたキャラなのは疑うべくもないことで、SNKの革新的デザインだとは言えないだろう。「投げキャラというイメージそのものを全く変えてしまった。」というのも同意できない。後発格ゲーの投げキャラが小柄なスピードタイプばかりになった訳でもないし。「キャラデザインの革新性」を言っておきたいのなら、むしろ上にある舞の項に追記すべきでは。格ゲーに露骨なエロを持ち込んだという意味での革新性にはなるが。
--ボタンの種類。ネオジオは4ボタンなので当然まったく同じではないが、弱強パンチキックという『ストII』に倣ったものに。
--ステージの数、ボーナスステージの位置もほぼ同じ。ボーナスステージは前作の腕相撲ではなく『ストII』に似た「オブジェクト破壊」ステージに。もっとも前作の腕相撲はかなりの連打を要求されていたので、オペレーター的にはボタンの寿命の意味合い的に良かったのかもしれないが…。

**問題点
-基本的に対戦格ゲーではなかった前作よりはマシなものの、対戦バランスは悪い。
--「のけぞり中は攻撃を食らわない無敵状態」となる事から、本作に連続技は存在しない(通常技キャンセル必殺技は搭載されている)。そのため、固めと削り性能に優れるキャラや、相手が対処しづらい戦法を持つキャラが対戦ダイヤグラムでは上位にあった。
---前者の例は、飛び道具の「氣雷砲」による固め・削りが強く判定の強い技も多いチン・シンザン((雑誌「ゲーメスト」の対戦ダイヤグラムではトップだった。))。小足×n→斬影拳のループでお手軽かつ脱出困難な「斬影ハメ」が成立するアンディも非常に使用率が高かった。
---後者の例は、対地・対空とも隙がなく、相手によっては起き上がりに「ダッシュ二本背負い」を重ねるだけでハメも成立する山田十平衛や、判定の大きい飛び道具「ハリケーンアッパー」とリーチが長くて出の速い避け攻撃を持ち、鉄壁の待ちプレイが可能なジョー。
---上位キャラに得意戦法を徹底されると、プレイヤーの技量では覆しづらい展開が多くなる。アーケード誌『ゲーメスト』で最弱認定されたビッグ・ベアなどは、鈍足・巨体・遅い技の三重苦で、ほぼ詰みのような対戦カードも少なくない。
--研究が進むにつれ、ライン移動を連打することによるガン逃げも問題となった。徹底されると一度削られて体力差をつけられた時点で「終わって」しまう。

-前作からリストラされたキャラクターも多い。
--当初から人気の高かったギース・ハワードも前作のエンディングにて死亡したので本作には登場しなかった。
--ギースなどの一部リストラ組は次回作の『餓狼伝説スペシャル』にて待望の復活を遂げる。

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**総評
シリーズ前作である初代『餓狼伝説』やSNK製格闘ゲームとしてはひとつ前の『龍虎の拳』はCPU戦が重視されていたのに比べ、ゲームセンターの主役が「対戦格闘アクション」にシフトしつつある時代の需要に応えるべく、より対戦要素を前面に押し出した一作。~
言ってしまえばあからさまな『ストII』フォロワーではあるものの、演出の良さや広く人気を獲得した新規キャラクターの追加など独自のセンスが光る部分も多い。~
現代の目から見れば格闘ゲームとしてはまだまだ粗削りであり、のちのシリーズ大ブレイクへの助走のための過渡的作品という評価をされがちである。だが裏を返せば本作の、転換点として後続作へバトンを渡せるぐらいにはプレイヤーの心を掴んだという意義は非常に大きく、いまとなっては一本のゲームとして単独で高評価を得る場面はあまりないものの、しっかりと存在する意義のあった作品であることは間違いない。

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**その後の展開
-本作登場の約半年後に、連続技の導入、新キャラ追加などの要素を加えたスペシャルがリリースされ超ヒット、今でも根強い人気を誇っているのは承知の通り。本作自体は現在ではあまり目立たない存在だが、スペシャルの土台を築いた偉大な存在であることに間違いない。
//-知る人ぞ知る話だが、SNKはこれに社運をかけていたらしく、SNKからゲーメスト側に全国大会の企画を持ち込んだとかどうとか。(詳しい人の補足求む)
//詳細不明の情報なのでソースが出るまでCO

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**余談
//企業関連事項なので余談に移動
//問題になったビッグベア以外は省略。あの時代はブルース・リーやマイク・タイソン等いくらでもそういうのがあって、そういうキャラクターの存在自体は特に問題視されてなかった。
-「肖像権侵害」であわや訴訟寸前になった「ビッグ・ベア」
--前作に登場した悪役レスラー「ライデン」は本作ではマスクを脱ぎ、正統派レスラーの「ビッグ・ベア」として登場しているのだが、このデザインがもろに実在したレスラーである''ビッグバン・ベイダー(本名レオン・ホワイト)氏そっくり''。
//ただし、ライデンとしての外見もほとんどベイダーである。
---あまりにも見た目がそのまま過ぎたのが仇となったのか、次回作の『餓狼伝説スペシャル』を最後に「ビッグ・ベア」としての登場がなくなり、『餓狼伝説WILD AMBITION』で再登場して以降は全て「ライデン」名義の登場になっている。
--ちなみにこの自粛は『餓狼伝説』シリーズだけのものだったのかは定かではないが、『KOF'94』や『KOF2002UM』の背景、および『KOF XIII』のライデンの裏カラーではマスクを脱いだ姿で登場している。

-前述のビッグ・ベア以外にも実在人物や他作品の登場人物に似たキャラクターが多い。
--アクセル・ホークは実在のボクサーであるジョージ・フォアマン、山田十平衛は『YAWARA!』の猪熊滋悟郎、チン・シンザンは劇画『空手バカ一代』に登場する太極拳の達人「林連山(リン・レンザン)」にそっくりで、チンは語尾が「~でしゅ」「~なしゃい」と訛る点まで同じ。
--そしてアクセルもベアと同様、『スペシャル』を最後に操作キャラクターとしては登場していない。%%前作のマイケルや『RB2』のリックと共に、SNKの男ボクサーキャラクターの受難として一部ではネタにされている…。%%

-本作で初登場し、SNK屈指の人気女性キャラクターとなった不知火舞だが、デザインにちょっとしたパクリ疑惑が持ち上がった事がある。
--元ネタとなったと言われているのがSFCの格ゲー『バトルマスター 究極の戦士たち』の蘭丸という女性キャラクター。
--当時『バトルマスター』の開発元の社長が「ネオジオで作らせてください」とSNKに企画書を持ち込んだ際に「サードパーティー制については考えていない」と断られるも、「もしサードパーティーの話がありましたら」と『バトルマスター』の企画書を置いていったのだが、その3ヶ月後にゲーム誌に載っていた『餓狼伝説2』の不知火舞を見て、企画書にあった「蘭丸」と似ていたのでぶっ飛んだ(驚いた)との事。
--以上は[[『バトルマスター』のキャラクターデザイナーが語った話>http://powudon.com/gallery/original/BM/ranmaru.html]]だが、当人の意図する意味合いは「(後発になった)蘭丸は舞のパクリではない」という主旨で、2018年に「SNKは蘭丸のデザインは意識して無いと思う。むしろ忘れてたんじゃないか」「そもそもこの話は自分の友人の意地悪な追求から始まり「自分からはパクっていない」という証拠を友人に知らせただけ」「偶然そんな事もあるか程度の日記話だった」と追記し、自身が端を発した不知火舞パクリ疑惑を自ら否定した。
--その後、『バトルマスター』の開発元であるシステムビジョンはザウルスと共同でMVS/ネオジオ用の格闘ゲームである『[[神凰拳]]』を手掛けている。

-本作から登場したキム・カッファンだが、当初は「キム・ハイフォン」という名前で登場する予定だった。
--しかし「韓国語自体に二重母音の名前はあり得ない」という、当時SNKと業務提携していた韓国・ビッコム社の社長の指摘を受け、その社長の名を拝借して「キム・カッファン」に改められたという。
--ちなみにビッコムの社長の名前は漢字表記で「金 &bold(){甲煥}」だが、こちらは架空の人物ということから一文字変えて発音が同じである「金 &bold(){甲喚}」になっている。
--なお、ビッコムはSNKの協力を得て対戦格闘ゲーム『[[ファイトフィーバー]]』を開発したが、その出来は…。
---近年の『KOF』シリーズではフルネームの「キム・カッファン」ではなく「キム」とだけ表記されている。巷ではKOFシリーズにおけるキムの描写が名前を貸したビッコム社長に迷惑がかかりかねないため自粛したとも、SNKプレイモアがSNK時代の「キム・カッファン」というキャラクター名に関する権利関連の引き継ぎを怠ったためとも言われている。

-ジョーらを演じた生瀬氏(続編ではこの3キャラに加え、ギースも担当)は、のちに『TRICK』シリーズや『ごくせん』シリーズの出演と作品のヒットを皮切りに、NHK大河ドラマや『仮面ライダージオウ』に出演するなど大出世を果たした。
--これに関連して、『TRICK』シリーズと『ごくせん』シリーズで相方を演じていた仲間由紀恵氏は[[SNKとライバル関係にあった会社のゲーム>ロックマンX4]]で主題歌を担当していた事が知られている。
-また、テリーを演じた橋本氏は『3』で多数のキャラの声優が変更された中テリー及びキム役を続投し、『KOF13』でキムが長田和彦氏へ、『KOF14』でテリーが近藤隆氏へとそれぞれ変更されるまで長年この2キャラをゲームで演じる事となる。

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**家庭用移植
-ネオジオROM版(1993年3月5日発売、SNK)
--クレジット制限以外はMVS版と同等。本格趣向を望むプレイヤーにより売り上げは上々だった。
-スーパーファミコン版(1993年11月26日、タカラ)
--色々と劣化した部分は目に付くものの、前作の劣化っぷりと比べればまだまともな方である。詳しくは下記にて。
-X68000版(1993年12月23日発売、魔法)
--移植度はネオジオ版に近いレベル。但し、FDでのソフト供給だったことからFDDだけでプレイする場合は1ステージごとにディスクの入れ替えが生じてしまうため、快適なプレイにはHDDインストールを強く推奨されている。
--また、電波新聞社から出ていたチェルノブアダプタを使用することでMD用6ボタンパッドによる4ボタンでの操作が可能。2ボタンパッドの場合はボタンを押す長さで強弱が決まる、いわゆる『[[ワールドヒーローズ]]』方式になる。
--ローランドのMIDI音源にも対応しており対応機器があれば豪華なサウンドでプレイできる。
-PCエンジン スーパーCD-ROM2(アーケードカード専用)版(1994年3月12日発売、ハドソン)
--アーケードカード専用タイトルの第一弾。CD-ROM2ならアーケードカードPRO、スーパーCD-ROM2かDUO系ならアーケードカードDUOが必要になる。
--アーケードカードによる当時としては大容量のメモリ(RAM)のおかげで見た目の再現度は完璧に近いレベルだが、ロードが長くテンポが削がれる。また前述で記したように当時としては高価であったアーケードカードが必要なため、プレイ環境を整えるのに金額と手間を要するのも欠点。アルゴリズムが違うため攻略法やライン移動投げハメなどのAC版で出来たことが不可能になっている。
-メガドライブ版(1994年6月24日、タカラ)
--連続技の導入など大幅アレンジ。詳細は下記にて。
-ゲームボーイ版『[[熱闘餓狼伝説2 -あらたなるたたかい-]]』(1994年7月29日、タカラ)
--[[熱闘シリーズ]]。ゲームボーイ向けにキャラがデフォルメ化し、演出の再現がコミカルになっている。詳細は別項。
-ネオジオCD版(1994年9月9日発売、SNK)
--ロードの長さを除けば移植度は極めて良好。NCD版餓狼SPと発売日が同じな為か存在感が薄くあまり出回っていない。対戦前のキャラ紹介ボイスがSPのものに差し替えられている。

-2006年7月20日にプレイステーション2にてSNKプレイモアからリリースされた『餓狼伝説 バトルアーカイブズ1』に、本作のネオジオ版が移植収録されている。こちらは現先のネオジオ版に存在した、クレジット制限が撤廃されている。

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*餓狼伝説2 新たなる闘い(SFC版)
【がろうでんせつつー あらたなるたたかい】
|ジャンル|対戦格闘|&amazon(B000068GZ2,image=https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/357/2542/garou2sfc.jpg,height=160)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|発売元|タカラ|~|
|開発元|ノバ|~|
|発売日|1993年11月26日|~|
|定価|9,980円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|SFC移植3作の中では、唯一まともな移植&br()しかし、当時の感覚から見ても劣化した部分は目立つ|~|
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**概要(SFC版)
上記アーケードゲームの家庭用移植版。発売元・開発元は[[前作のSFC移植版>餓狼伝説 宿命の闘い#id_71820f83]](以下、前移植版)と同様。~
前移植版が''アーケード版のような何か''だったことから、前評判は悪かったが……

**特徴・評価点(SFC版)
-前移植版から一転して、''操作性・難易度共に大分まともな部類まで改善された''。謎のロードも解消されている。

-グラフィック面
--当時の格ゲー移植ものとしては、グラフィックは頑張っている方。キャラの大きさは若干縮小しているものの、雰囲気は十分にアーケード版に近い再現がされている。

-サウンド面
--ボイスに関しては、再現を放棄した前移植版に比べると健闘しており、全ての必殺技の声がしっかり入っている。
---ジョー、キム、ローレンスの喰らいボイスとKOボイス(およびジョーからの流用だったビリーの喰らいボイス)はテリーの声で代用されている。とはいえ、元々ゲームに存在する声なので変なオリジナルボイスよりは違和感は少ない((同様の問題点は下記のメガドライブ版にも存在し、こちらはさらにKOボイスが削られて大半の男性キャラがアンディのKOボイスでやられるようになってしまった。))。
---クラウザーの登場シーンや勝利ボイス等の一部ボイスもカットされているが、全体的に原作の雰囲気を損なわないように、残すものは残しやむを得ないものはカットするといった調整がされている。SFCの格闘ゲームにしてはボイスの量は及第点といった所。

-隠しコマンドでボスキャラが使用可能。
--但し『餓狼SP』とは性能に大きな違いがあり、超必殺技も存在しないので、『SP』感覚でプレイすると大きく戸惑う事となる。
--例えば『SP』では超必殺技扱いである「アクセルラッシュ」と「カイザーウェイブ」は通常必殺技になっていたり((余談だがカイザーウェイブは後にKOFでも採用される「641236+P(テンキー表示)」という覇王翔吼拳コマンドになっている。))、クラウザーの強キックが『SP』における必殺技「レッグトマホーク」と同様になっている((正確に言えば、『2』での立ち強キックを『SP』で必殺技としてリニューアルしたのがレッグトマホーク。))等、いずれも『2』の独特な性能となっている。
--アクセル・ホークは真空カッターを使える為、『SP』とは別モノになっている。
---本来は飛び道具であるが、振り回している拳にも攻撃判定があるので、対空技も兼ねる。連発すれば初心者でも勝てるが、逆の立場だと初心者では手も足も出ない。なお、アクセルステージは1ラインの為、ライン移動で逃げられない。つまり、「鳥カゴ」ハメが可能。
--ビリー・カーン、アクセル・ホーク、ローレンス・ブラッドは挑発ポーズを既存グラフィックで代用しているが、雰囲気を損なわないものとなっている。
---ビリーは棒の先端で床を「コンコーン」と叩くもの。アクセルは勝利ポーズで、両腕を掲げる部分を流用。ローレンスは勝利ポーズ(「オー、レイ!」と言いながらサーベルを上に掲げる)をそのまま流用。

-CPUのアルゴリズムも前移植版に比べ、ある程度再現されている。
--アクセル・ホークに挑発するとすかさず「アクセルラッシュ」を放ってくるといった特徴的な部分が再現されている。

-ボーナスステージの完備。今回は前移植版のような変更版ではなく、アーケード版同様の柱破壊ステージとなっている。

-オリジナルモードであるバトルロイヤルが追加されている。
--1PVS2Pで行う団体戦で、全てのキャラが対象となっているのでかなり大掛かりなもの。

-デモの再現
--前移植版では''ほぼすべて''のデモがカットされて「キャラの顔と字幕で表現される」という有様だったが、本作はカットされたデモはいくつかあれど、「勝利画面」等のデモは極力再現されている。

**賛否両論点(SFC版)
-BGMの音源は幾分か劣っており、ビリーやクラウザー等、アレンジされて短くなっている曲も存在する。
--また、十平衛、キム、ベア、アクセル辺りのBGMは原曲の重厚感がなくなり、非常に軽い音質になってしまっている。
--それでも、SFC版『初代』に比べればかなり聴ける範囲まで進化している。また、後に出た[[SFC版『スペシャル』>餓狼伝説スペシャル (SFC)]]では再現を放棄したとしか思えないレベルのアレンジをされていることに反発する者もおり、SFC版3作において曲は本作が1番良いと見る者もいる。

**問題点(SFC版)
-''コマンド技のレバー入力部分の受付制限時間が無い''
--(以下十字ボタンはテンキー変換)例えば236コマンド、いわゆる波動拳コマンドの技だと、''最後の6を押しっぱなしにした状態でしばらく歩いた後ボタンを押しても技が出る''。
---それどころか''しゃがむ(2)、しゃがみ歩き(3)、前進(6)としてキーを押しても技が出る''。
--前移植版で異常にコマンド認識が厳しかったため、コマンド受付をしやすくしたのだろうが、間合いを調整していたらコマンドの条件が揃ってしまい、牽制のつもりで出したパンチが必殺技に化けてしまうといった暴発が起きやすい。

-やはり容量の関係上なのか、いくつかの技がアーケード版とは性能が変わっており、幾らか違和感を覚える。特にアクセルラッシュ、ブラッディカッター、必殺忍蜂、クラウザーの当て身投げはそれが顕著。

-ノックバックの挙動がおかしい
--弱攻撃を当てた時の挙動がアーケード版より軽めになっている等、違和感のある部分がある。

//-前後の作品で溜め技だった技に溜めの必要がなく、普通にコマンド入力をするだけで必殺技が出る((例として空破弾は左下を溜めてから右上Kなのだが、本作では左下を溜めずにすぐ右上Kで出る。))。
//--更にアンディの使う斬影拳は上記の仕様に加え、攻撃後の隙が全く無く、しゃがみ弱K→斬影拳×n(通称''斬影ハメ'')で簡単に相手を倒すことが出来た。続編では斬影ハメは失われたが、今度は『餓狼3』で兄貴が永久コンボを生み出すという悪夢が。
//この仕様はネオジオ版でもそうだったよ。

-ゲームバランスに影響するバグ
--キムの鳳凰脚のヒット後、キャラによっては追い打ちが入ってしまう。
---テリーは鳳凰脚→鳳凰脚と入ってしまい即死。
--十平衛・キム・ローレンスが飛び道具・パワーゲイザー・スクリューアッパー・ファイアーブレス・龍炎舞(二段目)のいずれかでK.O.されると、次のラウンド以降はダッシュ二本背負い・飛翔脚・鳳凰脚・ブラッディースピンが当たらなくなる。この状態は相手が先述のいずれかの技を再度使うまで解除されない。
---このバグは初期版のROMでのみ発生する模様。
--アンディのライン移動攻撃(手前→奥)が手前ラインの相手に当たる上、ガード不能になっている。

-一部サウンドの劣化
--打撃音等がこもった音になっており、素振り音なのかキャラの声なのかわかりづらい音も存在する。

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**総評(SFC版)
劣化度合いは当時の家庭用移植としては妥当な範囲に収まっており、アーケード版の雰囲気は十分に感じられる。~
ただ、各挙動などをよく見ると、当時の基準から見ても色々と違和感が感じられる部分が多い移植作ではある。

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**余談(SFC版)
-初期版ではソフトパッケージの表面にて「超必殺技」と表記されるはずの部分が「''起''必殺技」と誤植され、地味に笑いを誘っていた。
-ビリー・カーンの国旗はイギリスのはずだが、取扱説明書ではアメリカ国旗に誤表記されている。
-AC版にあった誤字「DROW GAME」(正しくはDRAW GAME)がそのままになっている。

-本作に特化したコントローラーが発売された。
--しかし、肝心のこのソフトが前移植版の出来のせいか敬遠されてしまったため、新品が投売りされた事もあった。

-当時の雑誌では「家庭用での練習にどうか?」と書かれていた。色々と無理な部分も多いが。
--なお同じく雑誌に書かれていたネタとして「SFC版は舞の勝利ポーズの乳揺れを数ドット増やしたアニメーションを作っていた」らしく、AC版より生々しい動きになっていたとか。~
ゲームをよく知らないおじさんですら「これはいいねえ」(原文ママ)と絶賛していたそうな。だが最終的にはそのアニメーションは没となってしまったとの事。%%そのまま通っていれば評価点になっていた物を…%%

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*餓狼伝説2 新たなる闘い(MD版)
|ジャンル|対戦格闘|&amazon(B000147VTS,image=https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/357/2906/Garou2MD.jpg,height=160)|
|対応機種|メガドライブ|~|
|発売元|タカラ|~|
|開発元|ガイブレイン|~|
|発売日|1994年6月24日|~|
|定価|9800円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|『2』なのに連続技搭載&br()DIPスイッチ次第で世紀末化|~|

**概要(MD版)
上記アーケードゲームのメガドライブへの移植版。~
前作のMD移植版は日本ではセガ・エンタープライゼス(現セガ)が発売元だったが、本作は海外版やSFC版同様タカラが発売元となっている。

**特徴・評価点(MD版)
-今回はリストラキャラはおらず、12キャラ全員が登場する。

-SFC版同様、ボス4人が隠しコマンドで使用可能。しかもMD版にはオリジナル(SPではない)超必殺技が完備、専用のエンディングまで用意されている。

-不知火舞の必殺技である「ムササビの舞」は餓狼SP同様、舞以外のステージでも使えるようになった。

-隠しコマンドを入力する((「TAKARA」のロゴ表示中に下・左下・左・左下・右、Yと入力し、テリーの声が聞こえたらOK))とOPTIONにTESTの項目が追加される、更にTESTの項目内にある「DIP SW」で特定のスイッチをONにすることで''攻撃で浮かせた相手にも当たり判定を発生させる''事が可能となっている((但し、上昇中・下降中別々に設定が可能なので後述のコンボを繋げるには両方ONにする必要がある。))。
--すなわち、「''技を当てて相手を浮かせ、それに重ねるように技を出し、さらに浮かせて…''」という連続コンボが可能となる。
---これにより、多くのキャラが無限コンボ(もしくはそれに近いもの)をお手軽に出せるという、いわゆる世紀末バトルが可能となってしまった。
--他にも「ライン移動不可」、「挑発後のキャンセル不可」、「いつでも超必殺技使用可能」、「MODEボタン+任意のボタンで超必殺技が発動」と言った設定などもある。

//家庭用のオプションとしてネタで遊べる項目があるだけなら評価点じゃないかな。
//↑隠しコマンドを入力しないと出てこない項目だから条件付きであればそれでもいいとは思うが。

**賛否両論点(MD版)
-連続技の導入
--本来アーケード版2には連続技の概念が存在しない(ダメージを食らうと一瞬の間無敵になる)のだが、MD版はその概念を払拭、SP並みかそれ以上に連続技が入るようになった。
--これには「こんなの餓狼2じゃない」という否定意見と、「コンボを決める爽快感が楽しめる、最高のアレンジだ」という評価意見の真っ二つに分かれている。
--また、連続技じゃなくてもネオジオ版では(というか、餓狼シリーズに限らず本作以外の全ての作品をふくめても)単発技であるバーンナックルや斬影拳などの一部必殺技が二段ヒットする技になっている。

**問題点(MD版)
-やはりハードスペックの関係上、一部キャラのモーションの削除、変更、デモ画面の一部がカットなど、アーケード版より若干違和感はある。

-前作同様、SFC版にはあったボーナスステージがMD版ではカットされている。

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**総評(MD版)
すでにMD版が登場した時期はアーケード・ネオジオ版『餓狼SP』が現役稼動・発売されており、ただの移植ではなく、あまりにも大胆なアレンジを加えた事に大きな波紋が広がった。~
この路線を「原作を尊重していない」と非難するか、「原作以上の魅力を引き出した良いアレンジ」と絶賛するかのどちらかによって評価が180度変わる作りとなっている。

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**余談(MD版)
-今回ではMD版前作でリストラされたビリー・カーンはちゃんと存在しているのだが、バトル前のデモ画面にて「''久しぶりだな!''」と、前作に関わったようなセリフを交わしている。
--もっとも、アーケード版でもビリーとは特に関わりのなさそうなキャラ(舞、キム、チン、十平衛)にも同じセリフを交わしているのだが。

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