マジャバ


「大地の悲鳴が聞こえるか?」
「どういう意味だ?」
「敵は大地に死をもたらそうとしている」

特撮作品『ウルトラマンG』に登場する怪獣
身長75m、体重7万5千t。別名「昆虫怪獣」。
ゴーデスとは無関係に現れた怪獣であり、VHS版ではこの回から番組タイトルが「新ウルトラマンG 必殺!怪獣大決戦」へと変更されている
(ゴーデスと無関係な怪獣はマジャバの前の回であるガゼボからだが)。
後年の『ウルトラマンタイガ』に登場したマジャッパという怪獣とは名前が似ているだけで関係は無い。
毒性が強過ぎて使用が禁止されている違法農薬「オルガノPCB」の影響で突然変異を起こして巨大化凶暴化したイナゴの群れの中でも、
脱皮を繰り返した結果、より巨大化し完全に怪獣化したつがいの2匹がマジャバである。

モチーフはずばり「蝗害」。
イナゴが変異した種であるが、何故か両方ともカマキリのような身体的特徴を備えており、
両手の鎌と口から黄色い毒ガスを武器とする他、マッハ6で飛行できる。
特に毒ガスはオルガノPCBを大量に摂取したためか非常に強力で、戦っている場所が場所とはいえ、グレートのカラータイマーがかなり早く点滅していた。
オスとメスの違いは「背中の翅の有無」……とよく言われるが、劇中では明らかにメスも飛行していた(航空レーダーに反応が二つ出る等)。
グレートとの交戦時には翅は見当たらず(翅の名残のような部位はある)、
翅無しでも飛行可能な能力があったのか、巣の防衛に翅は不要と自切したものと思われる。
また、メスの外皮はUMAの戦闘機ハマーのエキシマレーザーですら貫けない程強固。

強力な農薬オルガノPCBによって変異した事で、逆に農薬をエネルギー源にしており、摂取するため農薬散布用のセスナや密造所を襲っているが、
繁殖のためか動物の肉(人肉)も食う事が示唆されている。
しかし、この特性故にオルガノPCBの中和剤に弱い。
おまけにイナゴの怪獣だけあって繁殖力も厄介で、劇中でも短時間で大量に産卵している。
尚、この卵にも農薬由来の毒ガスが含まれており、迂闊に割ると危険。

秘密裏にオルガノPCBを密造・使用していたジョンソン農場で誕生し、農薬散布の為のセスナを襲った事で存在が発覚。
違法農薬の密造・使用やマジャバのセスナ撃墜が露見する事を恐れた農場の経営者はUMAの調査を妨害するも、
オルガノPCBを求めてイナゴの群れとマジャバ夫婦が密造所を直接襲った事で逃亡
(経営者のその後は不明だが、マジャバやイナゴ群に襲われて死亡したものと思われる)。
経営者の暴力的な態度や仲間の死で良心に目覚めた従業員サンドマンの手助けで、
UMA隊員達はマジャバの存在や農薬の事を知り、マジャバと戦う。
オスの個体はハマーの攻撃で倒されるが、その戦闘でミサイル切れになり一度帰還せざるを得ず、
残されたメスの個体は砂漠で作った巣でグレートと交戦する。
鎌と毒ガスでグレートを追い詰めるが、一瞬の隙を突かれてグレートスライサーで鎌を切られ、
さらにフィンガービームで巣の卵を炎上させられた事でパニックを起こし、
半狂乱になりながら卵を守ろうと覆い被さった所で補給を終えて駆けつけたハマーにより卵ごとオルガノPCBの中和剤を浴びて絶命。
亡骸はグレートのディスクビームで消滅させられた。

繁殖力的にも食性的にも人類との共存は不可能とはいえど、
その身で必死に卵を守ろうとするマジャバの行動は親の愛以外の何物でもなく、
中和剤を浴びせたチャールズも眉を顰めて「いい気分じゃない」と吐き捨ている
(原語版では「ペスト駆除の気分」と言っているが、いずれにせよチャールズにとっても不本意な害獣駆除であったという意味)。
オルガノPCBさえなければただのイナゴとしてその生涯を終えたであろうに、
マジャバを産み出したのも、それを脅威として殺したのも人間であり、
破壊活動を行ったとはいえ、マジャバは悉く人間に生を狂わされた被害者と言っても過言ではない。

島本和彦氏による漫画版では児童誌故のページ数の関係上メスのみが登場。
展開自体は概ね映像版のBパートに忠実だが、セリフや作画などはより悲壮な雰囲気を醸し出す方向にシフトしており、
最終回と並び、島本版グレートを代表する名アレンジとして名高い。
また、幼体の顔が仮面ライダーっぽいというお遊び要素がある。

SFCではステージ7に敵として登場。
原作では使用しない「アイビーム」という技がある。

+ その他の作品のマジャバ
ステージショー用に日本で着ぐるみが作られているらしく、
各地のアトラクション等で活躍していたようであり、グレート怪獣の中では(コダラーシラリーゴーデスを除けば)知名度は高め。

『大怪獣バトル』のNEO第5弾のウルトラバトルカードでCPUが使用する技カードとして登場。

ウルトラマンフェスティバル'95ライブステージにザム星人の怪獣軍団の一体として登場。グレートと戦った。
同じく2017年の『ウルトラマンフェスティバル2017』のライブステージにも登場、ウルトラダークキラー配下の怪獣としてウルトラマンエックスと戦った。

ウルトラマンZ』では第2話にてモニターの画面にベドランやザンボラー(パワードザンボラー?)と共に名前が載っており、
気付いた視聴者達を仰天させた。
原作同様にオーストラリアに出現したらしいが、オルガノPCBが『Z』世界に存在するのかは不明。
『Z』世界の地球は様々な怪獣が跋扈している設定なので、農薬以外にも他の怪獣の影響があったのかもしれない。
後にスピンオフ漫画『戦え!セブンガー』にて詳細が語られ、
デモンストレーションのためオーストラリア基地に来ていたセブンガーと戦っていた事が判明している。

ただのファンサービスかと思われたが、第24話では休眠中の怪獣として記録映像(グレート本編のスクリーンショット)で登場し、
セレブロに寄生されたナカシマヨウコの操縦するウルトロイドゼロに吸収され、デストルドスを構成するパーツにされてしまった。
色々とイレギュラーなベリュドラの一件を除けば、国外作品の怪獣が合体怪獣の構成に使用されたのはマジャバが初である。
ちなみにデストルドスの胸部分という非常に目立つ位置にマジャバの顔がくっついており、
マジャバの顔は主兵装である超兵器・D4レイの発射口であると同時にヨウコが囚われたコクピットが奥にあるため、
戦闘時はゼットやセブンガーらから何度も攻撃を受け、破壊されては再生させられるという死体蹴りのような状況になっていた。
ちなみに『Z』が放映された2020年はサバクトビバッタによる蝗害が発生していたりする。

『ウルトラマンブレーザー』では美南杏梨隊員の履歴書において「オーストラリアでマジャバ討伐に参加」と書かれている。
余談だが同作に登場した甲虫怪獣タガヌラーは腕が鎌、化学物質を主食とする、徐々に体長を増大させる等、マジャバとの共通点が多い。

また、変わった所では、『電光超人グリッドマン』を原作とするスピンオフアニメ『SSSS.GRIDMAN』にて、
グリッドマンの上半身担当でメインヴィランもう一人のヒロインである新条アカネが「マジャバの、メス!」と言及するシーンがある
(内海将から怪獣の写真だけを見せられてその名前をアカネが答える、という遊びをしていた模様)。
また、マジャバ以外にもグレート怪獣のフィギュアがアカネの部屋に飾られているのが確認できる。


MUGENにおけるマジャバ

カーベィ氏の製作したキャラが公開中。
スプライトはSFC版のものが使用されており、
ニュートラルポーズに動きが追加されている。勿論アイビームも使用可能。
SFC版グレートからMUGEN入りを果たした最後の怪獣でもある。
鎌による近接攻撃は発生も早く優秀な事に加えて、前述のように飛び道具も備えており、
一定時間経過か攻撃を受けるとガスを出す卵による設置技も備え、多彩な攻め方が可能なキャラとなっている。
超必殺技はいずれも1ゲージ消費で、「毒ガス」「フライングアタック」「旦那召喚」の3つ。
特に「毒ガス」はヒット数が多く、近距離で放てば大ダメージを与えられる。
AIもデフォルトで搭載されている。
紹介動画

出場大会

出演ストーリー



最終更新:2024年06月06日 22:28
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