シグバール


「裏切者は消えろってハナシだ!」

スクウェア・エニックスとディズニーのコラボゲーム『KINGDOM HEARTS』シリーズ(以下KH)の登場人物。
初出は『KHII』で、強い心や想いを持つ者がハートレスになった時稀に発生する、
残された肉体と魂が狭間の世界で生まれ変わった怪物「ノーバディ」にして、
人の姿を残した上級ノーバディで構成された「XIII機関」のNo.II。
担当声優は 大塚芳忠 氏。
『II』ボイス

通称「魔弾の射手」。
外見は右目の眼帯や左頬の傷跡が目立つ強面の中年男性だが、見た目とは裏腹に人を小馬鹿にしたような飄々とした雰囲気で、
XIII機関のメンバーの中でもとりわけ掴み所が無く人を食ったような言動が目立つ。
語尾に「~ってハナシ」と付ける口癖がある。
空間を操る能力を持ち、2丁のガンアローによる射撃攻撃で戦う。
ワープをしながら四方八方から射撃したり、重力を無視した体勢で転移して死角に回ったり、
手だけを相手の近くにワープさせて不意打ちで攻撃するなど、多彩な技で攻め立てて来る。
このガンアローは連結させて強力な弾丸を撃てるスナイパーライフルと化する機能もある。

元となった人間は賢者アンセムの弟子の一人で、レイディアントガーデンで親衛隊員を務めていたブライグという男。
シグバール(Xigbar)という名前はブライグにXを加えたアナグラム(Braig + X)である。

ホロウバスティオンでのソラ達との対面の後、他の機関メンバーは早々に去っていった中で、
シグバールだけは残留し、ソラを惑わせるような発言を投げかけてから退散した。
それ以外では『ムーラン』の世界「ザ・ランド・オブ・ドラゴン」で龍脈に干渉し、
ハートレス「ストームライダー」を作り出しソラ達にけしかけるなどして暗躍していた。
やがて終盤では本拠地である「存在しなかった世界」にソラ達が乗り込んできた際に、
サイクスが用済みになったソラを倒す為に呼び出した大量のハートレスをわざわざ全て始末し、
「あいつもそんな目で俺を見ていたっけ」「今までのやつらと比べれば、随分とお粗末だがな」
と意味深な台詞を発した上で自らの手でソラを消そうとするも返り討ちに遭い、
訳が分からない言動に疑問を抱いたソラに「混乱してろ」と返して消滅した。

ここで言われていた「あいつ」とはロクサスの事だと解釈されていたが、「今までのやつら」の方は誰なのかソラだけでなくユーザーも困惑させたが、
攻略本「アルティマニア」にてディレクターから「シグバールはソラ以外のキーブレード使いに会ったことがある(意訳)」と明かされた。
さらに『KHIIFM』では、回想シーンではゼクシオンに対して忘却の城におけるゼムナスの真の目的を理解しているような話し方をしていた他、
数年前にキーブレード使いたちが死闘を繰り広げ彼らが姿を消した後に記憶を無くした男(後のゼアノート)が倒れていたと語るなど、
あからさまに次回作に大きく関わっているような胡散臭い言動を見せていたが……?

+ 『II』以降の作品ごとの活躍(ネタバレ注意)
  • 『358/2 Days』
本作ではロクサスの先輩として活動していた。
『ヘラクレス』の世界「オリンポスコロシアム」の試合でロクサスと戦って腕試しをしたりと、何かと絡んできた
レプリカ計画には絡んでいなかったが、独自に調査をして真相にたどり着いていたらしく、
物語の途中から一時的にであるがゼムナスとサイクスの会合に参加するようになっていた。
シオンに「ぷーちゃん」と呼んでおり、シオンからも妙なあだ名と疑問を抱かれていたが、
これはフランス語の「プーペ(人形)」が由来で、彼女の正体に気づいていた事を暗に示していた。
終盤ではシオン、アクセルと3人で任務に出た際にシオンに襲われて気絶し、脱走を許してしまう。
この時にシグバールにはシオンがヴェントゥスに見えていた。
これにより、やはりシグバールは『II』のシークレットEDに出た3人と面識があったのではないかと疑われたが……。

  • 『Birth by Sleep』
人間時代のブライグとして登場。
この時は両目があり傷もなく眼の色も茶色で、レイディアントガーデンで賢者アンセムの弟子として働いていたが、
キーブレード使いの戦いをたまたま見て、卑怯な手でマスター・ゼアノートを誘拐したとしてテラをおびき出し、
キーブレード使いの彼を倒して、自分の方が相応しいとキーブレードに認めさせるべくテラに挑んだ……というのは建前。
実はこの時点からブライグはマスター・ゼアノートと取引をしており、この戦いも義憤に駆られるテラの闇の力を発現させるための狂言であった。
結果として成功はするが闇に身を任せたテラの攻撃により右目を失い左頬に大怪我を負うことになり、
戦闘後、顔に包帯を巻いた姿でマスター・ゼアノートに、
「おいジジイ!話が違うじゃねえか!」「どうしてくれるんだこの大怪我!」と銃弾を乱射しながら凄むも、
弾は全て無効化された挙句、顎先にキーブレードを突き付けられて脅されるや否や急に弱気になるなど、
それまでの作品の得体が知れないキャラからは打って変わって小物な言動を見せた。
ちなみにこの頃からワープしたり、逆さまの体勢から狙撃したりしており、どうやらノーバディと化す前から使えた能力だった模様。

そして物語の終盤、キーブレード墓場で凍結したヴェンとアクアの前に現れ、時間稼ぎのために彼らを挑発しアクアと一戦を交える。
この時上記のテラと戦った時と異なり瞳が金色になってしまっていた。
その際氷漬けのヴェントゥスに睨まれたのが強く印象に残ったようで、
「こんな小僧でも一端のキーブレード使いってとこか?いい目で睨みやがる」と吐き捨てていた。
戦いには負けたものの、時間稼ぎという目的は果たしたためそのまま撤退した。
ラストエピソードでも再び登場し、アクアのお陰で間一髪で闇の世界から戻ることができたゼアノートを、
あたかも第一発見者のように賢者アンセムと共に見つけた。
テラ=ゼアノートがアンセムに名前を問われて「ゼアノート」と名乗ったことに対し、密かに性質の悪い笑みを浮かべていたが、
ゼアノートが本当に記憶喪失になったのは計算外だったらしく、ゼアノートの中にテラの心が残留していたのも薄々感づいていたが、
「何があっても立ち回りは任せろ」「俺が上手くやってやる」とゼアノートに語りかけていた
(記憶の無いゼアノートは馴れ馴れしい態度に不審な目を向けていた)。

同作で明かされた彼の過去。
それはシグバールはノーバディになる前から、そもそも賢者アンセムの弟子の頃から、
マスター・ゼアノートと取引を行って世界を混乱に陥れた闇の勢力の一員だったのである。

  • 『3D』
本作はブライグがゼアノートによってノーバディにされる瞬間の回想シーンから始まる。
賢者アンセムの弟子達が人間として復活するものの、ゼアノートやアイザと共に行方をくらませていた。

だが終盤、存在しなかった世界でシグバールとしてソラの前に姿を現し、
XIII機関の真の目的はメンバー全員をマスター・ゼアノートの器にすることだと暴露する。
この時ソラに「俺は既に半分はゼアノートだ」と返しており、金色の瞳と白髪混じりはゼアノートに同化した影響だったようである。
ソラがキーブレードを使えるのは誰かと繋がっているからであり、ソラ自身はキーブレード使いの器ではないと指摘し、
器として仲間に加えてやるから安心しろと誘いをかけるも、追い詰めたと思っていたソラが心の繋がり、
仲間との絆を信じる心で発揮する強固な意志と想定外の力に動揺し、その場をゼムナスに任せて立ち去った。
リク編の終盤にて、他の真のXIII機関のメンバーと共に、円卓の間に再び登場するが、
アクセルが乱入した時には他の機関員達が冷静な中にあって、
一人だけ慌てふためくなど、本作ではやたら小物ぶりに拍車がかかっていた。

  • 『Re:coded』
KH2.5追加ムービーにて、『II』の後にリアや他の賢者アンセムの弟子たちと同じく、
レイディアントガーデンの研究室で、人間として復活していたことが判明。
青年ゼアノートと邂逅し、策をいくつも用意するマスター・ゼアノートの手腕に舌を巻きつつも、自分の目的に向かうことを話している。
この後、再びノーバディと化したようである。

  • 『KHIII』
真XIII機関の一員として登場。
ヘラクレスの世界「オリンポス」で現れソラに自己犠牲や繋がりから生まれる苦しみを語っていた。
他の機関員がソラを見下す中、シグバールはソラがキーブレード使いの器ではないと認めつつも、
世界を何度も脅威から救ったのはその力不足のはずのソラだと警戒を促していた。
本作ではルクソードに謎の黒い箱を探す任務を言い渡し、「オリンポス」以外に終盤まで大きく物語に関わることは無かったが、
キーブレード墓場の最終決戦では、ダーク・リクと闇の探求者アンセムと組んでソラ・リクと戦うも敗北し、
これまでマスター・ゼアノートに協力してきたのは、首尾よく事が進んだ後でキーブレードを受け継ぐ約束のためだった、
つまり一連の行動は全てキーブレード使いになりたいがために行っていたと明かした。
シグバールに扱える代物ではないとリクに一蹴されるも、認める事無く壁の上へ移動して自ら谷底へ落下。
そのまま消滅したかのように見えたが……?
+ ダークシーカー編ネタバレ注意
全てが終わったエピローグにて、キーブレード墓場にて『χ』の登場人物にして、
世界最古のキーブレードマスター「ロストマスター」が再び現代に蘇った。
彼らを呼び出し、彼らの同門であったロストマスターの一人「ルシュ」を名乗った男はなんとシグバールであった!!
実はルシュはマスター・ゼアノートも使った肉体から心を取り出す術を使い、身体を乗り換え続けることで太古から延命しており、
シグバールこそが今代の器だったのだ。
ルシュは師である最初のキーブレードマスター「マスター・オブ・マスター」からキーブレード「ノーネーム」と謎の黒い箱を引き継ぎ、
キーブレード戦争を見届け、後任を育てキーブレードを引き継がせる使命を背負っていた。
「ノーネーム」にはマスマスの眼が材料として使われており、それが観測装置のような役割を果たし、
マスマスは未来に起きる出来事を予知していたのであり、ルシュはキーブレード戦争とその後に起きた世界の再編を見届け、
後任を育てキーブレードを引き継がせ、今の世にキーブレード使いを残した存在である。
マスマスが予知に成功したのはノーネームが世界再編後も継承され続けていたからだが、
マスマスから与えられていた使命は実際は「後世にノーネームを継承させる」ことだけではなく、
「体を入れ替えながら継承したキーブレードの行く末を見守る」「キーブレード戦争の後でロストマスターを呼び戻す」事もあったらしい。
キーブレード使いになりたがる言動も、正体を隠したままマスター・ゼアノートに協力するのに都合が良かったからであり、全て演技である。
実際振り返ってみると小物っぽい言動は主にゼアノートや関係者の前でしかしておらず、
『Bbs』でゼアノートが敗れた後でキーブレード墓場からレイディアントガーデンに帰還するなど不可解な描写もあった
(当時はグミシップは使えず、ゼアノートと一部心を同化させていたとはいえ闇の回廊はただの人間には原則開けない)。
彼に協力したのは予知書に書かれたキーブレード戦争の発端となる、
「闇に傾倒するキーブレードマスター」の目的を成就させることが本当の目的であった。
言ってしまえば、シグバールこそがダークシーカー編における「真の黒幕」である。

ディレクターの野村氏によると当初はこのような構想は無く、『KHII』当時はソラ以外のキーブレード使いに会ったことがある程度の設定しかなかったが、
収録を進める内に大塚芳忠氏の演技を見て「こいつは単なる組織の一兵卒などではなく何か裏を持っているに違いない」と感じたことで、
現在のような設定に変えていったらしい。


原作中の性能

『II』ではFMで追加されたロクサスを除けば「存在しなかった世界」にて最初に戦うXIII機関メンバーとなる。
戦闘開始直後に高所に移動し高い位置からソラ達を狙う「狙撃」を使用し、約1分間シグバールの主観視点になり、
時間経過かリアクションコマンド「ブレイク」及び「ワープスナイプ」で弾を撃ち返して反撃できないと一方的に攻撃される羽目になる。
この「狙撃」は開始直後だけではなく定期的に使用してくるのだが、シグバールに限らずXIII機関メンバーとの戦いでは、
フォームチェンジを使用するとガードやリアクションコマンドが使用不可能なアンチフォームになってしまう確率が高く設定されており、
下手にフォームチェンジしてアンチフォーム化してしまうと反撃手段が無いまま狙撃されっぱなしになってしまうので、
ファイナルフォームに覚醒している場合を除いてフォームチェンジが使い辛くなる要因となっている。

平時は空間転移しながら遠距離からの射撃攻撃「ショット」で連続攻撃をしてくる。
隙が少なくすぐ転移する上に定期的にフィールドの形状を変えて攻めにくい位置に移動するので、射撃中は攻めるチャンスを見つけるのが非常に難しいのだが、
「ショット」を3回使う度にリロードを行う他、「ショット」を何度か弾き返すと気絶するので、そこを狙うのが基本的な攻略法となる。
HPが減ると巨大化したリフレクトガード不可能攻撃の青白い弾丸を放つ「チャージショット」を使用してくるが、
この技は弾丸の近くにいるならリアクションコマンド「ワープスナイプ」でシグバールにはね返せる。
さらにHPが減ると一定時間完全無敵状態となり、全方向から雨のように弾丸を乱射する必殺技「アルテマショット」を使用する。


MUGENにおけるシグバール

テラ大地氏の製作したキャラが公開中。
XIII機関正規メンバーの中では12番目に項目が作られた。
ガンアローによる多彩な飛び道具や天井に反転して立つなど変幻自在な性能が特徴。
『II』の遠距離から攻撃する「狙撃」も超必殺技として再現されている。
切り札は2ゲージ技「アルテマショット」。
AIもデフォルトで搭載されている。

過去にはUltraboard101氏製作の『COM』風スプライトのキャラも存在したが、
サイトは閉鎖され当時使用されていたMediafireのデータも消えているため入手不可。

出場大会

  • 「[大会] [シグバール]」をタグに含むページは1つもありません。


最終更新:2025年03月25日 21:35
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