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ミサコ


【名前】
本名:踊原 三迫(おどりはらみさこ)
雅号:CARA

【疾患名】
《鏡像投影性愛/カトプトロノフィリア》

【所属組織】

Arcanum The Star (星)
体力 敏捷 知力 感受 器用
1 2 5 6 6


【疾患者カルテ】20歳。身長180cm ひょろい。
曾祖父に著名な芸術家を持ち、その影響か自らも芸術家を目指す青年。
だが、家が名を馳せているのはあくまで絵画のみであり、それとは別のアート、ボディペインティングに興味を持つ彼は放逐される。

絵画へと興味を持とうとしない様子に業を煮やし、家の者が作品の殆どを破壊した際に発症。
茫然と最後の染料で自分に絵を施したところ、ペイントした生物に憑依する能力に気付く。
身体ごと奪う、ペイントした部位に自分の意識のコピーを作る等のバラエティに富む能力。
描いた図案を覚えている限り距離に関係なく憑依可能。絵も画材の性状にかかわらず何故か洗っても消えないが本人が忘れると消える。

現在はネット通販でCARAの雅号で一点モノの自作アクセサリを製作販売したりしつつ日銭を稼いでいるらしい。
アトリエ兼住居はパン屋ハコラの2階にある。
それなりにかわいらしくリーズナブルなお値段でJKにそこそこ人気があるとかないとか。
CARAはイタリア語の『最愛の』。 由来は「オシャレな名前」でググったら1位で出てきた「お洒落な犬の名前」の記事だったらしい。 
初めての作品だったガラスのピアスを買って励ましのメッセージをくれたお客さんをなんとなく探しているが、
それがボディペインティングの最高の素材と見込んだ少女と同一人物であることはまだ知らない。

【履歴】

【某日某パン屋2階】

 風に揺れる空の安楽椅子。差し込む冬の陽射に捻じれた影を床に落とすパーリ―シュガーツイストの脚、揺れて。
男が家を出て数年。ここしばらくの住処と定めたパン屋の2階の狭い貸部屋に、何処か似合わない、アンティークな椅子。

「そうだね、貴女が一番、俺の事を解ってる」
彼にだけ見える安楽椅子の上にゆったりと腰かけて嫣然と微笑む鏡に映した己のごとく、彼によく似た髪の長い女。
その瞳を覗きこむように顔をあげた全裸の男の体は赤い。血糊――ではない。
部屋に満ちたアクリルペイントの香りがその場に誰かが居たならすぐにそれを悟らせるだろう。

深紅の赤と、緑と、ほんの少しの紫。透き通るような青もあっていい。
濁った一様な黒に混ぜ合わさる前の、自然の輝く石ととはかけ離れたマーブル模様を自らの腕に、脚に、胸元から首筋へと指と掌で描き拡げながら。

――そうよ。私は貴方だもの。

「そうしてこの身に貴女を描き終えたら、俺は消えられるのかな。この、心の底から湧き上がる、人の膚を思う色に塗りつぶしてしまいたいという思いといっしょに」

――さあね?まだ私は貴方じゃないもの。

くすくすと、からかうようにさざめく女の笑い声。いや、ただの風。
微かにそれに乗って漂ってきた香ばしい焼けた小麦の香りに彼は最後に自分の顔に色を引こうとした指を止める。

「……腹が減ったな」

その呟きに止められた手に、やれやれ、という表情を見せながら安楽椅子の女の幻影は消える。
そうだ。この部屋はいい。こうして温かいパンの香りが、俺を綺麗な夢からくそったれな現実へと引き戻してくれる。
描きたいものはほんとうに彼女なのか。そうして彼女になってしまえば、俺は幸せなのか。幸せだろう、だがしかし。

迷いがあるうちは、まだ、それはしたくない。
何処かに居るはずだ。「彼女」以外に、俺のこの思いを全て満たす女が。 この現実の何処かに。

まずはパンを食べよう。焼き上がったのはクロワッサンだろうか。
2、3個買って部屋に戻って、バターが冷える前に熱いコーヒーを淹れよう。
ネットショップに出す売り物も、いくつか今日中に仕上げなければならない。


そうして風にまだ揺れる安楽椅子を意識の外へと外し、男は階下の店へと続く階段を下りていく。

『関係者以外立ち入り禁止。お客様は店の玄関からお入りください。 ※着衣厳守 -店主』

そんな貼り紙が店の裏口の前に立った彼の前に冷え冷えとした冬の風にやはりわずかに揺れていた。(続かない)

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最終更新:2016年01月09日 00:06