ギルド・テゾーロ


「全ては…黄金に支配される!!!」

『ONE PIECE』の劇場版『ONE PIECE FILM GOLD』に登場するキャラクターにして、同作の黒幕。
ドレスローザ編後に放送されたアニメオリジナルエピソードにも映画の宣伝を兼ねて登場している。
担当声優は 山路和弘 氏。幼少期は 森下由樹子 女史、青年期は 櫻井孝宏 氏が演じている。


通称「黄金帝」「新世界の怪物」
元海賊でありながら世界最大のエンターテインメント船上都市「グラン・テゾーロ」のオーナーを務める大富豪で、
世界の20%の通貨を掌握するとされ、その絶大な財力で天竜人をも懐柔してしまっており、
海賊はもちろん海軍や世界政府まで金で動かせる程の権力を有しているが、
同時に裏世界を仕切っている大手勢力のトップの一角であり、王下七武海にして闇のブローカーであるドンキホーテ・ドフラミンゴとも通じていた。
後述の彼の悪魔の実はかつてドフラミンゴから強奪した物で、本編時点では利害関係から協力体制を敷いていたものの、
裏では互いに嫌い合っており、虎視眈々と寝首を掻くのを狙う関係同士であった。

自分を神と自称する傲慢な人物であり、グラン・テゾーロにあるギャンブル施設は「騙された者が敗者」という暗黙にして絶対の不文律があり、
イカサマをされても一切咎めることができない。
仮に嵌められカジノで大負けした場合、テゾーロの奴隷のような扱いとなり、
強制的にグラン・テゾーロの従業員としてこき使われる羽目になる。
しかし、本拠地であるグラン・テゾーロは世界政府に公認された独立国家として扱われ、海賊はもちろん政府関係者すら手が出せない「絶対聖域」となっており、
このような悪行も実質的に黙認されている。
テゾーロは王下七武海ではないが、このように彼の持つ権力と地位は七武海と同格か下手したらそれ以上を誇る。
一方で、この手の悪党には珍しく自らステージに立ってショーを開催するなど、単なる金儲けの目的だけでなく、
真摯にエンターテイメントの興行に取り組む姿勢を見せている。

+ ネタバレ
実は元・天竜人の奴隷という経歴の持ち主。
子供の頃は歌が大好きで会場の外から眺めたエンターテインメントショーに強い憧れを抱く少年であったが、
貧乏かつ毒親の生まれで、父の死後テゾーロの楽し気な歌が大嫌いな母から歌うことを禁止されたため、
12歳の時にグレて家を出奔し、ギャンブル・酒・ケンカなど荒んだ生活を送っていたが、
そんな中で人間屋にて会ったステラという少女に一目惚れし、彼女を買って救いたいと願う。
彼女の嫌いな悪事で金を稼ぐことはせずに、昼夜を問わずに真っ当な方法で働き続け、
仕事の合間を見てステラの元へ足を運び、「将来は大きなステージで歌う」という夢を語っていた。
しかし、三年後、もう少しで彼女を買い取る金が貯まるというタイミングで、町に現れた天竜人によってステラが買い取られてしまい、
これに怒ったテゾーロはSPに取り押さえられ、天竜人に歯向かった罪でマリージョアに連行されて奴隷に落とされたのである。
奴隷として暮らす中で絶望的な日々に追い打ちを掛けるようにある日「ステラが死んだ」という事実を聞いてしまい、
激しい怒りと「金があれば彼女を救えた」という後悔から徐々に金への執着心を高めていった
(仮に悪事に手を染めての金策をしていたらすぐに助け出せたとは尾田氏のコメントだが、
 夫が海賊だと知って心を閉ざした女性の前例がある事から、同じ運命を辿る可能性もあった(あろうことかその海賊も山路氏が演じている))。

やがて26歳の時に、本編でも言及されたフィッシャー・タイガーによるマリージョア襲撃事件が起こり、テゾーロも便乗して逃亡。
だが、魚人海賊団がそうであったようにマリージョアから逃げ出した奴隷が真っ当に生きていけるはずもなく、
身を隠しゴミを漁る逃亡生活のなかでテゾーロは金持ちや貴族に対する憎しみを募らせていき、
本編より12年前に、ドンキホーテ海賊団が主催したオークションの目玉商品がゴルゴルの実であると耳にし、
犯罪者達を唆し巧妙な策で人を動かして会場に火を放つことで、何百人もの死者を出しながらもその混乱に紛れてゴルゴルの実を入手。

この能力で実現した財力で海賊として名を上げるが、ゴルゴルの実の披露は客引きのみで売る気は無かったため激怒していたドフラミンゴに、
上記の事件の犯人と看破され何度も刺客を送り込まれるも、強力なダイスなどの部下も得ていたため次々とこれを返り討ちにし、
結局敵対するよりも商売仲間として利用した方が良いと判断したドフラミンゴが折れる形で協力関係を持ちかけ、
テゾーロはこれを承諾してドフラミンゴの仲介で世界政府や裏社会とのパイプを繋ぎ、本編のような地位にのし上がったのである。
しかし、同時に過去の悲劇と不遇に対する反動から金で全てを支配することに固執するようになり、
皮肉にも自分を虐げていた天竜人と何ら変わりない、貧困者を見下す傲慢な人物に成り果ててしまった。

協力関係なのにドフラミンゴと仲が悪いのは上記の経緯が経緯なため当然なのだが、同時に彼が元天竜人である事も知っていたためらしい。
一方で、シャボンディのオークションで天竜人をぶっ飛ばした上で尻に敷いた事や、
一応関係的には提携相手で裏社会の体面もあるので表立っては「迷惑」とこぼしていたが、ドンキホーテファミリーの壊滅といった、
個人的に溜飲の下がる数々の偉業を成してくれた麦わらの一味には友好的だった。
また、自由になるきっかけを作ったフィッシャー・タイガーへの恩義から、グラン・テゾーロでは魚人への差別を禁止していた。
とはいえ、打算だけの関係だとしても重要な提携相手を潰され少なくない規模の損害を出した麦わらの一味には、
個人的に気に入ってはいても落とし前はきっちりつけようとするなど、裏社会の大物勢力のトップらしい判断力と冷徹さも備えている。

+ 戦闘能力
「お前らは、ただ支配されるだけのゴミ!これが、神の姿だ!!」

超人(パラミシア)系悪魔の実「ゴルゴルの実」の能力者であり、黄金を操る事ができる。
資料によって効力の解釈が異なり、「触れた黄金を自在に操作できる」という特定の物を操作するモサモサの実のようなタイプ扱いと、
ドルドルの実やビスビスの実のような「黄金を身体から生成できる」タイプ扱いの場合がある。
劇中では黄金を生み出す描写は無いが、参考までに原作に登場したビスケットを創造する「ビスビスの実」の能力者であるシャーロット・クラッカーは、
一度に生成・操作する量には限界があり、喰われたり破壊されるなどしてからようやく再生成できる、
つまり一度に生成・操作する量にキャパシティ限界があるような表現だったため、
テゾーロも単にその日のキャパシティ限界は描写外で過ぎていたので劇中では生み出さなかった可能性もある。

いずれにせよ、操る黄金はロロノア・ゾロでも斬れない程の強度を誇る他、
船全体が黄金で出来たグラン・テゾーロを丸々操作できるほどの影響力を誇り、グラン・テゾーロは実質その全てが彼の武器に等しい。
おまけに能力は覚醒の域に到っており、テゾーロは操作している黄金と感覚を共有させることが可能で、
黄金のどこかで衝撃が加わればテゾーロは即座にそれを探知できる。
グラン・テゾーロ来訪時に歓待用として浴びせた金粉を増殖させて相手を彫像にしたり、
操る黄金で精巧な武器や鎧を生成できるなど、能力の規模だけでなく習熟度も高い。
ただし、悪魔の実の産物であるためかゲッコー・モリアのゾンビなどと同様に能力者の弱点である海水には弱く、
黄金が海水を浴びてしまった場合、支配が及ばなくなるばかりか砕け散ってしまうという欠点がある
(恐らくグラン・テゾーロの外装も実際は全黄金製ではなく、喫水線よりも上、海上から見える部分だけが黄金なのだと思われる)。
もし一度に大量の海水を背負い投げできるジンベエが麦わらの一味に加入している状態で敵対していたら、戦力差はかなり違っていた事だろう。

加えて、ギア2を使用したルフィやゾロと渡り合えるなど、基礎戦闘力も高い。
打撃でルフィにダメージを与えていたため覇気も取得している模様。

切り札は黄金を集結して魔人オーズ並みの巨大な人型の巨人を形成する「ゴールデンテゾーロ」。
強固な黄金の強度はそのままに圧倒的物量が生み出す攻撃もさることながら、応用として黄金が放つ光を利用してビームすら出せる。

同時期の劇場版ボスと比較すると、ギア4相手に劣勢になっていたため、
直接戦闘能力だけならダグラス・バレットや全盛期ではないシキやゼファーにも劣ると思われるが、
莫大な財力という彼らに無い武器、強固な黄金による武器の生成、初見殺しの黄金彫刻化などで理屈上は格上の相手でも実力差を覆すことは可能であり、
脚本の黒岩勉氏の言葉を借りるなら、(グラン・テゾーロのような)黄金のストックが大量にある環境下では無敵の能力と言える。


MUGENにおけるギルド・テゾーロ

Kana*RS氏の製作したキャラが公開中。
『ONE PIECE 大海賊闘技場』のスプライトが使用されているが性能は別物で、
全画面攻撃や派手な黄金のオーラで攻撃する技を備えている。
AIも3段階で調節可能なものがデフォルトで搭載済み。
カラーによって性能に差があり、ランクは狂下位~狂最上位想定。

上記の他にCobraG6氏によるMUGEN1.0以降専用キャラも公開されており、こちらには並程度の強さを持つAIが搭載されている。


「金の無い奴は何も手にできない!支配されるしかないんだよ……!」

出場大会



最終更新:2025年02月27日 17:31