仮面ライダーキックホッパー

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仮面ライダーキックホッパー - (2018/11/30 (金) 19:08:57) の編集履歴(バックアップ)



「お前、今俺を笑ったか? どうせ俺なんか……」

「仮面ライダーキックホッパー」は『仮面ライダーカブト』に登場するショウリョウバッタ型仮面ライダー。装着者は矢車想(やぐるま そう)。
※本記事では同型機かつ実質ニコイチ扱いの「仮面ライダーパンチホッパー(装着者:影山瞬(かげやま しゅん))」についても紹介する。
バッタがモチーフとなっている仮面ライダー1号2号のオマージュキャラであり、
他ならぬ「ライダージャンプ」からそれぞれの必殺技を繰り出すなど、1号2号をリスペクトしている
(基本色が緑で脚にアンカージャッキが付くのがキックホッパー、基本色が茶で腕にアンカージャッキが付くのがパンチホッパー)。

ベルトのバックルに、自律起動型コア「ホッパーゼクター」をセットして変身する。
キック・パンチのベルトもゼクターも全く同型で、装着する向きで変身する姿が変わる。
ベルト中心に来るホッパーゼクターの脚の付け根の円形パーツの名も「タイフーン」と1号2号を踏襲している。
格闘スタイルはキックホッパー(矢車想)がキックボクシング、パンチホッパー(影山瞬)がボクシングを用いる。
彼らの格闘スタイルは、それぞれ「仮面ライダーザビー」へ変身していたころのスタイルと同じもの。


兄貴の矢車            弟の影山

+ 矢車想についての詳細
「ワーム」を倒すために設立された組織「ZECT」のメンバーの一人
(ワーム:かつて隕石に乗って地球に飛来した、人間を殺害してその姿に擬態し、社会に溶け込む侵略生物)。
ZECT精鋭部隊「シャドウ」のリーダーでスズメバチ型ライダー「仮面ライダーザビー」の最初の資格者。
完全調和(パーフェクトハーモニー)がモットーの完璧主義者で、その的確な指示と人間性から部下の信頼も非常に厚い。
偶然審判を務めた人間の好みを突いたとはいえ、プロ以上の腕を持つ天道に一度は勝ったほど料理上手でもある
(ただし天道曰く「調和を気にしすぎるあまり、一つ一つの素材の持ち味を殺してしまっている」らしい。
 後述の失踪直前には改心フラグを立て、天道に素材の味を生かした料理を食べさせたが…)。

主人公の天道に精神的にも戦力的にも敗北したことから天道を執拗に追うようになり、部下を見殺しにしてしまう。
その結果「統率者に相応しいもの」を好む自律コアであるザビーゼクターに見限られ、変身の資格を失う。
さらに部下の影山瞬のによりシャドウのリーダーの座を奪われ、ZECTから追放され失踪する。

「もう……パーフェクトもハーモニーもないんだよ……」

誰もがフェードアウトしたと思っていたが、ストーリー後半でまさかの再登場。*1
行方不明の間に何があったのかは不明だが、彼曰く「地獄を見てきた」とのこと。
今までの完全調和など知ったことかと完全にやさぐれてしまい、常に自分を卑下するネガティブな性格になってしまった。
そのためファンからは「やさぐるま」とも呼ばれる(と言うか、演じる徳山氏自身にスタッフがこう説明したとか)。
さらにいつの間にかキックホッパーの資格者となっており、敵味方を区別せず妬んだり戦闘をしかけていった。
裏設定では、カブトやガタックに並ぶネイティブへの対抗策として加賀美陸から託されたとのこと。
道中ザビーゼクターに見放され孤立した影山を拾い、「地獄兄弟」として気分気ままにワームやライダーと戦った。
後述の通りネイティブとは戦うことなく退場してしまったため陸の思惑通りにはならなかったが、
ワームの侵略阻止には貢献したのでそれなりに功を奏したと言えるだろう。

再登場後は「光を求める」(栄光を取り戻そうとしたり、善行や正義を行う)ことに対して強い忌避感を持っており、
未練がましくZECTに戻ろうとする影山を度々諭していた。

戦闘能力は相当高く、成虫ワーム2体(片や中盤までの最強格ウカワーム、片や後に
ガタックを殺害したキャマラスワーム)&多数の幼虫ワームの集団と無傷で渡り合い、
幼虫をキック技で全滅させる程。
格闘スタイルはザビー時代からキックボクシング風。

ダークヒーロー的なキャラだが、本人たちの真剣さに反してどこかギャグ要素が強めで、
草加ダディャーナザァーン斬鬼さん753と並ぶ平成ライダーの人気キャラである。
なお上の画像は、矢車さんが記憶を失っていた間宮麗奈ことウカワームに惚れて庇おうとして、
ワームの自我が戻りかけた彼女にぶっ飛ばされる直前のシーン。兄貴ーうしろうしろー!
ちなみに台本には 「消し飛ぶ矢車」 と書かれていて製作スタッフを唖然とさせた。
……その指定で 「形容し難い珍奇な悲鳴を上げながら、バキバキ枝を薙ぎ倒して変なポーズで地面と平行に吹っ飛んでいく」
という映像を作ったスタッフもスタッフだが。

荒れている影山や神代を拾ったり、仇討ちのためなら天道とも共闘することがリーダーの資質を取り戻したと見られたのか、
影山が資格を失った後のザビーゼクターが矢車の方に飛んできたことがあったが、にべもなく追い返している。

終盤では光を求めることを忌避しつつも天道達と協力してしまった己を恥じ、
戒めとして 自分を鎖で縛り 協力を要請してきた天道を一度は拒絶する。
しかしワームとの決戦の地に向かい「光を求めてみるか」と戒めを解いて参戦、影山と共に大ボスのワームを撃破した。
そのことで「地獄に堕ちた俺達でも、掴める光がある」という結論に至り、
「光の世界」である白夜を見に行こうとするが(何故そんな結論に至ったのかは一切不明)、その矢先に影山がワーム化してしまう。
彼の望み通りライダーキックで介錯をした後、その亡骸と共に船で白夜の世界へ旅立っていった……と、
本筋とは全く関係のないところで退場を遂げた。 兄貴、自由すぎるぜ……

劇場版では平成ライダーお得意のパラレル展開で、完全作戦(パーフェクトミッション)を掲げる策略家として描かれ、
序盤と同じく仮面ライダーザビーに変身する。
裏切り者の集団であるNEO ZECTを罠に嵌めて迎撃するが、リーダーである織田秀成(仮面ライダーヘラクス)との交戦で敗北、呆気なく戦死した。

+ 演者について
演じているのは徳山秀典氏。俳優以外にも歌手として活動していた経歴を持つ。
徳山氏はこの後『炎神戦隊ゴーオンジャー』において追加戦士・ゴーオンウイングスの片割れ、ゴーオンゴールドこと須塔大翔の役も演じている。
ここでも兄貴キャラである(ただしいるのは。弟分もいる)。
まぁカブトの影の戦士とは反対に金銀という光の戦士で対比させていたり、
影山同様義兄弟の弟とややブラコン気味の妹(ゴーオンシルバー)、タッグで戦う等、ゴーオンジャースタッフも地獄兄弟を意識しているようである。
まぁ、朝枠の子ども番組なのにコレとかパロったりする等、パロディに定評のあるゴーオンジャースタッフだから仕方ない。
そのうち、スキマから少女臭\外道衆/なノリでシンケンジャーがシリアスブレイクしそうであった。おお、こわいこわい
代わりにディケイドによって破壊されてしまったけど
ちなみに後の『ゴーカイジャー』ではウイングスの二人がレンジャーキーが実体化した姿として登場し、
ゴーカイジャーフルボッコに参加していた。また闇の住人に逆戻りか…
その後レンジャーキーはゴーカイジャーの手に渡り、ゴーカイシルバーがどこぞの探偵ライダーよろしく 一人で二人のゴーオンウイングス に変身した。
黄金のマスクと銀のマスクがひとつに!

また『仮面ライダー電王』でも声優として特別出演しており、『ビーファイターカブト』にもゲスト出演、
更には『ウルトラマンマックス』の36話でノンクレジットでエキストラに近い形ではあるが出演しており、
ウルトラ・ライダー・戦隊・メタルヒーロー出演の四冠を成し遂げていたりする。

+ 影山瞬についての詳細
「かがみぃ~ 助けてくれよ……(泣)」

矢車と同じくZECTのメンバーでシャドウの一員。矢車の部下。
矢車を尊敬している礼儀正しい青年だが、性格は卑屈で目的のためには手段を選ばない小物な性格。
劇中で幼女誘拐と、それによる脅迫にまで手を出したほど。
シャドウのリーダーになるため、そしてザビーの資格者になるため矢車を追放し、見事リーダーの地位を手に入れる
しかしライダーになったはいいものの良い活躍は出来ず、ことあるごとに他のライダーにちょっかいを出しては負けまくり、
しまいには天道たちに振り回されるというへたれキャラになってしまった。
またワーム殲滅作戦においてサソードの変身者の神代剣に協力を申し込むために誕生日の歌を歌ったり、
お互い利用していた関係とはいえ女のボスワームにビンタされたりと、見事な中間管理職の悲惨さを視聴者に見せていた。
矢車の再登場回でザビーブレスを没収され、自暴自棄のままZECTを解雇された。

その後矢車に救われ、ホッパーゼクターを渡され「地獄兄弟」として共に闇の住人になった。
パンチ力に特化したショウリョウバッタ型ライダー「仮面ライダーパンチホッパー」に変身する。
格闘スタイルはザビー時代からボクシング風。
しかし闇の住人になってもヘタれぷりは健在で、まともに活躍することが出来たのは最初の変身だけという不遇ぷりである。
兄貴のインパクトが強すぎて目立たないというのが正直なところ。
後に変身ブレスを返されて再びザビーに変身するが、
自ら輪を乱して負けるというあまりの失態にザビーゼクターの資格を失い(ちなみにこれ以降ザビーゼクターの資格者は現れず)、
更に最終回直前ではワーム探知用の緑の石を欲張って沢山*2身に付けていたら、実はその石は電波を受ける人類をネイティブ化させる代物であり、
多く身に付けたため高熱にさらされ、石の効果が促進され天道の目の前でネイティブと化してしまった。
その後絶望のまま矢車の目の前でネイティブ化し、キックホッパーの一撃によって介錯される。
(TV本編ではやや曖昧にされているが、小説版では影山の死が明確に記述されている)

「最悪は最高なんだよ!!」

劇場版では出番が一切なかった。こんなところでも不遇である。
こんな悲しみいつまで続くの…… ジレンマはキリが無い…

+ 演者について
演じているのは内山眞人氏。
内山氏は『カブト』以前に『ウルトラマンネクサス』でウルトラマンネクサスジュネッスブルーに変身する後半の主人公、千樹燐を演じていた。
『カブト』放送当時、爽やかでとある事情で残り少ない命となった体をおして戦っていた好青年と、
とことん堕ちた影山の性格のギャップがよくファンにネタにされていた。*4

兄貴と共にウルトラ・ライダー・戦隊の三冠を制するのが夢らしい。
アニメ、漫画、ゲームなどが好きで「機会があればこの人を演じたい(その願いは叶わなかった訳だが)」と発言するなど、かなりの兵である
(余談だが、矢車役の徳山氏と前原圭一役のとはゴーオンジャーで共演し更に家が近所同士である。まったく感心しないよ、兄貴)。
気になる人はブログで。

余談だが彼らの変身するキックホッパー、パンチホッパーには、それまでのライダー達に標準装備されていたマスクドフォームが存在しない
(マスクドフォーム:サナギを模した防御強化形態で、他ライダーは戦闘形態に変身する際必ずこのフォームを経由する)。
「バッタは不完全変態でサナギにならないから」という説が存在しているものの、この説明と矛盾しているライダーもいるため真偽は不明。

なお、元々は一人の変身者がパンチホッパーとキックホッパーを使い分けて戦うライダーになる予定だったそうである。

+ 原作以外での展開
2009年、『仮面ライダーディケイド』においてまさかの復活を果たした。
ゲスト扱いだが、中の人は同一である(スーツアクターと言う意味ではなく)。*3
さらに夏の劇場版『オールライダー対大ショッカー』にも登場。ただし弟はディエンドに召喚されての登場だった。
彼等の勢いは止まらず、ゲーム『クライマックスヒーローズW』にも登場。しかもキャストはディケイドやWと同じくオリジナルである。
はたまた『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』のスピンオフネットムービーでもメイン回がある始末である。
またオリキャスなの兄貴だけだけど
他、ゲームでは『ガンバライド』にレジェンドレアで登場したり(兄はEXステージも担当)、
『ライダージェネレーション2』でボスとして登場したり(隠しキャラとして使用も可能)もしている。いずれも声はオリジナルキャスト。
なんなんだこの兄弟


MUGENにおける仮面ライダーキックホッパー

Jaki氏によるK'改変のものが公開されている。
場所は本wikiのドット絵版や下記紹介動画のワンドライブへのリンクを参照。
ブリス技謎ジャムにも対応している。
キャラおよびAI紹介動画
相棒のパンチホッパーとの二人を操作するというそこそこ珍しいキャラ。
キックホッパー単体としては無敵技や当て身技による防御性能に優れている。
その分専用ゲージを使う事でパンチホッパーが攻撃をフォローする形になる。同時に攻めることでガード崩し連携も可能。
「どうせ俺なんか…」と兄貴がやさぐれている間はパンチホッパーの操作もできるが、ガードが出来ず攻撃を食らうとゲージが1削れる。
ただバグ防止のためかパンチホッパー操作中は投げ技が効かない。
更新によりデフォルトAIが搭載された。AIレベルは11段階に調整可能で、ジャストディフェンスの頻度も調整出来る。
またオプションで弟ゲージやCUゲージを無限にしたり一撃の制限を無くしたりといった強化も可能で、
それ以外にも新MUGEN対応やIKEMEN対応、弟削除(キックホッパー単体化)などが変更可能となっている。

余談だが、本人よりだいぶ先にこんなのもMUGEN入りしている。

出場大会



*1 
徳山氏もスタッフの態度から再登場は察していたが、改心フラグが立っていたから味方としてだろう
…と思っていたらやさぐれていて驚いたと語っている。

*2
ファンの間では兄貴と、以前弟に迎え入れた神代剣の分も確保したのではないかという説も。

*3 
ちなみに、『ディケイド』にゲスト出演したのは『炎神戦隊ゴーオンジャー』の最終回前だったため、
このとき徳山秀典氏は戦隊・ライダーと1時間連続出演していたりする(後者は声のみだが)。

*4 
影山の他にも、天王寺黒松教授など、
ウルトラシリーズの主要キャラを演じた役者が後にライダーシリーズに出演すると、悪役や性格が悪い役になり易い。
ちなみに大首領など逆パターンだと善側の役に抜擢される事が多い。

これは配役の意外性といった宣伝上の理由だけでなく、
演者自体のイメージが善玉・悪玉で固定化されるのを防ぐ意味合いもあるらしく、
実際はウルトラマンや仮面ライダーだけでなく、役柄の善悪がハッキリしやすい特撮作品全般の傾向といえる。