かつて神崎士郎が在籍していた清明院大学院の学院生(25歳)で、香川研究室に在籍。
教授の香川英行、同門の仲村創と共にミラーワールドを閉じるべく行動している。
愛読書はフランツ・カフカの『変身』。
表向きは優秀な好青年ではあるが、その本質は 情緒不安定かつ「自分を好きにならない人間」の命を平然と奪う残虐性を秘めており、
香川からは「君は命を無駄に奪いすぎます」と嗜められている。 後の草加だってそこまではしない
神崎士郎にはその強い「英雄」への憧れと異常な精神性を買われ、「許せないライダーは倒せばいい」とカードデッキを与えられた。
英雄になる為にライダーとして戦っているが、その理由は強い正義感からとかではなく「英雄になれば皆が自分を好きになってくれるから」というもの。
短絡的かつ身勝手な理由だが、後述する 佐野満に助けられた際に「優しくしてくれた人は香川先生以外では初めて」という旨の発言をしているため、
「 幼少期に虐待されていたのでは?」と考察するファンもいる。
自身を高く評価してくれた香川に協力こそしているが、
上述の歪んだ英雄観から、神埼兄妹への復讐心で動いていた仲村を 「英雄的ではない」という理由で殺害。
どうして殺したと詰め寄る城戸真司/仮面ライダー龍騎に対し「だってもう殺しちゃったし」などと言ってのける一方で、
仲村の死に対して涙を流すという矛盾した行動を見せる。
その後、香川が神埼に自身の家族を人質に取られ、オルタナティブを渡し全てを破棄するか、このまま戦い続けるかの選択肢を突きつけられた際、
(断腸の思いではあったが)これを跳ね除け「真の英雄になる為には大切なものを切り捨てる覚悟も必要」と戦い続ける事を選ぶが、
東條はその様を見て 「大切な人を手にかければ英雄になれる」と自分に都合よく曲解してしまう。
更に真司達の力によって香川の家族が無事だった事を知って安堵した彼に不興を抱くようになり、
それを危険視した香川が自身の家族との触れ合いの機会を設ける事で人間性を取り戻させる事を試みたものの益々不興を募らせ、
遂には優衣を抹殺しようとした香川を不意打ちの形で殺害。
目的も「ミラーワールドを閉じる事で英雄になる事」から「ライダーバトルで勝ち残り英雄になる事」へと変化してしまった。
「先生、僕・・・ミラーワールド閉じるの嫌になっちゃって・・・。」
「ライダーの戦いに勝ち残るのが、真の「英雄」かなって。」
「先生は僕にとって一番大事な人でした。だから犠牲になってもらわないと。」
「僕が「英雄」になるために。ごめんなさい、先生。ごめんなさい・・・。」
上記のセリフを 自身が殺害した恩師の亡き骸を両腕で抱え、笑いながら涙しつつ言い放つ姿はどうみても サイコパスである。
ニチアサキッズタイムなのに……。
アマゾンズでやれ、というかある意味この頃のトラウマ展開を隔離状態でやってるのがあちらだが
その後、浅倉(王蛇)との戦いで敗走し満身創痍になった所を佐野満/ 仮面ライダーインペラーに助けられ
(佐野からすれば「助けたら味方になってくれるかもしれない」という打算ではあったが)、
自身に優しくしてくれた事から友情が芽生えるも、「大切な人を倒せば英雄になれる」と思い込んでいる東條は、
後の戦いで冒頭の台詞を以って幸せの絶頂にいた佐野を手にかけようとする。
が、これは龍騎に止められてしまい、インペラーは重傷を負いつつもその場から逃亡。
その後インペラーの脱落(死亡)が伝えられたため、彼自身は友人を倒してより強くなったと思っていたが、
リベンジのために挑んだ浅倉から「インペラーを殺った(トドメを刺した)のは俺だ」と告げられた事で情緒不安定に陥ってしまい、再び敗走。
更には北岡(ゾルダ)からも「 英雄ってのは英雄になろうとした瞬間に失格」と指摘された上で敗北。
自暴自棄になってしまい、この時点で生き残っていたライダーたち全員によるバトルロワイヤルを画策。
3人(龍騎を除くナイト、ゾルダ、王蛇)が集まって戦う中、自身はわざと遅れて参戦。
3人が疲弊したところに奇襲を仕掛けまとめて始末しようとするが逆に反撃を受けてボコボコにされてしまい逃亡。
「ライダーなんて最低な奴ばっかりだよ」などと言いつつ、
3人がミラーワールドから現実世界に帰還したところで事前に罠として仕掛けた ガソリンで焼殺しようとするが、
これも失敗してしまう(構想の一つにはこの罠によってゾルダと王蛇が脱落するものもあったらしい)。
そして、重傷を負い、自身の行動の意義さえも見失ったまま路頭を彷徨っていた際、
見ず知らずの親子がトラックの暴走により轢かれそうになった場面に偶然遭遇。
朦朧とする意識の中、親子の姿にかつての恩師香川教授とその息子の面影を見た彼は咄嗟に親子を庇い命を落とす。
翌日の新聞には(三面記事ではあるが)「 親子を救った英雄」と記され、 一番大切な自分自身の死を以って英雄になるという皮肉な結末を迎えた。
「じゃあ…どうやって英雄に…なるのかな…」
「香川先生、次は僕…誰を…」
その後、最終回である「やり直しされた世界」にも登場。
ガス欠になったバイクを押して歩いていた真司に自転車に乗って衝突し、バイクを倒してしまう。
「ああ、ごめんね……」と心配そうに謝った直後、「大丈夫だよね?」と言ってそのまま去ってしまった(バイクは壊れたまま)。
と、ある意味では「戦いたいから戦う」シンプルな浅倉よりも危険な人物であり、
お人好しの真司からも「浅倉の方がまだ分かりやすい」と評され、
浅倉も「あんなにイライラする奴は初めてだ」と一時期は北岡そっちのけで標的にしていた程。
視聴者からは「『仮面ライダー龍騎』という物語を鬱なものへと決定付けた要因の一人」と言われてしまう事に。
尚、演じた高槻純氏は『ウルトラマンネオス』において主人公カグラ・ゲンキを演じており、
「正義感の強いキャラクターを続けて演じた反動で、東條悟を悪役として演じた」という旨の事をインタビューにて語っている。
TVSP版にも登場。
終盤の大乱戦にインペラーと共に参戦する(実はこれがTV初登場)。
変身前は画面に映らず、キャラがわかるような台詞はなく、また作中に登場する住所録に東條(と佐野)の名前もなく、
代わりに「湯村敏幸」と「椎名修治」という名前があったため中身は別人であったという説もある。
また、放映時にPSで発売された格ゲーでは、
「ミラーワールドは僕が閉じる!」「 勇気があれば、誰でも英雄になれる!」等の勇ましい発言が目立つキャラクターとなっていた。
恐らくこちらのほうが初期構想の「龍騎のライバル」として設定されていた人物像と思われる(あるいは終盤のネタバレ回避のためか)。
因みに同作でのファイナルベントの演出が若干簡略化されており、
「デストワイルダーが殴り飛ばし、すっ飛んできた相手をタイガがデストクローでぶん殴る」という豪快なものになっている。
(後に発売された『クライマックスヒーローズ』シリーズではTV版に準拠した演出になっている)
本編以外では、『 仮面ライダーディケイド』の6話に登場。
ライダー裁判において ゾルダと戦うも、「お前も死刑になれ!」とシュートベントを受けて敗退した。
変身者は不明。
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