登録日:2020/08/11(火) 21:30:11
更新日:2023/06/12 Mon 20:13:17
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《風霊媒師ウィン》
Wynn the Wind Channeler
星5/風属性/魔法使い族/攻1850/守1500
このカード名はルール上「霊使い」カードとしても扱う。
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札からこのカードと風属性モンスター1体を捨てて発動できる。
デッキから「風霊媒師ウィン」以外の守備力1500以下の風属性モンスター1体を手札に加える。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は風属性以外のモンスターの効果を発動できない。
(2):このカードが手札に存在する場合、自分の風属性モンスターが戦闘で破壊された時に発動できる。
このカードを特殊召喚する。
概要
OCG第4期の2005年2月に登場して以降、未だ根強い人気を持つ
魔法使い族テーマ「霊使い」の関連カードのひとつ。
このカードは2019年11月21日発売の
Vジャンプの付録として、霊使いの関連カードでは初となる書籍付録カードにして
ウルトラレア仕様のカードとして登場した。
ステータスは同じくウィンの派生カードのひとつである憑依装着-ウィンのレベルを1つ上げたものに等しい。
攻撃力は上級モンスターとしては低いが、このカードの主な役割は(1)の効果を活かしたサーチャーであるため大きな問題ではないだろう。
むしろ攻撃力1850という数値のおかげで対応するサポートカードも存在するため中途半端に高いよりも遥かに都合が良いといえる。
自身を「霊使い」として扱う効果外テキスト、風属性モンスターのサーチを行う起動効果、自身の特殊召喚を行う誘発効果を持つ。
主な効果は風属性モンスターに関するものになっており、実質的に風属性デッキ及びそれに準ずる構築のデッキ専用のカードといえる。
サーチ効果はキーカードの確保や
手札事故率の軽減に繋がり、風属性デッキに採用すればデュエルの進行を手厚くサポートしてくれるだろう。
効果外テキストについて
上記の通り、自身を「霊使い」モンスターとして扱うというもの。
OCG第9期以降急激に増えた、
超重武者のシンクロや
転生炎獣の魔法・罠カードでもおなじみの「自身を特定のテーマに含める」ためのテキストである。
しかし「あって損は無い」テキストである事は間違いないが、十二分に活かせるデッキは多くない。
何故なら多くの霊使いサポートとこのカードの持つ性質が噛み合っていないからである。
登場当時の霊使いサポートは
憑依解放と
憑依覚醒の2枚。どちらもより多くの種類の属性を扱い、それらを場に出すほど恩恵を得られるカードである。
対してこのカードは効果発動に必要なコストや効果対象、効果発動後のデメリットも含めて扱う属性を風属性に絞った方が真価を発揮できるカードである。
加えて基本的にこのカードは(1)の効果を使い手札から直接墓地に行くため場出る事も無く、無理して場に出しても使える効果は無いため
バニラ同然。
明らかに噛み合っていない。
だが、2020年7月発売の霊使い
ストラクに収録された新規カードに「霊使い」モンスターのサーチを行う魔法カード(後述)が登場。
特殊召喚ではなくサーチ効果なので手札から捨てて効果を発動するこのカードにとってもありがたく、漸く相性の悪くないサポートを得る事ができた。
……とはいえこの1枚のみでは少々寂しいのも事実。今後も彼女と相性の良い霊使いサポートが増え続ける事を願わずにはいられない。
(1)の効果について
自身と他の風属性モンスターの計2枚を手札から捨てる事で守備力1500以下の風属性モンスター1体をデッキから手札に加える事ができる。
ただし代償として効果発動ターンは風属性以外のモンスター効果が一切発動できなくなるデメリットがある。
発動条件などは異なるが、同じくウィンの派生カードであるリンクモンスターの蒼翠の風霊使いウィンも同様の効果も持つ。
言わば風属性専用に調整された
嵐征竜-テンペストといった効果。
元々テンペストがドラゴン族を使わない風属性に与える恩恵あんまり無かったし。
属性と守備力以外に指定は無く、そのサーチ範囲は驚異的に広い。
Vジャンプの特集記事でも「レベル10の
大刃禍是でもOK」「レベル4以下の
ハーピィは全員効果範囲内」といった風に様々な風属性デッキと共に紹介されていた。
また、B・F-早撃ちのアルバレスト、SRダブルヨーヨー、
ガスタの神裔ピリカなど、カードやデッキ次第では
コストで捨てられたモンスターも
利用できる。
ちなみに今挙げた3枚のカードも全てこのカードでサーチ可能だったりする。
このカードのメインといえる強力な効果ではあるが、自身を含め2枚分のコストを払って発動するために無効にされると
アドバンテージの損失が大きい。
特に今や大会環境で必須カード級の扱いとなっている
手札誘発モンスターの
灰流うららに引っかかってしまう点は痛い。
不安なら
墓穴の指名者などの対策カードを用意しておくといいだろう。
(2)の効果について
自分の風属性モンスターが戦闘破壊された時に自身を手札から特殊召喚する。
特殊召喚なので憑依覚醒でドローできたり、リクルーターと併用して複数体のモンスターを一度に並べたりできなくもない。
緊急時の壁となる事もできるが、基本的には(1)の効果を使う事になるため使う機会は多くないだろう。
相性の良いデッキ・カード
【SR】
主なサーチ対象:
《SRベイゴマックス》(守備力600)、
《SRダブルヨーヨー》(守備力1400)など
制限カードに指定されたベイゴマックスを手札に加えられるのが大きい。
タケトンボーグやビーダマシーンの制約から元々風属性の比重が大きいデッキなので、
デッキ構築やプレイング次第でこのカードのデメリットは無いも同然となる。
【ガスタ】
主なサーチ対象:
《ガスタの神裔ピリカ》(守備力1500)、
《ガスタ・グリフ》(守備力300)など
公式設定でウィンが属していた一族。リクルーターを多く抱えるテーマなのでこのカードの(2)の効果も活かせる貴重なテーマ。
サーチ効果はキーカードを手札に加えられる事はもちろん、手札のグリフを捨てられるのが嬉しいところ。
【B・F】
主なサーチ対象:
《B・F-毒針のニードル》(守備力800)、
《B・F-早撃ちのアルバレスト》(守備力800)など
風属性・
昆虫族で統一された
シンクロ召喚主体のテーマ。
このカードをB・Fデッキで使う際には、最大のキーカードである毒針のニードルを最優先で加えたい。
【マジェスペクター】
主なサーチ対象:
《マジェスペクター・ラクーン》(守備力900)、
《マジェスペクター・フロッグ》(守備力500)など
風属性・魔法使い族で統一され、そのステータスのモンスターを活かして戦う
ペンデュラム主体のテーマ。
自身の効果などで場に出たこのカードは、そのステータスからマジェスペクター魔法・罠のコストに利用する事もできる。
《WW-アイス・ベル》(守備力1000)
自身とデッキの
WW、2体の特殊召喚から始まる連続シンクロ召喚で、
クリスタルウィングなどの大型モンスターを破壊耐性付きで繰り出す流れが強力なカード。
このカードのおかげで上記の戦術をデュエル序盤から行う事が容易となった。
《烈風帝ライザー》(守備力1000)
ご存じ
帝モンスターの風属性担当、その上位種。強烈なバウンス&ドローロック効果を持つ。
最上級モンスターではあるが、帝モンスター特有のステータスのおかげでサーチ範囲に潜り込む事ができた。
《ドロール&ロックバード》(守備力0)
自身を手札から墓地に送る事で、そのターン中のサーチ効果を封じる手札誘発モンスター。
使い所を選ぶカードだが、必要と判断したらサーチし、不要になったらコストとして捨てる事で無理なく活用できる。
《妖精伝姫-カグヤ》
上記の「攻撃力1850という数値のおかげで対応するサポートカード」のひとつ。召喚時にこのカード(正確には攻撃力1850の魔法使い族)をサーチできる。
もうひとつの効果であるフリーチェーンで発動できるバウンスも強力だが、当人は光属性であるため効果発動のタイミングに注意。
《精霊術の使い手》
霊使いストラクに収録された新規カードの1枚。「霊使い」、「憑依装着」、「憑依」魔法・罠の内いずれか2種類をデッキから手札と場に持ってくる速攻魔法。
上記の効果外テキストのおかげで「霊使い」モンスター扱いのこのカードを手札に加える事が出来る。
その他
このカードが登場した2019年はこのカードが出る以前にも、蒼翠の風霊使いウィン、ランリュウと、ウィンに関するカードが立て続けに登場している。
彼女のファンにとっては朗報続きの年であった。
イラストには彼女の使い魔であるプチリュウに加え、蒼翠の風霊使いウィンのイラストに登場した名称不明のモンスターも一緒に描かれている。
左の
太腿には風霊使い時代には無かった装飾が確認できる。
彼女と姉妹の関係にあたるとされるウィンダは逆側である右の太腿に装飾品を付けており、姉妹で左右対称の構図になっている。
このカードが収録されたVジャンプの袋とじの裏面には、このカードの画像の後ろに風属性モンスターが1体確認できる。
僅かに見えるカード名・守備力・テキストなどから察するに、その風属性モンスターの正体はガスタの巫女ウィンダである可能性が高い。
姉妹で力を合わせて効果を発動するか生き別れの姉or妹を無慈悲にコストとして捨てている構図になっており、一部のファンを大いに沸かせた。
ちなみにその袋とじの解説でサーチされているのは風霊使いウィン、特殊召喚効果のトリガーとして破壊されているのは蒼翠の風霊使いウィン。
ひたすらウィン(とウィンダ)尽くしのカード紹介になっており、スタッフの強いこだわりが感じられる。
Vジャンプの付録として登場したこのカードだが、同時期の付録カードたちと共にPREMIUM PACK 2021にてシークレットレア仕様で再録された。
しかし、シク仕様のカードは1箱に1枚しか封入されないうえに収録カード全てに存在するため、このカードを狙って引き当てるのは困難。
しかも同パックは1人6箱までという購入制限があり、ウィンを引き当てられなかったから追加でパックを購入する、という事もできない。
結果、再録カードなのに
聖天樹・
化石融合・
コロンちゃん関連などの新規収録されたカードを差し置いて同パックではぶっちぎりの高額カードとなってしまう。
再録されたはずなのに入手は困難なままで、むしろ再録版の方がより入手困難で高額になるというかつての
プリズマーのような現象が起きてしまった。
その後は2023年2月に「RARITY COLLECTION -QUARTER CENTURY EDITION-」にてスーパーレア仕様で再録。
これにより仕様を問わなければ安価でシングル買いできるようになったが、同弾では5種類もの高レアリティ仕様でも封入されている。
中でもエクストラシークレットレアとクォーターセンチュリーシークレットレアは21PPの時と同様に封入率が低く、後者のカードは比較的高額で取引されている。
ちなみに海外版であるTCGでは、付録ではなくレギュラーパックである「RISE OF THE DUELIST」にてウルトラレアで初登場。
そして同時に、特別なレアリティであるプリズマティックシークレットレア枠のカードにも抜擢されている。
そのおかげもあってかウルトラレア仕様なら比較的安価で入手が可能なものの、プリシク仕様は案の定霊使いリンクなどと同様に非常に高値で取引されている。
更に追記すると、2020年夏頃よりTCGの高額カードの偽造品が出回っていることが確認されている。
高額なプリシクは偽造のターゲットとなりやすい上に、偽造カードの出回るスピードが非常に速いため、このカードの偽造品が出回る可能性は否定できない。
入手の際はくれぐれも真贋の確認を怠らないようにしよう。
長らく「霊媒師」形態の霊使いはこのカードのみであったが、約2年半後に
アウスの霊媒師である地霊媒師アウスが登場。
その1年後には
ヒータの霊媒師である火霊媒師ヒータも登場している。
守備力1500以下の風属性の方、追記・修正お願いします。
最終更新:2023年06月12日 20:13