麒麟丸

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『半妖の夜叉姫』 アニメオリジナル

妖霊星を倒す事は最強の証。妖怪どもはわしに恐れおののき、人間どもは敬い奉るだろう。
登場 アニメ『半妖の夜叉姫
退場 アニメ『半妖の夜叉姫』
所属 麒麟丸一派
種族 妖怪
性別
年齢 2200歳以上
出身 地球外
血縁者 是露りおん
職業 麒麟丸一派首魁
想い人 なし
装備 爆星剣
CV 細谷 佳正

【概要】

  • 麒麟丸(きりんまる)は、アニメ『半妖の夜叉姫』に登場するオリジナルキャラクターである。通称「東雲(しののめ)麒麟丸(きりんまる)」。東国・東雲の臨海地域を拠点にしている麒麟の妖怪大妖怪の一人に数えられる。りおんの父で、是露の弟。星の邪神・天津甕星の末裔。年齢は2200歳以上であり、犬夜叉の父と共に神話時代、具体的には紀元前700年ほど前からは生きていると設定しているという*1。あまねく妖獣たちの頂点に君臨する獣王の一人。配下として四凶を従える。出生は地球外だが出身は大陸。紀元前の春秋時代に四凶と共に日本へ渡ってきた。かつて、四魂の玉によって「人間でも妖怪でもない者が麒麟丸を打ち倒す」という予言をされており、麒麟丸は予言の者が半妖であると考えている。活動地域や設定が竜骨精と丸被りしているが、作中では竜骨精との関連に触れられることはなかった。

  • 同じ獣王の一人である犬夜叉の父とは互いに東西の均衡を保ち合う好敵手だったが、犬夜叉の父は宿敵・竜骨精との戦いで命を落とした。犬夜叉の父の息子である殺生丸犬夜叉の父の後継者にならなかった事から、世界を末法末世(荒廃した世界の意)に陥れる好機として活動を始めたとされる。壱の章では、麒麟丸は作中では一貫して世界を荒らすような意図を持った活動は行っておらず、むしろ妖霊星を犬夜叉の父と共に撃破しており、世界を守った側の人物である。また、殺生丸が自ら犬夜叉の父の後継になる事を放棄したように説明されているが、犬夜叉の父から後継者として選ばれたのは犬夜叉である。殺生丸はむしろ鉄砕牙を入手する事で後継を目論んでいたものの、父から不適格とされていた立場であり、最終的に継承者の戦い犬夜叉を認めている。弐の章では壱の章での整然とした姿はどこヘやら、突如として半妖を忌み嫌い世界を滅ぼそうとする極悪人として描かれるようになった。

  • 当初は東の妖獣たちを統べる大妖怪と説明されていたが、彼の拠点は東雲の海上にある鉄甲船となっており、東国全体を勢力圏にしているわけではない。また、作中でも数百年に渡って眠りについていたりと、麒麟丸が実態的に東国の支配を行っていたわけではないようである。東国を支配する大妖怪という立場にも関わらずあまり名が知られておらず、妖怪の世界に精通し奈落犬夜叉の父についても詳しく知っているもろはも、麒麟丸の事は知らなかった。弐の章からは麒麟丸自身が妖霊星を倒す事で、ようやく妖怪達の頂点に君臨できるという旨の発言をしており、「獣王」の設定自体がご破算になっている様子がある。

  • コミカライズ版では「東国の支配者」「獣王」という設定自体が消滅している。麒麟丸一派は長年を一妖怪の立場で雌伏の時を過ごし、世間に不干渉を貫いてきたとされており、作中で麒麟丸たちがほとんど無名である状況にも一定の理由付けが行われている。また、アニメ版では原作において犬夜叉の父に匹敵するとされた東国大妖怪竜骨精との兼ね合いが取沙汰されていたが、本作では「麒麟丸は犬夜叉の父と西国の覇を競い争った妖怪」とされており、東国を根城にする竜骨精と住み分けが成された。

【性格】

  • 超然とした性格であり、常に何事にも動じず、全てを見放したような物言いをする。また、麒麟丸は誰が敵で誰が部下なのかすら覚えておらず、直属の部下とされる四凶の事すらまともに把握していない*2。とはいえ、四凶全員を覚えていないわけではなく、窮奇饕餮の事は自分の配下と認識している様子がある。檮杌の事は全く覚えておらず、窮奇に檮杌が何者か尋ねていた。

  • 一方で、姉である是露に対しては相当な情を持ち、麒麟丸も是露の事はしっかりと把握している。しかし、姉の暴走を表だって止める事はできないらしく、作中では彼女の不始末を代行して解決するために奔走する姿が見られる。最終的には七つ揃った虹色真珠を飛散させた際には是露から兄弟の縁を解くと申し渡されるが、麒麟丸はその後も是露を姉上と呼び、絶縁を認めようとはしていなかった。

  • 弐の章では上記の設定はほぼ白紙にされており、純粋に半妖への怨みを抱き、世界を末法末世で呑み込もうとする自己中心的な性格となった。娘のりおんの事も自分の目的を妨げるならば命を奪う事も厭わない。一方で、半妖を憎む理由がりおんを殺害したのが半妖だからという理由であるなど、支離滅裂な言動が目立つ。是露に対する情も全くなくなっており、成長を促すような口ぶりで対応していた夜叉姫達に対しても明確に敵意と憎しみを抱いているなど、壱の章に登場してきた麒麟丸とは完全に別人である。壱の章の時点では正々堂々とした性格ともされていたが、もろはから黒真珠を奪い両親を人質として使おうとするなど、四凶と同じく卑怯な手も平気で用いるようになっている。

【来歴】

  • 邪神・天津甕星より生まれた妖怪。天津甕星より直々に授けられた斬星剣爆星剣により地上の妖怪を統べる使命を帯びている。紀元前700年頃に四凶と共に日本へ渡ってきた。それから1000年以上の動向は不明。600年前の時点では犬夜叉の父と直接対決する。戦いは犬夜叉の父の圧勝によって幕を閉じ、麒麟丸は一方的に角をへし折られ、右腕を斬り落とされる結果となった。500年前の時点では、四魂の玉の誕生と同時期に犬夜叉の父と日本の東西を二分する大妖怪・獣王として東国に君臨する。この際、犬夜叉の父と協力して妖霊星の欠片を撃破している。

  • 『半妖の夜叉姫』本編から14年前、殺生丸と結託して犬夜叉日暮 かごめを黒真珠へ封印する。協力関係ではあるものの、麒麟丸の方が殺生丸よりも上位者として振る舞っており、殺生丸に「時の風車」に関わりを持つ妖怪・阿久留の捜索を命じている。殺生丸はそれから十数年も阿久留を見つけられずに手をこまねいているが、麒麟丸としてはそれほど重要事項ではないのか、作中では特にそれを咎める様子はない*3

  • 『半妖の夜叉姫』本編の時系列では、姉である是露から「人間でも妖怪でもない者」が麒麟丸を倒すという予言を聞かされる。是露はそれを半妖及び四半妖であると考えており、麒麟丸もそれに納得し、命を狙ってくるもろはせつな日暮 とわと敵対する。ただし、麒麟丸はかかる火の粉を振り払う以外に積極的な戦闘を行う意志はなく、むしろ是露の暴走を止めようと奮闘していた。

  • せつなを殺害後、もろは日暮 とわに宿る犬夜叉の父殺生丸の力が顕現し、実質的に二人の大妖怪を相手に一人で立ち回る事になるが、圧倒的な力でこれをねじ伏せる。一瞬で場面転換するため詳細は不明だが、もろはとせつなを含め、宇宙のような空間へ移動して星々を破壊しながら戦闘を行っている様子がある。決着時の場面転換から本物の宇宙空間に飛び出したわけではない事は明らかであり、現状は異空間に移動している、或いは単なるイメージ映像という事が考えられる。
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 『宇宙空間らしき場所で戦う麒麟丸』

  • 弐の章からは設定が激変しており、そもそもから麒麟丸自身が半妖に強い怨みを抱き、率先して世界を滅ぼそうとする悪党という設定に変更されている。彼が半妖を嫌う原因は、娘であるりおん半妖に殺されたという月並みな設定に改変されており、その因縁に四魂の玉の予言は一切無関係となった。犬夜叉の父から「戦場に童を連れてくるな」と忠告された麒麟丸が、彼の忠告を無視してりおんを戦場に連れ回した結果、りおんが死亡する原因となるなど支離滅裂な行動が目立つ。

  • 是露の策略にはほとんど関わりを見せなかったが、是露の死亡と同時にたかが外れたように行動を開始し、もろはから黒真珠を強奪して犬夜叉とかごめを人質とし、阿久留を探すよう命令する。そこへ現われた殺生丸からその卑劣さを指摘されると同時に決闘を申し込まれ、黒真珠を返還して決闘を受け入れる。麒麟丸は嬉々として殺生丸を追い詰めるが、殺生丸がわざと巨大妖火球を素手で受け止めた事でその耐久力に驚愕する。しかし、殺生丸を失わせる巨大妖火球の付随効果に気付いておらず、結局この一撃で麒麟丸が勝利する。

  • 意識が混濁した殺生丸に対し、麒麟丸は冥土の土産として自身の目的を明かす。それは、時空を超えて現代へ移動し、そこへ飛来する予定の妖霊星の本体を破壊する事であった。妖霊星の正体は最強の妖怪であり、犬夜叉の父ですら倒せなかった存在である。妖霊星を倒した時、麒麟丸は初めて最強の妖怪を名乗る事ができるようになる。麒麟丸の野望は、妖霊星を倒し最強の妖怪の座を得る事で人々を救い、同時に妖怪たちから崇められる存在になる事である。もっとも、例えそれを為し得て妖怪たちから崇められようにも、現代に妖怪は殆ど生き残っていない為、麒麟丸の野望はそもそもから破綻しているのが実情である。

  • 復活した犬夜叉日暮 かごめもろはと戦闘するが、殺生丸と違って隙のない戦いを展開する三人に苛立ちを募らせ逃亡。その後、魄が切れて動けなくなっていたりおんの元へ移動し、殺生丸から奪った魄をりおんに供給して救出。自分と共に来いとりおんを誘うが無視される。

  • その後、妖霊星を破壊する為に強引に時の風車へ侵入するが時空を超える事は敵わず戦国時代へ引き戻される。しかし、自身の右腕が妖怪化した存在・希林理の手によって妖霊星が戦国時代へ転送された。野望を叶える術を得た麒麟丸は喜ぶが、なぜか妖霊星を放置して人間が滅びる様を嬉々として眺める。さらに、希林の裏切りによって睡眠薬入りの飲料によって眠らされ、その間に妖霊星の正体である妖霊蝶とりおんを縁で繋がれてしまう。りおんを救出しようとする麒麟丸だったが、希林は実力立場ともに麒麟丸のさらに上をいっており、希林に命じられる形で殺生丸との再戦を余儀なくされる。今回は手加減していたのか巨大妖火球を使わずに戦い殺生丸が優勢となる。しかし、決着が付く前に妖霊蝶に内部へ転送され、さらにりおんと共に天津甕星の剣に吸収されて死亡。その魂魄はとわに宿った。


【能力】

  • 現存する妖怪の中では殺生丸すら比較にならない最強クラスの妖怪と評される。ただし、現時点では妖霊星が最強であると麒麟丸自身も考えており、麒麟丸は妖霊星を倒して最強の証を手にしようと目論んでいる。麒麟丸が恐れる唯一の存在として、日暮 とわが所有する最強の剣・斬星剣が存在する。麒麟丸にとっては殺生丸爆砕牙すら恐るるに足らない下等な武器に過ぎない。実際に、『犬夜叉』においては最強クラスの破壊力を持っていた爆砕牙も、麒麟丸はただの刀のように片手で受け止める事ができる。ただし、麒麟丸本人は気付いていないものの、殺生丸犬夜叉日暮 かごめなら麒麟丸を問題なく倒せると目している。

  • 天津甕星(あまつ みかぼし)が地球にもたらした最強の太刀・爆星剣を武器とする。これは殺生丸爆砕牙すら比較にすらならない最強の剣であり、爆砕槍破を主な攻撃手段として用いる。500年前には、爆砕槍破によって妖霊星の破片を破壊する事に成功した。奥義は爆砕槍破さえも超越する妖火球と、それをさらに巨大化させた巨大妖火球。着弾すると大爆発を起こす他、を失わせる効果も併せ持つため、文字通り一撃必殺となる。弐の章においては、万にも到る妖怪を一撃で葬る所縁の断ち切りでさえ、麒麟丸には遠く及ばないとされており、現存する妖怪の中では比較対象すら存在しない。

  • 過去には麒麟丸を上回る妖怪も存在しており、犬夜叉の父竜骨精が麒麟丸を上回る存在だったとされている。過去の対決では犬夜叉の父に敗北、それも一方的に角と右腕を斬り落とされる完敗であった。本来はその場で犬夜叉の父に殺されるところだったが、娘のりおんが側にいたために、情けをかけられ生き延びている。竜骨精とは直接対決はしていないが、少なくとも攻撃力という観点では竜骨精が麒麟丸を圧倒的に上回っている事が明らかになっている。『犬夜叉 TVアニメ』第54話「鉄砕牙の奥義 爆流破」において、竜骨精鉄砕牙の鞘の結界を一撃で損傷させたが、麒麟丸は自らが息切れを起こすほどの大技を持ってしても、結界を損傷させる事は敵わなかった。

  • コミカライズ版でも犬夜叉の父に敗れているが、完敗だったアニメ版と違い戦局は拮抗していたと語られている。ただし、竜骨精のように犬夜叉の父の命を脅かすほどの存在ではなかった。また、殺生丸よりも圧倒的に格上の大妖怪として描かれており、眼光だけで殺生丸を制する圧倒的な猛者として描かれる。反面、殺生丸は麒麟丸の威嚇に必死でこらえるものの萎縮させられてしまうという青二才的な扱いになっている。
殺生丸を怯えさせる麒麟丸】

【技】

爆砕槍破
妖火球
巨大妖火球

【戦闘録】

描写 相手 勝敗 決まり手
半妖の夜叉姫』第28話 犬夜叉の父 敗北 鉄砕牙での斬撃
半妖の夜叉姫』第38話 殺生丸 勝利 巨大妖火球
半妖の夜叉姫』第41話 犬夜叉&日暮 かごめ&もろは 中断 なし(劣勢の麒麟丸が撤退)
半妖の夜叉姫』第46~47話 殺生丸 中断 麒麟丸妖霊蝶の内部へ転送される。

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最終更新:2023年09月12日 20:08

*1 犬夜叉アニメーション設定資料集

*2 アニメージュ2021年5月号

*3 弐の章では阿久留探しが麒麟丸にとって最大の目的である事が判明する為、この十数年に渡る麒麟丸の対応は謎となった。