趙雲




「フゥ!ハッ!!」

 趙雲(ちょううん、ピンイン: Zhao Yun(ジャオ・ユン)157年? - 229年)は、
 中国、後漢末から三国時代の武将。
 字(あざな)は子龍(しりゅう、zi long(ツーロン))。インペルダウンの元看守長聖闘士ではない。
 常山郡真定県(現在の河北省石家荘市正定県)の人。
 封号は永昌亭侯。諡は順平侯。子は趙統・趙広がいる。父と兄の名は不詳。

所謂「五虎大将軍」の一人であり、五人の中では最も後の年代まで生き残り活躍している。
ただし実際は位が低く、五虎将の中では格下だった。

現在ではイケメンとして描かれている事が多いが、実は実際にどういう外見をしていたのかは伝わっていない。
この容貌不明という事情や他の主要人物ほど外見的イメージが固定化していなかった事が、
清王朝期における演劇業界でのイケメン枠の需要と合わさり(何せ劉備も関羽張飛も諸葛亮もヒゲ面だし)
その枠に趙雲が置かれるようになり、今日の趙雲像ができたとされる。
演義では「生得身長八尺、濃眉大眼、闊面重頤、威風凜凜」(身長八尺、眉が濃く目が大きく、広々とした顔であごが重なっている、威風堂々)
と設定されており、要するにゲジマユの二重顎である。
まあ馬超や劉備の妖怪的容姿表現と比べればまだましな方かもしれないが。
横光三国志ではルックスがドカベンだったりもするし、何、気にすることはない
また若武者のイメージが強いものの、年齢的に考えると終盤は黄忠に勝るとも劣らぬ「老いてなお盛ん」っぷりである。
まぁこの辺りは数十年スパンの物語である三国志的に仕方がないだろう
ちなみに劉備よりも年上だったという説もあったりする。

演義では関羽張飛と比べると極めて優等生な人物で、計略の知識や三国情勢の正しい見解を持つなど完璧超人っぷりを発揮する。
なお正史ではたった5行しか文章に残っておらず、かなり謎な人物。
演義や今の趙雲のイメージは裴松之が正史の注釈として引用した『趙雲別伝』に由来しているのだが、
そもそも別伝自体が趙雲が死んでかなり後に書かれた物であり、
更に時系列が無茶苦茶だったり状況が支離滅裂だったりと史科としては欠片も信憑性が無い。
「『趙雲別伝』とは趙家の家伝を改編したものではないか」なんて意見もあったりする。
とはいえ信憑性が怪しい史科を注に引いたのは何も趙雲に限った事でもなく、
また、現在は、
「過程こそ誇張されているものの、正史の他の部分との決定的な矛盾は無く、結果自体も普通である事から全くの嘘という事でもない」
というのが一般的な見解となっているらしい。
別伝を抜きにしても劉備からは相当な信用を受けていたのも確かなようだ。

また戦功という点では華やかな物が多い関羽・張飛・黄忠に比べれば地味な物が多く、裏から手助けをしている事が多め。
とはいえその手の裏方が重要な事は極めて多く、五虎大将軍の中で孔明がその死を嘆いたのは趙雲一人だけである
(関羽と張飛と黄忠の死は劉備が嘆いている。馬超ェ…)。
与えられた任務を何でも無難にこなして行く事から、劉備だけでなく諸葛亮からもよほど信頼されていたのだろう
(と言うか、関羽と張飛は「主君(劉備)の義兄弟だから軍師(諸葛亮)ごときに命令される筋合いは無い」という態度だったので…)。

あえて問題点を挙げるなら、後年まで息子がおらず(それも趙雲の死を報告に来ただけ)良き後継を育てる事をしなかった事くらいである。

真面目で弱点も無くキャラが壊しにくいためか、MUGEN並みにカオスな三国志プレイ動画が多数存在するニコニコ動画では逆にネタにされにくい。
ただ、上の二人と違いあっさりしすぎているが故に逆にそつの無さを浮き彫りにしているとも言えなくは無いが。

KOEIの『三國志』シリーズ及び『三國無双』シリーズでも、常に正統派のイケメンとして描かれている。
特に前者における能力は極めて高めに査定されており、『III』では曹操をも差し置いて周瑜共々総合値トップを誇った
(曹操がトップでなかったのは陸戦と水戦の能力が『III』のみ分けられていたのが原因だが、趙雲は水軍指揮の経験が無いはずなのに数値は高かった)。
後者においても格ゲー時代からの皆勤賞。オープニングムービーの殺陣はシリーズ通してのお約束。
担当声優は20年以上に亘り小野坂昌也氏が担当。同シリーズでは諸葛亮も兼任した。
今でこそ三枚目役で定着している小野坂氏のイケメンボイスが堪能できる貴重な役であった。

余談だが、同社が出版した『爆笑三國志2』で「趙雲ロボット説」なんてネタを書かれているのは意外と知られていない。
ちなみにこの本の発売時期は1992年と、『戦国BASARA』どころか『三國無双』さえ影も形も無かった時期である。
『BASARA』の発売後にこの本の復刻版が出ているが、
「余所があれくらいやるならうちもこれくらいやってよかったんだな」と思っての戦略かどうかは定かではない。
『無双』の発売時期次第では趙雲はホンダムみたいな事にされていたのでは、と想像すると恐ろしい話である。女性ファンの反応的な意味で。
とか言ってたら魏の曹仁が『5』以降ロボット風の外見になって「仁ダム」呼ばわりされるようになったり

三国志の人物を性転換させた『恋姫†夢想』シリーズにも登場している(真名は)。

また、SDガンダムが三国志の人物を演じるという体で展開されているシリーズ『三国伝』でも、
V2ガンダムが演者の「趙雲ガンダム」として登場する(劇中では「趙雲」としか呼ばれない。他の人物もそうだがあくまで「演者」なので)。
アニメ等での声は小野友樹氏が担当。しかし公式サイトでは声優が記載されてない。不遇のVガンだからってそんな扱い悪くする事ないやろ
なお小野友樹氏は後の『三國無双』シリーズにて趙雲の再来と言われた武将・文鴦を演じており、妙な縁を感じる所である。


格闘ゲームにおける趙雲

格闘ゲームとしては1993年に台湾の「熊猫軟體股扮有限公司(Panda Entertainment)」によって制作されたPCゲーム、
SangoFighter(正式名『三國志 武將爭霸』)』および1995年に発売された続編の『SangoFighter2(『武將爭覇2』)』に登場。

初代では「五虎大将軍」の一人としてストーリーモードにプレイヤーキャラとして登場。
『2』でもパッケージに登場する主人公格の一人。
同作一のイケメンキャラで、初代のストーリーモードのキャラ選択画面では関羽を差し置きセンターを飾っている。


MUGENにおける趙雲

+ General Chicken氏製作 『武將爭覇2』ドット
  • General Chicken氏製作 『武將爭覇2』ドット
『武將爭覇2』の韓国語版を元に、General Chicken氏が製作した趙雲。
海外サイト「Mugen Storehouse」内の「Old Mugen Storehouse」というコーナーにて氏の他の武将達とセットで代理公開されていたが、
サーバーに問題が発生したらしく、現在は入手不可。

鎧を身に纏い、剣を居合斬りの如く抜いて攻撃する。
攻撃力はそれほど高くないが、居合斬りを連発して無数の斬撃を飛ばす必殺技はヒットするとかなりのダメージを与えられる強力な技。
AIは一旦スイッチが入るとこれを連発してくるので非常に厄介である。

+ V-Nix氏製作 『天地を喰らう2』ドット
  • V-Nix氏製作 『天地を喰らう2』ドット
カプコンのベルトスクロールアクション『天地を喰らう2』のドットを使用して作られた趙雲。
現在は氏のMFGフォーラム(「i_oVo_i」名義)にてβ版が公開中。
ボイスは別キャラのものに差し替えられている他、キャラ名が「Legaia Sabutai」になっている。、
一見すると意味不明だが、「Legaia」は後述のアレンジ要素、「Sabutai」は海外版の『天地を喰らう2』*1での趙雲の名前「Subutai」からと思われる。
また、カラーパレットが一つしかないにも拘らず7Pカラーまで登録されており、そのままではエラーが出てしまう。
defファイルを開いてパレットの記述から「pal2=3.act」以降を削除するか、コメントアウトしておく事。

操作方法は弱・強の攻撃と特殊ボタンの3ボタン方式。
しゃがみモーションを描き足す等して格ゲーキャラに落とし込んでいるが、一般的な大きさのキャラと比べるとかなり小さいのが難点。
ボタン連打でコンボが出せる他、ソニーのRPG『レガイア伝説』とその続編『レガイア デュエルサーガ』のシステムである、
「タクティカル・アーツ・システム」を盛り込んだアレンジが施されており、
コンボ中に特殊ボタンを押す事で相手を掴み、コマンドを入力する事で様々なアーツ(必殺技)が発動可能。
アーツには通常の必殺技にあたる「ノーマルアーツ」と、ゲージを消費する「スーパーアーツ」(『ストIII』のSAとは無関係)が存在するが、
ゲージはノーマルアーツのヒット時のみ増える仕様となっているので注意。
……尤も、「↓↑→」で出せるノーマルアーツ「Fire Wave」でお手軽永久が出来てしまったりするので、あまり気にする必要は無いかもしれないが。
AIは搭載されていない。


この他、General Chicken氏による『武將爭覇』を元にしたものも公開されていたが、現在は入手不可。
こちらはMUGEN1.0以降専用で、操作方法がパンチ・キック・受け身の3ボタン式という至ってシンプルな作り。

出場大会

凍結

出演ストーリー



*1
海外版『天地を喰らう2』である『Warriors of fate』では、
登場人物の名前は全て『三国志』とは無関係なオリジナルの名前(なぜかモンゴル系)に変更されている。
ところがゲーム開始時の「我こそは趙雲子龍なり」やステージクリア時の「敵将、李典、討ち取ったりー!」のボイスや、
ステージ紹介の字幕「博望坡の戦い」などは日本語そのまま。
外国人には何が何だか分からなかったことだろう。

前作『天地を喰らう』の海外版『Dynasty wars』では、このような奇妙な名称変更は行われておらず、普通に三国志ものとして発売されている。
そのため、両作品は本来ならシリーズ作品なのに海外では続きものでは無いという事になっている。


最終更新:2025年06月29日 16:18