ポパイ


「ホウレン草のおかげで無敵さ
          『ポパイ・ザ・セーラーマン』」

+ 日本語吹替声優
浦野光
テレビ(TBS版)、VHS・LD(ハミングバード、徳間ジャパン、パック・イン・ビデオ版)
高松しげお
テレビ(NHK版)
緒方賢一
VHS(大陸書房版)
肝付兼太
VHS(DRS版)
いかりや長介
1980年映画版(フジテレビ版)
内海賢二
1980年映画版(機内上映版)
長島雄一(現・チョー)
DVD(IVC版)、パチスロ『ポパイ・ブリッド』
高木渉
サミー版パチスロ
山寺宏一
『~海にひそむ謎を追え!~』

アメリカのカートゥーンコミック『シンブル・シアター』の登場人物
(ネット上でも散見されるが、「シンル(Simple)」ではなく「シンル(Thimble)」なのでお間違え無きよう)。
セーラー服にセーラー帽の出で立ちで、いつもパイプを銜えている男である。
腕と脚は非常に太く、両腕には錨のマークの入れ墨が彫ってある。
職業は船乗りだったり水兵だったり、その時々に応じて変化する。
当初は脇役だったが、後に主役となった。そのため、『ポパイ』をタイトルとするアニメや映画も数多い

『シンブル・シアター』は1929年にスタートしたが、当初はポパイはまだ居なかった。
主人公のハム・グレイヴィと恋人のオリーブ・オイル、オリーブの兄のカスター・オイルが中心人物であった。
1939年にポパイは初めて脇役として登場するが、そのキャラの濃さから一躍人気者となり、
ハムから主人公の座はおろか恋人のオリーブまで奪っていった
脇役が主人公より人気が出ること自体は数あれど、ここまで酷い簒奪劇はそうそう見られるものではないであろう。

荒っぽそうな外見には似合わず、意外と温厚でお人好しであり、子供に対する面倒見もいい。
大抵のストーリーでは、オリーブを巡ってライバルのブルートと騒動を巻き起こし、
自分で何とかしようとするけどどうにもならず、超人的パワーでブルートをやっつけることが多い。

1980年にはパラマウントとディズニーの共同制作で実写映画にもなっており、
後におっさんピーターパンも演じる事になる名優ロビン・ウィリアムズ氏が演じた。
特殊メイクで原作再現されたぶっとい腕と脚は完全にコスプレであるが、その分原作のイメージを大事にしようという真摯な姿勢が窺える良作である。
ポパイに負けた後必死に泳いで逃げる悪漢の衣装が(恐らく失禁で)黄色くなるのは、今考えるとお下劣な表現だが…

ポパイの代名詞と言えばホウレンソウであり、普段から力が強いが、ピンチの際にホウレンソウを食べると
更に超人並みにパワーアップする(初期の連載版ではキャベツだった)。
多くの場合缶詰のホウレンソウだが、缶切りとか使わないで握り潰して開封する。
……素のままでも十分すぎるほど超人な気がする。
なお、発表当時はホウレンソウの缶詰は無く、後追いする形で缶詰が発売されたという逸話もあるらしい。
実のところ、ポパイ自体が全米ベジタリアン協会のタイアップという裏話がある。
初期にキャベツだったのも菜食を広められればなんでも良かったということである。
実際、「船乗りの天罰」と呼ばれ恐れられた壊血病を筆頭に、船乗りとビタミンC欠乏症は長らく切り離せない問題だった事を思えば、
正しく船乗り(セーラーマン)であるポパイ以上の適任者はいないであろう
(尤も生野菜は保存が効かない(しなびた野菜に壊血病対策効果は無い)為、実際の壊血病対策はザワークラウトや柑橘系ジュースがメインだったらしいが。
 英国海兵隊への蔑称「ライミー(ライム野郎)」はライムジュースを飲みまくっていたからであり、
 独国海兵隊への蔑称「クラウト(キャベツ野郎)」もザワークラウト(キャベツの塩漬け)を食べまくっていたからである)。
そもそも「缶詰」は基本的に加熱殺菌しているので(ビタミンCは熱に弱い)、壊血病対策としては大して役に立たないのは内緒

なお、ホウレンソウの缶詰は日本国内ではほぼ見かけないが、欧米では比較的メジャー。
味はと言うと……ぶっちゃけ単なるホウレンソウの水煮なので、そのまま食べても全く美味くないという意見が多数派。
そもそも、欧米でも基本的にはグリーンカレーなどの材料に使うものであり、やはり缶詰からダイレクトに食べるのは漫画的な誇張表現であろう。

余談だが、小林よしのり氏は病弱だった幼少期にポパイのような健康体になるべくホウレンソウをたくさん食べさせられていたとの事で、
似たような思い出のある人もいるかもしれない
(ただし、ホウレンソウの灰汁には尿路結石のもとになるシュウ酸ナトリウムが含まれるため食べすぎ注意)。
このエピソードが物語っているように日本でも「健康な快男児」の象徴として有名であり、
漫画『ザ・ムーン』の最終エピソードにも主要キャラの一人として名前も見た目もそのものズバリな「ポパイ」というキャラが登場する。
陰鬱な雰囲気漂う同作において、こちらも本項のポパイに負けず劣らずの快男児であった。


MUGENにおけるポパイ

DDR氏によるものが存在する。某ワンちゃんの作者といえば分かりやすいだろう。
原作での暴れっぷりを再現したようなパワーキャラであり、錨を投げたり振り回したりといった技も持つ。
また、オリーブやブルートを呼び出すことも可能である。
参考動画

出場大会

削除済み


最終更新:2023年08月06日 01:04