烈海王

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烈海王 - (2023/11/11 (土) 18:53:03) の編集履歴(バックアップ)



「キサマは…………

  キサマは中国武術を嘗めたッッッ」

板垣恵介氏の格闘ギャグ漫画『グラップラー刃牙』シリーズの登場人物。
担当声優はTVアニメ(2001年版)では 安井邦彦 氏、2018年以降の『バキ』『範馬刃牙』では 小山力也 氏。
「海王」とは中国武術の最高峰の者に与えられる(一部例外有り*1)称号であり、本名は烈永周(れつ えいしゅう)。
回想(「海王」の称号を得る前)では「烈小龍(れつ しゃおろん)」と呼ばれるシーンもあったが、
「小龍」も称号の一つらしく、本名はあくまでも「烈永周」である。作者が間違えた訳ではない……多分

原作では『グラップラー刃牙』の最大トーナメント編から登場。
初登場時は中国拳法4000年の歴史を鼻にかける傲慢な性格だった。
トーナメントでは圧倒的な強さをみせ、愚地克巳らに完勝するも準決勝にて主人公である範馬刃牙に敗北する。
ちなみに、克巳を倒した際の台詞(下記)は有名。ネタ方面の汎用性も高い
刃牙に敗れて以後は自身の未熟さを改め、そういった部分は鳴りを潜めるようになり、
むしろ本場中国における「海王」の称号を得た武術家のレベルの低さに辟易、一蹴する等の場面も見られた。*2
逆に主人公の刃牙の方が常識人寄りだった性格が徐々におかしくなっていったけどな!!

第2部『バキ』の最凶死刑囚編では、不運にも大地震に巻き込まれ地割れに落ちちまった
神心会に特別顧問として招かれる形で再来日。
死刑囚の一人であるドリアン海王に実質勝利した後、同じく死刑囚であるドイルと遭遇する。
「ここで始めるのはまずいだろう」「火薬を使うのは卑怯か」などのドイルの問いかけに対し、
「わたしは一向にかまわんッッ」だけで返す奇妙なやり取りの後、彼の提案により二人で酒を飲みに行く事になる。
そこでドイルの酒を使った即席火炎放射器で不意打ちされそうになった瞬間、隠し持っていた飛鏢で左目を潰し
逆に即席火炎放射器で燃やし、消火器を全身にぶちまけた後、見開き2ページで32個の飛鏢を投げ付け
店の外に逃げ出したドイルを流星錘で捕獲した後、「キサマは中国武術を嘗めたッッッ」ほぼ初対面のドイルに対しブチ切れ、
柳葉刀で背中を切り刻み多節棍でフルボッコにした。烈先生、やりすぎです。*3
なお、ドイルとの遭遇は全くの偶然だったので、これらの武器は普段から持ち歩いていた事になる

ツンデレでお茶目な部分もあり、前述のドイルを助けて手料理を振る舞ったり、
手術によって身長を伸ばしたジャック・ハンマーを見て「シークレッツブーツ……?」と勘繰ったり、
瀕死の状態から化学反応を起こしてスパーク復活した刃牙に優しいと言われ赤面したり
まぁこの後素手でかき混ぜた14kgの砂糖水を飲ませるのだが
克巳とピクルの試合を前に独歩らと会食した際、一人だけまともに会話に参加せずに、
ハムスターのようにただひたすら食事を頬張り続けるといったシーンも多くなった。

総じて極めて真面目で高潔な人格者だが、時に頭に血が上って主義に反する技を使い、猛烈に後悔する事もある。
防御と挑発を繰り返す寂海王に業を煮やして背骨の急所を突いたり、スモーキンを捕え切れずボクシングに無い技で人中を突いたり。
だがそんな完璧ではない部分も彼の魅力を高めている。

第3部『範馬刃牙』では、原始人ピクルとの戦いに敗れて右足の膝から下を失うという重傷を負った後、
何を思ったのか突然に入門(通称烈の門編)。
何やかんやあってアメリカに渡り、苦戦しつつもどうにか勝ち続け……チャンプが姿を現した辺りでプッツリと進展が途絶える
そしてその約一年半後、烈先生の方の音沙汰が一切無いまま『範馬刃牙』完結

『刃牙道』にてアメリカより凱旋(チャンプには勝利した事が回想で明かされる)、クローン技術により現代に復活した宮本武蔵に挑んだが、
最終的には武蔵からの賞賛を受けながらも、その刃に腹部を横一文字に一刀両断されて命を落とす最期を迎えた

そう、死亡した。烈海王という登場人物は作中で完全に死んだのだ。
とはいえ読者からは、
「『バキ』シリーズだぞ?死人が生き返る位容易くやるだろ武蔵がクローン技術と降霊術で現代に蘇った位だし」
「失った片足含めて烈海王完全復活ッッさせる為の布告」
等と言われているが、作中ではやたら「死亡」を強調されており、
作者の板垣氏も「これで烈が生きていたら、もう俺は何を描いても信用されないだろう」と某番組出演時に回答している程で、
少なくとも今の所は生き返らせる気はさらさらなく明確に故人となったと思われる。
烈海王ファンはいずれにせよ、彼の今後の出番が完全に見えなくなった展開に一抹の寂しさを漂わせた。
なお後に、彼の遺体の右腕は紆余曲折を経て隻腕となっていた克巳に接合移植された。完全に復活の芽を摘みにきてる

戦闘スタイルはスタンダードながら高度な中国武術の技を操る(格ゲーにおいて使われている技も多い)。
刃牙ワールドでは中国拳法こそ「最強の格闘技」とされている。涙目
その他、武器術や成人男性を背負ったまま水面を走るほどの超人的脚力を活かした技と幅が広い。
また、闘いにおいて過信や油断はせず不意打ちも辞さない為、前情報があったとはいえドイルの体内に仕込んであった火薬を見事回避した。

+ 烈先生の技の数々
  • 転蓮華
相手に肩車のような体勢で組み付き、胡坐のように両足で首を固定しつつ回転し首を破壊する技。
性格・外見を含めてよく似ている牙刀超必殺技に採用されている(名前だけは妹の方に)。
  • 寸勁
拳を相手の身体にほぼ密着させて叩き込む発勁。別名はワンインチパンチ。愚地克巳を一撃で葬った。
  • 見えない目潰し
大量の空気を吸い込み、相手の顔面に吹き付ける技。遠距離の相手にも有効。
  • 足指
足の指を器用に使い、掴み技や拳撃を足で使う技。
カンフーシューズを脱ぐ事はボクサーがグローブを外す事に等しいとは本人の談。

+ そして……

対ピクル戦にて披露された烈先生の新技、その名もグルグルパンチ
中国武術の技術が通じない相手に対し、これ以上「武が及ばぬ」を見る事はできないとして、
烈海王の名と中国拳法4000年の歴史を護る為に、武を捨てた“烈永周”として使用した。
その威力の程は…… お察しくださいとしか

ギャグ外伝『バキどもえ』によれば、頭には脳ではなく磨き上げられた「ただの石」が詰まってるらしい。
同作で水泳教室に通った際、中国武術による水上歩行を披露するも当たり前だがマナー違反だった為、
武を捨ててグルグルパンチで新記録を出す等した。

+ 此所は冥府なのか…
スピンオフ連載作品『バキ外伝 烈海王は異世界転生でも一向にかまわんッッ』でファンタジーな世界に異世界転生しちゃいました。
原案・猪原賽、作画・陸井栄史。
完璧に本人復活の線はなくなったね、クローンと言う禁じ手は残っているけど

異世界転生の際に右足もしっかり復活したベストコンディション。
烈の強さに憧れる元神心会の門下生・ナカムラシンジ
(水上疾走による人命救助の際に救急車を呼ぼうとしてトラックに轢かれ、烈より先に異世界転生していた)
から世界のおおよその作りを知り、異世界で中国武術最強を知らしめる旅に出る。
転生の際に何らかの特殊能力を得たようで、猛毒のコカトリスの血を舐めて(麻辣味…)と感想を漏らしていた。
途中「あがく者」として現代に帰還しようとする天草四郎時貞に誘き寄せられて闘ったりした。
だが後に国王(現代の徳川光成にそっくり)に招待されヒュドラとの闘いに歓喜し、ブチ倒した後に流れの激しい地下水脈を遡上。
その後は異世界での生活を心底楽しんでおり、帰る気は更々無さそうである。

+ 再見中村
ヒュドラ戦(2巻中盤)前までの展開は、実は当初の予定を編集者(原作では武蔵編を担当)にボツにされ無理やり押し付けられていた物、
と言う事が判明している。
ナカムラ(編集がモデル)が前面に出て、烈の魅力が全く発揮されないこの展開は読者から上等な料理にハチミツをブチまけるがごとき所業と批判され、
作者側もホームページで不満を漏らすなど、何かと物議を醸していた。

こうした不満が届いたためか、ヒュドラ戦決着時に下記のナレーションが挟まれた後、作風は大きく転換。
ナカムラや国王、天草などの要素は全く登場しなくなり、ゴブリンをお供にした異世界行脚がスタートした。
幸いにして路線転換後は高評価を得ているようだ。

読者諸兄諸姉には… 永らくお待たせした事を深くお詫び申し上げる
今 漸く異世界にッ

烈ッ海王ッッ 完ッ全ッ復活ッッ

なお、烈海王が板垣氏のお気に入りと言う事で当初は内容を伏せ、非公式でスタート。
後に雑誌に掲載されたものを見せた編集曰く「楽しんでいただけた」との事で氏は黙認した様子。


「キサマ等の居る場所は既に──

 我々が2000年前に通過した場所だッッッ」


MUGENにおける烈海王

多くの刃牙キャラを手掛けたtokage氏によるものが存在。
現在は氏のOneDriveに繋がらなくなっているため、茉莉氏によって代理公開されている。
ドット絵ではなく、氏のジャックオリバと同じく3Dモデルで作られている。
「耐久力やや低めな代わりに器用な感じにしたかった」との事で、LIFEは950になっている。
そのためか他の氏のキャラと違い、ゲージ消費で行動を途中でキャンセルするロマンキャンセルのような技などを持っている。
なお、挑発は前述のグルグルパンチ。一応ダメージはあるものの、出が遅い上ダメージも小さい。
11Pは攻撃力が1.3倍に上昇、12Pはそれに加え一部技の性能が強化される。
2段階に調整可能なAIもデフォルトで搭載されている。
プレイヤー操作(17:10~)



出場大会

プレイヤー操作



*1
海王の名が海外に持ち出される事もあり、大擂台賽が開催された時点で、タイ出身のムエタイ使い「サムワン海王」が確認されている。
ただ板垣漫画のムエタイ使いなので扱いの方は……お察しください。
他にはアメリカの「怒李庵(ドリアン)海王」と日本の「寂海王」の例がある。

範馬勇次郎も郭海皇(海皇とは中国武術の頂点)から「範馬海皇」と呼ばれたが、
勇次郎は海皇の名を受け取らず、それに対し郭海皇も「100年経ったらまた闘ろう」と返した。この時、郭海皇146歳である。

*2
この時の相手である孫海王は握力を武器にしており、自信満々に指にしていた指輪を握力で破壊して見せた。
板垣漫画では戦う前に自らの強さを誇示するのは死亡フラグである
それに対し、烈海王は自分の手を握らせると「日本には花山薫という若きギャングがいる」と言い放ちつつ
孫海王の手を握り潰し、圧倒的な力の差を見せつけた。
拳法家ですらない花山の実力を認め、引き合いに出す辺り、初期との性格の違いが顕著に見られる。

*3
一応、火薬を使用して鎬昂昇に勝利したドイルの「卑怯(アンフェア)だと言うつもりかな?」という発言を、
「お前ら(武闘家)はフェアな戦いじゃなければ弱いだろ?」と聞き違えた……と考えれば、
烈海王がブチ切れた訳も分からなくもない。
ちなみに、その鎬昂昇はドイルに挑む前に「現在(いま)のわたしは烈海王にだって勝てる!!!」と発言している。
何度も言うが板垣漫画での「私は強い」発言は死亡フラグである