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アイルナッシェ

【名前】
アイルナッシェ

(アイラ・ミルシュピルン)
(天出 愛 (あまいで あい))

ステータス

体力 敏捷 知力 感受 器用
5 3 4 6 2

アルカナ

愚者

【疾患名】
《叡智偏愛/ソフィオフィリア》
《聖依性愛/テオフィリア》

【所属組織】
なし

【疾患者カルテ】
某宗教の分派とも言える異端、グノーシス主義者であり「高位の知的生命体アイオーン・ソフィア」の信奉者。
モナルキアリスト、つまり唯一性を強調としており、アイオーン・ソフィア以外は邪神である。

紛争地帯での奉仕中、目の前で父が治療していた暴徒に殴られ呆気無く死亡。
それにより「この世界は既に悪神の作った世界」だと確信、世界を滅ぼす「ファティマの預言」の実行に向けて活動を始める。
聖書を諳んじる事で、その秘跡を再現出来る「本物の魔法使い」。

<<異能進化>>
聖書を諳んじることなく、自ら「神の言葉」を作り、それを現実のものとできる。
当然、聖書に書かれていないことも可能である。理論上は、世界を作り変えることも可能であろう。

ただし、異能の反動として体に「聖痕」が出来る。聖痕の度合いは起こす奇跡の大きさ、困難さによって決まる。
軽いものなら手足に傷が出来る程度。重いものは致命傷になりうる。
世界を作り変えるなどしようものなら、一瞬で体が消し飛んでしまうだろう。

N国にて、彼女は様々な経験をする。人々との交わり。煌びやかな文明。その裏に潜む凶悪な事件。
次第に、彼女の信仰は揺らいでいった。何時しか、かつて抱いた疑問が再び首をもたげようになる。
「アイオーン・ソフィアは本当におられるのか? おられるなら、何故導きをくださらないのか? なにより…N国の文明に沈溺している自分に罰をお与えにならないのか」
そして、彼女はこう考えた。
「もしアイオーン・ソフィアがおられないなら、人を導くものが何もないというなら、自分が自分を導くしかない」

【履歴】
欧州の、大国に挟まれた小国にある、これまた小さな村で生まれる。
乳は現地人。母は東の果てにある「N」という国の出身。

赤毛に(この辺では珍しい)切れ長の目を持つ。
赤毛は父から、切れ長の目は母から受け継いだ。
年齢は18歳。女性。

母は10歳の頃風土病にかかり死別。
敬虔な宗教者であった父は、妻の死を切欠に各地を旅し奉仕活動を行うようになる。
この時期に「アイルナッシェ」という洗礼名をもらう。以後、この名を名乗るようになる。

本名はアイラ・ミルシュピルン

妻の死を振り切るかのように、父は奉仕活動にのめり込んでいく。
そんな父に連れられ、各地を転々とするうち、彼女はこの世界の醜い一面を嫌というほど見せつけられる。
暴力・貧困・悪徳。
更に、それらが「必要な物」として、世界の仕組みに組み込まれているという事実。

彼女は何度となく疑問を抱き、何度となく父に疑問をぶつける。
「神の作りたもうた世界なら、何故楽園のような世界をお作りにならなかったのか。何故敢えて人々を苦しめるようなことをするのか」
だが、父の答えはいつも同じだった。
「試練なのです」
「罪なのです」
「神の御業を論ってはなりません。神の御心は人には窺い知れぬものです」

そして、彼女が18歳になったとき。
父はあっけなく死んだ。
紛争地で奉仕活動中、殴り殺されたのだ。
それも、助けていたはずの相手に。

その男…父を殴り殺した男は「反政府軍」とは名ばかりの、ただのチンピラだった。
丸腰で現れた父の、僅かばかりの金と所有物目当てに、父を襲ったのだ。怪我をした振りをして。
男の目は一緒に居た彼女にも向けられた。金品と共に狙いだったのだろう。

男の力が彼女を拘束する。体格差、体力、全てにおいて逃げられる術はない。
恐怖の中で、彼女ができることは聖書の一節を諳んじることだけだった。
「迷い苦しんだ時は、聖人の言葉を思い出しなさい。お前の助けとなることでしょう」という、父の言葉そのままに。

「エルヘルムは人を焼く者を見、仰った。 『人を焼く者は人に焼かれると知れ』」

おぞましい叫び声が上がったかと思うと、拘束が解かれた。
恐る恐る目を開けると、炎に包まれのたうち回っている人間の姿があった。
何故かはわからない。だが、彼女には確信があった。
「聖書の言葉通り、人を焼く者が焼かれた」と。

父の顔は安らかだった。
傍らの黒焦げは目を剥き、口をだらしなく開けていた。

二つの肉体を見下ろしながら彼女は考えを巡らせた。
「正しい行いをした者は間違った行いをした者に殺された。 善なる神がおられるなら、正しい行いが報われない世界を作るはずがない。 ならばこの世界を作ったのは善なる神ではないということになる」
「しかし、一方で間違った行いをした者は報いを受けた。 善なる神がおられないなら、私は今頃父の傍らに横たわっていたはずだ」
「つまり、善なる神と悪なる神が居る。 この世界は悪なる神が作ったもの。しかし、善なる神はどこかにおられ、良き世界に導くため力を振るっておられる」
「そして、私が選ばれた」
「以前、父から聞いたことがある。『アイオーン・ソフィア』と呼ばれる神を信奉する異端があると。 父は間違っていた。それは異端ではない。正統なのだ」

父の遺体は、故郷から遠く離れた地に葬られた。
黒焦げは打ち捨てられた。

彼女は踵を返すと、足を踏み出した。
父も母も、もういない。行く当てはあるか?
ふと思った。「母が生まれた地はどこだろう」と。
時折聞かせてくれた、母の故郷の話。
村の暮らしとは全く違う、おとぎの国のような話。

僅かだが、言葉も教えてもらった。
母は東から来た。ならば、東に行けば辿り着けるだろう。

名前をもう一つ増やそう。母から聞いた「N風の名前」だ。
今までは名乗る機会もなかったが、その国ではこちらの方が良いだろう。

アマイデ アイ

地面に字を書く。個人名の字が複雑な形をしている。書き方を覚えるだけでひと苦労だった。

天出 愛

これで合っているはずだ。
家族名は、母の結婚前のものだったらしい。

東に行こう。同じく神に選ばれた者が居るかもしれない。彼らは使徒なのだ。良き世界を導く。
「アムナベルは弟を殺し、神に問われると、偽りを述べた。その罪により東へと追われた」

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最終更新:2016年05月07日 02:11