犬夜叉 劇場版

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アニメオリジナル 作品 犬夜叉 劇場版


監督 篠原 俊哉
脚本 隅沢 克之
キャラクターデザイン 本橋 秀之(第一作~第三作)、菱沼 義仁(第四作)
音楽 和田 薫
アニメーション制作 サンライズ
製作 「犬夜叉」製作委員会*1

【概要】


  • 犬夜叉 完結編』制作時に、諏訪プロデューサーと脚本家・隅沢克之が劇場版を1本制作したいと申し出たが原作者の高橋にCD、ドラマ、劇場版といったメディア展開全てを断られている*2。高橋は以後も「犬夜叉は全てを描ききった漫画」と幾度も語り、続編や劇場版の制作を断固拒否する姿勢を徹底している。しかし、後に長年に渡るアニメスタッフからの説得を受け、2020年に『犬夜叉』をベースとしたオリジナルアニメ『半妖の夜叉姫』が制作を許可している。

【シナリオ】

  • ストーリーは全て脚本家である隅沢のオリジナルとなっている。第三作に登場する冥界をはじめ、後に原作と矛盾する事になる内容や設定が数多くあり、実質的にはパラレルワールドとして扱われる。隅沢は劇場版の脚本執筆にあたり、殺生丸にはアニメオリジナルの必殺技・蒼龍破を登場させたり、原作では不明であった犬夜叉の母の名前を「十六夜」に設定するといった独自のオリジナルを盛り込んでいる。劇場版の設定は『犬夜叉 TVアニメ』や『犬夜叉 完結編』のアニメオリジナル展開に流用されている。しかし、これらのアニメオリジナル設定は原作設定と明確に区別されているため、原作とアニメシリーズが世界観が違うIFワールドである証左にもなっている。具体的にはアニメオリジナル作品では一貫して「犬夜叉の母」の名が「十六夜」と設定にされているのに対し、原作の関連書籍では2022年現在も「犬夜叉の母」はあくまで「犬夜叉の母」としか記述されていない。

  • 第二作を除いて、かつて犬夜叉の父と敵対していた妖怪が主要敵キャラクターとなっている。第一作ではかつて犬夜叉の父と戦った飛妖蛾が主要敵キャラクターとなる。第三作では犬夜叉の父の遺品である叢雲牙が主要敵キャラクターとなる。第四作でもかつて犬夜叉の父が大敵としていた四闘神が主要敵キャラクターとなっている。劇場版シリーズのシナリオを担当した隅沢は、犬夜叉の父の情報をできる限り廃する方針をとった原作の高橋留美子とは対照的に、犬夜叉の父にフォーカスを当てたシナリオを続けている。隅沢は後に『半妖の夜叉姫』においても、犬夜叉の父を中心に据えたストーリーを題材としている。

  • 原作者である高橋留美子は、基本的に劇場版の制作に直接関わらないスタンスを取っている。設定面では原作と一線を画して作品と評価しており、概ね好意的な印象を持っている事を表明している。特に第四作・紅蓮の蓬莱島に関しては、桔梗が重要な役割を果たす事や半妖の島という舞台設定を高く評価している。高橋が雑談の中でアニメスタッフに断片的に話した設定が、劇場版にはいくつか採用されているという。第一作目で鍵となった、「骨喰いの井戸は時代樹と呼ばれる、時を超える力を持つ樹木で出来ている」という設定は高橋によるものとされている。

【ビジュアル】

  • アニメシリーズとは別のスタジオで制作されており、第一作~第三作までの最大の特徴として、キャラクターデザインがTVシリーズと異なる点が挙げられる。キャラクターデザインを担当した本橋は、原作のデザインを忠実にリファインする事にこだわった。結果的にTVシリーズとはキャラクターのデザインに相違が生まれている。第四作に限り、TVシリーズと同じ菱沼がキャラクターデザインを担当しておりTVシリーズと同じデザインとなる。劇場版の敵キャラクターのデザイン元は高橋留美子が書き起こしており、それを本橋と菱沼がアニメ用のキャラクターデザインとしてリファインする方式を取っている。これは、コミカライズ版において高橋本人がコメントしており、高橋がデザイン元を描いたと明言しているキャラクターは瑪瑙丸瑠璃玻璃神久夜四闘神の8名。一般的にはキャラクター原案と呼ばれる役職だが、正式にクレジットはされていないため、敵キャラクターの最終決定デザイン案とはある程度隔たりがあると考えられる。


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最終更新:2022年05月16日 22:39

*1 小学館、読売テレビ、サンライズ、小学館プロダクション、日本テレビ、東宝、読売テレビエンタープライズ

*2 『創ったヒト』諏訪道彦 第4回 2010年4月24日放送