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【名前】
澪(れい) //神系名:瑞守(みずかみ)

【疾患名】
《溺水性愛/アクアフィリア》

【所属組織】
護国陰陽寮ウラノツカサ

【Arcanum】 
The Judgement / 審判

体力 敏捷 知力 感受 器用
1 1 6 6 6






【疾患者カルテ】
昔年より国の安定の為に神を奉り仕えてきた一族の末裔。
19歳にしてはやや幼げな顔立ちで、世俗的な知識が薄め。
水の神の加護を降ろすことが出来ると噂される彼の異能は、水を自在に操れるもの。
池の水を水蒸気に換えて干上がらせ、雨を凍らせ雪に変えることができる。
水に近ければある程度操れるが、水分量が減ると当然その効果は薄くなる。
水蒸気爆発を起こすといった派手なことも出来るものの、その後は疲労で動けなくなる。

異能は故郷では神の力とされ、発現した能力によって神系の姓がそれぞれに与えられる。
故に真名は「瑞守 澪」

【履歴】
澪の故郷は辺境の小さい集落にある。そこは御国の為にと神を奉り、秘術を探求し行使する隔絶的環境。
その中でも彼の家は最も永く続く家系であり、集落の中心であった。
代々次期当主はその身体を神の憑代とするため、幼少より隔絶された集落の中から更に引き離された屋敷の奥の間に籠らされる。
そして神降ろしが成された時、初めて奥の間より出ることが許される。神降ろしと言えば、聞こえは良いかもしれないが、
実態としては羈束環境により異能を半ば強制的に開花させる非人道的なものであった。

澪の兄であり次期当主であった暁(きょう)は、齢僅か10歳にして焔の神の御業を成し、早々に自由の身となる。
完全管理された家と集落の中で、澪は強く優しい兄を慕っており、暁も自分によく懐く弟を可愛がっていた。
次男と言えど、直系の子として周囲の当たりが厳しい澪を守り、時には相手の矢面に立って出た。
しかし、暁が15歳の時。次期当主として加速度的に強くなり始めた拘束は、暁の理性を一時的に砕いてしまった。
神との結びつきを深める儀式の最中、暁は異能によって集落に大火災を起こし、家を出ていってしまう。
 
全ての騒動が片付き、持ち上がった問題が次期当主の問題だった。当然の如く、候補は次男である澪。
だが、この時すでに澪は13を迎えていた。神降ろしを行うには遅すぎると懸念される声に、当時の当主は言った。
「ならば、より厳しい修練を」
当主は焦っていた。家の権威が落ちぶれてしまうことに。故に澪以外に当主を継がせる心算は一片たりとも無かった。
澪はそれまでの生活から切り離され、人が足を踏み入れられることもない山の奥深くの離れに幽閉される。
当主――父は日毎に日の出前からやってきては深夜まで苛烈極まれる修練を課す。
その間、決まって兄を貶める発言を繰り返す。お前の兄は全てを捨てて逃げた。お前も暁に捨てられたのだ。
心が弱い奴に当主を継がせずに良かった。お前はあいつの二の舞は踏んでくれるな。
当主の威を借りんとする親族や取り巻きもそれに同調する。それはやがて集落一致の意見となる。
澪はそういった声を聴くたびに胸の中で叫ぶように反論する。兄は決して弱くなどなかった。まだ子供だったとは言え、
自分を守ってくれるほどに強靭な精神を持っていた兄を、自暴自棄な行動をさせるまでに縛り壊したのは誰だ。
そんな身勝手な発言は許さない…。許されない……。
日常的に押し寄せる怒り、哀しみ、不満は息を殺した涙となり、皮肉にも澪の異能を兄よりも早く開花させることになった。


表に出た澪はやはり拘束される毎日の中で、密かにある算段を立て、その手筈を整えていく。
そして当主が「不運なことに」病に伏した報が入ったとき、その口元に小さく微笑みを浮かべた。
「さて、間違ったことはきちんと直していかなければね―――」
家の五つ紋が入った袴姿に着替えて、大広間へと歩いていく。
まずは兄さんを探さないと。その為にはもっと人脈が必要になる。兄を批難した人たちの懲罰はどうしようか。
あぁ、どれもこれもやり遂げるにはやはり権力が欠かせない。
大広間に入って床の間の前の席へ腰を下ろし、如何にも真剣そうな様子で書状に目を通す。
それから脇に控える親族とも思えぬ人間たちが並ぶのを見る。
澪が顔を上げたことに気づいたそれらがじっと発言を待っている気配を感じる。
そう、手始めにやることは決まっている。

「現当主は長き務めでお疲れになっていらっしゃいます。そろそろ休まれた方が宜しいでしょう。
 ……ご用意を急ぎ執り行いなさい。」



暫くして、ひとりになった座敷の中でふるりと身を震わせた。
何故か今宵はよく冷える。天井の木目を見上げた顔のその頬に、また一筋の涙が伝った。

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最終更新:2015年12月28日 03:19