白心上人

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無駄だ…お前如き若輩者の法力では、この白心の結界は破れぬ…
登場 26巻10話「即身仏」
退場 28巻4話「聖域の消滅」
所属 奈落一派
種族 人間
性別
年齢 100歳以上
出身 東北
職業 お清め所院主
血縁者 なし
想い人 なし
装備 独鈷、数珠
CV 松岡 文雄
分類 原作/アニメ

【概要】

  • 白心(はくしん)上人(しょうにん)は、最高位の霊峰・白霊山に「お清め所」を開き、院主を務めていた人間である。即身仏となった彼は死後も自我と魂を現世に保ち、聖島を拠点に活動を続けている。白心上人は生前から人知を超えた法力を持っていたとされており、現存する僧侶や巫女の誰をも凌ぐ、強大な力と叡知を誇っていた。彼はたった一人で周辺地域の邪気妖気を抑え込み、白霊山に幾千万もの妖怪を幽閉する事で、東北地方一帯に妖怪が存在しない特殊な環境を作り出していた。

  • 生前は人々を救う事だけに生涯をかけた人物であり、とりわけ悪人にも救いの道を開いた僧侶として高名である。一方で自らの法力が究極に達しているという自負から、敵と見定めた相手に対しては極めて尊大な振る舞いを見せる。彼は並大抵の僧侶を上回る力量を持つ弥勒を若輩者と評して見下しており、死人の巫女に過ぎない桔梗が自らを救おうとしている事に訝る様子を見せた。本人の圧倒的な力量をさらに上回るほどの責任感の持ち主でもあり、その戒めを常に自らへ向けてしまう欠点も持っている。

  • キャラクター紹介やクレジットなどでも白心上人とされているが、実際には上人は名前ではない。上人は僧侶としての位階を示したものであり、本来は僧位の第三位「法橋上人」を意味しているが、彼の場合は単に高位の僧侶への敬称として用いられているとの事。なお、本人は自らを白心と名乗っている。作者は作中においてたびたび登場する「100年前」という年代や「偉いお坊様」という言葉は白心上人を指しているとコメントしている。彼は少なくとも溶命樹冥王獣といった強力な妖怪を封じ、滅ぼしていた。また、死後も自我を保っていた理由については「徳が高かったから」との事。なお、蛮骨は桔梗を「死人」と呼ぶ一方で白心上人を「死に損ない」と評しており生者として扱っている。

【来歴】

  • 現代から600年前、白霊山にあらゆる罪を清められるという寺院「お清め所」を開いた。作中では100年前に活躍した人物として言い伝えられている。ある時、数年続いた飢饉に加え致死率の高い疫病によって国中に亡骸が転がるほどの苦難の時代が訪れる。人々を救い続けた白心上人もまた病に侵されてしまうが、人々は彼を失う事に耐えられなかった。献身の末に即身仏となって死後までも人々に尽くす事を決めた彼は食物を断ち、穴の中で最期の時を過ごした。しかし、穴の中で自分が救ってきた人々が自分の死を望んでいるという事実に彼は打ちのめされた。命を惜しむ自分は聖人ではなかったと思い知った白心上人は、自分の心の弱さを哀しみながら逝去した。

  • 彼が作り出す聖なる結界は何人も手出しできないと言われるほど強力だった。犬夜叉の赤い鉄砕牙に自身の結界を破られた奈落は、犬夜叉に負けないだけの新たな肉体を形成する事を迫られた。奈落は白心上人の力を利用しようと説得を行った。それは人々への恨みと憎しみを煽る偽りの救済でしかなかったが、引き裂かれていた白心上人の心を動かすには十分なものだった。白心上人の協力を得た奈落はその強大な結界に入り込む事で犬夜叉や桔梗、鋼牙や殺生丸という敵対者から身を隠しさらなる力を得ることができた。

  • 白心上人は法力を駆使して七人隊の戦いを補助する役割を担った。しかし、七人隊は各個撃破されていき、彼は自分の元にたどり着いた弥勒と相対する。風穴によって周囲の結界を破られた白心上人は空間転移で山の外へ移動し、そのまま結界を張り続けた。そこへ現れたのは桔梗だった。桔梗は戦いではなく白心上人との対話を選択した。桔梗は生前の自分と白心上人を重ねる事で、彼が抱える哀しみを理解する事ができた。自分の本心が恨みではなく哀しみである事を思い出した白心上人は、桔梗の腕の中で成仏し、天へと消えていった。

  • 東北を牛耳る白心上人の力が失われた影響は甚大なものだった。彼が一人で維持してきた聖なる領域が崩壊し、白霊山に封じ込められていた幾千万もの妖怪たちが一挙に世に解き放たれた。白霊山から解放された妖怪たちによって多くの村が犠牲となり、。犬夜叉一行は「以前よりもっとひどい事になった」と白霊山崩壊の影響に強い懸念を示した。
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【アニメ】

  • 犬夜叉 TVアニメ』では、実際の登場に先駆けて87話「めぐる桔梗の孤独な旅路」で名前だけ登場している。本人が登場するのは9ヶ月後に放送された113話「聖なる独鈷と即身仏の謎」であり、本作としてはかなり長い伏線回収となった。また、「白心上人のわらべ歌」が存在しており、白霊山周辺地域の子供たちが歌っている他、桔梗もその歌を知っていた。彼が100年前に使っていたという錫杖も登場している。アニメオリジナルストーリーでは彼の死によって強力な妖怪や妖刀が解き放たれた事が示唆されている。作中では、灰刃坊が打った「乾坤の薙刀」と呼ばれる強大な妖刀が彼の死によって復活しており、刀々斎から「あの霊山は色んな物を封じていた」といった言及がなされている。


【能力】

  • 最強の霊能力者として知られる伝説の聖者。作者をして「いかなる大妖怪も敵わない力と、近づきがたさを持つ」と評される。一人で幾千万もの妖怪を白霊山に幽閉し、周辺地域に妖怪が存在しない特殊な環境を創り出すほどの力の持ち主。白心上人は独鈷と呼ばれる仏具を媒介にして遠距離からあらゆる法力を使いこなした。彼の法力珊瑚から「奈落とはまるで逆」と言われる強大な聖なる力を宿していた。その凄まじい法力は言語に絶し、桔梗も彼の前では自らを若輩と自認するほどである。

  • 彼の仏具・独鈷破魔の矢と同様に触れた物の邪気妖気を打ち払う事ができた。また、空間転移の能力を有する数少ない人物の一人であり、独鈷の周辺にいる人間を自由に空間転移させる事もできた。さらに、白心上人は単独で空間転移を行う事も可能であり、身の回りを結界で覆い結界ごと自由に空を移動する事もできた。桔梗ですら空中を移動するには死魂虫を利用しており、単独で空を飛行できる人間は作中でも白心上人ただ一人である。潔癖とも言える彼の清浄な力は、妖怪や死人はおろか、わずかでも邪な心を持つ人間すら阻む常軌を逸した邪滅領域を生み出す事を可能にしていた。白心上人が発生させる邪滅領域は「聖なる結界」と呼ばれ、周囲に花や樹木を生い茂らせる力まで持っていた。彼の聖なる結界は、本来なら白霊山を即座に崩落させるほどの奈落邪気瘴気を、完全に無力化してしまうほど絶大だった。生前は破魔札や注連縄(しめなわ)による封印を駆使して妖怪と戦う事もあった。

  • 白心上人は天眼通の覚醒者の一人でもあった。通常、その範囲は結界の最大領域に達するが、彼の眼力は白霊山の結界領域をはるかに超える領域にまで達している。彼は周辺地域、少なくとも白霊山から聖島に及ぶ一帯の状況をまるでその場にいるかのように子細に把握する事が可能である。白心上人はその圧倒的な眼力と、独鈷を遠隔で操る能力を併用する事で聖島で戦う蛮骨を的確に補佐する事ができたのである。

  • 余りにも強大な聖なる力は白心上人にとっては欠点にも成った。聖なる結界は体内の毒や瘴気さえも否応なしに浄化してしまうほど強力で、人間の肉体的なダメージさえ回復させる力まで持っていた。その為、時として敵対していたはずの弥勒珊瑚を意図せず回復させてしまう事があった。最猛勝の毒と瘴気に蝕まれた弥勒も、神楽飛来骨を弾き返され打撲を負った珊瑚も、聖なる結界によって瞬く間に回復する事ができたのである。
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 『致命傷の毒も容易く浄化してしまう』

【技】

空間転移
聖なる結界
法力
天眼通

【戦闘録】

未描写 冥王獣 勝利
未描写 溶命樹 勝利
26巻7話~10話 犬夜叉一行(蛮骨と共闘) 中断(形勢逆転により蛮骨を撤退させる)

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最終更新:2024年12月09日 12:58