殺生丸

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10代 兄弟 四魂のかけらの所有者 大妖怪 大妖怪の血族 妖怪 最速 殺生丸一行 登場人物 稀代の腕力 絶大な妖力

貴様と私ではもともと出来が違うのだ。薄汚い半妖が

登場 2巻5話(13話)「母の顔」
退場 特別編「あれから」
所属 殺生丸一行奈落一派(一時的な協力者)
種族 妖怪
性別
年齢 人間換算19歳
出身 不明
血縁者 犬夜叉犬夜叉の父殺生丸の母
職業 なし
想い人 なし
装備 天生牙爆砕牙闘鬼神、妖鎧
CV 成田 剣
分類 原作/アニメ

【概要】

  • 殺生丸(せっしょうまる)東国を拠点に活動している犬の妖怪である。出身は不明とされているが、殺生丸の母東国の妖怪である。大妖怪の一人に数えられる。犬夜叉の腹違いの兄で、犬夜叉の父殺生丸の母の息子。父と同族の完全な妖怪でありながら、父から鉄砕牙継承者として認められず、後継者としても選ばれなかった事から、父に選ばれた半妖の弟・犬夜叉に強い敵意を抱いている。冷酷な性格から人望がなく、当初は従者が邪見しかいなかった。父に仕えた冥加からも全く敬意を持たれておらず、鉄砕牙の試し斬りとして殺生丸を使うよう犬夜叉に進言されるなど、殺生丸は生死すら構われていなかった。

  • 当初は大妖怪でありながら決して器が大きい人物ではなく、大きいほど傑物とされるも主要人物の中では最小値であった。しかし、物語の中で多くの経験と交流を経て精神的にも成長していく。やがて継承者の戦いにおいて犬夜叉を正統であると認め、鉄砕牙の継承権を放棄する。最終的に鉄砕牙への未練を捨てた事が爆砕牙を獲得する大きな助けとなった。

  • 作者は作品中で死亡させるつもりだったとコメントしており、りんを救うために人間に殺害される予定だったとされる。りんを男性として登場させる案も出ており、作者は殺生丸とりんとの関係について「私の中では殺生丸は保護者」と明言している。また、犬夜叉の父からの扱いの悪さは作者も公認しており、「殺生丸は意外とかわいそうな扱いを受けている。」とコメントしている。

【容姿】

  • 普段は人間の姿に擬態しているが、本性は十数メートルの巨体を誇る白い妖犬である。一見、犬夜叉の父の妖犬の姿に似ているが、耳や尻尾など細かい部位はほとんどが殺生丸の母譲りであり、犬夜叉の父とはさほど似ていない。犬夜叉の父の妖犬の姿は変化した姿であり本性ではないが、殺生丸にとってはあくまで妖犬の姿が本性であり、真の姿である。当初はその妖犬の本性こそが最大の戦闘力を発揮する殺生丸の切り札だったのだが、強力な妖刀を手に入れてからは人間の姿でそれを振るう方が強力になった。その為、物語中盤からは本来の姿に戻るメリットはほとんど失われてしまっている。作中でもそれは公然の事実であるらしく、邪見は妖犬の姿になった殺生丸を内心で馬鹿にするような言葉を発していた。

  • 人間に変化した姿は、銀色に輝く長髪をなびかせており、やさ男と評されている。額には殺生丸の母と同じ三日月の印がある。作者は三日月の印をいずれ何かしらの設定に使えるだろうと考えて盛り込んだが、使い所がなくただの印で終わってしまったと述懐している。肩から伸びているのは自分の毛皮で、着物ではなく殺生丸の体の一部である。自在に伸縮させ武器や防具として用いる事もできた。着用している鎧はそれ自体が妖力を持っており、破損しても鎧自体の妖力によって自動修復される。鎧の強度はあまり高いものではなく、犬夜叉に殴られると破壊される。腕には毒腺があり、毒を使う時にだけ赤黒い線として発現する。当初、殺生丸の人間形態は考案段階では全く違う衣装だったとされており、作者は「鋼牙よりも露出度が高かった」「半裸でした」とコメントしている。作者は、「本来は時代考証的には殺生丸の中振り袖衣装はあり得ない」と自ら語っている。
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 『毒を使用する時にだけ毒腺が現れる。』

【性格】

  • 殺生丸は大妖怪特有の高い気位を持っており、特に自分たち犬妖怪の一族を妖怪の世界における特権階級であると考えていた。犬夜叉の存在は殺生丸にとって自分の一族の権威を辱める存在に他ならなかった。一族への誇りと犬夜叉への憎悪を持つ殺生丸は、普通の妖怪以上に人間を強く軽蔑していた。誇りを何よりも尊ぶ性格であり、無慈悲な殺戮には躊躇がないが、こと戦いに限っては卑劣な策略を嫌い、殺す価値があるかどうかを重視する。そういう意味では彼は犬夜叉奈落を自らが手を下すべき存在として認めているとも言える。犬夜叉に関しては実際に、妖怪化して暴走した際には殺す価値すらないと断じていた。

  • クールな性格であり、作者は殺生丸が感情を爆発させないように注意したとされている。特に、冷や汗をかかせない、感情を露わにしない、という二点が殺生丸の最大の特徴として挙げられている。なお、作中では魍魎丸神楽を侮辱された際には殺生丸が激怒するシーンが描かれている。この件に関しては実際に例外である事が作者によって語られており、物語の展開上、少年漫画として怒らせざるを得なかったとしている。神楽への侮辱以外で殺生丸が感情を爆発させた例は確認されておらず、作中においてこれが唯一の事例である。なお、作者からはりんよりも感情豊かとコメントされており、あくまで感情を表に出さないだけである。実際に殺生丸の気持ちは全て邪見が代弁していると作者は明言しており、それを考慮すれば非常に喜怒哀楽が激しい感情的な人物と言える。

  • 必要以上に他者と関わる事を避ける傾向があり、多くの友人や大妖怪と交流を持っていた父に比べると、頼るべき友人や知り合いはほとんど持っていない。長年の部下である邪見ですら、殺生丸が他人から敬遠される事を当然と考えており、刀々斎が殺生丸から逃げ回る理由を「嫌われているんでしょうな、やっぱり」と発言している。助けられる事を激しく嫌う一方、共闘が必要な敵と遭遇すれば他人と協力する事には全く躊躇はなく、普段は距離を置いている犬夜叉一行とも共闘する。奈落との戦いでは犬夜叉と明確に共闘しており、曲霊との戦いでも犬夜叉一行と共闘、を信頼してりん琥珀を預けるなど、決して孤高の人物ではない。

  • 自分を純粋に慕う者、頼る者には素っ気ない態度を取りつつも見過ごそうとはしない一面を持ち、殺生丸一行が危機に陥れば率先して救出しようとする。りん神楽との交流以降、その傾向はますます顕著になっていったが、それでも自らの誇りを最優先する態度を最後まで変える事はなく、それが原因でりん琥珀が窮地に陥る事もたびたびあった。彼は時に大敵を相手取る際には、味方を犠牲にしなければならない覚悟を強く理解していた。奈落との最終決戦において、珊瑚奈落を倒すためにりんを犠牲にしようとしたが、殺生丸は珊瑚の覚悟を理解してそれを許していたと作者はコメントしている。最終決戦後、珊瑚は殺生丸に改めてりんを攻撃した事を謝罪しようとしたが、既に殺生丸はそれを許していたのでその間もなくどこかへ立ち去っただろうと作者は語っている。また、奈落との最終決戦においては気を失ったかごめが自分で起き上がるまで守り続けて待つなど、殺生丸にとっては既にりんの救出だけが最優先事項ではなくなっている。

  • 人間半妖を見下し、精神的に未熟であった殺生丸は、奈落との戦いの中で多くの者を学び、成長した。特に、からの叱責によって分け隔てのない命の重みを理解した事は特筆に値する。天生牙さえあれば死など恐るるに足らぬと考えていた殺生丸の考えは彼女によって矯正され、殺生丸は母からの叱責以降、一度足りとも天生牙によって他人の命を左右しようとはしなかった。天生牙の使用を拒絶するという事は殺生丸にとって、惜しむべき命の対象が広がった事を意味していた。彼はりん琥珀といった、自らが目をかけた人物だけに留まらず、自分が関わった人々の多くを守るという行動を取るようになった。なお、35周年に刊行された大辞典『ALLSTAR』において、彼が慈悲の心を芽生えさせた理由の一つとして「かごめやりんとの関わり」が挙げられている。意外にも殺生丸の中でかごめは非常に大きな存在であり、彼の精神的成長に関して、りんよりも先に名前が挙げられるほどである。

【来歴】

  • 犬夜叉の父殺生丸の母との間に生まれた完全な妖怪。しかし、犬夜叉の父の後継者に選ばれたのは異母弟である半妖の犬夜叉であった。作者が犬夜叉の父犬夜叉の母が恋愛結婚だと明言している一方で、犬夜叉の父殺生丸の母の性格を全く理解していなかったとされており、殺生丸の両親の関係がある程度冷えたものであった描写がなされている*1。同族の直系血族である殺生丸を差し置いて、犬夜叉が後継者足る嫡男の立場にある事に両親の影響は小さくなかったはずである。彼はその複雑な立場故に、自分の一族に対する強烈なプライドを持ち、同時に父から寵愛を受ける半妖の弟・犬夜叉に激しい憎しみを抱いていた。殺生丸は武蔵の国を放浪しており、大妖怪としての独自の支配権は確立しておらず、犬夜叉と違って父の世代からの従者すら与えられていなかった。殺生丸は犬夜叉の父から形見として天生牙を与えられていた。しかし、天生牙鉄砕牙とは主従関係にある従属の刀である。これは半妖の犬夜叉よりも格下という証明に他ならず、慈悲の心を学ばせようとした父の意図とは解離し、殺生丸はますます弟への憎悪を募らせた。

  • 殺生丸は大妖怪ではあったが、精神的には未成熟で、実力も強大ではあるものの、終盤に真の力が開花するまではあくまで強豪の一人と言えるに留まる。実際に、作中では殺生丸の命を狙う妖怪も多数登場しており、少なくとも妖怪の世界でその名が抑止力になるまでの名声までは得ていなかった。ただし、強い武器を持っているという噂は立っていたらしく、武器を失ったと知った妖怪達がこぞって殺生丸を狙う場面が描かれている。彼は強さへの渇望という純然たる妖怪としての性質が強く、自身の強さだけを目的に数十年に渡って父の遺した妖刀・鉄砕牙を探し求めていた。やがて、犬夜叉や奈落との戦いの中で、りんという殺生丸の冷酷な心を解かす存在と出会う事になる。いつしか殺生丸は人間や半妖という存在を認めるようになり、他人のために怒り悲しむ心、他人を慈しむ心を獲得していった。そして、最も邪悪な妖怪・曲霊との戦いの中で殺生丸は犬夜叉の父を超える真の大妖怪へと覚醒。自分自身の妖刀である爆砕牙を手にし、実力・精神共に比類無き強者へと生まれ変わった。最終的には邪見、りん、琥珀が殺生丸一行のメンバーとなっていた。殺生丸は邪見に対して厳しい態度を取る事が多いが、りんと琥珀に対しては比較的寛容であり、彼らが窮地に陥ると即座に助ける事が多かった。とはいえ、邪見に対して強い思い入れを持っており厳しく辺りながらも彼の危機を必ず救っている。

  • 奈落との関係は当初は利害の一致により協力者になる事もあったが、23巻においてりんをさらわれたり、奈落に吸収されかけるといった一件から本格的に奈落と敵対。以後は犬夜叉一行や桔梗と並び奈落にとっては最大の敵として認識される事になる。奈落との戦いが終わった後はりんをに預け、人里に戻る訓練を積ませている。武蔵の国からは動いていないようで、たびたび楓の村に立ち寄ってはりんに着物を送っているようである。ただし、村への訪問はごく稀らしく、作者は「そんな頻繁に村を訪れてはいない」としている。また、琥珀の事も気にかけているようで、特別編では妖怪退治屋として修業中の琥珀に会いに来て、自ら話しかけている。

【アニメ】

  • 犬夜叉 TVアニメ
    • 原作とは着物の色彩が異なり、全体的に原色の派手な色彩になっている。原作では白を基調に控えめな紫色(初期は赤紫、後期は青紫)の模様の着物だが、アニメ版では鮮やかな赤色である。腰帯の色彩も、原作では地味な赤紫色だが、アニメ版は黄色と青を基調とした派手な彩色になっている。ビジュアルもやや違いがあり、顔はやや面長、毒を用いる際にのみ浮き出る毒線も常に腕に浮き出たままである。
    • アニメオリジナルでは無口かつ孤高の人物として描かれており、他人に頼るべきところでも頼れない、ある種の欠点を持つ。必要と判断すれば犬夜叉達との共闘も苦としない原作とは性格が異なる。
    • シナリオ面では、殺生丸を主軸にしたオリジナルストーリーが幾度も作られており、原作には登場していないオリジナル技や展開が殺生丸に割り振られる事が多い。非常に優遇された改変を受けているキャラクターでもあり、殺生丸に否定的な台詞はまずカットされる。それに伴って他のキャラクターが割を食う事例も数多い。特に顕著な改変例としては第35話「名刀が選ぶ真の使い手」が挙げられる。殺生丸に手加減した犬夜叉を褒める刀々斎の台詞が、犬夜叉を叱責し殺生丸を持ち上げる全く正反対の内容になっている。
    • りんと互いに恋愛対象として好意を持っているかのようなオリジナル描写が存在する。原作では感情が希薄とされているりんも、アニメでは殺生丸に対して明確に好意を寄せていたり、感情を爆発させる描写が多々登場する。
    • 桔梗との初対面が変更されている。原作では27巻5話「睡骨の記憶」が初対面となっているが、アニメ版では『犬夜叉 劇場版』第一作「時代を越える想い」において桔梗と対面している。そのため、原作における初対面のシーンがアニメ化された際には、殺生丸と桔梗が既知である前提の台詞に変更されている。
  • 犬夜叉 完結編
    • 序盤のシナリオ改変に伴い優遇を受けており、原作では敗北していたはずの魍魎丸に勝利している。多数のオリジナル展開を有するアニメシリーズにおいても、戦いの勝敗が原作から改変された唯一の事例である。
  • 犬夜叉 劇場版
    • 第一作「時代を越える想い」では特に活躍はないが、原作に先駆けて桔梗と初対面している。その結果、『犬夜叉 TVアニメ』で本来の初対面が放送された際には、桔梗との会話が改変された。
    • 第三作「天下覇道の剣」では、殺生丸の奥義・蒼龍破が登場。犬夜叉と対決し、爆流破を押し返して勝利を収めた。刀々斎からは犬夜叉の父亡き後で叢雲牙を使えるのは殺生丸くらいと評されたが、実際には単身で叢雲牙を制御する事はできず、犬夜叉と協力しての撃破となった。
    • 第四作「紅蓮の蓬莱島」では、200年前に四闘神の一人・凶羅によって四闘神の刻印を刻まれ敗北している事が判明する。刻印は本来、生きた半妖を島から逃がさない為の術だが、殺生丸は妖怪であるにも関わらず刻印を施された例外的な存在である。素手だった当時は一方的に刻印を刻まれて終わったものの、闘鬼神を手にした殺生丸は既に凶羅を超えており、蓬莱島での再戦で凶羅に勝利する。実は凶羅の本体は額にある四闘神の宝玉だったが、殺生丸はそれに気付かなかったため、四闘神との最終決戦には参加していない。
  • 半妖の夜叉姫
    • りんとの間に子供がいる設定であり、日暮 とわせつなの双子の娘がいる。ただし、剛臆の試しと称して子育ては放棄している。りんと結ばれた設定になっているが、壱の章の監督である佐藤照雄は、「殺生丸とりんが結ばれる関係は高橋先生が提示したものではない」とアニメ限定のオリジナル設定である事をアニメージュ2021年3月号において明言している。声優の成田からは「別の世界に降り立った殺生丸」「殺生丸に子供はいらんだろ」「殺生丸とりんは恋愛関係ではない」と答えている。また、アニメージュ2022年3月号では殺生丸が麒麟丸に敗北するストーリー展開に対して否定的な考えを表明した。
    • 妖怪の世界では犬夜叉より格下の扱いになっており、とわとせつなが「殺生丸の娘」である事を理由に妖怪たちから討伐対象として狙われる一方で、もろはは「犬夜叉の娘」である事を理由に手を出してはならない存在と語られている。この扱いは伝説の妖として名を残した奈落を打ち取ったのが犬夜叉であるという武勇からくるものであり、犬夜叉は作中で「あの奈落を倒した半妖」と妖怪たちから恐れられている。
    • 無口で意思疎通が困難な偏物となっている。りん邪見といった代弁を行う人物もそばにいないため、みなコミュニケーションに障害を背負った殺生丸に困惑した状態のまま物語が進行する。かつては共に旅をした琥珀からも、「何を考えているのかわからなかった」と評されてしまっている。娘たちの活躍に重点が置かれているためか、何かと行動が裏目に出るばかりで、周囲の足を引っ張る人物として描写される。りんを第一に考えている素振りも見せるが、24話ではりんもろとも是露を殺害しようとするなど、支離滅裂な奇行が目立つ。過去の出来事を覚えていない節があり、天生牙を所有している殺生丸火の国の門を通れるため、犬夜叉たちをいつでも救出可能なはずである。しかし、本作の殺生丸黒真珠以外に妖怪の墓場へ到達する手段を知らないかのような言動を取り続けている。命への重みを理解した設定も消滅し、本人はおろか娘たちにまで天生牙を乱用させて良しとしている。
    • 実力では麒麟丸に及ばないとされており、インフレに呑まれ気味な爆砕牙も含めて弱体化が目立つ他、パワーバランスが原作とは異なる。犬夜叉かごめは麒麟丸を問題なく倒せるとされており、犬夜叉の父麒麟丸に圧勝している。しかし、殺生丸麒麟丸巨大妖火球に敗北している。声優の成田はこの展開に対して強い疑念を抱いており、「殺生丸はわざと負けたんですよね?」と制作サイドに問いただしたが返答が無かった事をアニメージュ2022年3月号で明かしている。なお、この戦いに敗れた殺生丸は最終回直前まで寝たきりのまま物語が進行。その期間は二ヶ月以上に渡り、弐の章の大半を倒れたままの姿で過ごす事になってしまった。
    • 14年前、剛臆の試しと称して森に生まれたばかりのとわせつなを放置する。その後、是露りんの命が繋げられてしまったため、麒麟丸是露に手も足も出せなくなり、犬夜叉かごめが是露を倒してしまう事を危惧して黒真珠に封印する。犬夜叉かごめの封印に麒麟丸の力を借りており、表向き協力関係となるが、麒麟丸に阿久留探しを命じられるなど、実質的には麒麟丸に従属する立場にある。その後は娘たちを見守るようなそぶりも見せていたが、せつな麒麟丸に殺害されるのを食い止められず、折れた天生牙とわに渡して傍観する。復活したせつな所縁の断ち切りを使いこなすのに時間がかかっているのを見て、りんの寿命を削り苦しめる事でせつなに急いで成長するよう促す。娘たちと是露の最終決戦が行われ、りんから娘たちを助けるよう懇願された事でその場から急いでもろはの元へ向かい黒真珠を渡す。なぜ娘達を放置してもろはの元へ急いだのかは不明。りんの元へ戻ると同時に偶然りんが救出されたため、彼女を抱きしめる。その後、りんが救出された事で麒麟丸に戦いを挑み巨大妖火球をあえて素手で受けとめて麒麟丸に誇ってみせる。しかし、巨大妖火球にはを失わせる付随効果が存在しており、麒麟丸に敗北する。自ら敵の技を素手で受け止めた結果、敗北するというお粗末な決着となってしまった。その後は麒麟丸りん邪見共々、殺生丸を見逃した上、天生牙の力に巻き込まれ戦線離脱。生き延びた殺生丸はりんに守られながら復活を待つ。ようやく復活した時点で既に最終決戦を迎えており、麒麟丸と対決して優勢となるが麒麟丸が妖霊蝶の内部へ転送された為、決着は付かなかった。後に邪見から麒麟丸に勝てた筈だと指摘されるが、娘達のためにあえて決着を付けなかったと回答した。
    • なお、この作品で殺生丸は誰にも勝っておらず、全て敗北か引き分けという幻滅必死の戦績となってしまった。


【能力】

  • 殺生丸は体内で毒を精製しており、素手で戦う際にはそれを瘴気として放つ毒華爪を主に用いた。毒華爪は毒腺を発現させるために一瞬の貯めが必要である。殺生丸の毒は妖怪が放つ毒の中ではあまり強力なものではなく、犬夜叉は火傷程のダメージしか受けない。また、犬夜叉は殺生丸の毒を眼球に直接注がれても一時的に視力を失う程度であり、目を水で洗いさえすれば即座に視力は回復する。毒の強力さという観点で見れば、妖怪蛾天丸犬夜叉を瀕死に追い込む毒を持っており、殺生丸の毒は蛾天丸にさえ及ばない。殺生丸自身の毒に対する耐性は並の妖怪よりも高い。彼が耐えられない毒は本気を出した奈落瘴気と、曲霊悪霊の毒程度である。

  • 本性は巨大な犬の妖怪で、本来の殺生丸はその妖犬の姿が切り札だった。その戦闘力は無手の人間形態をはるかに上回り、牙や爪は常に融解性の毒を帯びる。しかし、その力は巨体の妖怪の域を出るものではなく、毒も犬夜叉に決定打を与えるほどの力は持っていなかった。結果的に殺生丸は真の姿を現さず、人間の姿で妖刀の力に頼る方がはるかに強力である。人間形態、妖犬形態を通して、無手による戦闘力は犬夜叉一行からもかなり低く評価されており、武器なしで魍魎丸死神鬼などの強敵に挑む際には犬夜叉弥勒殺生丸を無謀だと諫める事もあった。

  • 殺生丸自身も無手での戦闘力に満足しておらず、それを補う武器や妖刀への執着が極めて強い。作中では長期間、奈落の分身・悟心鬼の牙から打ち出した妖刀闘鬼神を用いたが、41巻で魍魎丸に折られてしまった。その後は天生牙によって冥道残月破を会得するも、父の計画によってそれも犬夜叉の手に渡ってしまう。しかし、曲霊との戦いで爆砕牙を手に入れて以後はそれを武器として振るう。

  • 生命力だけは犬夜叉に明確に劣ると設定されている。雑魚妖怪とは比較にならないものの、知能を持つ高位の妖怪の中では殺生丸は打たれ弱い部類に入る。鉄砕牙の単なる斬りつけでも敗北を喫するなど、耐久力は大妖怪としては最低ランク。風の傷を受ければ天生牙の結界に守られてすら瀕死の重傷を負ってしまう。多少の傷は気合で塞いでしまうなど回復力は高いが、犬夜叉風の傷魍魎丸金剛槍破といった強力な技で受けたダメージは回復に何日もかかる。

  • 殺生丸は犬妖怪特有の優れた嗅覚を持っており、その嗅覚は犬夜叉以上に研ぎ澄まされていた。殺生丸は作中で幾度か鉄砕牙を手にし、風の傷を放っているがその威力は犬夜叉よりも高かった。風の傷を読む技の性質から、犬夜叉以上の嗅覚を持つ殺生丸はより正確に風の傷を読み取る事ができた為、彼の放つ風の傷は犬夜叉のものよりも威力が高かった*2。さらに、犬夜叉は奈落とその分身たちの臭いを嗅ぎ分ける事はできなかったが、殺生丸は奈落とその分身の臭いを正確に嗅ぎ分ける事ができた。彼は奈落の瘴気を追いながらも、匂いによってその先にいるのが神楽である事に気づいていた。なお、殺生丸の嗅覚に関する作中の表記が「臭い」と「匂い」が明確に使い分けられている事が判明している。サンデーS増刊12月号において、読者から「匂いが使われているのは一貫してりんだけである理由」を尋ねられたが、作者は、「りんだけに使用したつもりはない。単に敵が臭い、味方が匂い。」だと回答している。

【技】※アニメオリジナル

毒華爪
冥道残月破(51巻で失う)
蒼龍破
光の鞭

【戦闘録】

描写 相手 勝敗 決まり手
2巻8話~10話 犬夜叉 ●敗北 犬夜叉鉄砕牙
7巻2話~5話 犬夜叉 -中断 優勢だが犬夜叉の執念に殺生丸が撤退
13巻9話~14巻1話 犬夜叉 ●敗北 犬夜叉風の傷
17巻4話 犬夜叉 -中断 犬夜叉が撤退
23巻2話~4話 奈落(犬夜叉と共闘) ○勝利 犬夜叉風の傷
25巻1話~2話 霧骨 ○勝利 殺生丸の爪
27巻1話~2話 蛇骨 -中断 殺生丸が撤退
27巻3話~5話 蛇骨睡骨 -中断 桔梗睡骨に勝利
29巻3話 奈落 -中断 奈落が撤退
33巻3話~4話 牛頭馬頭 ○勝利 倒せなかったが天生牙所有による不戦勝。
33巻6話~7話 奈落(犬夜叉、かごめと共闘) ○勝利 犬夜叉金剛槍破
41巻6話~10話 魍魎丸 ●敗北 魍魎丸金剛槍破
43巻7話 沼渡 ○勝利 殺生丸冥道残月破
51巻1話~6話 犬夜叉 ●敗北 犬夜叉を継承者と認めた殺生丸が戦闘放棄
52巻5話~6話 曲霊 -中断 殺生丸が敗北寸前で犬夜叉に救出される
52巻7話~10話 曲霊(犬夜叉一行と共闘) ○勝利 殺生丸天生牙
54巻3話~56巻4話 奈落曲霊(犬夜叉一行と共闘) ○勝利 犬夜叉冥道残月破、かごめの破魔の矢
特別編 根の首(犬夜叉一行と共闘) ○勝利 犬夜叉風の傷、かごめの破魔の矢
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劇場版第三作「天下覇道の剣」 犬夜叉 ○勝利 殺生丸蒼龍破
劇場版第三作「天下覇道の剣」 刹那 猛丸(犬夜叉と共闘) ○勝利 犬夜叉鉄砕牙
劇場版第三作「天下覇道の剣」 叢雲牙(犬夜叉と共闘) ○勝利 犬夜叉爆流破殺生丸天生牙
劇場版第四作「紅蓮の蓬莱島」(200年前) 凶羅 ●敗北 凶羅四闘神の刻印
劇場版第四作「紅蓮の蓬莱島」 凶羅 ○勝利 殺生丸蒼龍破
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半妖の夜叉姫』第24話 是露 -引き分け 麒麟丸による仲裁
半妖の夜叉姫』第24話 麒麟丸 -中断 麒麟丸の仲裁を受け入れる。
半妖の夜叉姫』第38話 麒麟丸 ●敗北 麒麟丸巨大妖火球
半妖の夜叉姫』第47話 麒麟丸 -中断 麒麟丸妖霊蝶の内部へ転送される。

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最終更新:2024年01月18日 16:01

*1 作者は、殺生丸の母は息子の生死にすら興味を持っていないとコメントしている。それを踏まえれば作中において犬夜叉の父が殺生丸の母に残した、「冥道石を使えば殺生丸は危険な目に遭うが、恐れたり悲しんだりしてはならぬ」という遺言は、犬夜叉の父が彼女のこういった気性をいかに理解できていなかったかを示す事となる。

*2 ただし、例え風の傷の威力は高くても、人間を慈しむ心のない殺生丸が本当の意味で鉄砕牙を使いこなす事はできないと補足されている